ねじまき鳥のねじまき

神社、仏閣、古墳、温泉、城、たまには読書、映画、日々の想いなんぞも。

石和温泉(いさわおんせん@山梨県笛吹市)

2007年06月25日 | 温泉
土曜日に週末を利用して、友人と山梨県笛吹市の石和温泉に日帰り入浴をしてきた。
夕方4時頃にクルマで都内の住まいを後にして、iPodの80年代・90年代の懐メロを口ずさみながら首都高~中央道を乗り継いで、2時間程度で現地に到着。山梨には何度も足を運んだことがあるが、あらためて首都圏との近さに驚いた。

高校時代の友人と一緒だったのだが、昔のようにどの温泉に行くのかなど、特に行程も決めていなかったので、石和温泉駅の近くのコンビニで旅行雑誌をめくって、日本庭園が素晴らしい露天風呂が楽しめるという旅館「喜仙」という温泉旅館に行くことに。

石和温泉駅から、クルマだと本当にほど近く、周りにはかつての歓楽街・石和の雰囲気を色濃く残したうらぶれたスナックや20年くらいは看板も変えていないであろうラーメン屋、お寿司屋さんが立ち並ぶ街の一角にその旅館はあった。

入浴料は1000円。貴重品など荷物をフロントに預け、早速大浴場に。男湯は内湯が1つに露天風呂が1つ。非常に広く、かつところどころ古さが目立つものの、清潔な浴場だ。お湯は無臭透明。さらっとしてクセも無く、ぬるめで誰にでも好まれる泉質。ボディソープなども完備され、タオルさえ持っていれば、そのまま入れる。手すりや浴槽内の段差もあり、お年寄りでも安心して入れる。

我々が入った時間は、18時頃であった為か、誰もはいっていない時間帯で、心からゆったりと入浴を楽しむことが出来た。これは本当に発見で、これからは夕方16時頃~18時頃の、旅館では夕食の時間にあたる時に温泉に入ろうと心に決めた。

内湯も素晴らしいが、自慢の日本庭園の隣にある露天風呂も素晴らしい。内湯に比べると少し狭いが、木の葉が舞い落ち、風の音を聞きながら、ゆっくり入れる。露天は若干熱めのお湯だったが、半身浴と全身浴を繰り返しながら、心底暖まることができた。東京ではなかなか感じることのない、木の葉の擦れ合う音、濃い緑の匂い、抜けるような青空と焼けるような夕焼け。全て満足のいく、ちょっとした旅だった。

帰りはすぐ近くにあった、山梨では有名なほうとうの店、「小作」で豚肉ほうとう(1300円)に舌鼓を打ち、山梨の自然と味を楽しみ、後ろ髪曵かれつつ、東京の日常に戻った。
毎週とは行かなくても、これから1ヶ月に一度くらいは、こんな週末のちょい旅も良いもんだと心から感じた週末でした。

ちなみに、日曜の夜にNHK大河ドラマの「風林火山」を観ていると、くだんの石和温泉がたまたま出てきた。戦国時代には温泉は出ていなかったのだが(石和温泉は1960年代に湧き出た温泉)、武田信玄がかつて拠点を構えていた地であり、駅近くの石和八幡宮はかつての武田氏の居城跡、石和温泉駅から徒歩20分ほどの距離にあるという山梨岡神社は、武田信玄が篤く信仰し、「山梨」という地名の由来ともなったとのこと。
神社仏閣好きとしては、また足を運ぶ理由が出来たというものです。武田氏は源氏の直系の子孫を名乗っていたので、武神に対する信仰がことさら強く、源氏の守り神であり武神である応神天皇=スサノヲノミコトを祀る八幡神社も多いように見受けられます。

山梨の美味しい郷土料理、「ほうとう」も日持ちする根菜と小麦粉、味噌を利用した、戦場での陣中食だと言いますし、山梨は武田氏の影響がいまだに強く残った地域だと実感出来ます。

【参照URL】
・旅館「喜仙」
http://www.jalan.net/jalan/jweb/yado/YADL_395217.HTML
・甲州ほうとう「小作」
http://www.kosaku.co.jp/