tamiのブログ

このブログ・・・妄想ー空想大好きな私が、勝手に楽しんで・・・勝手に文字にしています。ボロボロですが(笑)

かごのとり 13

2018-08-28 09:34:14 | かごのとり

<シャイン>


店の流れを掴んだ頃から、店内へ姿を出すようにした。

新人だと声には上がれど、奥専用と滅多に客へ出さないママ・・・それでもVIPという立場の人達には挨拶をするだけだった・・・

きめの細かい気遣いを体験すれば、少しの期待は小さな隙間を観察するに留めていた。

『ママが(笑)出さないので』
『(笑)あんなに綺麗で?』
『裏方専門(笑)。いいから私と飲みましょ(笑)』
店の子達は会話を外して話題を切り替えた・・・

あちこちで囁く日々を暫く作る事にもしていたのだった。


店内へ身を浸す・・・接待に使われる場所へもママのナナオが彼女を連れ出す。

色んな事に不自由なく受け答えする彼女だからか、好んでナナオへ連れてこいと声にする客が増えた。
聞かれた事も難なく答える度胸の良さはナナオも感心した。

『秘書並みに凄いな(笑)』
『仕事にした事もあるんですって(笑)。小さな会社らしいけど』

笑みながらナナオが呟く・・・場所を聞かれてもシャインと答える彼女に話は止まった。

どんな立場の人達にもナナオは連れ出し席へ交ぜる・・・理由を問われ見習いと濁す事も忘れなかった。

借金の返済と濁し、いつかは昼へ交ざると聞けば興味は沸くのか色んな質問は繰り返された。

あらゆる資格は取れている事を知れば自分の秘書を使い試す人達・・・言語さえ簡単に呟く彼女の腕の良さは感心しかない。

自分の秘書よりも優秀なのだと客は苦笑いし、気遣いの上手い人だと理解した秘書という立場の人達は静止して見習った。

バイトをと促され迎えに来た秘書と話し合う・・・
『専門用語は大丈夫でしたか?』
『(笑)忘れてるかも・・・旅行で言葉は忘れないようにはしてたけど・・・
これは仕事に繋がるんですよね?
会社へご迷惑はかけませんか?』

『 ・・・』
『違う目的も交じるなら、それは犯罪として持ち込みますけど?』
『 ・・・』
『仕事にベッドを使うなら、近い将来は足が揺れるのでしょうね・・・
ママに集金するよう言っとかなきゃ・・・』

『それっ』
『揺らいだらツケたモノは戻りませんもの・・・
信用も消えたなら返済して貰えずでしょ?』

『手が早い人で・・・それでも我が社には必要なんです・・・』
『初めて?』
『いえ、更新です・・・今は濁され・・・』

『目の前に餌を投げられてるのか・・・。
そんな人なら何処かでミスしてるのかもしれませんね、ソコを叩いては如何です?』
『今の時ではないと伏せています』

『そう・・・一気に下げたいって事は危ないの?』
『 ・・・』
静かに車を路肩へ停めた彼を眺めるハヅキだった。

『サクラさん・・・どちらへ浸りたいですか?』
『いつかは表へ出たいだけよ。今回のは先の手慣らし(笑)。自分の為に忘れないように受けただけよ』

『サクラさん・・・』
『夜に浸るつもりはない・・・必要に迫って店に来たけどね・・・』
『それはナナオママにも?』
『言ったわ。もうすぐ完済も出来るし・・・店は終わり(笑)』

『辞めさせられませんか?』
『今すぐ辞めても大丈夫よ?、余裕が出来た生活をしたくて働いてるから(笑)。
わざとに完済してないだけだもの』
自分の言葉に驚いた顔で見返す彼に微笑んだ。

『夜でなぜ本名を?』
『自分だからよ(笑)逃げも隠れもない・・・だけど名字は必要ないしね(笑)それだけで逃げる会社なら狭い場所に止まってたらいい。

腹が据わる大きな会社を探せばいい・・・(笑)それだけよ。
見つかれば浸り自分の力を注げる・・・昼に生きる自分が作られるだけよ』

『貴女へ一任する専務の意味が謀り知れず・・・秘書室は黙ってます』
『(笑)ミスったら私のせいに出来て自分の秘書だけで終わらせられるわね(笑)きっと』
『 ・・・』
やはりと項垂れる彼に微笑んだ。

