tamiのブログ

このブログ・・・妄想ー空想大好きな私が、勝手に楽しんで・・・勝手に文字にしています。ボロボロですが(笑)

ファミリー 19

2016-11-26 08:17:06 | ファミリー
少し前の穏やかな日常生活が戻ってきた…はずだった…

変わらず送迎付きのユリに笑いながら出迎えた。
『やっと会えたじゃない…』
『久しぶり(笑)。バイクは乗れるようになった?』
『ならないよ…怖いし(笑)。電話一本で来てくれるから大丈夫よ…』

『2年生はどう?』
『細かいよ…またあの教授だし』
『マジ?(笑)』
『適当に時間割を組んだけど(笑)直しは大丈夫だから言いなさいって…聞いてる?』
『メールはあった。学長から直に(笑)。誰かが手を回してくれたみたい…だから、絞って選んだよ』

『…イルが寂しそうだったわ。エルが好きなのね(笑)。友達が励ましてた…』
『どこに居たかは…』
『誰一人言ってないけど(笑)パソコンに触る人達なら気づいてるみたいよ。
で(笑)話題はエルのネームよ、今の話題は』

『なんて?(笑)』
『なんなの?本当は(笑)』
『秘密よ~(笑)』
『誰も絶対にコレだってネームは出なかった。しいて言うなら小僧と…レディと…何だったかな』

『じゃユリにだけ(笑)。全部違うわよ…』
『ふぅ~ん(笑)。何で秘密にするの?』
『自由に歩けないから(笑)。乗っ取られて悪用されて冤罪に持っていかれても嫌だしね…』

『坊主みたいに?』
『ん…秘密なのに知られて悪用されてるから(笑)。何か変だと思ったら言ってよ?確認するからね(笑)』
『分かった(笑)。エルは聞いてる?ケイさんから…』
『なに?』

『聞いてないか(笑)。組を完全に解散したわ…会長の意志だったから。少し荒れるから気をつけてって(笑)。
またあの刑事が張りつき始めたのよ…。見た事あるなーって思ってたんだ…』

『ボスは大丈夫?』
『(笑)…皆の家族を心配してるよ。今まで平穏だったけど…』
『じゃ絶対に気をつけてよ…。そういえば、最近…近所にあったな車が…(笑)調べてみる』

『もう帰る?』
『ん…帰ろうかな(笑)』
ユリにニヤ笑いする彼女
『の、乗らない…時間の指定したし頼んだわ!』
理由に気づく彼女の顔が引きつりだしたが、エルに話をした。

『ハハッ(笑)あと何分?…』
時計を見ながら笑みを浮かべ呟く。
『30分だよ(笑)』
『なら待つよ(笑)珈琲飲も』
『サンキュ…』
入口に近いカフェで二人は話をしながら飲んでいた。


ベンチに座りパソコンを動かしていたエルを、後ろから抱き締めて肩越しにパソコンを覗く彼に笑う。

『なんで防犯カメラなんだ?』
『…うちにハザードがついたから』
抱く手が強くなった…その手に優しく添えて微笑んだ。
『だから予防してる(笑)大丈夫』
エルの呟きに笑み返した二人に微笑んだユリ…そのユリの隣にジェインが座った。


エルが携帯を手にし静かにと皆へ目線を送る…
『もしもし?』
『エルに電話しようと思ってたんだ(笑)』
『後ろに…』
『あ~たぶん、気づいてるな(笑)ユリを頼む。待つふりをして帰るから…』

『分かったバイクに乗せる。少し流して…ボスの所に送る…』
『そうしてくれ…』
『気をつけてよね(笑)』
『大丈夫だ(笑)行け…』
『家に入れたら鳴らす…』
『なら3つ(笑)』
『了解(笑)』

話を聞いたユリが鞄を背負う。
『送るよ…』
目が合ったイルが直ぐに言った。

エルが荷物をしまいながら微笑んだ。ユリに鞄を渡すと苦笑いして言った。
『待ってて(笑)。ヘルメットを持ってくる、ジェイン…ユリと居てくれない?』
『いいぞ(笑)』
返事を聞いたエルは、イルの手を繋ぎ歩き出した。

