Beauty Collector

そのまんま。
きれいなものがすきです。

えーんど、I'M A LITTLE MONSTER!!

チュニジア旅行 2008.2.某日

2008年05月30日 | 旅行・おでかけ
注:ものすごく長いです
 旅の始まりはなんだか、ドキドキしすぎて吐き気まで催していた。それというのも、まぁ個人的にいろいろあってやっとこさの海外だったので神経が高ぶっていたのだろう。
 空港に着くと、いつだかのような遅延も無く、スムーズに搭乗手続きへ進んだ。ころころと荷物を押して、危険物チェック(何て言うんだったかな?)に。ここで、予想外にも私の荷物は、ストップされてしまった。去年よりもさらに手荷物規制が厳しくなっており、100ml以上の容器は一切持ち込めなくなっていたのだ。しかも私の化粧水のボトルは120ml、ボトルは旅行先で捨ててしまおうと思っていたので中身はほとんど無いというのに……
 ほとんど無いんですけど!と、係りのお兄さんに言ってみたが、そういう意味ではありません(わかってるけど!)と返されてしまった。仕方なく、また窓口に戻り、荷物を預ける。物騒な昨今はきちーっと対策を取らないといけないようだ。それにしても、面倒くさいことになった。
 再び訪れたカウンターで、お姉さんに何度も荷物はこれだけですか?と聞かれる。それはそれは何回も。海外に、しかも10日でチュニジア。通常のバックパック3割り増し、程度の大きさしかない私の荷物はかなり不審に思われたようだ。力をこめて本当にこれだけです、と言うと、お姉さんは国内旅行の方でも大きい方がいるので……と、言いつつなんとか流してくれた。 荷物はソフトケースでもなく、ちょっとしっかりしたナイロン程度のものなので、かなり心配で見送る。荷の扱いはかなり荒いから、壊れずに手元に戻ってこられるだろうか……
 優先カードを首かけていたので、再び訪れた検査ではずらーっと並んだ人を尻目に、空いたゲートで検査される。くだらないが、これはなかなかの優越感。

 今回は初、アリ○リア航空。いつものようにスペシャルミールを頼むことはしなかったので、普通の機内食を楽しむつもりだ。機はJ○Lとの共同運航便で結構大きめ。
 それはそうと、今回ヨーロッパ乗換えは初。アジア乗換えの、短い距離を飛んでから次本番、的な乗り方に慣れていたのでちょっと不思議な感覚だ。席はいつもどおり通路側だし、トイレもスムーズに行ける。
 機内食はうなぎだったが、あまりの薄さに感心した。冷凍したものを切ったのだろうか?5ミリも無い気がする。各座席に着いたパネルで映画を見ようとしたのだが、なぜか表記がいきなりイタリア語に変わったりと、誤作動が多発。途中、かなりいいところまできたトランスフォーマーが違うチャンネルに変わったときは、さすがに添乗員のお兄さんに来てもらった。画面は何を押しても、反応しなくなり、消すことすらできなくなっていた。ナイスガイなイタリア人添乗員さんが頑張ってくれて、チャンネルは元に戻ったが、映画はかなり進んでいた。チャンネルもうまく変わらないというのに、巻き戻しなどできるはずもなく、あきらめて寝ることにする。だが、いつもと違うパターンが悪かったのか、緊張していたのか、全く休むことが出来ず、ひたすら本を読んだりして時間を潰す羽目に。足はむくんで痛いし、何度も席を立ったがそれでもやはり長時間のフライトはきつい。航空会社が用意してくれたおやつのプリッツェルを、一人暗闇の中、ぽりぽり食べる。途中、トイレに立ったときに後方の窓を覗きに行くと、なんとも印象的な風景を目にした。真っ白な大地に茶色い筋が細く走る、この世のものとは思えない景色。ロシア付近上空だったろうか?写真を撮らなかったことが悔やまれる。
 朝食は数種類のハムとクロワッサンの軽いもの。それらもぺろりと平らげて、食後のお茶を待っていると、左隣に座っていた日本人男性二人組みの片方に添乗員がよろけてぶつかった。ウーップス、ソーリー、とだけ言って、(たぶん)イタリア人添乗員のお姉さんは気にせず去っていく。が、男性の袖にはしっかりコーヒーの染みが……ありえない!と染みを付けられたお兄さんはぷりぷりしているが、それきり添乗員はお絞りを持って現れることもなかった。
 今までも、ところどころお国柄?のようなものを垣間見たが、ここでしかと目にすることとなる。中国とはまた違ったテキトーさがある。面白い。グラーッツィエ!×2で何でも済ませてしまいそうだ(細かいことは気にしないというか、ミスに入らない?)。中国はというと、黙っている(笑)ここが怖いところだが、無かったことにするような、内に秘めてしまうような――、日本にも通じるところがあると思う。アジアの血なのか?もみ消し体質。ただ、韓国はあまりなさそうなイメージ。乗り心地も空港も良かった。また来たいと思わせるサービスだったし、実際今後も乗ると思う。
 ――なんて航空会社比較してるが、そんなに経験豊富なわけじゃないので、このへんでやめておく。
 
