雄一郎の半生
家が出来上がって、引っ越しをした。
そこは、田舎ではあるが、小学校や
中学校への通学には、便利な場所を
母の希望で選んだ場所だった。
ここでも、2番目の女房のN子は
愚行を続ける。家の外溝工事で
俺も、500万円ほどの借り入れをして
毎月、銀行マンが集金に来ていた。
しかし、玄関先で集金をしている時には
N子は、私の視線を隠すようにドアを
閉めて応じていた。
たまには、集金人に声をかけて
お茶など出して、話をしながら座敷に
上がってもらうのだが、どうも、N子は
落ち着かない様子が見て取れた。
これも後に分かったことだが、
俺の銀行口座から、前借をして
その都度、返済を繰り返していたのだ。
金額は定かではないが、1000万円には
なっていたようだ。俺はこの頃、収入では
毎月、30万円だった給料からバブルも
手伝って、最高は月給300万円にまで
なっていて、家にも十分な金額を
渡していた。子供二人の大学までの
資金にと預金していたが、これを担保に
借り入れをしていたのだ。
そして、母もこの頃から糖尿病が
ひどくなっていった。
次回につづく