この世界の片隅に [Blu-ray] | |
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この世界の片隅に コミック (上)(中)(下)セット | |
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1944年(昭和19年)2月。絵を描くことが好きな18歳のすずは、急に縁談話が持ち上がり、あれよあれよという間に広島市から海軍の街・呉に嫁にやってくる。彼女を待っていた夫・北條周作は海軍で働く文官で、幼い頃に出会ったすずのことが忘れられずにいたという一途で優しい人だった。こうして北條家に温かく迎えられたすずは、見知らぬ土地での生活に戸惑いつつも、健気に嫁としての仕事をこなしていく。戦況が悪化し、配給物資が次第に減っていく中でも、すずは様々な工夫を凝らして北條家の暮らしを懸命に守っていく。そんなある日、道に迷っていたところを助けられたのがきっかけで、遊女のリンと仲良くなっていくすずだったが…。
日映専 ★★★☆
原作三部作は発売時に買っていて読んでいます。こうの史代の作品は「夕凪の街 桜の国」「さんさん録」なども読んでいますが、どの絵のタッチも柔らかくて「ふにゃ」ってしているところがなかなかいい感じです。ヒロインも基本脱力系っていうか、アンニュイっていうか。。。その中に一本芯が通っている感じもなかなかいいです。
この映画は2016年度の「キネ旬日本映画1位」を初めてアニメ映画で獲得した記念すべき作品ですが、いまだに映画館で上映されているところもあって、ソフト化はされていましたが、初めて日本映画専門チャンネルでの放送となりました。
「のん」こと能年玲奈の声、台詞回しが完璧で(この映画のヒロインの声って意味で)それこそ彼女の広島弁の台詞回しが心地よい音楽のように聞こえます。絵ももちろん素敵ですし、その演出も目を見張る物がありました。物語は前半の「戦時中に銃後はどのように生きていくか」ということをテーマにしたハウツーもののような面白さと、貧乏を楽しむという清貧さ、また75年ほど前の結婚の形式など市井の人々の貧しいながらも精神的に豊かな生活を描いています。変な言い方をすれば戦時中の銃後の生活をいかにして楽しむか?という感じでです。
しかし、ヒロインが住む呉には軍事基地もあり、しばしば空襲に襲われるわけで、物語の後半はすっかり様相が変わってきます。誰でも知っている「Xディ」に向かうまでの当時の呉の様子も、おそらく空襲記録から詳しい日付や空襲の状態を把握して、描かれています。しかし観ている私達は「Xディ」が近づくにつれてドキドキするわけなんですね。ただ、呉に住むヒロインやヒロインの嫁ぎ先家族にとって「Xディ」よりももっともっと悲しいことが起きるわけですが。
呉での生活故に「Xディ」の広島についてはそれほど詳しく描かれていません。それこそ当日の呉の人たちは全くわからなかったのでしょう。ずいぶん経ってから広島の実家あたりを訪れたヒロインも、自分の両親が原爆によって亡くなったことを、自身もまだその当時はっきりわかっていなかった原爆症と戦う妹に聞いたときもそれほどショックを受けていない様子で、妹との逸話も映画としてはそれが最後でした。
30分以上のシーンを追加し、ロングバージョンも作られることになったそうで、それはそれでもちろん観ますが、私はどのような映画でもそれが映画館で公開された物がオリジナルとしたいです。
このブログでも何度か書きましたが、その作品に最初に触れた媒体。。。私の場合は原作の漫画ですが、それを超えるものはありません。この映画を先に見た人が原作を読んだときも、おそらく映画のほうが良かったと思うのでしょうね。
シウもそう思います。
連ドラの主役がのんかどうかっていうのが話題になっているけど、のんじゃないと雰囲気はだいぶ違ってしまいますよね。
以前ドラマ化されたときは北川景子でした。
あんなきりっとした美人じゃないんだよね(笑)
ちょっと若すぎるけど、「君の膵臓をたべたい」の浜辺美波あたりが良いかも。。。って今年18歳なんだけどなぁ(笑)