ウィトラのつぶやき

コンサルタントのウィトラが日頃感じたことを書いていきます

メディアの世論操作

2016-07-29 09:56:52 | 社会

私は朝、1時間半程度歩いてウィトラのオフィスに出勤する。歩きながらラジオを聴いているのだが、NHK-FMの7時のニュースを聞いていてどうも気になる点がある。

それは、G20財務大臣会議にニュースなどで「~の狙いがあると思われます」という表現が頻繁に使われる点である。この思っている主体は明らかにNHKである。狙っているのは中国に大臣などのニュースになるアクションをした主体者である。つまり、NHKが主体者の意思を推測して語っているのである。これが、ニュースで使う表現として適切だろうか?

報道特別番組などで、ニュースの解説を加えるときにこのようなことを言うのは問題ない。背景も説明していて、違う意見の人も入っていたりする。しかし、朝のニュースでは殆どが事実を報道しているものである。その中で解説は無いままに「~の狙いがあると思われます」を使う。聞いているほうはそれも事実なのかと思ってしまう。これはメディアによる世論操作ではないだろうか? 民放もこういう表現を使うことがあるがNHKのほうがはるかに多い感じがしている。

選挙が終わると、街を歩いている人に対して「新しい議員に望むことは何ですか?」という質問をするテレビの場面が良く出てくる。先日の参院選の時もあった。私は、これは素直な街の声ではなく、メディアが自分の言いたいことを街の人を使って表現していると思ってみている。政治に要求することなどは実に様々で探せばたいていの意見が出てくる。その中で、メディアが気に入った意見を流しているのだと思っている。その点で日本のテレビでは自分に対する利益誘導を発言する人が多い。例えば「年金暮らしなので年金制度をしっかりやって欲しい」とか「小さい子供がいるので保育所を作ってほしい」とかいうことである。

これは、適切ではないと私は考えている。一方的な個人の要望を満たすには金がかかる。こういう意見を国民の声だと政治家が勘違いするから財政赤字がどんどん拡大する。「税収が増えない中で年金制度をどうやって維持するか?」に対する意見を言うような街の声を拾うのが本来の在り方だと思っている。欧米の街の声はこういった政治課題に対する個人の意見を「街の声」として取り上げていることが多く、日本のメディアとのレベル差を感じている。

東京都知事選挙が終わればまたこれが繰り返されるだろう。テレビ局のなかで単なる税金バラマキでない声を拾うところは出てこないものか、と思っている。