ババル島住民虐殺事件極秘資料原文
右は武富登巳男氏によって公にされたババル島住民虐殺事件極秘資料で、第十二中隊長 田代敏郎大尉から師団長への最初の報告書(改ざんされる前の報告書)表書きである。上部に師団長、参謀長、参謀のサインや印があり、右下には一月二十二日付け参謀部の受付印がある。
ここで 原因(背景)や経過を下記のように報告している。(抜粋)
原因(背景)----------------------------
1 獰猛性ヲ有シアリタルコト 事件発生セル「エムプラワス村」ハ獰猛性アリテ他民ヨリモ 嫌忌セラレアリ;同村通過時ハ足早ニ通過スト伝フ・・・・・一潰滅セシコトアリ
2 国軍ヲ侮リシコト
当時駐留シアリタル兵力ハ陸軍四六名 海軍十五名極メテ僅少ナリシト
当時マデ喧嘩ニ敗レタルコトナシノ自負心ト民ノ団結鞏固ナリシトニ依リ 日本 軍ニ対シテモ不敗ヲ信シ態度亦横平ナリ
海軍側密偵ヲ日本人ト同一視シ 其ノ態度ノ横平ナリシニ依リ 日本軍ニ対シテ 反感ヲ懐キアリタルコト
セルマタ事件並ビニ聯合国側伝単ニ刺激セラレ機会ヲ伺イアリタルガ如シ
討伐に至レル経過------------------------
・・・・
海軍錦隊 篠原嘱託ハ(煙草)百本蒐集ヲ企図シ 土民密偵ヲ通ジ村長ニ交渉シタル所密偵ノ態度横平ナリシヲ以テ 村長ハ篠原嘱託ト直接交渉スベク 書信ニ依リ同嘱託ヲ招致セリ 篠原嘱託ハ密偵三ト共ニ交渉ニ赴キタルガ 口論ノ後 村長ヲ殴打セルヲ以テ 覚悟シアリタル村長ハ激昂ノ末 密偵共同氏ヲ殺害セリ
村長ハ同日迄二回ニ亘リ 部落会議ヲ開キ 殴打セバ殺害スル旨ノ決意ヲ披瀝シ、協力ヲ求メアリタルガ如シ
銃殺--------------------------------
逮捕土民ヲ利用シ 山中ニ逃避セル土民ヲ捜査セルモ成果ナキヲモッテ 土民ヲ逆用スルニ決シ 十五日 之ヲ放チタルニ逐次帰順ノ兆候アリ 又兵器ノ若干ヲ奪還シ得タルヲ以テ 之ニ力ヲ得アリシガ 二十日 拳銃一ヲ除ク兵器全部及ビ被服ノ大部ト共ニ 村長以下四百名帰順シ来リ
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そして、日本軍に対する反逆事件だから、将来を戒めるため重罰にすべきだとの理由で帰順セル土民約四百名ハ 現地ニ於イテ銃殺」したと報告しており、本来捕虜にすべき投降してきた無抵抗の住民を、女子どもを含め虐殺したことが明らかにされている。
また、同資料の別の報告書には下記のように記されており、煙草を買い付けに行った嘱託と密偵が殺害される事態は、日本軍が招いたことがうかがわれる。村長は「殴打セバ殺害スル旨ノ決意ヲ披瀝シ、協力ヲ求メ」住民は「日本人殺害ニ決議セルモノノ如シ」ということで、突発的に嘱託と密偵を殺害したのではないことが分かる。
住民感情------------------------------
煙草ノ買イ上ゲニ関シ、廉価ヲ以テ 多是ノ供出ヲ強制シアリタルモノノ如シ 云々 為住民ノ日本人ニ対スル感情益々悪化シ、遂ニ住民・・・・日本人殺害ニ決議セルモノノ如シ
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(十五年戦争極秘資料集②ババル島事件関係書類-武富登巳男-不二出版より、(・・・・)の部分は手書きの草書体のため私には正確に判読できなかった。
http://www15.ocn.ne.jp/~hide20/
http://homepage3.nifty.com/pow-j/j/j.htm
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