『秘書に任せる上司は、その上から頭を蹴られるわね(笑)。知る人に告げ口して頑張ると伝えて』
『 ・・・』
『(笑)秘書なら誰が全うか知るのでしょ?先の為に繋いでおかないとね』

楽し気に事を運ぼうと考える彼女に驚いた・・・自分が働く会社でもないのに、ミスする怖さはないのかと眺めた。

確かにとも思え考えるように携帯を眺めると息を静かに吐ききり電話をかけたのだった。


待ち構えた人に会釈する・・・裏で繋ぐ手を切り離す・・・言葉巧みに話す彼女に負けじと声にもした。

『一泊と約束したぞ?』
『仕事はねじ曲げず(笑)正当にしたら、そちらは潤いませんか?
堂々と声に出来ませんか?』
『 ・・・』

『(笑)こちらも・・・準備していないと お思いですか?』
『そ、それ・・・は・・・』
『副社長達が話をしていたので(笑)』
『ん?』

『(笑)秘書は、どの場所にも入り込みます。まして私の今は別・・・その上の方の囁きも知ります(笑)。
今、ここから出たら秘書のこの方へ囁いても私には関係もない(笑)、そう思いませんか?』

静かにゆっくりと話す彼女を、考えながら眺め始めた事に秘書は気付いた。

交渉の上手さ・・・言葉の使い方に関心して聞き入った・・・足りない言葉さえ止めろと自分の膝へ手を乗せて止める彼女にも驚いた。

まるで自分が責任を持つと言いたげで驚くしかなかったのだった。




深々と礼をした彼に微笑んだ。
『今回の事もですけど(笑)巻き込まずにお願い出来ますか?』
『貴女の手柄となり入社出来そうな気がしますが・・・』

『(笑)いいの。まずは自分の今を綺麗にしなきゃ進めないと思う。
頑張った貴方が上司へ話を通せばいいだけよ(笑) 謀り事の始まりで先へ伸ばされたくない・・・』

丁寧に会釈した彼女・・・車を出せと促した彼女は歩道へ佇み自分へ笑み返した。

OLという姿の彼女・・・それだけの佇まいは自分と同じ本職の気もした・・・繋がった自分のクビ・・・それは彼女のお陰で免れた事に感謝しながら社へ向かうのだった。



小指ほどだろう繋がりを確認してしまったハヅキ・・・それでも自分の店を守る為の事だったと気付く。
仕方ないと街を彷徨きながら辺りを観察し眺めながら歩くのだった。

部屋に戻り眠っていたマリナを眺め考えた・・・変な方へ巻き込まれていく事は気づいた・・・全ての信用は不可能なのだと思え・・・それでも助けてくれた今を感謝し、深々と礼をした。


携帯が震え何だと眺めるハヅキ・・・笑みは溢れ声を聞き入った。
アキが呟く・・・直接声にもせすに大丈夫かと自分へ言葉を放る・・・返事は待たずに楽しかったからと暫く話をしてくれた事に感謝した。

『臨時採用枠が出来たから、申込んどいた・・・どうせなら乗り込んだら?
本当は嫌だけど・・・落としたくないけど・・・終わらせる事な可能なら行ってみな・・・』
『アキ・・・』
『(笑)サクラが出来る範囲でね・・・』
『ありがと(笑)』

その日までにと、シャインへ出向き表へ出ると声にした。
何度も謝る人に苦笑いをした・・・それでも微かな繋がりは早くも出来た事に感謝する。

ママは気付いていない・・・店の入り口で自分を観察し、スッと姿を表へ戻した人・・・その記憶は鮮明に思い出された。

自分かと確認は始まる・・・だからシャインから離れようと考えてもいた。
誰かを巻き込む怖さが自分を締め付ける気もした・・・

通帳の数字に暫くは大丈夫という金額は示された。
一人離れる為に行く・・・暫く佇み写真を眺め誓いを立てる。

あの頃に戻れない悲しさ・・・全てを置いて先へ繋げようと彼女は息を吐き前へと見据えたのだった。