ひげ爺さんのお散歩日記

日々新た、今日は今日、明日は明日の風が吹く

『楽しみな食堂』

2014年04月04日 18時45分26秒 | 日記
             『楽しみな食堂』



今朝の最低気温は午前6時の12.0℃。  最高気温は午前9時の15.2℃。
午前中は小雨が降ったり止んだり。 午後は曇り空。 風が強く寒い一日でした。

散歩に出掛けた9時の気温が最高気温。 妻に 「雨が降りそうなの~傘が要るかのぅ?」
と訊くと、新聞のお天気欄を見て 「晴れマークになっとるよ」 で、傘は持たずに…
が、30分も歩くとパラパラと(汗。 しばらくするとザ~(大汗。 
住宅街のカーポートで雨宿りをしていると、お宅の奥さんが出て来られ 
「傘をお貸ししましょうか?」 すぐに止むからとお断りすると… 「ボロ傘ですから
返さなくても良いですよ。 どうぞ持って行って下さい」  荷物になるのになぁと、
思いながらお借りして歩き始めると、雨は止み… ほら思った通りじゃ(汗。
が、その後再び激しく降り始め、大助かりでした(笑。 帰りに手帳の1枚を破り、
「ありがとうございました」 と書き、傘の絞め帯に挟んでお返ししておきました(感謝。 

昨日訪れた楽しみな食堂のお婆ちゃん、お元気でした。 ジョグノートにはもう何度も
書いているのですが、お散歩日記には初めてなので、紹介します。 楽しみな食堂は
こんな食堂です。 そして大正14年生まれのお婆ちゃんはこんなお婆ちゃんです。

  『楽しみな食堂』    ※写真は以前訪れた時に撮った店内の様子です。

この食堂に初めて入ったのは10年前、初孫が生まれた時に河内長野に住む娘の所から
観心寺まで、散歩に行って訪れた時です。 それからもう十数回行っています。
傍に立派な食堂も有りましたが、気後れしそうなのでその食堂を選びました。
店内に入ると正面に全国の名所の菅笠(お遍路さんが被る日除け笠)が30個あまり
飾ってあります(笠には天竜川下りとか東尋坊とか墨で書かれている)。
ガラスのショーウインドー内には、雑多な土産物に混じって何故か干支の焼き物、
手芸で作ったような毛糸のお人形も。そして小さなテーブルにパイプ椅子。
テーブル上のガラスコップに紫陽花の一輪挿しが印象的で、なんか私が子供だった頃に
タイムスリップしたような懐かしい空間でした。

2009年9月18日(金)

その食堂は80才位の優しそ~うなお婆さんが一人でやっていました。
壁にズラッと張られたメニューを見ると、驚くほど多くの料理名が並んでいました。
このメニュー、お婆さん一人で全部作れるのかな、と思ったほどです。 
「山菜うどん、願いします」 「はあ~?」 補聴器の入った耳に口を近づけ
「山菜うどん、さんさいうどんをお願いします」 「へいへ~山菜うどん、へぇ」
暫くして出て来たうどんの上に乗っている蒲鉾の一枚は、なんと、干乾びて反り返って
いました。 ひげが今日初めての客だったんだな~と思いながら食べ終わった頃、
「どうぞ」 と言ってミカンを一つ頂きました(笑。


2回目に訪れた時も山菜うどんを注文しました。 しかし出されたのは、 “山菜ソバ”。
まあ何が食べたいという訳ではないし、ソバが嫌いでもないので黙って食べ終わると、
「どうぞ」 と言って今度は柿を頂きました(笑。 以後意地になって、以来ずっと
“山菜うどん” を注文しています。 3回に1度は違う麺類が出て来ます。
そしてネギが入ってなかったり、とろろ昆布を忘れていたり。 文句を言う気は全くありません。 
今では“山菜うどん” が何に変わるか、楽しみにしているほどです。 
そして食べ終わったころ、必ず 「どうぞ」 と言って季節の果物をいただきます(笑。 
このお婆さん、ええわ~(笑。

