CINECHANが観た映画について

映画ブログ。感想というより記録のようなもの。
基本的にはネタバレに近いものがあります。

21-077「騙し絵の牙」(日本)

2021年05月29日 23時48分16秒 | 日本映画
多分、メチャメチャ面白いです
 大手出版社“薫風社”で創業一族の社長が急逝し、次期社長を巡る権力争いが勃発する。
 そんな中、カルチャー雑誌“トリニティ”を率いる変わり者編集長・速水輝は、強引な改革を進める専務・東松によって廃刊の危機に直面した“トリニティ”の存続に奔走していく。
 薫風社の看板雑誌“小説薫風”から迎えた新人編集者・高野恵とともに新人作家を大抜擢するなど、次々と目玉企画を打ち出していく速水だったが。(「allcinema」より)


 大手出版社を舞台に、次期社長の座を巡る権力争いと、それに伴う雑誌の存亡を描いたサスペンス・ドラマ。

 大手出版社の薫風社。

 〝小説薫風〟が看板雑誌であるが、それに対してカルチャー雑誌〝トリニティ〟は売上に悩んでいる。

 そのトリニティに速水という編集長がやって来て、強引な改革を進めていく。

 しかし、そのやり方が薫風社の中で議論を巻き起こし、専務の東松と亡き社長の息子の後見人である常務の宮藤との争いを激化させていく。

 
 本編の前に凸版印刷のCMを初めて観て、CMあるんだと思ったが、実際本編の中でトリニティを製本しているシーンがあったが、その工場が凸版印刷だったな。

 本が売れないと言われている時代に、文芸作品を載せている、老舗の雑誌、小説薫風の編集者たちと、廃刊危機にある雑誌トリニティの編集者との対立が、派閥争いの代理戦争のようになっている。
 
 トリニティの編集長、速水が仕掛けることが、果たして本当のことなのか、それとも周囲を騙しているのかと気になってくる。

 小説薫風の編集を外された高野恵を速水は引き抜くのだが、高野が小説薫風を出し抜くような活躍を見せる。

 老舗雑誌の刊行ペースが落とされたり、電子への移行が囁かれたりと、現実の出版界の苦難を描き出しており、そこに権力争い、雑誌を売るための手管など、興味深い内容。

 速水が繰り出すあの手この手も興味深かったな。

 もちろん最終的には、速水の目的というものが別にあったという驚きの結末を見せるが、更にその後、アッと言う顛末になっていく。

 正直、最後の顛末に関しては、やや現実味を外れた感じがしたが、それまでの展開は、どのような結末へと向かっていくのか興味深く、面白い展開を見せてくれる作品であった。

/5

監督:吉田大八
出演:大泉洋、松岡茉優、宮沢氷魚、池田エライザ、斎藤工、中村倫也、佐野史郎
   リリー・フランキー、塚本晋也、國村隼、木村佳乃、小林聡美、佐藤浩市
   坪倉由幸、和田聰宏、石橋けい、森優作、後藤剛範、中野英樹、赤間麻里子、山本學
於:シネプレックス幕張

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