LCAC-1 級 エア・クッション型 揚陸艇 (えるしーえーし-1きゅうエア・クッションがたようりくてい)
アメリカ海軍や海上自衛隊で使用されているエア・クッション型揚陸艇(上陸用舟艇)。
Landing Craft Air Cushion の頭文字から LCAC (エルキャック) と通称されている。
海上自衛隊では 「 エアクッション艇 1号型 」 として配備している。
概要
1970年代から本格的な開発が開始され、就役は1984年から行われた。水陸両用のホバークラフトであるため、揚陸艦から直接海上に出て水上を航行し、目的の海浜から陸地に上がった後は、そのまま陸上を走行して移動することも可能。兵員や物資を揚陸する場合、従来は上陸用舟艇や揚陸艇を用いて海岸へ輸送していたが、ホバークラフト型ではこれらの舟艇より移動速度が向上し、条件の厳しい海浜にも上陸可能となった。
1970年代初頭に JEFF A と JEFF B の 実物大の試験機が 2隻建造された。JEFF A はカリフォルニア州のエアロジェット・ゼネラル社で建造され 4基のダクテッドファンを搭載していた。JEFF B はルイジアナ州ニューオーリンズのベル・エアロスペース社で建造された。JEFF Bは後部に2基のダクテッドファンを備え、以前にベトナムで試験されたSK-5/SR.N5 から派生したSK-10ホバークラフトに似ていた。これら2隻は技術的な有効性と運用能力を確認し、成果は生産型へ反映された。JEFF Bの設計が選択され現在の LCAC の基になっている。
最初の33隻が1982年から1986年の予算で購入され15隻が89年12隻が90、91、92年で7隻が93年に購入された。最初のLCACは1984年に海軍に納入され1986年に初期作戦能力を獲得した。1987年に量産が承認された。
日本向けには1994年4月8日にアメリカ政府から輸出が承認され、ルイジアナ州ニューオーリンズのテキストロン・マリン&ランドシステムズで建造された。93年度予算で1隻目が購入され95年に2隻目、99年に3隻目、5と6隻目が2000年度予算で購入された。
海上自衛隊 (6隻)
海上自衛隊は6隻を取得し、当初はおおすみ型輸送艦各艦の搭載艇扱いとされ、LA-01 から LA-06 までの艇番号が付されていたが、2004年より自衛艦に種別変更し、LCAC-2101 から LCAC-2106 までの艇番号とエアクッション艇 1号からエアクッション艇 6号までの艇名称が付与された。また、新たに第 1輸送隊隷下に第 1エアクッション艇隊を編成し、状況に応じ母艦搭載を変更できる弾力的な運用が可能になっった。
海上自衛隊は平成 23年度から艦齢延伸が始まった。
輸送艦 「 おおすみ 」