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フランスで昨年末に新型コロナ患者 医師らが検出 CNN.co.jp2020年5月5日(火) 13:20配信

2020-05-05 22:57:43 | 記録
 過日、欧州から米国へ運ばれ、中国に飛んだ新型コロナウィルスについての移動のビッグデータの分析が配信されていて、人口過密地どうしの移動による感染拡大を考えると人と人との接触の多い今の世界が危機を迎えることが予測された。この分析では、2019年11月〜12月頃の発症が考えられると言うことだったと思う。CNNの配信は、ほぼこの分析結果が正しかったことを伝えている。

「(CNN) 仏パリの病院が昨年末に採取していた入院患者の検体から、新型コロナウイルスが新たに検出された。同国で最初の感染例が報告される数週間も前から、新型ウイルスが存在していたことになる。

パリ北郊のセーヌサンドニ県にある病院の集中治療専門医らが3日、抗菌薬の専門誌IJAAに発表した。

同病院のチームは昨年12月2日から今年1月16日までの間にインフルエンザのような症状で入院し、最終的にインフルとは診断されなかった患者らについて、凍結保存されていた検体を調べた。

その結果、アルジェリア生まれの男性(42)から採取していた検体で新型ウイルス陽性の反応が出た。

男性は長年フランスに住み、魚売りの仕事をしてきた。外国旅行は昨年8月にアルジェリアを訪れたのが最後で、中国に行ったこともなかった。男性の子どものうち1人も体調を崩していたという。

チームは、この患者に中国とのつながりや渡航歴がないことから、12月末の時点でフランス国内に感染が広がっていたことがうかがえると指摘する。

同国の公式発表としては1月24日、中国・武漢市への渡航歴がある2人の感染が報告されたのが初めてだった。

欧州で最大の被害が出たイタリアでも、1月31日にローマで中国人観光客2人の感染が確認されたのが初の症例とされる。国内での感染例は2月末になって北部コドーニョで報告された。

新型ウイルス感染が最初に確認されるより前から感染者や死者が出ていたかどうかについては、米国でも同様の研究が始まっている。」

塩野義製薬、新型コロナの治療薬開発へ複数のヒット化合物を同定 日経バイオテク 2020.04.15

2020-05-04 22:04:32 | 記録
 新型コロナウィルスの抗体検査薬は、スイスのRoshe社が開発し、ほぼ100%の正確性で米は承認している(5/3)。検査キットの販売は、タカラバイオ(5/1)と島津製作所(5/20・保険適用承認済)が開発し、結果は約1時間で分かると言う。治療薬とワクチンは塩野義が開発中で、治療薬は北海道大学人獣共通感染症リサーチセンターとの共同研究でワクチンは秋田市御所野などにある傘下のUMNファーマが参画している。
 治療薬とワクチン開発の詳細報道を掲載する。

 「塩野義製薬は、2020年4月14日、同社と北海道大学人獣共通感染症リサーチセンターとの共同研究において、新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)株を用いた低分子化合物のスクリーングを実施し、複数のヒット化合物を同定したことを明らかにした。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する治療薬として実用化することを目指し、開発を進める。

 同社は、感染症を重点領域の1つに位置付けており、これまでも季節性のコロナウイルスに対する創薬研究などを行ってきた。今回の新型コロナウイルスに対しては、治療薬の開発を目指し、北海道大学人獣共通感染症リサーチセンターと共同研究を進めている。

 共同研究では、2019年12月ごろから、新型コロナウイルスと同じ、β属のコロナウイルスの既存株(OC43株)に、同社の化合物ライブラリーに保存されている低分子化合物を添加して、ウイルスの活性を抑えるかどうかを調べる化合物のスクリーニングをスタートさせ、幾つかの化合物を同定。2020年3月以降は、SARS-CoV-2株を用いた低分子化合物のスクリーニングを行い、ウイルス活性を抑える複数のヒット化合物を見いだしたという。そのうち1つのヒット化合物の50%効果濃度 (EC50)は、0.10μMだった。塩野義製薬は今後、同定された複数のヒット化合物について、構造活性相関の解析や標的分子の同定などを行い、毒性を考慮しつつ、化合物の修飾を進める。並行して、原薬の製造などの検討も行う。

 同社は、COVID-19に対する治療薬の研究開発を最優先プロジェクトの1つとして位置付けており、「最短で2020年度内の臨床試験の開始を目指す方針だ」(広報担当者)。ただ、「低分子化合物の開発は、非臨床での毒性の評価などにそれなりの期間を要するため、まだ先はかなり長いと考えておいた方が良いだろう」と業界関係者は話している。