 特に何のトラブルも無く、イタリアはミラノ、マルペンサ空港に到着。ここからチュニジアの首都チュニス入りするのだが、この便が夜遅い。空港内をぶらつき、免税店をのぞいてkenzokiのクリームなどを物色するも、ユーロが高くて免税店で買う意味がほとんど無いことに気づく。さっさと退散してベンチで本を読むことにする。
 ところで日本人はどこにでもいる。これまで、チャイナタウン世界制覇しそうな華僑の人スゲーと思っていたが、日本人もスゲー……違った意味で。空港内は日本人だらけだった。アジア系と見ればほぼ間違いなく日本人というほどに。なんだか海外に居る気がしない微妙な気分を持ちつつトイレを探す。と、公衆電話の置かれた空港の隅で、床に新聞紙をひいた人が土下座をしている!次の瞬間すぐにお祈りをしているのだと分かるが、初めて目にするのでやはり少し驚いた。普通空港にはムスリムの人のためのお祈り部屋があると思うのだが、ここは無いんだろうか?トイレから戻るとお祈りは終ったらしく、その人は新聞紙ごと消えていた。
 その後、ミラノでのミッションを遂行するため公衆電話の並んだところに行く。ミッションとは、ホテルの予約確認の電話で、これをしなくて宿に行って部屋ないよーなんて言われたらさすがの私もまずい。日本からインターネットで直接予約したので、てっきりメールで予約確認が来ると思ったのだが、なぜか来なかった。飛行機に乗る前にやれよ、という話なのだが、どうも気が乗らず、(だって英語……)今まで引き伸ばしていたのである。遂にそのときが来てしまった。
 私が言う事をメモした紙を片手に、少々パニックになりながら受話器を掴んでいると、隣に日本人カップルが現れた。公衆電話はずらーっと並んでいるというのにナゼ私の隣に来るのか?これから、とんちんかんな英会話をしなければならないといいうのに、よりにもよってナゼ……ほんの少し、場所移ろうかな、という思いが浮かぶも、そんなばかばかしい見栄を張ってどうする!と自分を叱咤する。意を決してボタンを押すと、数コールあって、男性が出た。ハロー、と始まり、インターネットでいついつに予約した○○ですが、予約はちゃんと入っていますか?と一気に言う。男性はしばし無言になった後、私の名前を聞き返す。カタカタとキーボードの鳴る音がして、返答があった。大丈夫です、いつ頃到着しますか? ――と。チュニスへは午後11時に着く予定だったので、夜中を過ぎるかも、と伝える。彼はそれでも大丈夫ですよ、と言った。オーケー、サンキュー、とだけいうと私は受話器を置いた。腹の底から湧く、変な笑いが止められない。一仕事終えた爽快感からスキップでもしそうな勢いだ。頭が冷えると、最後に、see you laterくらい言えばよかったと思うも、結果オーライてことで。あーよかったよかった。隣のカップルはまだ、電話が出来ずもたもたしている。それを尻目に、なんだか妙にハイテンションで、ベンチに戻る。空気で出来た自信はもう、すっかり回復していた。
 その調子のまま、インフォメーションカウンターに。なぜかというと、私の乗る予定の便は遅かったためミラノに到着した時点ではゲートが決まっていなかったのだ。電光掲示板にも出ていないし、ここでひとつ確かめておくことにする。私の前にはスカーフをかぶったおばあさんがおり、係りの人と何やらやり取りをしている。が、双方使う言語が違う……途中、アラブ系と思われるお兄さんが間に入ってなんとか、おばあさんの言い分を伝える。しばらく何事かを交わした後、係りのお姉さんから出た言葉は驚くべきものだった。この機は明日出発ですね。? 今なんと? 一瞬自分の耳を疑ったが、やはり、明日の朝、らしい……おばあさんは特に表情の変化も無く、ただ黙って待合室へと去っていった。どうしてそのような事態が発生するのか全く理解できない。それに素直に応じるおばあさんも……だれか私に納得できる解説をしてくれないだろうか。そんなこんなで、私の番を待っていたのだが、横から来たあせり気味の団体にお姉さんを奪われ、そのうしろから来たもさもさのひげのアラブ系男性に越され、どんどん順番を抜かされてしまう。うーむ、押しが弱いと海外ではホントだめね、とか思っていると、やっとこ私の番が来た。お姉さんは礼儀正しくも、ちょこんと並んでいた私の存在を知っていたので、微笑んでどうしましたか?と聞いてくれる。ゲートが分からない旨を伝えると、パソコンで何やら調べた後、前方の待合を指さして、あそこで待っていたらアナウンスが流れるから、と教えてくれた。
 ここが面白いところで、英語を母国語とする人のいう事はなかなか聞き取れないが、私と同じように英語を第二外国語とする人のいう事は何だか聞きとれたり、わかっちゃったりするのだ。たぶんお互いに使える語彙が少なくて、共通するところが多いからだろうと思う。お礼を言うと、お姉さんは笑顔で応えた。その笑顔に微妙なものを感じつつ、インフォメーションを後にする。
 というのも、こっちにきてから、特にアリ○リアに乗って私に対する態度には一様に「おこちゃま」に対するものがあるのを感じていた。一人で飛行機乗ってえらいねーみたいな……私、二十歳もとっくに過ぎてますが。やはり、私はまだまだ……
 待合で、本を読んでいると、向かいに座ったおばあさんが、大股開きで、しかも荷物を横に置いたまま完全な放置状態で寝ているのを発見した。頭を覆った、そのスカーフには何やら見覚えがある……やはり、明日にならなければ飛行機に乗れない例のおばあさんだった。それにしても、ここはスリに注意と散々ガイドブックにかかれる国なのに、なんとおおっぴらなことだろう。でもまぁ、あのおばあさんからあの紙袋(?)をとる人もいないだろうと思われる。彼女はしばらくして目を覚まし、荷物を置いたまま、ふらふらとどこかへ行った。むー!すごい!すぐに戻って来たが、その勇気たるや、私には一生マネできまい。
 
