「ゆるちょ・インサウスティ!」の「海の上の入道雲」

楽しいおしゃべりと、真実の追求をテーマに、楽しく歩いていきます。

まだまだ続いている、ボーイズトーク!(酔った勢いってのが、一番まずい!)

2011年12月30日 | お昼間カフェ
しかし、「はじめてのお使い」を見ていると、

ほーんと、子供が欲しくなりますねー(笑)。

ま、来年の今頃には、それにつながるような状態になっておきたいものですがー(苦笑)。


さて、この話の続き・・・まだ、あったりするんですね。


安田くんは、その場を去り、僕は河合くんとゆっくりと飲んでいます。

「しかし、安田くんを見ていると、20代の頃の自分を思い出すなあ」

と、僕はバーボンをくいっとやりながら、河合くんに話しかけます。

「ゆるちょさんにも、あんな頃があったんですか・・・」

と、神妙な顔をした、イケメン河合くんは話します。

「まあ、20代の俺は・・・もう、壊滅的にモテなかったからねー。女性に「近くに寄らないでよ・・・」ってニュアンス出されまくりだったから」

と、僕が笑うと、

「僕は10代の頃、勘違いしているところがあって・・・僕もモテませんでしたね。というより、女性に嫌われてました・・・」

と、河合くんも、何かを思い出すように話します。

「なに、勘違いって?」

と、僕が聞くと、

「中学2年生の時に、モテ期が突然来て・・・まあ、成長過程でたまたま、外見が整って・・・それでものすごくモテたもんだから、いい気になっちゃって・・・」

と、河合くんは、少し目を細めながら、その時代の自分を思い出しているようです。

「ほう、それで?」

と、僕が聞くと、

「僕は神様に選ばれた人間なんだって、思い込んじゃったんですよ。だから、何をしても許されるもんだと思って、けっこう女性にひどいことを・・・」

と、河合くんは、少し照れくさそうに話してくれます。

「なるほど・・・それで女性に総スカンされたとか?」

と、僕が言うと、

「ビンゴ・・・当たりです」

と、河合くんは人差し指で僕を指すような感じで、答えてくれます。

「それ、けっこうきつかったんじゃない?」

と、僕が言うと、

「この子は絶対俺側についてくれるだろうって思ってた、幼馴染のやさしい子にも、フラれて・・・それが僕にはショックでした」

と、河合くんは言います。

「その時、僕は気づいたんです。女性にモテるのなんて、どうでもいい。僕は、その子の気持ちが欲しかっただけだったんだって・・・」

と、苦い顔で河合くんは言います。

「なるほど・・・失ってはじめて、大事なものの価値がわかるという奴か・・・」

と、僕はバーボンをくいっと飲みながら、河合くんの方を見ています。

「彼女、それから、すぐに転校しちゃって・・・お父さんの仕事の都合だったけど、残れないわけでもなかったし・・・」

と、河合くんはひとりごとを言うように、話しています。

「その子のこと、余程好きだったんだね」

と、僕が言うと、

「そう。そうです。彼女のいない世界なんて、考えられなかった・・・」

と、河合くんは、傷ついた子犬のような風情で、記憶の中をさまよっています。

「彼女は、最後に会った時、僕に「ごめん」って、言ったんです。立ち去る時に、後ろも見ずに「ごめん」って・・・」

と、河合くんは、その瞬間にタイムスリップしているかのように、傷ついた表情です。

「その後ろ姿が、忘れられなくって・・・」

と、河合くんは言うと、バーボンを一気に飲み干します。

「それから、どうしたの・・・彼女とはそれから、会っていないの?」

と、僕が聞くと、

「女性達は、ずっと僕を総スカン状態で・・・最後の望みだった幼馴染も消え、僕の中学時代は、最悪なまま終りました。そして・・・」

と、河合くんは、言うと、

「高校生になってから、僕は長崎に・・・幼馴染の彼女のいる街へ家出したんです」

と、話を続けるのでした。


安田くんは別の場所で、別の仲間とワイワイ騒いでいました。

焼酎の水割を何倍か飲み干すと、朦朧となった安田くんは、すっくと立ち上がり、別の場所へ歩いていきました。

