雨の降らない放課後


基本的に内容の薄い日記
のんびりマイペースに更新してます。
読んでもらえると嬉しいです。

ホワイトデーの夕ご飯 後書き

2018-03-14 22:50:23 | 小説もどき
久しぶりに小説もどき書きました。 
難しいけれど、楽しかったなぁ。

最近書いていたものは途中までのものばかりだったので
なんとか完成できてよかったです。


ほんとはホワイトデーを題材に違うカップルを書こうと思っていたのですが、
設定を1から考えたキャラクターたちの方が早く書けるということで、
こっちにしました。

なんとなくホワイトデーにおでんと閃いたので これで書き進められると思ったんですよね。
メモの段階では両思いにさせるつもりはなかったのですが、なぜかくっつきました。

珍しく男の子が頑張りました💪
普段女の子が頑張っていることが多いので 自分としては珍しい。
(どうしてもそっちの方が好きなのでそうなる)

書いてて恥ずかしかったけれど
楽しかったので、また暇な時に書こうと思います。
女の子の視点からも書きたいなー
少し考えてあるんですよ。

でも、そんな時間あるかな……
明日からまたバリバリバイトなんですよね(´・ω・`)……

拙い小説もどき.読んでくださりありがとうございます。
また読んでくださるとうれしいです。




ホワイトデーの夕ご飯 ⑧

2018-03-14 22:48:56 | 小説もどき
おでんを掴もうとして空中に留まっている高田の手に自分の手を重ねる。小さく高田の手と体が震えた。
とても恥ずかしそうにいるのに、俺から目を離さない。

高田のそれは自分よりも小さくて柔らかくってなめらかで温かい手だった。
おそらくハンドクリームを念入りにつけてケアしているのだろう。


『俺、ずっと前から高田のことが好きだ』

よし。声が裏返すことなく言えた。
十年いえなかった言葉を言えたことに俺はとても清々しい気持ちになった。
やっと言えた。高田に面と向かって。


『……合田……私も……好きよ……』

ぽつりと小さい声。
いつもだったら聞き流してしまうぐらいの音量だった。
だけど、それだけでよかった。

高田は箸をゆっくり置いた。
今度は高田から俺の手を握ってきた。とてもぎこちなく。

『お母さんまだ帰ってこないといいね』

にこり、と微笑む高田。
その笑顔は久しぶりに見たとても愛おしいものだった。



ホワイトデーの夕ご飯 ⑦

2018-03-14 22:31:48 | 小説もどき
『そっか……義理なんだ、よかった』

小さく声が聞こえた。

その心からホッとした声に驚いて高田を見ると
顔を真っ赤にしている。
そして、おでんを食べようとしてぴたりと箸が空中で止まっている。
あの、ローテーション高田が。顔を。
頬を真っ赤に染め上げているなんて。


『た……たかだ?』

俺の声が裏返った。動揺してるのバレるぞ、これは。
ふと表情が気になったが気にしないことにした。どうしようもない。不意打ちなのだから作るひまさえなかった。


『そんなに見ないでよ、恥ずかしい……』

消え入りそうな声だった。

ますます頬を赤く染める高田。
人のことあの時さんざん見ていたクセに。
自分がされるのは恥ずかしいのか。


『ご、ごめん……』

自分でもよくわからないけれど、謝る。
これはもしかしたらあれか?
極一部には訪れるという青春というやつか?

高田を好きになってから早十年。
このチャンスに何もしないなんていくらヘタレと言われている俺でも耐えられない。



ホワイトデーの夕ご飯 ⑥

2018-03-14 22:15:05 | 小説もどき
同時にふらりと何かいい匂いがする。

甘くてなんだか切なくなるような高田からする香りにどぎまぎしてきた。
これはなんの香りなんだろう?
本人に聞いてみたい気もするが恥ずかしくて聞けない。


『どんなふうに渡されたの?』
俺の瞳から瞳を逸らさないままでいる。


『どんなふうに…ってふつうだよ。クラスのほとんどの男子に配ってるの見たけど。

田中なんか鼻の下伸ばして喜んでたなぁ……アイツ、代永さん大好きだからなー…天使のすることは違う!✨✨とかいって目ぇキラキラさせてたっけな
たぶん全員に配ってるんだろうな、義理を。』


『ふーん……』

急にいつものローテーションな高田に戻った。

当然俺から視線が外されておでんに戻る。
話している間におでんが冷やされていたのか
ぱくりと口の中に放り込んでいた。

少しさみしい気持ちもあるが、これが俺たちのもともとの距離感だ。


ホワイトデーの夕ご飯 ⑤

2018-03-14 22:02:18 | 小説もどき
『まぁ、たしかにおでんは大好物だけどさ……』 

『ホワイトデーっていうけれどあんまり関係ないじゃん。
もしかして合田チョコレートもらったの?』


先ほどまで格闘していた熱いこんにゃくを
平らげた高田はじぃっとこちらを凝視してきた。
さっきまでろくに目を合わさなかったのに
急にどうした?

俺は何もやましいことがないのに
一歩後ろに退いた。

『チョコレートは信田さんとか代永さんからもらった』

『えっ、あの、クラス一の美女代永さんからも?』

『おっ、おう。そうだけど』

高田がずいっと身を寄せてきた。
テーブルがあるとはいえ少しちかい。