ある日は月見うどんが出て来て、巨峰を頂きました(笑。 またある日は、“山菜うどん” を
注文したのですが、うどんは切らしている、「山菜ソバなら…」 と言う事で「じゃぁ、それを!」 
が…出て来たのは “月見ソバ”。 ん~ん、すごいお婆さんだ!(笑。 
で、「どうぞ」 はリンゴ2切れでした。
そしてこんな事も…近所で何かの工事をしている人5~6人が入って来ました。
メニューを見渡し、それぞれに注文するものを決めていた時、お婆さんが…
「作るのに時間かかりまんな~、隣の店に行ってもらえんでっしゃろか~」 と(笑。
商売っ気は全くありません。 このお婆ちゃんには誰も敵いません(笑。

2011年12月27日(火)

お婆さんは人が食べている時は奥に引っ込んでいて、殆んど出て来ません。
親しく話し始めたのはここ2~3回の事です。 で、今日(2年前の事です)のこと…
ガラス扉を開けると、テレビを見ながら石油ストーブのお守りをされていました。
「山菜うどん、お願いします」 「はぁ~、うどんの玉は有ますんやけどな~何も用意して
まへんのや~、もう店閉めよう思うてますんや」 来年87歳になられるそうで、もう食堂を
やめる決心をされたようです。 「素うどんでよろしかったら…」 出されたのは、
油揚げが嫌と云うほど入った“きつねうどん”でした。 「ご飯も有りますんやけど…」 
「いえいえ、これで結構です」  きつねうどんは500円です。 400円で良いと言う
お婆ちゃんの手に500円玉を握らせると、「そうでっか、すんませんな~ じゃこれを…」
と言ってミカンを3つ持たせてくれました。

2012年8月21日(火)

昨年訪れた時、もう歳なので食堂は止めようと思うと言われていましたが、今日訪ねてみると
殆んどのシャッターは閉まっていましたが、一部上がっていて店内が窺えました。
お婆さんが一人で食事中でした。 「何か食べさせてもらえますか」 と訊くと
「すんませんな~ 食堂はやめましたんや」 今はお土産物を売っているだけだそうです。
それでも 「これでも飲んで下され」 と栄養ドリンクの封を切ろうとされたので
あわてて辞退しました(笑。 心優しいお婆さん、いつまでもお元気で(祈。

2012年9月27日(木)
観心寺と云えば“楽しみな食堂”ですね。 食堂はもう止められたのですが、店は開けて
おられます(お土産物や飲み物を売っておられます)。 途中のコンビニでオムスビを買い、
あわよくばお店で食べながらお話が出来るかな…と(笑。 お店を訪ねるとお婆さんは
お昼の食事中。 お婆ちゃんはお元気でした(笑。 一緒に食事しながら30分、たっぷり
お話をしました。 お婆ちゃんは母より5才下の87才で一人暮らし。 「母の一日は
入れ歯探しから始まるんですよ」 と話すと 「そうなんですよ、私は補聴器探しからです。
寝る前、ついその辺に置いて寝て、朝どこに置いたか忘れてしまって…」 同じですね(笑。
ガスを点けっ放しで警報のピッピが聞こえなくて、隣の人が聞きつけてくれたとか…。
今日も元気ですよと、玄関先に印をしとかなければとか…。 炊事が負担に感じ始めたので
おかずの宅配を頼もうかとか…。 初めて親しくお話をしました。

2012年12月25日(火)
今日も途中のコンビニでおむすびを買い、お婆ちゃんの “楽しみな食堂” でお話し
しながら食べようと思ったのですが…。 お寺の前のどの食堂、土産売り場も“定休日”の
札が下がっていました。 不吉な予感。 楽しみな食堂のシャッターは50cm程上げられて
はいますが、硝子戸は閉められていました。 戸を開けて呼んでみたのですが、残念ながら
不在のようでした。 まあ、鍵がかかっていないと云う事はお元気なのでしょう。