安田くんは、別の一団と楽しそうに話している真下さんの横に立ちます。

何か話しかけようとする安田くんですが・・・少し微妙な間が空いて・・・でも、声を搾り出します。

「真下・・・さん・・・話があるんだけど・・・」

と、少し思いつめたような風情で安田くんは真下さんに話しかけます。

その少し異様な雰囲気を察した真下さんは、少し表情を固くして、安田くんを見上げます。

硬直したような安田くんが、少し顔を赤らめて、真下さんを見ています。

「このひと、酔っている・・・」

そう感じた真下さんは、安田くんを刺激しないように、目でうなずいて席を立ちます。

安田くんは、話しかけはしたものの、次にどう行動するか、考えていなかったので、少しあわてます。

「あ、えっと・・・」

と口で言ってはいますが、正直、パニック状態です。

それを見て取った真下さんは、冷静に、

「そっちに、通路があります」

と、先に歩き出します。

「あっ、そう」

と、安田くんも、あわてながら、真下さんの後ろについていくのでした。


「長崎に家出?幼馴染を探して?」

と、僕が河合くんに聞くと、

「まあ、そうです。高1の5月の連休・・・少し長く休めたので」

と、遠くを見るように河合くんは話しています。

「でも、結局、徒労に終りましたけどね。長崎に行けばなんとかなるだろうと思ったけど・・・結局、何も出来ずに、普通に観光して、帰ってきちゃって」

と、自分を笑うかのような表情の河合くんです。

「親にこっぴどく怒られて・・・でも、あれですっきりしたんでしょうね。彼女みたいな女性を探したくて、それから、考えを変えたんです。僕は」

と、何かを思い出すような表情の河合くんです。

「なるほど・・・好きな女性に好かれる為に・・・どうすればいいか、考えたんだね。そして、行動に移していった・・・そんなところ?」

と、僕が聞くと、

「そんなところです。女性の立場にたって、考えるようにして・・・どんな男性にあこがれるか、女性の気持ちで考えるようになった・・・そんなところです」

と、河合くんは、モテの秘密を教えてくれます。

「それは、ゆるちょさんも一緒じゃないんですか?女性の気持ちで考える・・・」

と、河合くんが珍しくツッコミます。

「うん。そこは、同じかな。僕の場合は、モテなかったからこそ、女性の気持ちになって自分の問題点を探し出し、改善していった・・・何事も経験と考察だ」

と僕が笑うと、河合くんも笑います。

「人間痛い目に遭わないと駄目なんですね。安田も・・・考え直すことが出来るかな・・・あいつ・・・」

と、河合くんは、遠くを見るような目をします。

「まあ、人間叩かれて叩かれて・・・考えるようになるもんさ。痛い目に会うから、改善することになる・・・彼は、どうかなあ・・・」

と、二人は、安田くんのことを話しながら、更に飲むのでした。


「で、話って、なんですか?」

と、真下さんは、少し暗い通路で、安田くんと対します。

「いや、あの・・・」

と、思わずもじもじしてしまう安田くんです。

「話がないのなら、皆のところに戻ります」

と、行きかける真下さんです。

「いや、真下さん、僕のこと、どう思っているのか、直接、聞きたくて・・・」

と、安田くんは思っていることを素直に吐露します。


真下さんは、そのモノ言いから、あることに気づいて、思わず激昂してしまいます。


真下さんは、安田くんを睨みつけると、

「安田さん、ゆるちょさんを使ったでしょ!ゆるちょさんがやさしいのに便乗して・・・こういう大事なことに、そういうことするひとって、わたし、大っキライです!」

と、真下さんは大声で一括すると、そのまま、その場を走り去ってしまいます。


あとに残された安田くんは、あまりのことに、キョトンとしてしまいます。


「なんで怒られたんだ、俺?・・・なにか、悪いことしたっけ?」

と、何もわかっていない安田くんは、その場に立ち尽くすだけでした。


都会の夜は、静かに更けていくのでした。




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