捨てられていた子猫三匹を拾い、面倒を見ているその人が、嘆いている。
子猫の一匹が、下半身の骨折で入院、さらに残りの二匹まで、体調不良で緊急入院しなければならなくなったせいで。
苦しめるなら自分を苦しめろ、何で罪もない子猫を苦しめるんだ、と、この世の幸、不幸を操る、何者とも知れない存在に向かって、その人は怒り、嘆いている。
でも、具合が悪くなれば、即、医者に連れて行ってもらえる、十分な治療を受けさせ . . . 本文を読む
我が町にある、16車線もの車道が交差する交差点は、空が何にも遮られずにすっきりと広がっている。
その広大な空を、鳩たちの群れが気持ち良さそうに飛び交っている。
通勤の朝、バス待ちのバス停から、毎回眺める光景だ。
前になったり後ろになったり、追いかけっこをする鳩。
同じ軌道を何度も行ったり来たりする鳩。
上空から急降下して、マンションの屋上やベランダへの着地を目指す鳩。
群れを組んで彼方から彼方へ飛 . . . 本文を読む
最近、犬が愛しい。
犬より猫の方が好きなんだけど、猫とはあまり接する機会がない。
昔は、勤め先の会社の寮に猫がいて、常々遊び相手になっていた。
けれど、その猫が死んでから、仲良く出来る猫はいなくなってしまった。
日常の中、猫とコミュニケーションを取りたくてもなかなか取れない。
住宅事情があるから家で動物は飼えないし、よその家猫は玄関の内にいてめったに外に出てこない、野良猫は見かけても、こちらが近づ . . . 本文を読む
スーパー前の電柱につながれている犬は、心細そうな眼をしていた。
吠え立てもせず、ただおとなしく、買い物中の飼い主を待っている様子が健気だった。
眼が合ってしまった以上、無視は出来ない。
ニコッと笑い、犬の鼻先で手をヒラヒラ振ってやった。
犬はつまらなそうに、それでも、少しの興味を示して、私の指先をクンクン嗅いだ。
頭を撫でてもやりたかったが、他人の私に撫でられても嬉しくないだろうから、それはやめた . . . 本文を読む
勤め先の近所の家に犬が飼われてる。
みたところ、白地に耳と目の回りだけが黒い毛並みの雑種。
初対面の日は、モロ吠えつかれてビックリした。
何や、こいつ、と憤慨し、「吠えるこたぁ、ないやろ!」と、犬に向かって説教したが、聞く耳持たぬげにさらに吠えかえしてきやがった。
犬好きの人間に向かって吠えるとは、なんと見る眼のない犬だろうと、その日は思った。
次の日、また吠えられるかなぁ、心配しつつ、おそるおそ . . . 本文を読む