YUKI

言語、言語で表現できることすべて

Nexus ネクサス

2004-12-29 21:29:49 | Weblog
nexusはイェスペルセンの用語で、簡単に言えば、隠れた主語・述語の関係のこと。
英文の基本は [agent, action, object] だと前述したが、nexusという観点を取り入れれば、英文の句構造にも[agent, action,(object)]のパターンが見られることになる。例えば、
his speech = what he speaks/spoke
「彼のスピーチ」と訳しても、この場合は内容理解が可能だが、「彼が言う(言った)こと」と訳す方が、よりクリアな訳となることが多いようだ。
後者のような訳を「動詞的訳」とか「動詞的に訳す」と呼ぶことにしよう。
nexusがもともと、隠れた主語・述語関係なのだから、「動詞的に訳す」方が自然なのである。

学校文法でよく指摘されるnexusはSVOCだろう。
OCにnexusがある、というものだ。例えば、
I will make you happy. [ You will be happy.]
I saw her cross the street. [ She crossed the street.]
I kept the window closed. [ The window was closed.]
nexusが分かれば、SVOCパターンの英文理解もスッキリ。

その他に、SVO+to不定詞でOとto不定詞にnexusがあることが多い。
I encouraged her to study abroad.
「彼女が留学するように励ました。」
実際に留学したのであれば、「彼女を励まして留学させた。」という訳も可能であろうが、多少ぎこちない訳であれ、前者の方が正確な訳であろう。
ただし、次の例にはOとto不定詞にnexusはない。
I promised her to go there.
「そこに行く」のは私であって、彼女ではない。

句構造にnexusがあるかどうか、見極めることが大事。


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 前置詞of | トップ | Function »
最新の画像もっと見る

Weblog」カテゴリの最新記事