こんごう
こんごう型護衛艦 (こんごうがたごえいかん、英語:JMSDF DDG KONGO class ) の一番艦 (ローマ字:JS Kongō, )、艦番号 DDG-173である。
海上自衛隊が保有するイージスシステム搭載のミサイル護衛艦。
艦歴
「こんごう」は、中期防衛力整備計画に基づく昭和63年度計画 7,200トン型護衛艦 2313号艦として、三菱重工業長崎造船所で 1990年 5月 8日に起工し、1991年 8月26日に進水、1993年 3月25日に就役した後に第 2護衛隊群第 62護衛隊に配属された。
同型艦中、本艦のみ就役時 ORQ-1 ヘリコプター・データ・リンク装置が未搭載であったが後日装備している。リンク 16のアンテナも就役後装備した。
2003年4月、テロ対策特別措置法に基づき、補給艦「はまな」と共にインド洋に派遣。同年7月まで任務に従事する。
2004年5月、テロ対策特別措置法に基づき、護衛艦「ありあけ」と共にインド洋に派遣。同年8月まで任務に従事する。
2012年12月6日、朝鮮民主主義人民共和国が「人工衛星」と自称する弾道ミサイルの発射に備え、「DDG-176 ちょうかい」、「DDG-175 みょうこう」と共に佐世保から出航し、アメリカ合衆国海軍と連携して迎撃態勢を整える。同月12日、ミサイルは発射されるも領土内に落着する恐れがなくなったため、破壊措置命令の解除を受けて順次撤収に移る。
2013年4月、再び北朝鮮にミサイル発射の徴候が見られたことから、破壊措置命令に基づき、日本海に展開した。2013年6月28日に、破壊措置命令は解除され、こんごうは約3ヶ月の警戒任務を終えて、6月30日に佐世保基地へと帰港した。
現在は第1護衛隊群第5護衛隊に所属し、母港は佐世保である。
ミサイル垂直発射システム Mk 41
詳細は「Mk 41 (ミサイル発射機)」および「スタンダードミサイル」を参照
アーレイ・バーク級と同様に、前甲板に29セルのMk 159発射機、後甲板に61セルのMk 158発射機を搭載している。これは、建造当初に最重要視されていた対空戦闘の想定である、「弾薬再補給前に、各数波よりなるソ連の2回の航空攻撃に対し、空母戦闘群(現 空母打撃群)内の1防空艦として対処する」[6]という状況の解決を目的に決定されたもの。前後の発射機それぞれに、洋上での再装填を考慮して、3セル分を使って再装填用クレーンが配置されているが、実用的でないとの結論から、アーレイ・バーク級の後期建造艦フライトIIA型や、あたご型では廃止されている。
Mk 41は、スタンダードミサイルによる対空多目標対処や、自艦に近接した潜水艦に対する迅速な垂直発射アスロックの発射などを担う。アーレイ・バーク級で戦闘システムの柱の一つと考えられていた対地攻撃用のトマホーク巡航ミサイルは、搭載していない。
こんごう の 兵装
127mm54口径単装速射砲 1門
ハープーンSSM4連装発射機 2基
68式324mm3連装短魚雷発射管 2基
Mk15Mod2ファランクスCIWS 2基
Mk41 VLS 90セル
曳航式デコイMod4
ミサイル防衛対応
こんごう型護衛艦
日本の海上自衛隊に配備された初のイージス艦(イージスシステム搭載護衛艦)で、アメリカ海軍以外が初めて保有したイージス艦でもある。1隻あたりの価格は約1,223億円。
第四世代ミサイル搭載護衛艦に分類され、対潜水艦戦闘に特化していた海上自衛隊にとっては初の本格的な艦隊防空能力を有する艦となり、艦隊防空能力向上に繋がった。また、後継艦であるあたご型(14DDG)が就役するまでは、海上自衛隊が保有する戦闘艦の中で最大の排水量を持っていた。
同型艦が4隻建造され、護衛艦隊隷下の4個護衛隊群に1隻ずつ配備され、艦隊防空の要となっている。
DDG-173 こんごう
DDG-174 きりしま
DDG-175 みょうこう
DDG-176 ちょうかい