2013年7月23日(火) 
母をデイケアに送り出し、娘の所(河内長野市)へ孫に会いに行って来ました。 と、いっても
毎週のように会っているのですが、夏休みと云う事で…(笑。 私のもう一つの目的は
観心寺前の“楽しみな食堂”にお婆ちゃんを訪ねる事でした。 最後に訪れたのは昨年暮れで、
シャッターが少し開いてはいたものの、声を掛けても出て来られず、心配していました。

高齢の為、もう食堂はやっておられないのですが、出来れば場所をお借りして昼食を
食べながらお話し出来たら…と、途中のコンビニでオムスビを買って行きました。
“楽しみな食堂”のシャッター1枚が開けられ、中を覗くとお婆さんが年配の男性と話して
おられました。 お元気そうです(ホッ。 嬉しくなってその男性に軽く会釈しただけで…
「お婆さん、久し振りですねぇ、お元気でしたかぁ」 って明るく声を掛けたのです。
が、“ありゃ、この掛け声、この口調は、お年寄りを訪ね、親切を装って騙す輩と同じ?”(汗。
案の定、その年配の男性が怪訝な顔をして 「母とどんなお知り合いですか?」(汗。
その男の人は息子さんだったんですねぇ(笑。 知り合った経緯を話し、お婆さんにも加勢して
もらって… 後はもう…(笑。 息子さんを交えて3人で大盛り上がりのお喋りです。
息子さんは私より3歳年下ですが、会社の役員をしているのでまだお勤め…、すこし離れた
所にお住まい…、お婆さんは今年88歳で一人住まい…、近所の八百屋さんの主人が倒れ、
店を閉めていて食材が手に入りにくい…、朝店を開けるのが遅くなった時は、近所の男の人が
「婆さん、まだ生きとるかぁ」と声を掛けてくれる…、最近は耳が遠くなって…等々(笑。

「そうですかぁ、ひ孫さんは何人おられるんですか?」 「孫は女の子3人おるんですがなぁ
誰も結婚せんのですわぁ、あんまりうるさく言うと嫌われるんで、言わん事にしとるんです」
多分、私の娘と同じ年頃なんでしょうねぇ(笑。 「今日はその子たちが来て、夕食を作って
くれますねん」 「そりゃ今晩はご馳走ですねぇ」 「へえ、楽しみにしてまんねん」(笑。
食堂をされている時はほとんど話した事の無いお婆さんでしたが、今日はたっぷり話しました。
「愛想おまへんでしたなぁ、またおこしやす。 今日は楽しゅうおました」
「いえいえ、こちらこそ… また来ます、お元気で…」

2013年8月22日(木)

“楽しみな食堂”のシャッターは1m位引き上がられていて、中を覗くとお婆ちゃんはお昼寝中
でした。 悪いな~とは思ったのですが、折角来たんだからと思って声を掛けました。
機嫌良く目覚めてもらってホッ。 「お元気でしたか~」 「最近は脚が弱ってあきませんねん」
買い物は息子さんのお嫁さんに頼んで、買って来てもらうのだそうです。 近々、お店を閉じる
かも知れないので、店に飾っている笠を貰ってくれと頼まれ、いただきました(笑。 笠には
“南紀白浜・三段壁”と書かれていて、日頃被っては歩けませんね(笑。 「今度はいつ来て
くれます?」 「冬休みですかねぇ、元気でいて下さいよぅ」 帰りにセルフタイマーで
“木枯らし紋次郎”風に撮ってみました。 が、やけに太って見えますねぇ(笑。


今日の歩数     15,257歩 (雨宿り、傘借り散歩)
4月総歩数    71,360歩=50.0km(1歩を70cmに換算)
今年計    1,455,216歩=1018.7km

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7 コメント

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嬉しかったです (ひげ爺さん)
2014-04-05 22:43:17
69歳のラブレターさん、こんばんは。

