薫 風 ~KUNPOO~

初夏に薫る爽やかな風に思いをよせ、YukirinとKaorinが日々の出来事などを綴るページです。

アナウンサーの話し方教室

2005-06-24 | 本  棚
■ テレビ朝日アナウンス部『アナウンサーの話し方教室』角川新書。先月、ちょっと人前で話す機会があったので、参考までに読んでみました。

■ 人前で話すポイントとしては、①文章の長いところや、表現のややこしいところでは言葉を区切る、②強調したいところはアクセントをつけるか、心もちゆっくり読む、といったところでしょうか。さらに、アナウンサーの基本としては、③しっかりと話をしめくくる、④助詞や文末の音を下げる、⑤できるだけいい姿勢を保つ、などの点が参考となります。でも、一朝一夕にできることではないんですよね、これが。

■ 大学の後輩に東海ラジオでアナウンサーやってるヤツがいます。ゼミのOB会で彼がしゃべると、低い声なんだけどまるで頭の天辺から出ているような、それはそれは聞きやすい声が部屋の中に響き渡ります。そう、まるで読経で咽を鍛えたお坊さんに通じるかのような…。

■ 技術はともかくとして、「内容を理解し、そこに喜びや悲しみ、あるいは憤りや危機感を感じながら読まれた文章は、不思議に(これも当然のように)視聴者の心にきざみこまれていく」といいます。まったくそのとおりで、完成された原稿をそのまま読むよりは、自分の言葉で、本当に伝えたいことを率直に話したほうが、聴衆の胸にはズシンとくる気がします(と、先日、自分が職場の研修を受けてみて思いました)。

■ なお「言ってはいけない言葉」との章で、「片手落ち」という言葉が取り上げられていました。いままで差別的な言葉だと思っていましたが、「この言葉の語源は、人間ではなく『天秤』で、もともと差別的な発想はありません」とあり、判断が公平であったかどうかを問うようなときに「片手落ち」と表現することには問題はないとのことです。それでも、その言葉を聞いて気分を害する人がいるかもしれないから他の表現を使ったほうが無難、とも書いてありました。なるほど、勉強になりました。

<photo:Museo del Prado>