 なお、新型コロナウイルスに対しては、日本医療研究開発機構(AMED)の支援を受けて、国立感染症研究所インフルエンザウイルス研究センターの長谷川秀樹センター長が進めているCOVID-19の予防用ワクチン開発に、2020年3月から、塩野義製薬のグループ会社であるUMNファーマが参画。研究開発の詳細や開発段階は明らかではないが、感染の足掛かりとなるスパイク蛋白質を抗原とした組換えワクチンを開発しているのではないかと推測されている。 」

新型コロナ 新たな戦略で「死なない病気」に 朝日新聞20200504

2020-05-04 14:02:06 | 記録
1)現在の治療薬として治験し、保険適用の治療薬となる可能性のある薬剤
2)新型肺炎罹患後ー間質の血液細胞サイトカインの暴走=毛細血管漏出ー
3)重篤にならないには、早期発見(ECOM装着で65歳以上97.2%死亡)
など、今必要な知見が網羅されており血液学の立場からの貴重な情報である。
必読!!と考えられ記録として残す。

 「新型コロナウイルスの治療薬として、さまざまな薬が候補にあがっており、抗ウイルス薬「レムデシビル」は月内にも承認されそうだ。難治性血液疾患などを専門とする小島勢二・名古屋大名誉教授は、新型コロナと立ち向かうには、抗ウイルス薬や、免疫を抑える薬とともに、第三の薬として「毛細血管に働きかける薬」が有効かもしれないという。新型コロナでは一部の患者が重症化することが指摘されているが、この薬は重症化の防止につながる可能性があるという。どういうメカニズムなのか。小島さんが解説した。

人工呼吸器つけても65歳以上 97%死亡

 緊急事態宣言が出されてからもうすぐ1カ月。いまだに、新型コロナウイルス感染が収束するめどはたっていない。そのため政府は、緊急事態宣言を1カ月程度延長する方針だ。

 これまでの新型コロナウイルス感染拡大への対策は、人との接触を極力削減して感染機会を減らすことに主眼が置かれてきた。さらに、重篤な症例は集中治療室(ICU)で管理して、人工呼吸器や体外式膜型人工肺(ECMO)による救命治療が行われてきた。医療スタッフや医療機器の不足から、一部の地域においては医療崩壊が現実のものとなっている。

 米国医師会雑誌によると、ニューヨークで治療された5700人の新型コロナウイルス感染患者のうち、320人が人工呼吸管理を必要としたが、その死亡率は18歳~65歳では76・4%、65歳以上では、実に97・2%に達している。

 一方で人工呼吸管理を必要としなかった患者の死亡率は、18~65歳では19・8%、65歳以上では26・6%であった。

 ICUで呼吸管理をしても65歳以上では97%が救命できていないという事実を考えると、医療資源やマンパワーの多くを重篤なICU管理の患者に注ぐことには、考え直す余地がある。

重篤な患者を減らすには

 では、どうするべきか。

 医療者は、極力、呼吸管理を必要とする重篤な状態になる患者を減らすことに力を注ぐべきである。感染機会を減らすための休業措置やICUでの重篤患者の管理と比較して、医療や社会に与える負担はずっと少なくてすむ。

 新型コロナ肺炎の経過は、通常の肺炎と大きく異なる。せきや発熱などの風邪症状を訴えていた患者が、急に呼吸困難に陥る。多くの患者は、その息苦しさを、「まるで水におぼれたようだ」と表現している。

 実際、肺に何が起きているのだろう。

 肺は非常に目の細かいスポンジ状の組織で気管支の末端には「肺胞」という空気がたまる小さな袋がある。肺胞の壁は「間質」と呼ばれ、周りには毛細血管が網の目のようにはりめぐらされ、酸素をとりこみ二酸化炭素を取り出すガス交換をしている。

 中国の武漢の病院が発表した新型コロナによる肺炎患者の顕微鏡写真によると、肺胞の壁が厚くなり、肺胞内には水がたまっていた。肺炎で死亡した直後の顕微鏡写真には、液体が肺胞にたまる「肺浮腫」がうつっていた。重度の呼吸不全の急性呼吸窮迫症候群(ARDS)の所見である。

 こうした顕微鏡画像から想像するに、新型コロナ肺炎が急激に悪化するのは、肺の間質に集まった血液細胞から、免疫にかかわる「サイトカイン」と呼ばれるたんぱく質が過剰につくられ、免疫が暴走するためだと考えられる。この点については、多くの研究者の意見は一致している。

