「借りていた本を返したいけれど、
帰りにお持ちしてもいいですか?」
と、ねねさんからメッセがきた。
「もう読んじゃった本なんで
いつでもいいですよ」
「では、18時過ぎにお持ちします。
あと、少しお話ししたいことがあります」
なんて言われ、その日は用事もなかったので
帰りに会って話を聞くことにした。
なんだろう。。ここにきて急に距離が近くなった。
うれしいことだとは思うのだけれど、
どんな風に思ってるのかなぁ~?
前にねねさんにそんなこと言われたのは、
彼にメッセを覗き見され、オレに彼の名前を
告白する決心をした時だった。
今度はどんな話をされるのかが気になって
午後はちょっと仕事が手につかなかった><
一緒に話しながら帰る時にも、
よくない話ばかり想像してしまい、
その話題には触れないように気をつけてた。
お茶か軽く飲むかで迷いながらもイタ飯屋に寄り
ワインを頼み、差し障りのない話をしたあと、
「あのね、いちおう報告はしておこうと思って・・・」
と切り出した話は、
入院しているお父さんが手術したことと、
子供の受験結果のことだった。
オレは話の内容にホッとした。
もしかしたらすごく嫌われていて
もう2度と会えなくなるような話だと思ってたから。
けど話しているうちに、
「これから1年子供が受験で苦労するのに自分が浮かれてはダメ、
1年間は会わないって決めてた」
だそうだ・・・・。
なんとかそれだけは阻止したけど、
なにより今はそんなに嫌われていないことがわかった。
むしろ仲がもどった感じ。
ワインを2本も空け、ひどく寒空の中
2人寄り添って駅まで急いだ。
途中、自然と2人の唇が重なっていた。