tamiのブログ

このブログ・・・妄想ー空想大好きな私が、勝手に楽しんで・・・勝手に文字にしています。ボロボロですが(笑)

sibling 40

2017-02-13 01:56:46 | sibling
『 ・・・だれ!』
驚いて飛び起きたルビーだった・・・隣のソファーで父と医師が静かに話をしていた。
ベッドから下り繋がれた管を剥ぎ取る・・・父が駄目だと近寄る事に怯え、後退りした弾みに器具が倒れ砕けた。

誰か居たと驚いた彼女が、来るなと耳を押さえて少しずつ離れていた。
壁の端へ踞る・・・近寄る二人に怯え声も出ずに来るなと両手を出して必死に止めた。

気づく医師は父を少し離させて、彼らを呼んだ。
入り込んできた人の数に驚いた彼女の泣き顔・・・耳を押さえて耐えるように見返していた。

説明してる間に早瀬が目線を合わせながら数歩前で座りルビーを眺めた。
『ルビー(笑)。今、何処に居るか分かるか?』
ココは何処だと指をさして彼女に笑みみつめた。

震え頭を抱えるルビーに声をかけたのだ。
『ルビー? (笑)それともルー?』
誰だと見つめる彼女・・・言われて考える・・・
『どっち・・・も・・・』
答えた事にホッとして早瀬は微笑んだ。

『俺のルビーは(笑)何処に居た?』
『 ・・・ゆ・・・』
『だな(笑)すっごい激しい夢だったか?』
小さく頷くルビーだった・・・

『病院?』
『倒れたしな(笑)、ナナが運んでくれたんだ』
『あ、ありがとしなきゃ・・・』
『俺が誰か分かるのか?』
『ヒナタ・・・』
呟くルビーに笑み両手を出した早瀬に、迷わずに入り込んだルビー。
抱き込まれてホッとしたのか、ふと皆の目に気づいた。


『ルビー(笑)謝るのはいいんだ。家族だから心配は当たり前だろ?
それよりだな・・・・先生!腕・・・ヤバくないですか?』
ルビーの手首を押さえ込んではいたが、指の隙間から溢れる彼女の血は止まっているのか分からなかった。


慌てた医師や駆け込んできた看護師で彼女の手当てを始める・・・眺めていたルビーが呟く。
『あー・・・大丈夫、痛くな・・・・』
麻痺したようで本当に痛みはなかったルビーは包帯を巻き付けていく事に驚いて言ったのだ。

抱き込まれて安心していたルビーが、大袈裟と早瀬をみていたが・・・現実へ戻されたのだろう少しずつ感覚が手首に戻ってきた・・・だからか、甦るように痛みが沸き起こって目まで潤み始めた。
『いったいよな(笑)』
『血(笑)出てたわよね』
二人が呟く・・・より潤ませて耐えた顔に変わるルビーもいた・・・

声をかけたケイタとナナに、苦笑いで返して小さく頷いたルビーだった。
『ヒナタ(笑)起きろ!』
タケルが笑って呟いた・・・ケイタはカオルを促してルビーをベッドに運ばせて、今度はタケルと早瀬を挟んで椅子に座らせた。

『ホッとしたヒナタに力はない(笑)。拒否されないように近寄らず遠ざけず・・・確認するようにルーに声をかけてたな』
『ヒナタ・・・何で?』

『・・・思い出した過去に・・・恐怖の中に戻ってるルビーなら俺は拒否される。されたら俺がヤバい(笑)』
『とっさにソコって。医者の俺より凄いぞ(笑)』
『これ、続くのか?』
『 ・・・・』

ベッドの方では医師と話していたルビー・・・その様子を見ながら話をしていた。
早瀬の隣に座るカオル・・・
『ルーを守る手が近い早瀬さん・・・ヒナタさんと(笑)ナナさんが居て良かった・・・
不思議と・・・俺が大人になった?(笑)皆も微妙に楽だろ・・・そんな顔だし』

『(笑)どんなだ?』
『辛くて泣きそうな顔・・・(笑)特にケイタ兄はルーから確認して皆を見てくる。
(笑)だから大丈夫だぞって顔で俺は待ってた』
『ん?』
『(笑)それはタケル兄もだ。どっちか一人がルーの所にいたら大丈夫かって目で皆を見てたんだ。

知らないと分かれば、近場の兄弟に離させて慌てないように説明までさせてたよな、だいたいは兄貴・・・ルカ兄だったけど。

ルーがこうなった理由の説明(笑)とか、待ってるけど 泣くのはリコ・・・騒ぐのはイオリ・・・その声で我慢して動くのはルビー・・・大丈夫って我慢・・・

俺は下二人を離して笑わして(笑)、からかってみたり・・・無理だったら連れ出してた。
それが早いと教えてくれたのはルカ兄だったし(笑)、ルーについたら俺が言ってた』