 新型コロナ肺炎においては、間質に集まった血液細胞から出たサイトカインによって血管の細胞が傷つき、毛細血管漏出が起こることにより肺胞内に水分が漏れ出てしまう。その結果、肺胞と毛細血管とのガス交換ができなくなっていると考えられる。急激な呼吸困難の発症や、高齢者に多くみられることも、こう考えれば説明がつく。

 つまり、新型コロナウイルス肺炎の治療は①ウイルス感染②免疫の抑制③毛細血管漏出――の三つがターゲットとなる。

 抗ウイルス薬については、さまざまな薬で臨床試験が進んでいる。

 レムデシビルは、海外での承認を前提に、日本でも特例承認の手続きに入った。

 日本を含め、欧米の各国で人道的立場から53人の新型コロナウイルス患者に使われた結果が報告されている。53人のうち、30人は人工呼吸器、4人はECMOの装着が必要となった。2週間の経過観察で、36人は症状が改善し、17人は人工呼吸器、3人はECMOを使う必要がなくなった。死亡例は、呼吸管理が必要だった患者では6人であったが、呼吸管理を必要としない患者では1人に過ぎなかった。

 さらに、4月29日には、1063人を対象としたギリアド・サイエンシズ社の国際治験の中間報告が発表された。これによると、症状が回復するまでの期間は、偽薬を使ったグループでは平均15日だったが、レムデシビルを使ったグループでは平均11日に短縮した。ただ、死亡率は統計的に意味のある差はみられなかった。

 一方、同日に発行された英ランセット誌には中国での試験結果が報告されたが、明確な効果は示されなかった。レムデシビルを使った158人と偽薬を使った79人を比較した結果、症状改善までの日数、死亡率ともに統計的に意味のある差はなかった。

 アビガンは富士フイルム富山化学が開発し、インフルエンザ治療薬として国内で製造・販売が承認されている。ただ、妊娠中の人が使うと胎児に異常が出る恐れがあることから一般には販売されていない。わが国では、すでに2千人を超える新型コロナウイルス患者に、観察研究の枠組みで使われている。わが国で使われた346人について、主治医の主観で2週間後の状態を評価したところ、軽症患者では90%、中等症患者で85%、重症患者では61%に改善が見られた。

 抗エイズ薬であるカレトラは、中国から中等症患者を対象にした比較試験の結果が報告されたが、臨床症状の改善やウイルスを除去する効果は見られていない。

 プラケニルはマラリアの薬であるが、試験管内で抗ウイルス作用のあることが発見され、治療薬として期待されている。トランプ大統領は、感染拡大の状況を一変させる「ゲームチェンジャー」として推奨している。しかし、ブラジルからの比較試験の報告では、投与量を変えても効果は変わらなかった。

 これまでのところ、ウイルス減少効果を含め確実に効果が確認された抗ウイルス薬はないが、効く仕組みを考えると、発症の早期から使うことが必要であろう。人工呼吸器やECMOを必要とする患者では、その効果は限定的だと思われる。
「第三のターゲット」への期待

 免疫系の過剰反応を防ぐ薬としては、アクテムラという関節リウマチの治療薬が、わが国で承認されている。すでに、国内や中国の施設で重症の新型コロナ肺炎患者に投与され、効果があったとの報告もあり、現在、日本および海外での治験が始まっている。

 こうした状況の中、「第三のターゲット」として、毛細血管漏出を防ぐ効果があるのではと期待されている未承認薬がある。オーストリアのベンチャー企業が開発した「FX06」だ。

 FX06は、血液の凝固にかかわるたんぱく質「フィブリン」に由来しており、天然に存在するアミノ酸が鎖状につながった分子(ペプチド)だ。血管内皮細胞に作用して、毛細血管から血液成分が漏れるのを防ぐ作用がある。エボラ出血熱で人工呼吸器が必要となった患者にこの薬を使ったところ、毛細血管漏出が改善し、救命できたという症例の報告がある。また、200人を超える心筋梗塞(こうそく)の患者を対象にした臨床試験では、薬の安全性が確認されている。現在、ヨーロッパでは、人工呼吸管理が必要な重症の新型コロナ肺炎の患者を対象に、臨床試験が始まっている。

