キムラトモミの絵と版画 制作ノート

日常の中の非日常、目に見えない大切なものを
少しでも形にしたくて制作しています。猫のいるこの世界が好きです

読書メモ 鬼のうで 赤羽末吉さん

2019年08月04日 | 読書メモ
図書館に行ったら、1冊は絵本を読もうと何となく決め
司書さんお勧めコーナーにある絵本をよんでます。

今日はとても素晴らしい絵本作家さんを見つけてしまいましたー👀✨✨✨

鬼のうで
という絵本
和風で独特なタッチ
まず
絵が不思議だなぁぁと惹かれました
お話は日本の昔話
語り口調がテンポよく
たまにこれまた不可思議な擬態音?

芸術的な構図にやられました!
いやー
こんなすごい作家さんがおられたとは
絵もお話も
作者は
赤羽末吉(あかばすえきち)さんという方

ご存知の方は多いかと思われます。

過去作品にはあの
教科書でもとりあげられた


スーホの白い馬が✨

凄いなぁ
この絵本に影響されて

モンゴル(内蒙古)に旅行に行った事もあります
スーホに憧れて馬頭琴も買ってちょこっと練習もしてました

スーホの白い馬の作者さんとは...

赤羽末吉さんは独学で絵を学び
50歳を過ぎてから、福音館書店を尋ね
絵本を作りたいと申し出たそうです
(Wikipediaより)
なんという勇気ある行動

感動でございます
うーーー


「ザーヒル」パウロ・コエーリョ 訳:旦敬介

2019年07月11日 | 読書メモ
パウロ・コエーリョさんにハマって3冊目はザーヒルを読みました。アルケミストが凄すぎて、チョットもの足りない気もしました。
しかし、流石コエーリョさんです。違う角度の魅力も沢山散りばめられていて興味が広がります。

ストーリーは
ある日、売れっ子小説家である主人公は自分の妻が前触れも無く消えてしまい、なんでなんで?と途方に暮れます。そして妻を探し追い求めて自分を探すことになり...というものです。
妻が消えた理由を探るうちに、これまで知らなかった彼女や彼女の交友関係を知ることになる主人公。
ザーヒル(決して忘れられないもの 思考を占領してついには狂気にまでなってしまう)と化した妻

すごく好きな箇所をメモします
82ページ(角川文庫)

【私はとても重要なことにはたと気づく
このカテドラルは私なのだ。
中略
ある人間を自分が
生涯を通じて初めて
自分自身以上に愛しているということを納得する為だったのだ。】

スペインの何処かのカテドラルで主人公(コエーリョ自身とも言えるようです)が発見したこと

私は数年前、両親の還暦祝いに念願であったスペイン旅行に行ったのですが、それはもう夢のように素敵でした...
素晴らしいカテドラルはアラブ人が支配するとモスクになり、クリスチャンが支配すると教会になり、壊されずに色んな宗教の依代となり歴史に身を委ねていたそうです。
そういう情景も想像すると、誰もが心に何も無いだだっ広い空間を持っていて そこには目に見えなくても愛する人への思いが満たされている...ということになるのかな...

とすると、私のザーヒルは向井秀徳さんかもしれません
(本気とかいてマジと読ませたいところでございますよ
(›´ω`‹ )笑ってやっておくんなさいまし)


個人的にはマリーに感情移入してしまいます
主人公の恋人なんです
奥さんいるのに恋人もいるなんて...

やりきれませんねぇ!


「エレンディラ 」 ガブリエル・ガルシア・マルケス

2019年07月09日 | 読書メモ
短編集
ちくま文庫

大人の為の残酷な童話として書かれただけあって
不思議な....
奇妙なお話しばかりです。

何をどう感じたら良いか
未処理なままの感情で
読み進めておりました
絵画で例えるなら、ダリのシュールリアリズムのような
独特なファンタジーがリアルに描写されているように
ユニークなのでした。

「大きな翼のある、ひどく年取った男」
タイトルだけでも
十分に不思議です

個人的には
「この世でいちばん美しい水死人」
すごく好きな物語でしたー

お話しは海に漂う水死人を村人達が引き上げるところからはじまります。
最初、村の男達は死人を厄介者に思っていたのですが
女達がその美しい死人の身体を清めるうちに、名前・や素性や性格をあれこれ空想していくんです
他者の手で語られ、彼の背景や人格が勝手に形成し育てられていくという可笑しさが愛に満ちていて面白かったです。
しまいには、村人達は彼のために同情を寄せ、素晴らしいお弔いをし...村は彼の名前が付けられるという(それは架空の名前でしか無いのに...まるでそうだったかのように)
愛のある不思議な幻想が 人々の空想が リアルなものになって、共同体の認識にかたちづくられる。
うーん😌非常に気に入りました。