『大丈夫…送らなくていいわ。逆に奴らに居場所が見つかるから…そしたらサン達が危ないし。
貴方の家が見つかれば貴方が危ない…ごめんね。
それは私が怖いの…だから二人で行くわ。
たぶん知らせが入ってるから、途中から離れてボスの部下が着いてくるはずだから』


ロッカーからヘルメットを取り出すと、彼を抱きしめ見上げた。
「…言えってか」
気づいたイルが肩を落とした。
頷いたエルが微笑んだ。
「俺が不安なのに…」
「言って(笑)」

「大丈夫だ…エルなら大丈夫」
抱きしめたまま彼女の頭に顔をあてた…。ヒュ~!っと冷やかしが入るが、それでも構わずに互いに笑み返していた。
「人の気もしらないくせに…」
呟く彼に悲しく微笑んだ。

「私…強いんですけど(笑)。軽くぶっ飛ばします…」
「出来るだけ素早く逃げろよ(笑)」
分かったと頷くエルに笑み戻っていった。


小さな機械を出すと、バイクに付けられた発信器が見つかった。
『イルのバイクもあるよ…』
信号を辿り調べて行くエルだった。
『前にエルが乗ってたからか?』

『一応…あの自転車に身代わりにつけちゃう?(笑)。どこの誰か…ごめんよ』
そう呟き移動したが…ジェインにまであり、もっと驚いた。

『駄目だ(笑)纏めてそこの木に吊るして置こう…。マジで気をつけてよね…巻き込んでゴメン』

エルが言うとジェインが笑みながらユリをみやる。
『ちゃんと守れなくてゴメンな。俺は助けて貰ったのに…』
『大丈夫よ(笑)たぶん警察も入るから…少しだけ期待しよ』

『しなくていい(笑)私が守るから大丈夫…』
『だってエルは…』
『大丈夫(笑)中を守って貰えたから平気なの…』
ヘルメットを被りながら言った。

『気をつけて行けよ…』
真剣な目で話すイルに頷き、深呼吸をしてユリを見つめた。
『スウ聞こえる?』
ヘルメットにつけられたイヤホンで話を始めるエルだった。

『早く出ろ…』
『今から出る』
ユリを乗せてイルを見た。互いに笑むとバイクを走らせた。


『あれ…バイクで追跡するんだ(笑)』
後ろから来た者を確認し、流して走る二人…遠回りしながら、時々停まり話をしてはバイクを走らせた。

『ねぇ…お巡りさんが着いてくるんだけど…』
『バイク?』
『車よ(笑)さっきの信号で気づいた。顔見知りさん(笑)、バイクのは離れて停まったよ…』

『ユリ…家に向かう』
『そうしよ(笑)大丈夫だよ…』
頷くエルに笑み、彼女にしっかり掴まり直した…。

スピードを調整し走り出したのはエルだった。
後ろに張りついたバイク……車のクラクションが鳴るとバイクは離れていった。
『ユリ…片手をあげてVサインしといて…』

言われた通りにユリはすると直ぐにエルに聞いた。
『なんで?』
『取り合えず、追い払った……あのバイクの奴が蹴ろうとしたからなんだけどね(笑)』
『だから鳴らした?』
『そう…飛ばすね(笑)』
ユリはしがみつきスピードは上がっていった。



『助かったね…』
ヘルメットを後ろのネットに挟んだユリが呟く。
『私が蹴り倒そうとスピードを落としたのに…』
残念だと呟き苦笑いをするエルがいた。
『あー(笑)信号に合わせて?』
頷いたエルに笑う。


門があきボスが出てきた。
『エル…助かった(笑)家に泊まれ…ケイも安心するだろ』
『すぐだし(笑)5分しないので帰ります(笑)。スリーに家の前に出てて貰いますから…』
『気を付けるんだぞ…』
『はい(笑)』
手を上げてバイクを走らせた。


家の前にスリーが門をあけて待っていた。
後ろからスピードを上げてきたバイクに気づき、急ぎ停まる車の前に停めて避けた。
すると急ブレーキをかけたバイクが反転しエルに目掛けて向かってきたのだ。