 新型コロナウイルスは、想像以上に広がっていることが予想される。

 過去に感染したことを示す抗体検査が米ニューヨーク市の住民に行われたが、陽性率は21%と、およそ5人に1人はすでに新型コロナウイルスに感染しているという結果だった。同様に、カリフォルニア州サンタクララの住民の陽性率は、2.5%から4.2%で、PCR検査で確定した新型コロナウイルス感染者数の50~85倍に達することが明らかになった。ニューヨークと同様に、東京でも想像した以上に新型コロナウイルスが広がっている可能性はある。

 抗体検査の結果が正しいとすれば、新型コロナウイルスへの感染はかなり広がっており、もはやクラスター対策は意味をなさないと言える。一方で感染しても大部分は無症状で、ICU管理が必要な患者は、ごく少数なのであろう。

 つまり現時点では、呼吸管理を必要とするような重症例になるのを防ぐ治療法の開発が、最優先されるべきだ。新型コロナウイルス感染が死なない病気になれば、多くの問題は解決する。新型コロナ肺炎の病態を考えると、ウイルスの減少効果が証明された抗ウイルス薬の早期使用と、免疫を抑える薬と毛細血管から血液成分が漏れるのを防ぐ薬を併用することが、最も有望と考えられる。

 ちなみに、先に紹介したカレトラの臨床試験は、武漢の1病院がわずか2週間で完了しており、その結果は、世界で最も権威ある医学雑誌の米ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに掲載された。よく練られた研究デザインのもとに、新型コロナ感染に立ち向かう臨床医の参加と国民の理解があれば、速やかに、現在、世界が最も必要とする薬の開発につながるだろう。臨床医の立場から、可能性のある治療薬の一刻も早い臨床試験の実施を切望する。(構成・岡崎明子)」

 <こじま・せいじ 名古屋大学名誉教授・名古屋小児がん基金理事長。1976年、名古屋大学医学部卒。専門は血液腫瘍(しゅよう)学。小児がんや難治性血液病の新しい治療法の開発に携わる。>

クルーズ船調査 無症状の人の部屋からも新型コロナ遺伝子 2020年5月3日 17時22分

2020-05-04 00:17:39 | 記録
NHK BS!ニュース2020年5月3日(日)22:50を記録する。

このニュースの注意点は、感染して症状の見られない人の部屋からも症状の出ている人と同様に新型コロナウィルスのDNAがでたこと(床・枕・ドアノブ・テレビのリモコン)で感染者は、ウイルス汚染対象者になることや汚染を広げない為には手洗い・マスク・手袋が大事なことである。

 「新型コロナウイルスの集団感染があったクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」で感染が確認された人の客室を国立感染所研究所のグループが調べたところ、症状が出ていなかった人が滞在していた部屋からも新型コロナウイルスの遺伝子が検出されたことが分かりました。
この調査は国立感染症研究所の山岸拓也室長らのグループが行いました。

 グループでは、多くの感染者が出た「ダイヤモンド・プリンセス」で乗客が下船したあと、客室内のどのような場所からウイルスの遺伝子が検出されるかをPCR検査を使って調べました。
 その結果、感染者が滞在した33部屋のうち21部屋でウイルスの遺伝子が確認されたということです。

 詳しく見てみますと、ユニットバスのトイレの床からは全体の39%にあたる13部屋で、ベッドの枕からは34%に当たる11部屋で、またテレビのリモコンからは21%に当たる7部屋でウイルスの遺伝子が検出されました。

 また、このうち感染は確認されたものの、検査をした当時症状が出ていなかった人が滞在していた13部屋については、54%に当たる7部屋のトイレの床から、38%に当たる5部屋の枕から、23%に当たる3部屋のリモコンから、それぞれ検出されたということです。
 
 感染していない人の部屋からはいずれもウイルスは検出されませんでした。

 調査を行った国立感染症研究所の山岸室長は「症状のある人からも、ない人からも同じような場所から同じ頻度でウイルスが検出されたということが今回の重要な発見だ。無症状の人からもたくさんのウイルスが出ている可能性があり、清掃や消毒をしっかり行っていく必要がある」と指摘しています。

 症状が出る前に他人に感染の報告 濃厚接触者の定義も見直し

 新型コロナウイルスに感染した人の中には、発熱などの症状がみられない無症状の人が報告されています。

 国立感染症研究所の報告では、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」の乗客でPCR検査で陽性と判定された人のうち、51%に当たる318人が検体が採取された時点では無症状でした。