 それから3時間以上待った挙句、空港のだだっぴろいコンクリートの上をバスに乗せられて移動する。まぁ、ここまでは分かるが、驚いたのがバスが停止した後、目の前にあったアルミ?の階段だ。その先にはもちろん機体が…… (もしやこれはタラップ!?!) よく大統領専用機などというものにくっ付いているアレ。私はてっきり、もう、そういう特殊な機体にしか使われていないと思っていた為、非常に驚いた。人生初、タラップを登る。これがまた狭くて急で非常に危なっかしい。
 機は非常に古くて、エアコンの通風孔が見たこともない形をしていた。黒ずんで筋のようなものがついているし、相当の空気が出たり入ったりしたのだろう。椅子もものすごく直角だ。床にはネジ二本くらいでとめてある気がする。案の定、座って揺らすと、カタカタと動いた。もし、飛行中に屋根が無くなったら、乗客のほとんどは椅子ごと飛ばされると思われる。シートベルトも椅子ごとどうにかなる場合は役に立たないなーとおもいつつ、締める。
 非常に狭い機体で、まさに東洋人の中肉中背の私ですらぴったりだ。隣のふくよかなご夫人は、大量の荷物もさることながらかなり厳しいことと思われる。
 意外なことに、同じ機には日本人がたくさんいた。団体さんだーとチラ見していると、私の隣にJ○Bの添乗員さんが現れた。仕事なのできっちりスーツなところが面白い。私はというと、ゆるゆるの格好、ノーメイク、ひっつめ髪で国籍不明な感じだ。
 もう夜も遅いため、機内食は簡単なサンドウィッチだった。二種類あって、私はチーズの方をもらったのだが、あまりのまずさに二口で食べるのを辞めてしまった。中央一列を占領した日本人一団もやはり、ほとんどの人が途中で食べるのを止めている。左隣のご婦人は綺麗に完食していた。まったく贅沢なわがままだなと、我ながら思う。パンと一緒についてきたチョコバーもあまりの甘さにこれまた最後まで食べきることが出来ない。チョコの中にがっつりどろどろのキャラメルのようなものが入っており、コーヒーの力を持ってしても、無理だった。ごめんなさい。 ミラノからは2時間程度で着くのであっという間に着陸態勢に入る。そのとき私はまだ入国カードを書き終えていなかったのだが、しょうがない、空港に着いてから書くことにする。左隣のご婦人に借りたボールペンを返す。アホなことに私はペン類を全て、トロリーに入れたままにしていた。ただでさえ、フランス語表記とアラビア語表記しかないカードの記入は時間がかかるというのに、ご婦人が書き終わるのを待って貸してくれと頼んだのだ、間に合うわけが無い。彼女はペンを貸してくれた上、カードに戸惑う私に助言してくれたのだが、耳がおかしくなっていたためほとんど言っていることが理解できなかった。フランス語話せないの?と聞かれるが、答えはもちろんnoだ。じゃ、アラビア語は?no……世界には二ヶ国語くらい話す人々は多い。チュニジアもこれにもれず、国民のほとんどがアラビア語とフランス語を話すことができるという。海に阻まれた、島国の私は、一ヶ国語で精一杯。皆すごいねーうん。
 おんぼろの機体はスムーズに着陸して、チュニス、カルタゴ空港に到着する。
 

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