清寿司の日々

清寿司の主人が綴る、気が向いたら出す新聞-日々のタネ、酒、客との対話-

銚子の赤ムツ

2007-10-03 14:23:43 | Weblog
「あかむつ」をご存じですか。
別名を「のどぐろ」といいますが、この呼び名の方がよく知られているかも知れません。
あかむつは暖地性の深海魚で、太平洋側では関東以南、日本海側では新潟以南に多いとされていますが、それより北の漁港でも揚がります。旬は冬から春先にかけてですが、10月頃から4月頃まで獲れますので、この頃、銚子に揚がったものが市場で結構見られます。

以前のあかむつは、今のものと味は変わらなくても、価格はもっと安かったのです。しかし、どうしたわけか人気が急上昇し、それに連れて価格も上昇しています。ところで、くろむつという魚もいるんですが、知っていましたか。どちらも白身で脂がのって美味い魚ですが、くろむつの方があかむつよりちょっと濃厚かな、新鮮なら刺身ですが、焼き物、煮物、鍋物に向いています。もっともこの魚は、旬は冬ですが、夏には極端に味が落ちます。

赤と黒の違いはあるのですが、むつなのですから、同じ仲間かと思いがちですが、実は
あかむつは、スズキ目スズキ科
くろむつは、スズキ目ムツ科
なのです。くろむつの方がむつ本家筋に近いということでしょうか。

あかむつは塩焼きや味噌漬にしたり、一夜干しにしてから焼いて食べることが多かったのですが、この頃は新鮮なものがよく出回るようになり、刺身で食べることも珍しくなくなりました。私の店でも今丁度美味いあかむつが刺身や握りで食べられますので、折角ですから多くの人に味わって欲しいものですね。