昨晩20時半頃、家族で自宅での夕食を終えて子供を寝かせようと諸々準備をしようとしていたら、マンションのエントランスからインターホンが鳴りモニターを見ると午後我が家が不在で届けられなかった物を再配達で持ってきてくれた郵便局員さんが。
「こんな遅くまで郵便局の人って働いてるんだねぇ。しかも再配達依頼してないのに。有難いねぇ。」
などと、家族で話していたら玄関から再びインターホン。
開けると感じの良い40代後半位の男性で開口一番、
「夜遅くに申し訳ありません。贈り物でしたので本日中にお渡しした方が宜しいかと思いまして…」
と仰ってくれた。
何と優しい気遣いなんだろうかと感動した。
自分も疲れてるだろうし、再配達を明日に回す事も出来たはずなのに。
ああ、この人は仕事に誇りを持って物凄く送り主や受け取り先の人の気持ちや心に寄り添ってくれるんだなぁと1人の男として尊敬の念を抱いた。
「夜分遅くに届けて頂いてありがとうございました」
と感謝の気持ちを伝えてドアを閉めたその刹那、
と鼻を殴られた様な、軽度の目眩に似た感覚を覚えた。
この感覚の正体はなんだろうか?とすぐ様脳内で情報を処理した結果、0.1〜2秒後に私の脳が弾き出した答えが、ワキガだった。
そう、来てくれた郵便局員さんはワキガだったのだ。
手には贈り物、優しさに満たされた心、リビングから聞こえる嫁と息子の楽しそうな声、玄関内に漂うワキガ。
私は思った。
『あぁ、そうか。この世は表裏一体なのだ。
光と闇、山と谷、自由と孤独、幸と不幸。キカイダーとハカイダー、御坊茶魔と影茶魔、仮面ライダーブラックRXとシャドウムーン、
それらは常に螺旋の様に周り周る。
今回もそうで、優しさの後にワキガが来るのもまた、ある種の表裏一体なのだろう。
そして何より、完璧な人などいる訳もなくそうゆう人もいる。
そう、優しいけどワキガ、ワキガなのに優しい人もいるのだ。』
と。
-今日もどこかで優しくて臭い局員さんは働いている。誰かの為に幸せを運んでいる。
送り主と届け主との心の繋がりに寄り添いながら。
便利な物やシステムが発展し、人との接触や接点が少なくなってきたこの世の中で私達が今必要なのは、便利な物やシステムに寄り添うだけでなくまさに今こそ人との心の繋がりに寄り添って心の豊かさとは何なのかを改めて考えを巡らせる事こそが今の私達には必要なのかもしれない。