文化財的Archival教育

若い世代の学生・社会人の人達と、いろんなものの「長期保存」とは何を意味するのかを考えていく教育活動(Monthly)

2009年弥生の「文化財的Archival教育」活動

2009-03-31 07:32:57 | Weblog
2009年「弥生」の「文化財的Archival教育」活動について述べたい。

今月は4つのトピックスが有った。

まず一昨年6月より始めた塾講師!
明日から4月度になるが、現在2名(中学からの持ち上がりの高1数学、高1から継続して遂に高3になった受験生英語)の担当のみが確定しているだけだが、将来の「文化財的Archival教育」に繋がると考え、今年度も頑張って行きたいと思っている。

次に3/21に霞ヶ関プレスセンターで開催された奈良新聞社主催の「平城遷都と藤原氏」に参加した。
藤原京から平安京に至る間に位置する平城京は従来私の知識にあるより遥かに複雑な過程を経ていることが分かった。
特に平城京が安定して存在していたわけでなく、恭二京・難波京・紫香楽宮が間に割って入っていることもとても興味深く聞き入った。
又前の藤原京のあとを引き継いだ平城京であるが、その中で藤原氏が権力を強く支配していたことが改めて知らされた。
古の文化に触れた半日であった。

次いで3/23は目黒にあるギャラリーコスモスで開催されたカフェ・デ・サイエンスで「細胞におけるタンパク質の品質管理」のタイトルのトークショーに参加した。
生物の基本となるこのタンパク質の波乱にとんだ一生(誕生・成長・成熟・老化・死)は人間の品質管理システムの破綻と病気に密接な関連を持っていることが少々難解なトークの中から読み取れた。

最後に本日のメールのやり取りで、以前から文化財保存関連で知り合い、「なんアラ」に執筆願ったSSさんとこのブログとも関係する内容が有ったので以下それを示す。
・・・・・
<以下090331のYSからSSさんに宛てたメールの一部>
私も30年間の画像保存(しいては文化財保存を含めた保存科学)研究で、遺すとは何かを随分考え、会社組織の中で自分が出来ることと、組織からは逸脱するがしなければならないこととの葛藤に悩まされた時期も多くあり、結果的に周囲に悪影響(本人は全くその意思はありませんが)を与えていたかも知れないと振り返っています。
ただ、定年後(既に4年になろうとしています。)これからは自分が納得できる手法で保存科学を極めて行きたいと思っています。
私の専門は特に長期保存の評価方法です。
数年後、数十年後、数百年後、更には数千年・・・数百万年後(数百万年前は人類の誕生)まで本当に必要なものが保存されていると言う保障を説得力のある評価方法で世に知らしめるかに注力してきました。そのためには数年前・・・数百万年前から保存されてきたものを保存科学として評価できることが最も重要だと考えています。
そして自分が出来る最長の評価期間として15年を設定してFF勤務時代にそれをまとめて学会に報告しました。
今でも懐かしく思い出せると共に、この新手法はもっともっと世の中で活用されてほしいと考えています。
・・・・・

以上4点が今月のトピックスである。
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「文化財的Archival教育」ブログ2009年度まとめ(20090301転載)

