新聞をきちんと読もうとすると、けっこう時間がかかる。ためておいて結局読まないこともある。
同居の家族は食事しながら読む。新聞を膝に広げるために少し横向きで、背中を丸めて。
(何年も前に、「なるほどこれが結婚っていうことか」と、目からうろこだった。)
時間があればじっくり読むし、コーヒー片手に興味深い記事を何本か読めたりすると、いい時間だったと思える。
今朝は、昨日の朝日土曜版をそこそこじっくりと読んだら、「派出夫」という言葉に出くわした。「はしゅつふ」。
これはね、大昔、実家の家族の奥さんの口癖に登場する単語だった。その際は「派出婦」、最後が「夫」じゃなくて「婦」。
なんとなく意味はわかっていて、漢字も見当ついたけど、この単語を公に聞くことは今まで一度もなかった。
実家の家族の奥さんは、自分は「不遇の歌姫」だと信じていた。
だから、親のすねかじりで音楽のレッスンが受けられるような身分の者への風当たりはもう、ハリケーン並だった。
不遇の歌姫の期待を託された才能のない子供は、不遇の歌姫以上に不遇だったと私は考えているけどね。
それで、主婦にさせられた不遇の歌姫の主張として、「私は、はしゅつふじゃないんだからね!!!」
どういう経緯で主婦にさせられちゃったのかは知らないが、まだ存命中の実家の家族に聞いてもきょとんとするだけだろう。
そんな暗い過去話はさておき、「はしゅつふ」がこんなところに出てくるとは思わなかった。
巷には出回っていないし、妙な単語だなあ、自作の言葉かなあと時々思い出していたけれど、実在の日本語だったことが今日わかった。
要は、派遣の家政婦(夫)。1950年代後半、経済の停滞で失業率が上がり、家事代行業に男性も参入していたらしい。
派出夫紹介所の通称は「ますらお派出夫会」だったとの記述も。「ますらお」の漢字は「益荒男」だけど、会の名は平仮名表記だったみたい。
そしてそれは、高度経済成長と共に姿を消していったとか。派出夫から企業戦士へ・・・。
1969年5月11日朝刊の「サザエさん」のネタが「派出夫」だったという、朝日新聞「サザエさんをさがして」コーナーの記事でした。
きのうの土曜特別版には、昨年秋に実家の家族と歩いた「白樺文学館」と「手賀沼」周辺の記事もあって面白かった。
庭の草取り、どうしても手付かず。1時間10分散歩して、バッハのシャコンヌ練習したら、疲れて昼寝してしまった。
人生は無限ではないと実感するこの頃、これではいけない。
庭で撮影。木曜日までバイトないので、草取りに限定しなくてもいいので、有意義に過ごしたいな。