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ロータスエリーゼ日記

■ 【試乗インプレ】シトロエン DS5

2012年09月01日 | クルマ関連記事
 自分的に待望のシトロエン本命「DS5」がついに日本でビュー!さっそく試乗してきました。

 クルマで15分ほどのディーラーさんに到着すると、最近イケイケのシトロエンらしく、DS3、DS4、C5、C4、C3が勢ぞろいで輝いていました。・・さてさてDS5は?・・な〜い。どーゆーこと?と思ったら、まだ試乗車と納車にあてるのが精一杯で、展示車がないんだそうです。試乗車が先とは信じられないありがたい話(笑)。

 ちょうどそこへ試乗車が帰ってきたので、乗り込んでまずはディテールから確認させていただきました。
 なんつーか、航空機のコックピットをイメージした・・とか言われるけど、いやぁ悪乗りが過ぎますぜシトロエン様!・・・と微笑んでしまうくらい、本当にノリノリで作ったクルマ(だけど本気)だと感心しました。


■内装■
 試乗車にはあの時計のベルトをイメージしたオプションの革シート(下写真)が装備されていました。ちょっと硬そうでどうかな?と思っていたけど、これが意外や革質が柔らかいシート。これはいい意味で予想を裏切られました。デザインと乗り心地を両立させた素敵なシートだと思います。僕ならこのオプションシート是非つけたいですね。色は赤がいいなぁ。



 運転席に座ると操縦桿を思わせるステアリングの向こうに真っ暗な3面メータースクリーン。エンジンスイッチを押すと少し間を置いてここにメーター類が映し出されます。なんだかBGMで「トップガン」が流れてきそうな雰囲気。
 天井を見上げると運転席・助手席・リアシートに3分割された巨大なガラスルーフが開放感を演出します。そして運転席・助手席の間の天井には、日本でも一時期流行った「オーバーヘッドコンソール」にスイッチがずらっとならんでいます(下写真)。これまた航空機のコックピットを思わせるわけです。
 ただし、この辺のスイッチをしょっちゅういじるかというとそうではなさそう。ここにたくさん並んだスイッチは、3つの「サンシェード」の電動スイッチと「ヘッドアップディスプレイ」の調整のためのもの。普段は「サンシェード」しかいじる機会はないでしょう(笑)。
 さてその「ヘッドアップディスプレイ」とは、運転席前方ガラスの前に電動で立ち上がってくる透明のモニターのことです。ここにスピード等の情報が映し出されることで、ドライバーがメーターへ視線を落とさずに情報を読み取れるというものです。・・・いらないでしょ?いらないと思いますよ(笑)。いや、これつけたうえで、いっそのことメーターのほうを廃止するくらいの英断をシトロエンには期待してしまいます。
 ただ、このヘッドアップディスプレイも実は「悪乗りといえるほどの遊び心」だと思うんです。宇宙戦艦ヤマトの波動砲を撃つ時の、または戦闘機の機関銃の標的照射スコープみたい。オーナーの方は、絶対スイッチを押す時、一度は「ターゲットスコープオープン!!」と叫ぶはずです(爆)。

 内装全体の質感はもう、ちょっと前の「フランス車のチープさ」は感じられません。細かいところまでしっかり作りこまれた感じです。リアシートに座っても、ドアや周辺に手抜きは感じられません。手触りや、シフトレバーのタッチも重厚で好感触です。やればできるじゃんってかんじです。

 内装に関して総じて言えば、質感良し、遊び心満載、デザイン良しで、個人的には素晴らしいと思いました。




■外装■
 このデザインが嫌いな人は、もうシトロエンになど最初から興味などないでしょう。僕は美しく、奇抜で、カッコイイと思いました。横から見ると流れるようなボディラインが美しい。長いフロントオーバーハングもシトロエンらしい。
 発表された時の僕の感想は「デザイン画からそのまま抜け出してきたようなクルマ」、でした。実物はそこまでとは言いませんがやはり大胆で美しい。想像していたより全長が短いのですが、幅は広く高さは低い。結果として流麗な美しいデザインで、見る者をハッとさせます。
 普段は保育園の送り迎えなんかにかっこいい奥様に乗りこなしていただきたい。それでいて休日は家族4人がしっかりと乗れて、おしゃれなご家族が似合う。数々のギミックに子供も喜ぶこと間違いなし、ですね。



 全体デザインも奇抜ですが、やはり目を引くのはヘッドライト上からフロントドアまで伸びるサーベルライン(上写真)。これだけでもほかのなんの車にも似ていない特徴といえます。
 さらに流れるルーフはリアに行くと低くなり、なんとルーフの後端(どこが後端かわからないけど(笑))にあるリアスポイラーより前方のルーフが後方視界を得るようにガラスになっているという不思議さ。じっくり見ているとそんな奇抜さの発見が飽きさせない。
 テールランプの形状もびっくり。まるでジェットエンジンのバーナーのようなイメージにえぐれているんです(下写真)。ここから炎が出てきそう。
 いやいや、シトロエンさんもう一回言わせてください。「悪乗りもえーかげんにせーよっ!(笑)」拍手!ほんとに素晴らしい!!