諸星大二郎先生の短編漫画とか、村上春樹さんの不思議なパラレルワールドにも共通するように思います。

しかし、読後感になんとも気持ちがブルーになったのが
最後のお話し
「無垢なエレンディラと無情な祖母の信じがたい悲惨の物語」でした

浅野いにおさんの漫画「おやすみプンプン」を読んでた時にも同じ気持ちになったナと 蘇ります。
多分
それは 虐待や性被害が物語に組み込まれていたからだと思います。
作者のメッセージがそこには無いのかもしれないけれど
虐待がうむ悲劇 とか
性の問題 とか
自分では抱えきれない問題を
目の前に突きつけられ
どうしようもない
途方もない
悲しくて
腹が立つ
感覚になってしまうからでしょうか。
エレンディラが最後に解放されても
複雑な気持ちしか無いという



緑の血が何かの隠喩なのか

それとも幻想なのか
人間では無いという事なのか
謎の多いお話しでございました。
他の方の感想が気になるところです

ベロニカは死ぬことにした

2019年06月28日 | 読書メモ
アルケミストの作者 パウロ・コエーリョさんの文庫本を数冊ほど買い込みまして、寝る前にちょびちょび読んでおります

ベロニカが若くして自殺を図るところから物語がはじまります。

とてもやるせない...

意識が戻ると精神病棟に入院していて
ドクターに余命が6日と言われるんです。

その6日間を誰にも遠慮せず
生々しくベロニカは生きる事になるんです

周りの患者さんに感化され
あるいは周囲に影響を与え...

作者自身が入院経験があるとはいえ
物語の舞台である病院内の描写や看護師の接遇が気になり
素直に読めない箇所もありました。
自分自身がかつて、病院で務めていたし
悲しいことに沢山の患者さんとお別れもあったので
何か引っかかる物があったんですね。

精神医療のエビデンスが時代や国によって異なるでしょうし、医者によってもアプローチが違う訳ですし、無理のないことだとは思ってます。

ベロニカはスロベニア人という設定です。
彼女の置かれている
ヨーロッパにおける祖国の情勢とか
母子関係やら、自己表現やら、無意識の抑圧やら
彼女がたんたんと生きてたんたんと自死を選んだ
理由についても分かるようで分からない。

私はスロベニアが何処にあるかさえ知らない無知ですし💦

生きにくさ...というのは
他人に易々と理解できるものではない
ということはわかる気がしました。

残された
時間=自由を精一杯
大泣きをして
感情を出し切って
ベロニカは
幼い頃になりたかった
ピアニストへの夢を思い出して
弾きたいという熱い思いをピアノに向ける...

この辺りに、作者の言わんとする
人生の秘密が
隠されていたように思います。




読書メモ 「アルケミスト」パウロ・コエーリョ

2019年05月27日 | 読書メモ
久しぶりの読書は
東京から京都行の夜行バスに乗る日
なんの用事もなく
ふらりと立ち寄った
下北沢の本屋さんで見つけた1冊の本です。

背表紙に
羊飼いのサンチャゴはアンダルシアの平原からエジプトのピラミッドに向けて旅に出た。
そこに彼を待つ宝物が隠されているという夢を信じて
中略
「何かを強く望めば宇宙の全てが協力して実現するように助けてくれる」
云々...
とありました

スピリチュアル系の物語のようです

夜行バスを待つのに4時間も時間がございましたので
読書しながら過ごすことにしました。

全く存じ上げなかったこの小説
実は国際的なベストセラー本のようです

読み進めると
いくつもメモしたいフレーズと出会います!
凄い本に出会ってしまった✨

「傷つくのを恐れるのは実際に傷つくよりも辛いことだ。お前の心に言ってやるが良い。夢を追求している時は心は決して傷つかない。それは追求の一瞬一瞬が神との出会いであり、永遠との出会いだからだ」

勇気のない私は
この言葉をお守りに
韓国での個展頑張ってこようと思います。