雄一郎の半生

こんな人生もあるのですね。ノンフィクションの半生記
全ては、書けませんが。。。

果ての無い悲しみ

2021年02月12日 06時00分00秒 | 日記

雄一郎の半生

弟は、なぜ事故にあったんだろう

毎日、毎日、事故の事ばかりを

考えていた。事故当日に一緒に

バイクに乗っていた、弟の友達

にも会い、事故の状況を聞いたが、

なぜか弟が運転していたのに、

ヘルメットは後ろの友人に

かぶせていた。という。

「普通は、運転者が被っているの

ではないのか?」と、問うと

「自分達は、後ろに乗っている

人の方が危ないのでみんな、

後ろに乗っている人にヘルメット

をかぶせている。」と言う。しかし、

当然納得がいかない。

ぶつかったトラックの運転手も

事故の示談の事で、家に来たが、

最初は示談なんか、したく

なかった。運転手も「突然飛び

出されて、避け切れなかった。」

と言っており、当時の国道には

路地からの交差点には、止まれの

標識がなかった。標識があれば、

止まったのかも知れなかった。

このことが、知れるのを恐れたのか、

県では事故後に止まれの標識を

急いで立てている。保険会社の

調べで「止まれの標識があったのに

なぜ、止まらなかったのか?」との

問いには、当人はもう死んでいるのに

そんなこと、解かるか?と、頭にきたが

当日は、標識はなかったと事実を

伝えた。

テレビをぼんやり、見ていて弟と

同じ年の子が出ていると、なぜ、

あの子は生きていて、弟は死んだの

だろう。などと思うようになった。

弟の葬儀には、2学年の全員が

お墓まで、お焼香に行ってくれて

長い長い行列が、実家からお墓まで

続いた。後に、女の子が一人、

「△君のお墓はどこですか?」と

近くのお店の方に聞いてお墓に

向かった子が居たらしく、店の人は

「何か、悲しいそうで事故にでも

あったら」と後を追いかけていった。

と、言っていた。

きっと、弟が親しくしていた、

女の子だったのだろう。

こういう話を聞くと一層、悲しみが増した。

 

 

次回につづく



最新の画像もっと見る

コメントを投稿