雄一郎の半生
新築の家に引っ越しをしてからは、
母は糖尿病が悪化していった。
でも、俺の反対を押し切って
隣町に小さなスナックを開いた。
細々と今までの知り合いなどを
お客に店を開けていた。
初めは、自宅にタクシー等で帰って
きていたが、段々に、おっくうに
なったのか店に泊まることが多く
なっていった。
この事も後で分ったのだが、母は
N子と一緒に居ることが嫌で、
スナックを始めたらしい。
俺は、母は糖尿病なので酒を客と
一緒に飲むことには反対だった。
その後案の定、インシュリンを
打つようになっていった。
そんなある日に、会社に連絡が
入った。「母が病院で動けない様だ」
と言うのだ。あわてて、かかりつけの
病院へ行ってみると、院長先生が
「小さな血栓が脳内に多数あり、
ろれつが回ら無くなっています。」
と言うのだ、母に会ってみると
確かに、言葉がはっきりしない。
何を言っているのかが良く分らない。
院長先生は、様子を見るしかなく、
母の症状は悪化するだろうという。
そんな状態では、スナックなど
止めざるを得ないので、自分が
大家さんの家に行き、事情を話して
店をたたむことにした。
俺の仕事は、休むわけには
行かないので、続けたが母に
とっては、体を壊してからの
これからの時期は、まさに
修羅場だった。
N子は、母が口がきけないことを
良いことに、数々の悪行を
するのだ。
次回につづく
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