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舞妓 芸妓のお座敷芸を舞台で鑑賞_都をどり 今年は南座で4/1から

2019年03月08日 | 名作レビュー

京都のみならず日本の夜の伝統的な”お座敷遊び”を彩る舞妓・芸妓が、日頃鍛錬を積んだ舞や芸を披露する「都をどり」が間もなく始まります。京都で桜の季節に合わせて始まる、春の一大風物詩です。

  • 京都にある五花街が催す舞踊公演の中でも最も著名
  • 舞台に登場する舞妓・芸妓の人数が多く、集団としての迫力ある舞踊が楽しめる
  • 敷居が高い宴席を設けることなく、誰でも京都の雅な囃子や舞踊を楽しめる


2019年は新装オープンしたばかりの南座に会場を移して行われます。京都の歌舞伎の本拠地での公演は、やはり別格の趣があります。


四条花見小路

都をどりは、一般的な表記ではなく”をどり”と表記します。1月の戎まつりを”ゑびす”と表記するのと同じように、伝統への強いこだわりを感じます。

祇園の花街は、江戸時代初期に現在の八坂神社の門前で営業を始めた茶屋が始まりです。花街は四条通沿いから鴨川東岸の大和大路や鴨川西岸の河原町まで拡がります。最も歴史のある島原を上回り、江戸時代を通じて京都最大の花街として発展します。


祇園甲部歌舞練場

明治の東京遷都が、花街の将来に危機感を生じさせます。1872(明治5)年、芸を身に付けた職業女性として芸妓(げいこ)を育成する八坂女紅場(やさかにょこうば)が設立され、花街の近代化が始まります。都をどりは、同年に開催された博覧会の余興として、花街ならではの芸を一般に広く披露するべく企画されたのが始まりです。

企画にあたっては、茶屋・一力亭と、祇園甲部花街の舞を主導する井上流が、大きな役割を果たしました。両者は現在も祇園甲部花街の中心的な存在です。


祇園甲部歌舞練場ホール

現在の鴨川東岸の祇園の花街は、3つに分かれています。四条通の南に本拠地の歌舞練場がある「祇園甲部」が最大で、四条通北東の「祇園東」、四条~五条間の鴨川沿いの「宮川町」です。それぞれ本拠地の歌舞練場で、祇園東は11月の10日間「祇園をどり」を、宮川町は4月の2週間「京おどり」を、それぞれ行っています。

祇園甲部の本拠地・歌舞練場は1913(大正2)年の建築で、古き良き時代をしのぶことができます。100年前の様式のため現在では座席配置に窮屈さを感じます。歌舞練場は2016年から、耐震工事のため閉鎖されています。2019年の都をどりは、新装オープン間もない南座で行われます。


南座

都をどりは60分の間に8つの演目が披露されます。いずれも京都の四季や名所にちなんだ演目です。最初に披露される総をどりは16人の舞妓が一斉に舞うためとても迫力があります。振り袖姿で舞うのは大変だと思いますが、見習い中の舞妓と言えどさすがにプロだけあって動きはしなやかです。あでやかさよりも初々しさを感じるところが舞妓の舞の魅力です。

見倣いを終えて一人前になった芸妓は、正装である黒紋付姿で登場する場面もあり、貫録を感じます。舞はもちろん、三味線や長唄の披露もあり、いずれも動きは洗練されています。


2019年都をどり「予告編」

宴席で披露される芸を一通り鑑賞することができ、60分はあっという間です。舞妓・芸妓を呼ぶ宴席を設けることは容易ではないため、舞台で鑑賞できる都をどりが、確実にお座敷芸のフルラインナップを楽しめます。



チケットは例年1月から公式サイトで発売されます。桜の時期や週末は込み合うので早めのチケット購入をおすすめします。

こんなところがあります。
ここにしかない「空間」があります。



ネコの目線で見た京都

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祇󠄀園甲部歌舞会
南座新開場記念 都をどり 2019年4月開催
【主催者によるイベント公式サイト】

主催:祇󠄀園甲部歌舞会
会場:南座
会期:2019年4月1日(月)~27日(土)
原則休館日:なし
公演時間:毎日3回 12:30/14:30/16:30 各回60分

南座
【松竹公式サイト】https://www.shochiku.co.jp/play/theater/minamiza/



◆南座◆ おすすめ交通機関

京阪電車「祇園四条」駅下車、6番出口から徒歩0分
阪急京都線「河原町」駅下車、1番出口から徒歩3分

JR京都駅から一般的なルートを利用した平常時の所要時間の目安:20分
京都駅→地下鉄烏丸線→四条駅(烏丸駅)→阪急京都線→河原町駅

【南座公式サイト】 アクセス案内

※京都駅から直行するバスもありますが、地下鉄を乗り継ぐ方が、時間が早くて正確です。
※南座には駐車場はありません。
※渋滞と駐車場不足により、健常者のクルマによる訪問は非現実的です。

※祇園甲部歌舞練場は、南座から徒歩8分ほどのところにあります。


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