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しいたけの栄養成分と効能効果 健康づくり




1 栄養成分と効能効果

①疲労回復効果に期待「ビタミンB1」

ビタミンB1は糖質をエネルギーに変える栄養素で、疲労回復効果があります。

そのため糖質の摂取量が多い人や、体をよく動かしてエネルギーの産生が多い人は、ビタミンB1の必要量が増えます。

また、インスタント食品ばかり食べているなど偏った食生活を送る人には、ビタミンB1欠乏症状(※)が現れることがあるため注意が必要です。

※ビタミンB1欠乏症状:脚気(かっけ)と呼ばれ、脚のむくみやしびれ、息切れ、動悸などが起きる

しかしながら、バランスの良い食事を摂っていれば不足する心配の少ない栄養素なので、肉や魚や野菜など偏りのない食事を心がけましょう。

②骨と歯の発育を促す「ビタミンD」

しいたけには、ビタミンDの前段階のエルゴステロールという成分が含まれています。

このエルゴステロールは、紫外線に当たるとビタミンDに変化します。

さてビタミンDの主な働きは、体内でカルシウムの利用効率を高めて、骨や歯の発育を促すことです。加えて、血中のカルシウム濃度を一定に保ち、神経伝達や筋肉の収縮を行う働きも。

つまり、カルシウムの摂取量が十分でも、ビタミンDが不足しているとカルシウムの利用効率が下がります。

その結果、子どもの場合は成長障害を起こしたり、高齢者の場合は骨粗しょう症になるリスクがあります。

またビタミンDは脂溶性ビタミンと呼ばれ、油と一緒に摂ると効率よく吸収されるので、炒め物や揚げ物にすると良いですよ。

③腸のお掃除屋さん「食物繊維」

食物繊維は、水に溶けない不溶性食物繊維と、水に溶けやすい水溶性食物繊維に分かれます。

そしてしいたけには、不溶性食物繊維がとても豊富です。

この不溶性食物繊維は、水を吸収し便のカサを増やすことで腸を刺激し、便通を促す効果があります。

いわば不溶性食物繊維は、今話題となっている「腸活」の立役者ですね。

一方で水溶性食物繊維には、血糖値上昇を抑制したり血液中のコレステロール濃度を低下させる働きがあります。

令和元年の国民健康・栄養調査によると、食物繊維の摂取量は国が定める推奨量(18~64歳の男性21g、女性18g以上)に届いていないのが現状です。

生活習慣病予防の観点から考えて、食物繊維は意識して摂りたい栄養成分です。

④高血圧や動脈硬化を予防する「エリタデニン」

エリタデニンは、しいたけ特有の栄養成分です。

このエリタデニンは、血中のコレステロール濃度を低下させる働きがあるため、高血圧や動脈硬化を予防できる成分として期待されています。

エリタデニンはしいたけのみに含まれる特別な成分なので、積極的に摂りたいですね。

⑤うま味成分「グルタミン酸」

しいたけには三大うま味成分(※)のうちの1つ、グルタミン酸が含まれています。

うま味成分の特徴は、2つ以上を掛け合わせると単独の時よりもうま味が飛躍的に強くなることです(余談ですがこれを「うま味の相乗効果」といいます)。

この「うま味」を活かしたものが、お味噌汁などに入れる「だし」です。この「だし」のおかげで塩味が薄くても美味しいお味噌汁となります。

つまり、うま味は減塩対策に有効な成分というわけです。

余談ですが、この「うま味」は100年以上前に日本人が見出した成分で、海外でも「UMAMI」の名称が使われています。

※三大うま味成分は、グルタミン酸、イノシン酸、グアニル酸です。グルタミン酸は、しいたけの他には昆布やトマトなど、イノシン酸は鰹節や煮干しなど、グアニル酸は乾燥きのこ全般に含まれています

2 原木栽培と菌床栽培でしいたけの栄養価は変わる

栄養価では、食物繊維量に大きな差が見られ、原木しいたけの方が1割以上も多く含まれています。

さらには香りや風味についても、原木しいたけの方が優れているという点も。

ご参考までに栽培方法による違いを説明しますと、原木しいたけは、森の中で自然の気象条件を利用して栽培されたもので、収穫までに10か月ほど掛かります。

それにより市場に出回る時期が短く価格は高めですが、旬を味わうことができますよ。

一方で菌床しいたけは、湿度の高い室内で人工的な養分を与えて栽培し、3~6か月サイクルで次々に収穫できます。

そのため、流通量が多くお手頃な価格で買うことができます。

なお、わたしたちが普段スーパーなどで見かけるしいたけの9割が、この菌床栽培によるものです。

①しいたけの軸に含まれる栄養成分

しいたけの軸には、カサの部分と同じように、ビタミン類や食物繊維などの栄養成分が豊富に含まれています。

カサの部分と異なり筋っぽくて硬いという理由で、捨ててしまう方もいるのですが、活用しないのはとてももったいないです。

そしてうま味成分のグルタミン酸は、しいたけの軸部分にも同じように含まれています。そのため、軸を汁物の「だし」として使うと、とても味わい深い汁物に仕上がりますよ。

さらにオススメなのは、軸をみじん切りにして肉団子や混ぜご飯の具として使うことです。

②干ししいたけの栄養

干ししいたけの特筆すべき栄養素は、ビタミンDとグアニル酸です。

まずビタミンDについてですが、乾燥前のものと比べるとおよそ11倍(1食分の量で換算)になることが分かっています。

しかしこれは、紫外線(日光)に当てて乾燥させたものに限ります。もし機械干し(熱風乾燥など)のしいたけを購入した場合は、日光に当ててから調理するとビタミンDが増えるのでオススメです。

