元上場証券会社店長のブログ

元上場証券会社の店長(東京日本橋支店・大阪北浜支店)現在現役株式為替ディーラーのブログです。日本FP協会AFP

思うこと

2007-11-07 13:01:07 | Weblog
米銀最大手のシティーグループのトップが辞任した。サブプライムローン関係の追加損失が明らかになったことで経営責任を取った。第三四半期の決算で計上した損失よりも、さらに大きな損失が発生するようだ。

 メリルリンチの場合もそうだが、経営者が損失の規模を把握できないところに今回の問題の深さがある。だから有効な対策を立てられない。

 今回のサブプライムローンの問題は、98年のLTCMとの比較で語られることが多いが、米国の金融機関へのダメージという点では、むしろ90年代初めの米銀大手を巻き込んだ不動産融資の焦げ付き問題の方を連想させる。

 当事シティバンクの株価は一ケタ台まで下落した。倒産の噂も出るほどだった。ちなみにシティーグループの現在の株価は、第三四半期の決算発表以降20%下落したとはいえ、30ドル台後半だから、今のところは当時に比べればましということになる。

 ただそれほど深刻な危機だったが、経営トップ(ジョンリード)は、資産の売却、貸し倒れ引当金の積み増し、資本増強、大幅な経営改革などを断行して、難局を乗り切った。

 今回新しく会長になったロバートルービンは、ゴールドマンサックス、財務省では実績を残したが、巨大組織のシティーでジョンリードのようなリーダーシップを発揮できるかは疑問だ。

 いずれにせよ、米国の大手金融機関の力が衰えるときは、ドルの価値が下がる。というのも米国の経常収支の赤字構造が持続可能なのも、米国の資本市場の優位性がある。それにより外国からの資金が円滑に還流する。その資本市場を支えるのが、米国の金融機関だからだ。メリルリンチやシティバンクはその代表的存在だ。

 80年代以降、米国の対外戦略の一つは、製造業では遅れをとっても、金融業で帳尻を合わせようというものだ。実際はお釣りがくるほど、この戦略は成功した。

 しかし昨年あたりから、米国の資本市場の優位性にかげりが出ている。例えば新規上場企業の数などで、欧州市場に後れを取ったりしている。今回のサブプライムローンの問題での米銀の打撃も、そうした文脈で読めば、ドルの下落傾向が続くのは避けがたい。


☆☆今日の言葉

大事に育てると、
他にとりかえようとは
思わないものです。

(ほぼ日「よしもとばななさんへ 恋についての10の質問」)

育てているものがあると、
自然に、自分が
しっかりしてきます。

少なくとも、
育てているものよりは
しっかりしていないと、
育て続けられるわけが
ないですから。

けれども、
隣の人とかが育てているものと、
自分の育てているものを
比べてがっかりし、
育てるのを怠けていると、

間違いなく、
「育ち」が悪くなりますから、
取り替えたくなったり、
自分の育てているものが
憎くなったりするのも人間です。

比べてがっかりしたとしても、
育てるのを止めなきゃいいんです。

そうすれば、
他とは比べる必要のない
自分らしいものが
育ってくるんです。

仮に、
自分のものだとしても、
自分で育てなければ、
情が湧かないこともあります。

いわゆる、
生みの親、育ての親の違い
みたいなものでしょうか。

育てる人になりましょう。
必ず何かが増えていくはずです。


(参考)ベリーショーツ 54のスマイル短編 (よしもとばなな、 ほぼ日)