『そっか(笑)子供の頃からなら凄いな』
『んー(笑)頑張ってる親だと知ってるから・・・出来る事はするって話してたし。
ルーは皆を自分より大事って優先してるのも知ってたからかな。
ちなみに(笑)ルーと寝てないですよ』
二人で笑う声に皆も笑う・・・

『(笑)起きた後の行動は早い。それは言われる前にしたらいいと思うぞ?(笑)自信もてよ』
『ん?』
『やりこなせる腕はあるのに、動かねーんだよな・・・(笑)俺の同僚の話なんだ』
『 ・・・』
『(笑)今ので理由を知ったし、見守りってヤツを頼んどくな(笑)』
『 ・・・お、お願いします(笑)』

『ん?誰だ?』
『(笑)寺河・・・』
『ん?ソウジ?』
『えっ、タケル兄も知ってんの?』
含み笑いのタケルと早瀬は笑いながらカオルを眺めていたのだった。
笑ってカオルの肩に手を置くケイタもいた。

『カオル(笑)ヤバイね、繋がり』
『それは俺だろ。同級のお前はケイタ兄と繋がるし・・・今なんか上司とも繋がる兄弟が出来たぞ?』
ヤバイよなと苦笑いをするカオル。

『(笑)うかつうかつ!』
声にするなと笑うナナもいた。
『わーってるよ(笑)、正しい言動ファイトだろ?』
ファイトファイトとナナが笑って拳を握りカオルに見せる・・・口チャックと手を握りしめて笑っていた。



眠るルビーを抱き、静かに横になった早瀬・・・場所をずれたルビーに苦笑いをした。
起こした事に口を引いて、腕枕をして包んだ。

『ヒナ・・・タさん』
『 ・・・怖かった・・・ルビーと話せなくなると・・・会話さえ・・・出来なくなるかと思った・・・』
ルビーの顔に寄せて呟く早瀬に、そっとルビーは彼の頬に触れた。

『ヒナタさん・・・明日は仕事?』
『午後からにして貰った。声にしてみたいのか?』
『ん・・・でもね・・・それは貴方に・・・』
『聞かないと分からないしな・・・』
彼女は迷うように話を始めた。


『 ・・・普通って何かな・・・普通じゃないって・・・』
『悲しかったな・・・』
『ん・・・
だけど当たり前できたから・・・他の人達からしたら近すぎなんだね』
『兄弟なんだけどな・・・』

『皆に触れた温かさで、不安とか恐怖とか・・・辛さも全部が私の中から消えてく事を知ってから・・・それで安心って思うようになったの。

だけど、ギュッてする手が震えてた・・・大丈夫、良かったって言葉の代わりに・・・安心出来た事を確認したくて言葉や態度を読み取るぞって抱きつくのかも。

本当に大丈夫だぞって安心しろって、不安を残さないように言われてる気もしてた。

ケイタ君やタケル君にも(笑)抱き締めて安心してって、大丈夫って言ってる。
話さないと離れなかったから・・・』

『ルカは?』
『殆んど言葉は足りてない(笑)。だけど不思議と近くで不安を取ってくれる・・・
ルカ君が来るのは最後(笑)、頑張った後に・・・それと、自分でもヤバいって時にルカ君には見付かってた』

『バレるの早かったのか(笑)』
『(笑)隣に居たの・・・・・・
大丈夫かな・・・ちゃんと休んで食べてるかな・・・
物凄く疲れてても寝れてないの・・・辛いって言葉がでてるのに・・・』
『だから、一番・・・気になるのか?』
早瀬の呟きを眺めた。

『本当に辛いのに我慢するの・・・それは皆よりも。それが気になって悲しくなる。
だから顔を見てから寝ようって思って・・・』
『(笑)ルビーが先に寝てる・・・』

『 ・・・つい(笑)。いつの間にか帰ってて、大丈夫っていう手を確認する。
本当に大丈夫だと思えて私も寝ちゃうんだけど・・・物凄く安心するのか途中で起きれなくて・・・』
出来ないのだと苦笑いして、小さく微笑んだ。

『ん?手を繋いでる?』
『あー、えっとね。ケイタ君達みたいに大丈夫かって背中まで抱き付くけど・・・ルカ君は片手は繋ぐの。
それは大丈夫って、離さないから安心しとけって言われてる気がしてた』