過分なお褒めの言葉をいただいたのですが、削除のご希望との事、残念です。
一応、保留としておきました。
 
「秋の童話」 と名付けて下さいましたね。 確かにセピア色の童話ですね。
ブログをお休みしておられる69歳のラブレターさんですが、きっと名付親として
コメントいただけると思っていました。 保留にしましたが嬉しかったですよ。
あの心のこもったコメントは削除せず、宝物として取っておきます(笑。
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続編が有りそうです (ひげ爺さん)
2014-04-05 22:26:07
mappeeさん、こんばんは。

日記の字面を見ただけでうんざりされるのではないかと思っていましたが、
読んで頂きありがとうございました。
楽しくて面白いお婆ちゃんでしょう? 最初は人見知りされて、お話は出来なかった
のですが、最近は打ちとけて、いろんな事を話して下さいます。
この先、そんな話が聞けるのか、ひげも楽しみにしています。
いつまでもお元気でいて欲しいです。

>最後の 写真 木枯らしもんしろう??位かな【笑】
やっぱり似合いませんか?(笑。
風呂敷でも首に巻いて、旅人さんの合羽替わりにすれば良かったですね。
持っていなかったですが(笑。


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まだまだ続く… (ひげ爺さん)
2014-04-05 22:09:17
お母ちゃん、こんばんは。

長い日記を読んで頂き、お褒め下さってありがとうございます。
>うどんの注文がおばぁさんオリジナル
ほんとですねぇ、ほとんどお婆さんのお任せメニューですね(笑。
まだまだお元気そうでしたから、この “秋の童話” もまだ続く…続編有りです(笑。
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楽しいおばあちゃん物語 (mappee)
2014-04-05 19:11:37
こんばんは~

読んでるうち引き込まれて 楽しく ワクワクしながら 笑いながら・・・
次はどんなうどん?と思いながら・・・
同じうどんを頼まれるひげ爺さん、楽しんでるだな~と、上手ですね 続きが読みたいけれども お店しめられたんですよね 残念だわ

最後の 写真 木枯らしもんしろう??位かな【笑】
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短編作品を読むようでした (お母ちゃん)
2014-04-05 11:48:50

髭爺さんコンニチワ

人情味あるストーリーでしたね

長い文章書いて下さっありがとうございます

うどんの注文がおばぁさんオリジナル、デザートの果物まで・・・・・・・・・

こんなに好い文章読まないかんよ、今の世何かが欠落しとるよ

最後の画像サービス精神ありがとう

紋次郎の分かる世代です
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ぜひ… (ひげ爺さん)
2014-04-04 22:25:54
70歳旅の途中さん、こんばんは。

長い長い日記でしたが、読んで頂けましたか(笑。
長く日記を書いているからこそ、ある一人の人にスポットを当てて継時経過を
書けるんですね。 いつか見守り隊の仲良し3人娘の継時経過も書いてみたいです。
密かに…お嫁に行く時、こんな子でしたと暴露する企みを胸に秘めています(笑。

この「楽しみな食堂」は千江さんに 「秋の童話」 のようだと褒めていただいた事が
有るんですよ。 達観したようなお婆さん、不思議な魅力が有るでしょう?
>これは短編小説として、すみませんが連載で話させてはいただけませんか
どうぞどうぞ、ご自由にお使いください。 と云うより、ぜひこう云うお婆さんが
おられる事を紹介していただきたいです。
てんがらもんのネタが無い時にでもお使いください。
のんびりと、ほんわかした時間が流れると思いますよ(笑。
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ひげさんのお人柄 (70歳旅の途中)
2014-04-04 20:56:54
なんと楽しい文章。いやあ、冊子にして発行できますよ。
ばあちゃんが楽しいというより、ひげさんが楽しい人です。
改めてひげさんの魅力を確信しました。

これは短編小説として、すみませんが連載で話させてはいただけませんか・出来ればひげさんの名前は伏せて。著作権料?鹿児島にいらした時姉妹で熱くもてなします。知覧は運転手が老いてくるので妹もできると言っています。

あ-おもしれかった。
このおばあちゃん私にも少し似ておりまして、うーん。よくお客さんが来てくださる。ひげさんタイプの菅笠の似合うおっちゃんたちでしょうか?

この作者の文章私大好きです。
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