極私的映画論+α

+αは・・・日記です(^^;
最近はすっかり+αばかりになってしまいました(笑)

決算!忠臣蔵 2019 125分

2019-12-07 20:19:31 | 日本映画(映画館)
「忠臣蔵」の決算書 ((新潮新書))
山本博文
新潮社



 18世紀初頭、江戸・元禄年間。赤穂藩藩主の浅野内匠頭は、江戸城内で幕府の重臣・吉良上野介に斬りかかるという刃傷沙汰を起こし、幕府より即日切腹と藩のお取り潰しという厳しい裁定が下る。筆頭家老の大石内蔵助は、幼なじみで勘定方の矢頭長助の力を借りて残務整理に追われる日々。そんな中、一部の藩士が仇討ちを口にして勝手な行動に出たり、討ち入りを期待する世間のプレッシャーも日増しに高まっていく。ところが、いざ討ち入りするにも相当のお金が必要なことが判明する一方、どうにか工面した予算800両(約9500万円)はみるみる減ってしまい、いよいよ追い詰められていく大石だったが…。



映画館 ★★★★


 「武士の家計簿」以来「献立」や「参勤交代」や「宿屋町を救う」や「引っ越し」など、江戸時代の経済問題が現代にも通じるものとして数年前からこのような作品が増えています。正直「またか」って印象もありますが、このえいがは「忠臣蔵」を取り扱っているということで、もちろん映画化されることで多少の脚色もあるでしょうが、「真実」の部分も多くあると思われるので観てきました。

 なかなか面白かったですよ。「松の廊下」や「吉良邸討ち入り」のシーンのない忠臣蔵も初めてですが、これはこれとして先に書いたように「忠臣蔵の真実」を描いていると思います。

 忠臣蔵の舞台である元禄時代、一杯のお蕎麦が四文銭四枚の十六文=480円という貨幣価値を基本とし、大石内蔵助が「討ち入り」にいくら使ったかという資料をもとに、約七百両をどう使ったかということがこの映画の基本ですが、皆さんご存知のように結果として吉良上野介の首を取り、彼らは切腹したとはいえ、「武士の一分」を全うし、またこの映画のエンディングに浅野内匠頭未亡人でこの討ち入りのスポンサーだった瑤泉院を演じた石原さとみのナレーションでも紹介されたように、300年以上経った現代でも「英雄」として語り継がれていることを思えば、赤字であろうと何であろうと大正解だったわけです。

主演の堤真一は西宮出身、なので赤穂での播磨弁とは少々違いますが、関西弁としてはネイティブなので関西弁を話す大石内蔵助っていうのもなかなか面白かったですね。岡村隆史の役どころは大石内蔵助の竹馬の友である矢頭長助。本物の矢頭長助は病死したそうですが、ま、映画故に多少の嘘はOKだと思います。しかし最初に書いたように基本的には実話なので色々なエピソードは今まで多くの「忠臣蔵」で語られたことですし、たとえば「決算!忠臣蔵」のウィキペディアで登場人物一人一人のリンク先をみてみると、史実に映画化されていることもよくわかりました。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 今日からまた3年間 | トップ | L♡DK ひとつ屋根の下、「スキ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日本映画(映画館)」カテゴリの最新記事