塀を使い空でバイクを勢いよく蹴り倒すエル。
起き上がった男に、新たに回し蹴りし足を降り下ろしたのだった。

車にいた人が飛び出てきて、地面に倒れた者を押さえ込んだ。

エルがヘルメットを外して顔をみる……スリーもみやるが見知らぬ顔を確認するように眺めた。
『なぜ狙う…』
『お前らのせいで、ボスは捕まったんだ…俺の居場所が無くなったんだぞ』

『ボスの名は?』
『チュインだ…。解散させられて離されたんだぞ…』
『なんで今よ…』
連れて行こうとした刑事を止めたエルは、引き離して地へ彼を押さえると睨みつけた。

『復讐するなら今じゃない…』
『ボスの代わりにチャン兄貴の所に戻れたのに解散したんだぞ(怒)』
『チャンさんに言われなかった?先で解散するって…だから皆を出すとも言ったはずよね?
私はそう聞いたけど?』

『言ってたさ…だから反対グループに混ざった』
『ユリを狙ったから…消えるのよ? …貴方はボムの会社にって言われなかった?』
『なんで…』
と驚き呟いた。

『若いから…働き先を言ったと思っただけよ。そういう人達を受け入れて抜けさせて生かすって聞いてたしね……』
『解散は会長の望みだった…。自分より家族の為にと。
なんで素直に命を受けなかったんだ!』
スリーが男に言った。

『貴方はチャンスをぼうにふるの?貴方の保護者が望んだ先を? 』

涙をこぼし彼を見つめていたので、男は驚いた。
『世間は、家族にとって辛いのよ?身代りに誰かが泣いてない?』
エルの声音の優しさが、男を包んだかのように体の力は抜けていった。
項垂れた男に悲しく…それ以上何も言えなかった。


彼を起こし、ようやくきたパトカーに乗せると男を向かわせた。

『お世話になりました…』
エルは刑事に頭を下げて礼を言うと、自分のバイクをしまう……男が乗ってきたバイクを観察した。

『大丈夫か?』
あとから来たスウが言った。
『バイクが違う…』
『追った奴じゃない?同じ…』
『似てるけど違う…車は?』
『途中から離れてった…』
エルは急ぎ車庫へ入ると、パソコンで調べ始めた。

『ほら…掴まった奴のバイク。こっちは学校から着けてた奴』
画面で見せたモノへ指を指して説明をするエルだった。

『ソレをプリントして提出を頼みたいが…』
『大丈夫です。身内の争いだし』
取り合えずと声にしたエルだが、目は合わせず またパソコンを眺めた。

『スリーはケイちゃんに言っといて(笑)。で…私は大丈夫だから、エリちゃんやケイン達についてよ』
スリーはエルを見て考えスイをみた。

『エル…バイクを貸しとけ』
『いいよ、イヤホン付きのメットにする?ユリのもだし…』
『あるのか?』
『ある…4つ(笑)2、あまり』
と車庫の壁を指差した。

バイクのカバーを外し転がして出すと笑み返していた。
『エル…ユリには無理だろ。これは重いぞ…』
『乗らないと思ったから変えたの、これは私仕様…ソコのと、どっちか選んで。
ユリは今日のが、乗りやすいみたいだけど…』

『違いはココだけ?』
『ん(笑)重さは一緒だけど、後ろの乗り心地が違う(笑)。私には乗りにくいんだけどね…』
『ユリに合わせて乗ってたか?(笑)エル。お前が乗りやすい方にするんだ。逆に危ないんだぞ』

『分かった…なら赤にする(笑)』
『良かった…(笑)派手な色は落ち着かない』
『意外と夕方からは目立たないんだよ?』
『黒でいい(笑)』
『じゃお揃で(笑)』
笑うエルが黒目にコーティングされたヘルメットを渡した。

携帯を手にし離れたエル
『なんだ?男か?』
電話するエルに声をかけた。

『ついたか?』
『大丈夫(笑)そっちは?』
『つけられてない。暫く会社にいる。調べたけど近所には居ないみたいだ…』
『ならサンが出る時は誰かがついてね…』
『分かった……良かった』
『ありがと(笑)』

息をはいたエルに呟く。
『無事か?』
スイに聞かれ頷いた。
『大学の中で発信器って…』
縁台に座るエルの隣に座りだし、皆で考えこんだのだった。