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韓国パク大統領の弾劾議案 国会が可決 大統領の職務停止12月9日 20時51分
韓国の国会では、パク・クネ(朴槿恵)大統領の弾劾を求める議案が、野党議員だけでなく大統領に近い与党議員も賛成票を投じて可決され、パク大統領の職務は停止されました。パク大統領は、職務が停止される直前に閣僚を集めた会議を開き、「私の不徳で国家的な混乱を招き、申し訳ありません」と謝罪したうえで、国政への影響を最小限にとどめるよう指示しました。
韓国の国会では、9日午後3時すぎから本会議が開かれ、野党議員が、パク大統領の長年の知人、チェ・スンシル(崔順実)被告や側近らが起訴された一連の事件など、パク大統領の弾劾を求める議案の内容を説明しました。
続いて採決が行われ、投票の結果、賛成が234票、反対が56票、無効が7票、棄権が2となり、可決に必要な国会議員の3分の2を大きく上回る234人の賛成で可決されました。
与党「セヌリ党」の大統領に近い主流派も一定数の議員が賛成票を投じていて、大統領の退陣を求める厳しい世論を反映した結果となりました。
これによって、パク大統領の職務は停止され、今後180日以内に、憲法裁判所が弾劾の妥当性を判断するまでの間、ファン・ギョアン(黄教安)首相が大統領の職務を代行します。
パク大統領は、職務が停止される直前に閣僚を集めた会議を開き、「国の安全保障と経済が困難な状況で、私の不徳でこのような国家的な混乱を招いてしまい、申し訳ありません」と述べ、謝罪しました。
そのうえで、パク大統領は「国政にいかなる空白もあってはならず、国民の生活に問題がないよう、取り組んで欲しい」と述べ、国政への影響を最小限にとどめるよう指示しました。
また、大統領の職務を代行するファン首相は午後8時からテレビを通じて国民向けの談話を発表しました。
ファン首相は「責任を重く受け止め、国政の安定に全力を尽くす。北は核実験とミサイルによる挑発を繰り返しており、政府は抜かりのない防衛態勢を維持していく」と述べ、国会とも連携を密にして職務を遂行していきたいと強調しました。
菅官房長官「状況を見定める必要ある」
菅官房長官は、午後の記者会見で「韓国の内政に関わることで、政府としてはコメントは差し控えたいが、日本にとって韓国は戦略的利益を共有する最も重要な隣国で、北朝鮮問題への対処など、日韓両国の協力と連携は地域の平和と安定に不可欠だ。可決されたばかりなので、状況をもう少し見定める必要がある。ただ、いずれにしろ日韓関係は極めて重要で、さまざまな分野で協力していくことに変わりはない」と述べました。また、菅官房長官は、東アジアの安全保障などに与える影響について、「状況を見定める必要があるが、現時点では何ら影響はないと思う」と述べました。
中国外務省の陸慷報道官は、9日の記者会見で「弾劾議案は韓国の内政に当たり、われわれは干渉しない」としたうえで、「隣国としてすみやかに韓国の情勢が安定を取り戻すことを望む。われわれは引き続き韓国とよい関係を築いていきたい」と述べました。中韓関係はこのところ、アメリカの最新の迎撃ミサイルシステム「THAAD(サード)」の韓国への配備をめぐって冷え込んでいただけに、中国としては、安全保障分野を中心に、今後の韓国政府の動向を注視していくものと見られます。
きっかけは韓国メディアの報道
一連の事件が注目を集めるようになったのは、ことし10月の韓国メディアの報道がきっかけでした。
パク・クネ(朴槿恵)大統領が長年の知人であるチェ・スンシル(崔順実)被告に演説の原稿を事前に渡して添削や助言を頻繁に受けていたと伝えました。この直後、パク大統領は、報道の内容を大筋で認め、国民に謝罪しました。
検察が大統領府の高官など関係者の捜査に乗り出すと、チェ被告は10月末に滞在先のヨーロッパから帰国。報道関係者らにもみくちゃにされながら検察に出頭する姿が大きく報じられました。
大統領が一個人の影響下で公務を行っていたとされる前代未聞の疑惑に国民の不満は爆発し、毎週土曜日、大統領の退陣を求める大規模な抗議集会が韓国各地で開かれるようになり、参加者の数は回を重ねるたびに膨れあがっていきました。
一連の事件を捜査していた検察は先月20日、チェ被告と大統領の側近2人を職権乱用などの罪で起訴。その際、「大統領は相当な部分で共謀関係にあった」と判断しました。これを受けて野党側は大統領の弾劾に向けた動きを本格化させ、与党内でも大統領は早期に退陣すべきだという意見が広がりました。
先月29日、パク大統領は一連の事件が明らかになってから3回目となる国民向けの談話を発表し、与野党が大統領辞任に向けた道筋で合意すれば、再来年2月の任期満了を待たずに辞任する意向を表明しました。しかし、国民の怒りは収まらず、今月3日にソウル中心部で行われた抗議集会には、1987年の民主化以降、最大規模となるおよそ32万人が参加し、大統領府から100メートルのところまで行進して、即時退陣を訴えました。
大統領の支持率が歴代最低の4%という厳しい世論を背景に、野党3党は、パク大統領の弾劾を求める議案を国会に提出し、9日、韓国の憲政史上2度目の大統領に対する弾劾議案の採決が行われることになりました。
韓国大統領の弾劾手続とは
韓国の国会法によりますと、国会の過半数の議員によって提出された、大統領の弾劾を求める議案は、議長が本会議で報告したあと、24時間以降、72時間以内に採決されなければなりません。採決の結果、国会議員の3分の2以上の賛成で可決されると、大統領の職務は停止され、首相が代行することになります。その後、憲法裁判所で大統領の弾劾が妥当かどうかの審理が行われます。
憲法裁判所は、国会が弾劾を求める議案の可決を報告してから180日以内に最終的な決定を下します。裁判官9人のうち、6人以上が弾劾は妥当だと判断すれば、大統領は罷免され、60日以内に大統領選挙が実施されることになります。韓国では、2004年に当時のノ・ムヒョン(盧武鉉)大統領が大統領選挙の際、みずからの陣営に不正な資金が流れた事件などをめぐって、国会で初めて弾劾を求める議案が可決され、ノ大統領は職務停止に追い込まれましたが、およそ2か月後に憲法裁判所が弾劾を棄却し、職務に復帰しました。
職務代行のファン・ギョアン首相とは
大統領の職務を代行することになるファン・ギョアン(黄教安)首相は検事出身の59歳で、2013年のパク政権の発足とともに法相を務めたあと、去年6月には首相に就任しました。
ファン首相はことし7月、アメリカの最新の迎撃ミサイルシステム「THAAD」の配備先に決まった韓国南部を訪れ、地元の住民たちに直接、理解を求めました。その際、反対派に取り囲まれて卵やペットボトルを投げつけられるハプニングもありました。
大統領府はパク大統領の知人や側近らをめぐる一連の事件で混乱した事態を打開するため、先月、ファン首相を更迭して野党に近い人物を起用する人事案を発表しましたが、野党側が「事前の協議がなかった」などと反発して立ち消えとなり、首相の更迭も見送られました。その後、ファン首相は南米ペルーで開かれたAPEC=アジア太平洋経済協力会議にパク大統領に代わって出席しました。
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20161209/k10010801181000.html
記事の紹介終わりです。
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■ 2009年7月9日
「我が郷は足日木の垂水のほとり」 はじめました。
本稿はその保管用記事です。
■ 2010年3月2日 人気blogランキング(政治)にエントリーしました。 => ランキングを見る