乙女的日記*B

永遠の乙女を目指す日記。(B面)

阿修羅のごとく

2004-12-27 | お家でゴロゴロ映画館。
 こんばんは。
 
 向田作品を拝見したのは、初めてです。
 
 昭和54年の東京が舞台。
 昭和の空気と時間の流れがとても伝わる映像でした。
 家の中の風景も遊園地の乗り物もスーパーの陳列も
 とても懐かしい。

 私は、同性の姉妹がいなく
 あまりよく分からいので、同性独特の感情がとても面白かったです。
 昔は、兄弟の数も多かったから こんな深い悩みなんかも
 家族間で解決されていく事も多かったのでしょうか。
 誰よりも親身になれますものね。

 なんだか観ていて、『男』側の気持ちも 『女』側の気持ちも
 理解できました。
 小林薫演じる次女の旦那が、父の不倫について次女が責めた時
 『真面目に働いて、家建てて、4人の子供育てあげた後に
  少しだけ人生のツヤを楽しむことの何が悪いんだ。』って、かばうんですけど、
 あぁ。そうだよなぁ。。。って。
 なんやかんやあっての人間ですからね。 
 そうやって、人間としての『色気』や『深み』なんかが
 作られていって、イイ感じになっていくのかなぁ。。とか思って。

 どの俳優にもそれぞれのスポットが当たっているような
 とても素晴らしい演技だったと思います。
 八千草薫の最期の笑顔が、それは美しく
 私は涙しました。

 鑑賞しながら同時に思い浮かんでいたのが、母方の4人姉妹。
 母親は8人兄弟のうち
 4人が姉妹で構成されており
 子供ながらにその様子を見たり話を聞いたりしていると
 その性質のバラバラ加減が面白く感じたものです。
 なんやら相性ってのがある様子ですね。
 母が一番好きだったのは、長女の京子おばさんなのかな。
 残念ながら私の生まれる前に病気で亡くなり会うことが出来なかったのですが、
 『穏やかで優しく、花のような人だった。』そうです。
 あぁ。会いたかったなぁ。

 兄弟も多ければ、それだけエピソードも多く
 結構ドラマになりそうな感じの一家でした。
 祖父も祖母も亡くなり、本家に集まる事がすっかりなくなってしまい
 寂しい限りです。
 
 祖父の家での茶の間や台所で母や伯母達が食事の用意をし
 私と弟は、ピアノでねこふんじゃったを弾いて
 祖父や父や叔父達は、つまみでお先に一杯やっている風景を 
 思い出し、昭和はいい時代だったなぁ、と、しみじみ思うのでした。

 そんな子供だった私が、こんな風に大人の感情を
 理解できるようになった事に月日の流れを感じます。
 



                           製作年: 2003年
                           製作国: 日本
                           上映時間: 2時間15分
                           配給: 東宝  
                           監督: 森田芳光
                           製作: 本間英行
                           原作: 向田邦子著「阿修羅のごとく」





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