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お・な・か ぽんぽこりんのチロちゃん

ヨーキーのチロとの読書生活。

「我と汝・対話」マルティン・ブーバー著

2019年02月19日 | 


「世界は人間のとる二つの態度によって二つとなる。

 人間の態度は人間が語る根元語の二重性にもとづいて、二つとなる。

 根元語とは、単独語ではなく、対応語である。

 根元語のひとつは、<われーなんじ>の対応語である。

 他の根元語は、<われーそれ>の対応語である。

 この場合、<それ>の代わりに<彼>と<彼女>のいずれかに置き換えても、根元語には変化はない。

 したがって人間の<われ>も二つとなる。

 なぜならば、根源語<われーなんじ>の<われ>は、根源語<われーそれ>の<われ>とは異なったものだからである。

 (中略)

 根源語<われーなんじ>は、全存在をもってのみ語ることができる。

 根源語<われーそれ>は、けっして全存在を持って語ることができない。

 (中略)

  <なんじ>を語るひとは、<なにかあるもの>をもたない。否、全然なにものをも、もたない。

  そうではなくて<なんじ>を語るひとは、関係の中に生きるのである。」

 植田重雄訳 岩波文庫

バベットの晩餐会 イサク・ディーネセン著

2019年02月18日 | 



「お分かりでしょうか、お嬢さま。

あのかたがたは、おふたりにはまるで理解することも信じることもできないほどの費用をかけて、

育てられ躾けられていたのです。わたしがどれほどすぐれた芸術家であるかを知るために。

わたしが最高の料理を出した時、あのかたがたをこの上なく幸せにすることができたのです。」



「芸術家が次善のもので喝采を受けるのは恐ろしいことなのです。

あのかたはおっしゃいました。

芸術家の心には、自分に最善をつくさせてほしい、その機会を与えてほしいという、

世界じゅうに向けて出される長い悲願の叫びがあるのだと」

桝田啓介訳 ちくま文庫

孔子伝 白川 静著

2019年02月17日 | 


「孔子は最も狂者を愛した人である。

「狂者は進みて取る」ものであり、「直なるもの」である。

邪悪なるものと闘うためには、一種の異常さを必要とするので、

狂気こそが変革の原動力でありうる。

そしてそれは、精神史的にも、たしかに実証しうることである。

中国においては、その精神史的な出発のところに、孔子の姿がある。

あらゆる分野で、ノモス的なものに対抗しうるものは、

この「狂」の他にないように思う。」

文庫版あとがきより 中央文庫



「海からの贈物 GIFT FROM THE SEA」 アン・モロウ・リンドバーグ著

2019年02月15日 | 



「中年というのは、野心の貝殻や、各種の物質的な蓄積の貝殻や、

自我の貝殻など、いろいろな貝殻を捨てる時期であるとも考えられる。

この段階に達して、我々は浜辺での生活と同様に、

我々の誇りや、見当違いの野心や、仮面や、甲冑を捨てることができるのではないだろうか。

我々が甲冑を着けていいたのは、競争相手が多い世の中で我々を守るためだったはずであり、

競争するのを止めれば、甲冑も必要ではなくなる。

それで我々は少なくとも中年になれば、

本当に自分であることが許されるのかもしれない。

そしてそれはなんと大きな自由を我々に約束することだろう。」

〜「牡蠣」より〜 吉田健一訳 新潮文庫

シルバーバーチの祈り 〜祈りの先にあるもの〜

2019年02月14日 | 


「生まれてきた意味

たった一つの魂を高揚してあげることができたら、

喪の悲しみに沈む一つの魂に慰めを与えることができたら、

意気地のない一つの魂に生きる勇気を与えてあげることができたら、

人生に疲れ切った一つの魂に生きる力を与えてあげることができたら、

それだけであなたが生まれてきた意味があります。」



「生命は責務

生命は神からの贈り物であり、神が人間に託した責務です。」

ー近藤千雄 訳編 潮文社ー