 海外でも、中国の保健当局が先月14日までの累計で6700人余りの無症状の感染者がいたことを公表しています。

 こうした無症状の人から感染がどの程度広がるおそれがあるのかは、まだよく分かっていません。

 ただ潜伏期間中のため検査時点では無症状だったものの、その後発症した人については、症状が出る前からほかの人に感染していたという報告があります。
 シンガポールの研究グループは、国内のケースの調査で症状が出る前にほかの人に感染した例があったとして、発症前の潜伏期間でも対策を取るべきだと指摘しました。

 このほかにも体内のウイルスの量は、発症の数日前から増えているという研究結果が各地のグループから報告されています。

 WHO=世界保健機関でも、はっきりとした症状が出てくる3日から1日前にウイルスの検査で陽性となることなどから、潜伏期間中の感染は起こり得るとしています。

 このため感染者との接触について、「症状が出る2日前から1メートル以内で15分以上接触した人」などと定義を見直しました。

 また厚生労働省も先月、「濃厚接触者」についての定義を「発症の2日前から」と改めています。」


PCR検査が東北最多の山形県、結果公表は翌日 県民「もっと早く」河北新報2020年4月30日(木)

2020-05-01 11:10:28 | 記録
 PCR検査キットは、5月1日(金)にタカラバイオが、5月20日(火)に島津製作所が発売を開始する。島津製作所の検査キットは、医療機関向けで保険適用対象であり1検体当たりの価格は2万円ほどだが、保険の種別によって個人負担の額は異なる。いずれも結果判明までの時間は1時間。
 検査キットの採用によって、検査結果の公表時間が短縮される可能性があるが、感染者の発生を抑制する県民一丸の努力が功を奏している東北では、より一層の精度が必要だし、感染者の受け入れ体勢の充実が求められる。
 各県の現在の体勢は、下記の河北新報の記事で知ることができる。
記 
 「新型コロナウイルスのPCR検査で、東北6県で最も多い2000件超を実施する山形県は、検査と感染者公表のタイミングも独特だ。当初は検体採取から即日に検査、公表したが、現在は原則として2日にまたがる。「もっと早く対応すべきだ」と県民から声が上がるが、県は従事者の安全確保や正確な情報発信を理由に理解を求める。
 県内で初めて感染者が確認された3月31日から1週間、県は検体採取や「前処理」と呼ばれる下準備、検査を同じ日に行い、当日の午後9~11時ごろに感染確認の有無と人数だけを公表した。行動歴や濃厚接触者の調査は翌日に回し、事案の具体的な状況は午後3時半から吉村美栄子知事が記者会見で説明した。
 その後に1日当たりの検査数が急増。100件近くに達した4月7日から、検体を採取した翌日午前の検査を原則とする仕組みに変更した。県は午前11時ごろ、紙1枚の概要版で感染確認を公表。吉村知事や担当者による記者会見は変わらず午後3時半開始を基本に設定している。
 厚生労働省によると、28日までの県内の検査数は2103で、1744の宮城県を抑えて東北最多。154件に達した日もある。高齢者の重症化リスクなどを懸念し、無症状の濃厚接触者も積極的に検査する県の姿勢が背景にある。
 検査が増えれば従事者の負担も重くなる。県健康福祉部は「当初は、検査を受けた人に早く結果を伝えて安心させたいとの思いで対処した。検査技師らの安全や負担を考慮し、検査体制を変更した」と説明する。
 検査数が多ければ、時間を要する前処理の過程で、誤って検査技師が感染したり、作業が雑になって陽性と陰性を誤判定したりするリスクが高まるという。
 不安を抱く県民の間では、具体的な発表が翌日回しだった当初から「もっと早く記者発表をしてほしい」との声は強かった。
 県の担当者は「早く発表すれば情報がそろわず話すことがない。無用な混乱を招く恐れもある」と釈明。感染が確認された場合、当日の午後3時半から記者会見する方式も変える予定はないという。

◎6県でばらつき

 新型コロナウイルスの感染確認から事実の詳細を説明する記者会見までの時間は、東北6県でばらつきがあり、各県とも手探りの状態が続く。
 秋田県は結果判明から2~4時間後、青森県は3時間後をめどに記者会見を実施。福島県は3時間後をめどに記者会見を行うよう努めている。
 宮城県は午前の検査で陽性が判明した場合は午後2、3時ごろ、午後の検査分で陽性判明の場合は午後8時ごろから記者会見している。
 感染者が確認されていない岩手県は、1例目確認時に関する岩手県政記者クラブとの取り決めとして、県が確認してから2時間後をめどに時間を問わず知事が記者会見する予定だ。」