極私的映画論+α

+αは・・・日記です(^^;
最近はすっかり+αばかりになってしまいました(笑)

朽ちないサクラ (2023) 119分

2024-06-22 17:30:37 | 日本映画(映画館)



 愛知県平井市に住む女子大生がストーカー被害の末に殺害される事件が発生する。その後、平井中央署生活安全課で、ストーカーの被害届の受理が、署員の慰安旅行が原因で先延ばしにされていた事実を地元の米崎新聞がスクープする。対応に追われる県警広報課の職員・森口泉は、親友で同紙の記者・津村千佳が約束を破って記事にしたのではないかと疑う。千佳はそれをきっぱりと否定し、潔白を証明しようと自ら調査を開始する。ところが1週間後、千佳が変死体となって発見される。彼女の死に疑念と責任を感じ、警察学校の同期で刑事の磯川と協力しながら事件の真相を探り始める泉だったが…。


 映画館 ★★★


 「孤狼の血」の柚月裕子の原作は読みました。で、この映画化も基本的には原作を変えていません。
原作を読んだときから違和感があり、また映画を見てからもその思いはより強くなったのですが、「朽ちないサクラ」というタイトルだと、「サクラ」を称賛しているとしか感じられません。

 劇中では公安警察のことを古い人間はサクラと呼ぶと説明され、また物語自体もサクラの蕾が膨らみ始めた頃に事件は起き、三分咲き、五分咲き、満開と話が進み、落花盛んになった頃にエンドクレジットということになります。

 私も古い人間なので、タイトルのサクラは警視庁の俗称でもある「桜田門」も表しているのかな?とも思いましたが、物語は映画では愛知県ということなので桜田門は関係なかったです。サクラに関しては、有名な軍歌「同期の桜」や「若鷲の歌」にある「若い血潮の 予科練の七つボタンは 桜に錨」など、どうしても戦争を感じ、軍を感じ、警察を感じるのも事実です。

 「日本国全体の為なら、多少の犠牲も仕方がない」などという考え方が本当に公安警察の考え方かどうかはわかりませんが、少なくとも原作者はそういう考え方なのでしょう。いや、ひょっとしてそれを否定するために、こういう原作を書いたのかもしれません。

 タイトルからもこの映画の本当の主人公は・・・公安警察であるということだけは事実だと思います。

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