■ユーティリティ■
 奇抜なデザインで一番犠牲になりやすいユーティリティのチェックです。
 まず、運転席のポジションをあわせようとしたところ、ちょっとしっくりこなくてシートの前後位置が決めづらかった。これは最近多いAピラーを寝かせて前方へ伸ばしているからか、慣れないと自分の位置が後ろ過ぎる気がするためです。当然慣れれば問題ないのでしょう。
 さらに、ABペダルが若干上から踏みつける感覚(これもそういうクルマから乗り換えれば気にならない範囲)なのでポジションが決めにくいのかもしれませんね。

 運転席の位置を決めて後席に乗ってみると、ん~まぁ狭くはない。足元が狭いかと思ったけど、僕の身長だとヘッドクリアランスの方が若干気になるくらいです。ガラスルーフの開放感で狭い感じはあまりしませんでした。

 問題は荷室です。最初に書き忘れましたが、DS5はこんな形をしていますがワゴンではありません(笑)。無理やりカテゴライズすればハッチバックっぽいかなぁ。で、ワゴンみたいに荷室を期待しすぎるとブッブー。荷室はセダン並と思ってください。しかも開口部が狭いので積み下ろしが辛そう。ゴルフバッグは横向きには入らないと思います。4人でゴルフ行くのは無理。3人でもシート倒さないと無理。そんな感じです。DS5はC5のDS版ではなく、ベースがC4だからかな。
 どうしてもシトロエンで荷物を積みたい方は、当面、「ピカソ」を選ぶしかありません。「C5ツーリング」は生産終了ですので。
 念のためですが、荷室容量に関して、普通の使い方をするのに支障があるわけでは決してないです。うちのようにキャンプに行ったり、ホッケーの道具を2人分も3人分も載せるのには無理がある、ということです。


■動力性能■
 スタートスイッチを押してエンジンをかけると、1.6リッターツインスクロールターボのエンジンが軽〜く始動します。手応えのあるシフトレバーをDレンジに入れて、サイドブレーキのリリースボタンを押し、アクセルを踏み込むとスルスルと軽い加速をしてくれます。決して力強いわけでもなく、回転上昇に感動があるわけでもないのですが、これはこれで十分な力感です。
 それなりに加速がしたくて踏み込むと結構唸るエンジンですが、アクセルを戻すと室内はまた穏やかで静かな空間に戻ります。
 今やシトロエンのエンジンは大きな排気量はなく、なんとこの1.6ターボが最大となってしまいました。それはそれでシトロエンらしくていいと思いますが、高速道路で本当に不満はないかといわれるとどうなのかな?と思ってしまいます。必要十分だけど、余裕があるとはちょっと思えないからです。

 ATは6速です。日本製らしいのですが味付けはこれまた独特です。スタートダッシュで踏み込んだあとにシフトアップしようとわざとアクセルを戻すとシフトアップせずにギアを低いままにキープしようとします。むしろアクセルを完全には戻さず軽く踏んでいる状態(つまりは巡航状態)にしてやるとポンポンとシフトアップしていってくれます。このあたりははっきりしていて面白い。
 シフトアップの方もMTのようなエンジン音のシフトチェンジが感じられます。一瞬、ツインクラッチATなのかと思いましたから。

 このクルマ、ハイドロではなくコイルスプリングですが、その乗り心地は決して期待を裏切るものではありません。シトロエンのイメージをもって乗ると若干硬めな印象ですが、これはDSシリーズとしての狙いのでしょう。このディーラーさんの試乗コースはなかなかいいコースでしたが、全般にわたって、コーナーではしっかりしていながらも乗り心地は良いと思いましたから。

 ごめんなさい。動力性能に関してはこのクルマは「ギンギン走る性格の車」ではないので、あまりいろいろ試せませんでした。パワーに余裕こそありませんが、長距離は得意そうに思えました。確かに狙いはグランドツーリングという感じです。

 ブレーキのフィールはとっても頼りないので本来ならコメントしたいところなのですが、これが街中で乗っている分にはとても優しくて気持ちいいのでOKということで・・。
 

■その他■
 このクルマ、ワイパーが真ん中から外側に動くタイプですが、右ハンドルにしっかり対応していました。なんでそんなこと書くかというとDS4は左ハンドル仕様のままだからです。

 あと、バックミラーのなかにモニターがあって、始動時死角になる左サイドやバック時の後方映像を映し出してくれます。とてもかっこいいけど見やすいとは言えないので、これはぜひナビモニターに映して欲しいところです。ちなみにナビは国産後付オプションなのでそれができないのだと思います。


■まとめ■
 実際小さいわけではありませんが、1.6小排気量車のくせになんか重厚な感じのするどっしりとしたクルマでした(ま、1.5tもあるんで本当に重いんですけど)。若々しいのに落ち着きもあり、美しいのに遊び心もある。
 贅沢を言えば、もう少し力強さと荷室容量が欲しかった。
 この車のイメージに合うような洗練されたディーゼルターボがほしいです。5年後、子供たちがキャンプもホッケーもやめていたら(笑)中古車購入候補です!。


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