『タケルも手は繋ぐよな(笑)』
『ん・・・寝落ちしたら部屋に連れてってくれるかな(笑)
皆に助けて貰い過ぎだね・・・』
『ルカ・・・頑張ってるさ(笑)、祈ってろよな』

『極端にハードだよね(笑)。そこまで辛い場所なのに、何でそこに所属したいのか・・・』
『(笑)でも、そこで頑張りたいんだろ・・・』
『そうだった(笑)。
・・・・・マリーさんと話をちゃんと出来なかったな・・・』

『何で行った?』
『マリーさんが一人の状態が悲しかったから・・・・それに・・・
ルカ君も・・・助けて欲しくて・・・話も何もしなくていいから、隣に居て欲しかったと思ったの。

誰かがいてホッとしたら、ルカ君は眠れるの・・・爆睡(笑)するって言ってた・・・温かいから』

『そっか・・・』
『・・・・疲れた顔で寝てると悲しくなる・・・心が痛そうに思えて・・・』
『ルカだけ?』
『 ・・・そうかも』
何でと考えるルビーを抱き締めた。

『手を繋ぐと安心?、俺にもしてたな(笑)』
『(笑)温かいの』
『ルビーから(笑)繋ぐぞ?』
『 ・・・(笑)そばにいるって分かるから・・・私だけを見てくれるから。
・・・自分の知らない私が居るって・・・(笑)だけど大丈夫って・・・』

『(笑)兄貴じゃない』
『(笑)知ってる。兄貴にない感情は・・・全部の私はヒナタって人に渡したの(笑)そしたらヒナタって温かい気持ちがココに住み着いた。

皆もくれるけど・・・帰っちゃう・・・いつも居て(笑)覗くと笑ってる』
照れながら話すルビーに苦笑いをしながら話していた。

『・・・・あのね、本当にヒナタさんを愛してるよ?
ケイタ君もタケル君もルカ君も・・・家族だから好きだけど・・・そうじゃなくて・・・違う好きで・・・

(笑)居ないと自分じゃなくて・・・隣に居て欲しくて・・・大丈夫って守りたくて・・・
ココにある私への不安は取れない?』
『 ・・・』

『 ・・・ケイタ君達みたいに守られてるから、離れないから愛してる訳じゃない・・・
似た愛情だけど・・・違うもの・・・同じだって、ヒナタさんも思う?
ルカ君を愛してるって思える事を私はしてるの?』

目を潤ませて聞くルビー・・・マリーにそう思われていた事を知ったから悲しいのだと思えた。

『(笑)兄弟の目は家族が愛しいと思う目だった。
それは恋人に向ける目でもないと知ってる(笑)・・・その目はルビーも同じと気づけてる俺も居るぞ』
本当かとジッと顔を見つめるルビーに微笑んだ。

『信用しないのか(笑)』
『分からなくなっちゃった・・・違うって思ってたのに言われたから。
マリーさんに話す時に・・・ルカ君よりに話しちゃ駄目だって思えたから頑張った・・・

でも、マリーさんが返す言い方は疑ってる声で・・・誤解を解いて話さなきゃって思った。
看病してた私の行動で思ったから、それは皆にしてるし・・・余計に絡まないようにって・・・

夢でね・・・夢・・・怖い夢を見たの』
突然 言い出したルビーに驚いた・・・手の震えに、それはさっきの事と知った。
戸惑う早瀬に、そっと凭れ胸へ顔を埋めたルビーもいた。

『ジッと我慢して怖さ まで我慢したルカ君の顔・・・私は泣いてた・・・だけど我慢したルカ君がギュッて・・・
何かで縛られながら・・・頑張れって声がしてた。

縛ってる人がルカ君に、大人しくさせたら殺さないって言った。
二人が一緒に静かにしてるなら、大人は私達に手は出さないって・・・

本当に怖くて・・・目は閉じてろって聞いてから、私はルカ君にグッて・・・顔を押さえられたの。
力が抜けそうで・・・物凄い音の中に連れて行かれて・・・最初は耳を塞がれて・・・でもそれは離されそうだった・・・

ルカ君が手を間に挟んで私から離れないようにしてた。
真っ暗になっても・・・誰かの叫び声とか・・・・』

耳を塞ぎ出したルビーが震える・・・より抱き締めた早瀬はルビーの呼吸を整えさせた。

『ヒナタの声・・・(笑)』
小さな囁きがした・・・続けて話そうとするルビーの声は小さくなり・・・それは気を失ったのかと焦り慌て顔を眺めた。

眠りに落ちたのだとホッとした・・・そっと早瀬は振り向く・・・悲し気な笑みの重なりは数多くあった・・・
二人へ優しく布団を被せるケイタだった。