続いてグアニル酸についてお伝えします。

グアニル酸は、生のしいたけには含まれていないうま味成分です。

繰り返しになりますが、うま味成分は2つ以上を組み合わせると美味しさがアップします。このことを意識して調理すると、うま味が飛躍的に強くなり、その味わいは別格となるでしょう。

さて余談ですが、干ししいたけはかさの開き方によって名前が変わります。
かさが開いていない肉厚のものは「冬菇(どんこ)」、かさが開いていて薄いものは「香信(こうしん)」、その中間が「香茹(こうこ)」という名前が付いており大相撲で優勝力士に送られる品となっています。

3 しいたけはダイエットに効果的な食品

低カロリー、食物繊維が豊富で満腹感を得られるうえ、不足しがちなビタミン類も摂取できます。つまり調理方法に注意すれば栄養バランスを整えやすく、ダイエットにも活用できる食品と言えます。

①しいたけは1日何個までがちょうどよい?食べ過ぎるとどうなるのか

著明な研究結果が見当たらないため「1日に何個までがいい」と言い切ることは難しい。

しかしながら、厚生労働省が発表した「健康日本21」では、生活習慣病などを予防し、健康的な生活を送るために、1日350g以上の野菜を食べることが推奨されています。

野菜類の中にはきのこも含まれるので、その他の野菜と併せて毎日350g以上(目安として両手に山盛りの量)食べると良いでしょう。

ところで、しいたけは低カロリーで食物繊維が豊富な食材なので、ダイエットをしている時には沢山食べたくなる食材です。

そこで、食べる量に比例してその恩恵を受けられたら嬉しいのですが、残念ながらマイナスに働くことも。

その理由は、しいたけに豊富に含まれる不溶性食物繊維にあります。

不溶性食物繊維は適量だと便通を促す効果が期待できますが、過剰摂取は便秘を悪化させることも。

一方で水溶性食物繊維を摂りすぎると、お腹がゆるくなることがあります。

これらのことを踏まえて、多品目の野菜を摂取するように意識しましょう。

4 しいたけの「得する」調理・保存方法

ポイント1:調理前に干す

干ししいたけにビタミンDが豊富というのはご説明した通りですが、生のしいたけも天日干しをするとビタミンDの量がアップします。

方法はとても簡単です!

「お日様に当てる」というイメージで、エルゴステロール(ビタミンDになる前段階の栄養素)が多いヒダを上にして30分程度干すだけで効果が得られます。

さて肝心な食味についてですが、干す時間が短いため、食感や味わいは干す前のままです。

ポイント2:水洗いしない

これはきのこ類全般に言えることですが、水洗いせずに使用しましょう。

実は、しいたけは水洗いすると水溶性の栄養素が流れ出てしまったり、風味が落ちるためもったいないです。

特に菌床栽培のしいたけは、清潔な室内で育てられているので、洗わなくても安心して食べられます。

それでも汚れが気になる場合は、固く絞ったふきんやキッチンペーパーで軽く拭って取り除きましょう。

ポイント3:湿気を避けて保管する

しいたけを冷蔵保存するときは、1つ1つていねいにキッチンペーパーで包み、さらにヒダを上向きにして置きましょう。

その理由は鮮度を保つためです。

しいたけのヒダの内側にある胞子は湿気に弱く、胞子が落ちると鮮度が落ちて傷みやすくなります。植物は収穫から時間の経過と共に鮮度が落ちていきますが、それに伴い栄養価も下がります。

手間に感じるかもしれませんが、栄養成分を無駄にしないポイントなのでぜひお試しください!

ちなみに、すぐに食べない時は冷凍保存がオススメです。

ポイント4:すぐに食べないときは冷凍保存する

冷凍保存のメリットは、日持ちすることだけではありません。

実は冷凍することでしいたけの繊維が壊れて、うま味成分が外に出やすくなる効果もありますよ。

しいたけの「損しない」食べ方

それはズバリ、汁物の具として使う場合は汁は残さず飲み切ることです。

理由は汁に溶け出した水溶性の栄養成分を、無駄にすることなく摂取するためです。

加えて高血圧予防の観点から、汁物をつくる際はしいたけに含まれるうま味成分の効果を活かして、味付けは薄めを心がけましょう。

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