tamiのブログ

このブログ・・・妄想ー空想大好きな私が、勝手に楽しんで・・・勝手に文字にしています。ボロボロですが(笑)

sibling 39

2017-02-13 01:25:10 | sibling
ルビーがいる部屋のドアが見れる場所に見舞い客用の部屋が いくつか並んであった。
そこの一つを借りた母は、父を残して皆を呼んで座らせた。

カオルがやって来た・・・
そっと袋から皆の分の飲み物を手渡していった。
『取り合えず俺からね・・・
俺は先輩に呼び出されたってリコ達には言って出た。

外で兄貴に会ったから、同じ理由を言ってケイタ兄は急な仕事、それからルー達とケイタ兄達は遊びに・・・タケル兄は病院からの呼び出し。

それから・・・それから、父さん達はデート・・・そう言ってから寝かせた』
辛さを耐えて話したカオルの頭を撫でた母だった。

『狼少年は大人になったら簡単だった・・・子供の頃より頭は回る・・・
だけど痛い・・・兄貴が気づいたらって怖さで・・・』
『ごめんね・・・』
そっとカオルの背を撫でる母・・・泣かないように・・・強い母を見せるように瞬きを多くして我慢していた。


『今から話す事は・・・今のルカとルビーは覚えてないの・・・それは今も同じ。
当時の記憶が抜けたの・・・起きた怖さだけルビーに残した。
ルカは完全に記憶さえないわ・・最初の原因は皆も知る・・・だけどルビー達に起きた事は誰も知らないの・・・』

『母さん?』
『ごめん嘘を教えた・・・』
『逆恨みした人が、家へ乗り込んだんだろ・・・』
『人・・・だけじゃなくて組・・・
その時に連れ出されたのはルカ・・・それを止めようとしたのがルビーだった。

刃物で脅され・・・殴られた・・・それでもルカを離さなかった・・・
ルカも抱き込んで守った・・・刺されそうな恐怖をルビーに見せないように抱いて目を隠してたらしいわ』

『その怖さが・・・』
『ずっと目隠しされてた。離さなければ泣かなかったから抱き込んでた二人を一緒に連れ去った。
何処かの店らしいけど騒音とか、争いは激しかったらしくてね・・・
その中で・・・袋に入れられて床へ置かれてたって聞いたわ・・・』

『だけど俺の・・・』
『そう・・・ケイタが繋いだ手・・・その感覚と声は逃げてた時の事・・・タケルと逃がした事までは覚えてないの。
ルカは殆んど・・・話を聞いてる間に錯覚したみたい・・・

だから最初はルビーに戸惑ってた・・・二人がいるから大丈夫だろうと、自分は何も出来ないしって逃げてた。

初めてルビーがルカの手を取った時に・・・ホッとしたって言ってたわ。
自分なりに、ルビーを助けられるって・・・』

『今思うと・・・』
『(笑)ケイタが皆へいう間にルビーの隣にいたでしょ・・・
触れて安心してるルカとルビーだったわ・・・その場その場で抱き着いてホッとしてるけど、ずっとじゃなかったわよね?ルカ以外・・・』
『無意識に互いに安心してた訳だ・・・』

『そう、医者にも聞いたわ。
抱いて触れてるルカに安心して、守られてると大丈夫と思えるルビーだった。
ヒナタが嫌な話かもしれない話だけど』
大丈夫かと様子を見つめた母だった。

『 ・・・』
何も言えなかった・・・それはルカの思いはと考えた事があったからだ・・・ケイタやタケルに沸かない感情はルカには微かな違和感が残っていたからだ。

『互いに癒しながら育った・・・それがあって・・・余計に。
ケイタの叫んだ声で自分の居場所を知った・・・それからは守られた安心を手放さないでいたわね。

皆を恐怖から切り離す先を考えた・・・シンジュの事・・・それから私の仕事、お父さんの先の仕事・・・
全てが同時に我が家を襲ったわ。二人から目を離してしまった・・・

ケイタとタケルが全てのように自分に寄せた・・・学校にいくと事件の事が話題に出て怖くて行けなくなった。

だからシンジュと過ごした・・・よく笑う子だったから(笑)ルビーは安心する事だけにシンジュだけに・・・ルビーの話を聞いて言葉を繋げて・・・何でも話せと言い聞かせるほどに声を出させてた。

それでも発作が襲う事があったらしくて、泣いてたルビーをルカが抱いてたらしいの。
怖くなかったと笑って言ったルビーにホッとした事もある。

寝落ちするルビーを思い出してみて(笑)完全に隣で眠らせてるのはルカ・・・上がり込んで眠るルビーもルカだけじゃなかった?
それはヒナタもだったけどね(笑)』

『あー凭れてた・・・兄貴ん時も・・・仕方なくベッドに寝かせるけど朝まではない・・・』
『抱いて寝てるけど、朝早くに起きても居ない(笑)』
『爆睡するけど(笑)ルビーはしてなかったと思うわ。
守りたいから、助けてくれたから二人を助けたいルビーいる。

それはルカにもって言うけど・・・深く辛さを取りたいのはルカ・・・
覚えてないけど守ってくれたから・・・ルカが安心するから預ける・・・自分の安心も取れるから』

『確かに・・・最近はルカに不安で、眠れずに起きてる・・・』
『ヒナタ?』
『ベランダ前のソファーで、座り込んで考え事がありそうな顔をしてます』
『部屋に入らず?』
そうだと頷く早瀬を眺めた。

『ごめん、ルカに・・・』
『ソコで繋がってないと思いたいですけどね(笑)。自分の事を何でも話すようになりましたし・・・』
『辛さは?』
『ないです・・・だけど聞いたらブレそうな気がしてきて怖い気がしてきます・・・』

『ナナ・・・彼女・・・マリはルカをどう思ってるかな・・・
ルカも彼女に本気とも思えなくて・・・彼女も本気と思えなくて・・・二人の言動でそう思ったんだけど・・・ 違うかな』

『 ・・・・マリは理解出来なかったです・・・
外国ならハグもあるからって・・・仲良すぎって感情しか私には起きませんでした・・・それに心の安定に互いに抱き締めてると知ったので・・・

だけどマリは・・・兄だからと、男だから普通はしないという言葉で返してました。
だから理由も・・・怖さや大丈夫という言葉の代わりにするから・・・大丈夫、嘘じゃないと知って欲しくてって言ってました。
触れた時に分かるとまで・・・だけど信じてなかった気がします・・・

初めて会った時のマリじゃない気も・・・するんです。
自分に必要とは言うけど・・・愛してるとか大事とか・・・聞いた事もなくて・・・最近は理由も分かりません・・・なんで怒ってるのか・・・訳が・・・』

『 ・・・・(笑)自分の輪から取られそうな気持ちが先にある?。
愛情じゃなくて執着・・・妹を優先するルカからルビーを離れさせたいと思ってるとか・・・・』
『もともと・・・彼女は楽しく行きたいんです・・・知らない事がたくさんあって・・・ルカさんと体験する事で毎日が楽しいと初めは言ってました。

この所は・・・会う事も少なくて・・・暇な時間のスレ違いが増えたので・・・
ルカさんに合わせたんですけど、遠出じゃなかったって聞いただけで・・・』

『一緒に体験したいだけだったって事?』
『 ・・・』
ナナはそうだったか考えていた。
『学生の頃(笑)、友達がマリーと付き合う寸前までいって別れた。
刺激が欲しくて、その場その場で楽しみまくるから・・・合わせる事が辛くなって、彼女に話したら逆ギレされて別れてた』

『カオル?』
『(笑)ナナは、マリーだから・・・そういうマリーだから気にしてなかったろ。
俺もそう思って、行く場所で自分も参加するか しないか決めてた(笑)マリーは全部行ったろうけどな』
行ったとカオルに頷くナナに苦笑いをした。

『ルカは・・・マリーの明るさに惚れた?』
『気になっただけ・・・笑える楽しさを味わいたくて・・・一緒にいて嬉しい事で愛情の意味を間違えた』
ケイタが呟き早瀬が言った。

『愛した嬉しさじゃなく、楽しくて嬉しい・・・一緒にいるから・・・』
『あーだから寝落ちしたルーと一緒に寝てたんだ・・・彼女と会っても無理だったから・・・それで癒されてなくて疲れも取れないから。

前の引越しの片付けてる時に・・・最後に兄貴のを遅くまでしてた・・・
水を飲みたくて出たら兄貴の声がして・・・疲れてんのにルーと寝込んじゃって・・・

疲れてんのは知ってたから、ルーだけ運ぼうと思ったら完全に抱き込んで爆睡してた・・・ルーは兄貴の手を掴んでるし・・・起こせなくて放ったんだけどね』

『疲れが強いと寝れないルカに不安なルビーなのよね・・・
皆が病気になる不安とは違う別の事・・・・』
『兄貴はマジにルーに?』

『それはない・・・恋人という愛情じゃないと言った。
ただ抱いて落ち着ける自分・・・癒される自分が真っ先に沸き起こるって。
理由なくホッとした安心で寝れるって・・・・ルカが言った、何でかという理由は知らないがって・・・』

『無意識に互いの安心を確認してるって事ですよね。
一緒にいれば大丈夫なんだっていう体験をしたから・・・』
そうだなと思えた皆が微かに頷いた・・・端で静かに聞いていた主治医は、そっと立ち上がり母親を眺めた。


『ルカ君が落ち着くのは先でしたか?』
『明日から一日おきに三日間ほど・・・それで完了のはずです』
『(笑)守りはそれぞれに、誰かは誰かに・・・溢れる事なく来れてますよね(笑)。
ケイタ君もタケル君も、不安はあれど大丈夫そうです・・・カオル君(笑)君もだ。

ルビーさんの様子を見て状態も確認してから方針を考えます。
ルカ君の様子もチェックを頼みます(笑)、言動を。
ルビーさんの事を話した時の言動・・・その後も・・・大人でも、奥底で蠢いていたなら治療は必要です。

本当に消えていたなら・・・今までの皆の思いでルカ君は大丈夫とも思えます、だから二人の言動を・・・』
頼むという医師の言葉に緊張した顔をする・・・

『こんなに皆を理解するほどの家族なのに(笑)何を身構えてますか。
いつも通り・・・それでいいと思いましたよ? 守られている二人の安心は、より強くなっていると思いましたしね(笑)』
苦笑いをした人達に微笑んだ。

『部屋なら誰が?(笑)外なら誰が?(笑)、キッチンなら誰が?
そういえば誰が彼女の言葉を聞きだしてましたかな?』
『あー(笑)』
『ルカ君なら(笑)出先で見守る人と話し合ってみて下さい。
その間は理由をつけて様子見を頼むように・・・出来ますよね(笑)』
『はい(笑)』

『さすがケイタ君(笑)、一人が二人になったと思うけど手助けの手は増えた気もするし(笑)』
というとナナと早瀬を眺め微笑む医師は、改めてケイタを眺めた。

『二人をお願いします・・・』
『皆で頑張ろうな(笑)。じゃ私はルビーさんを見てくるかな』
そういって部屋から出て行った。



ガシャンと激しい音が響いた・・・
ドアが開き、中に居た医師が手招きした事に気づく・・・皆が部屋から飛び出した・・・・
焦りを隠せずに、一斉にルビーへと駆け出したのだった。