2009-03-01 08:01:28 | Weblog
月初めはこの「文化財的Archival教育」ブログのまとめ日とします。
今回は2009年1~2月の2件分
・・・・・・・・・
20090131>>>2009年睦月の「文化財的Archival教育」活動
2009年最初の月となる「睦月」の「文化財的Archival教育」活動について述べたい。
今月は3つのトピックスが有った。
まず一昨年6月より始めた塾講師!
今年は高校・大学受験生を合計4名担当していて、毎日ピリピリとした対応が続いている。大学受験・高校受験共に既に一度は入試を経験し、二度目以降の受験に突入している真っ最中である。将来の「文化財的Archival教育」に繋がると考え、新しい受験生の担当が決まれば今年も頑張って行きたいと思っている。
今年最初のイベントは1/27(火)に東大安田講堂で開催され、タイトルは「元素戦略/希少金属代替材料開発」であり、官が文科省・経産省・環境省他、学は各有名国立大・私立大、民はトヨタ・三菱化学を初め多くの企業が参画している大プロジェクトである。会場とのディスカッションの時間が設けられていなかったのは残念であったが、17のポスターセッションでの説明は現在中国他に頼っている希少金属の代替探索を迫られている日本の現状を切実に感じられるものであり、このブログにも長期的には関連する内容であった。
そして本日1/31(土)これから出席予定の武田計測先端知財団主催のシンポジウムで、タイトルは「共に生きる知恵」であり、保存科学の観点・文化財的Archival教育の観点からもとてもぴったりの感じがするイベントである。
内容は来月のブログで紹介する。
以上3点が今月のトピックスであり今年最初のブログとしたい。
・・・
20090228>>>2009年如月の「文化財的Archival教育」活動
2009年「如月」の「文化財的Archival教育」活動について述べたい。
今月は3つのトピックスが有った。
まず一昨年6月より始めた塾講師!
今年は高校・大学受験生合計4名を担当をしているが、先日実施された神奈川県公立高校入学試験の発表が昨日有り、3名全員が目標の高校受験に合格した。
一安心である。
大学入試の方はまだ確定していない。
明日から3月度になるが、次の受験生を含めて新しい担当は決定しておらず、現在2名の担当のみが確定している。いずれにしても、将来の「文化財的Archival教育」に繋がると考え、新しい受験生の担当が決まれば今年も頑張って行きたいと思っている。
次に2/8(日)と2/24(火)の二日に亘り、東京半蔵門にあるJCIIで開催されている「古写真に見る明治の東京」展に出かけ、保存科学に関する議論をNIさん、TNさんとしてきた。
今後も継続しての活動が期待できる。
最後は、今月中ごろより打診があった企業へのコンサルタント業務に関し、昨日電話での「保存科学」内容について照会があり、本日これからメールで回答予定である。
旨く行くと企業に対する「文化財的Archival教育」活動のひとつとなるはずだ。
以上3点が今月のトピックスである。
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「文化財的Archival教育」ブログ2008年度まとめ(20090301転載)

2009-03-01 07:59:57 | Weblog
月初めはこの「文化財的Archival教育」ブログのまとめ日とします。
今回は2008年1-12月の12件分
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20080131>>>2008年睦月の「文化財的Archival教育」活動
2008年最初の月となる「睦月」の「文化財的Archival教育」活動について述べたい。
今月は5つのトピックスが有った。
まず昨年6月より始めた塾講師!
今月もドタキャンが多く、昨日は3駒目の真ん中がキャンセルで参ってしまった。今月だけでキャンセル駒数を合計すると9件にも及んだが、将来の「文化財的Archival教育」に繋がると考え直し今年も頑張って行きたいと思っている。
今年最初のイベントは1/12(土)に朝日新聞主催・上智大学で実施された「世界遺産と生きる」シンポジウムである。
詳細は1/26朝日新聞朝刊紙面で紹介された。
私個人としてはスケールの大きさ(主催者・会場・参加者数・テーマなど)に比べ内容が絞り込めずちょっと散漫な感じを受けた。
続いて1/18(金)古都保存財団主催で横浜赤レンガ倉庫ホールで開催された第1回「美しい日本の歴史的風土・環境フォーラム」に参加した。
こちらもスケールの大きさは上記シンポジウムと余り変わらなかったが、やはり世界遺産を意識したイベントで一年ごとに各地を廻る計画の第1回目であり、今後の活動が注目される。
そして1/26(土)武田計測先端知財団主催のトークショー兼懇話会であるカフェ・デ・サイエンスがいつもの新宿御苑で行われた。
今回のテーマは「微生物は敵か味方か」でとても内容のある議論が展開された。
30名と言う限定された会合が魅力的である。
次の開催日(3/29)も決まっているので是非継続して参加していきたい。
特に保存科学の観点・文化財的Archival教育の観点からもとてもぴったりの感じがするイベントである。
最後は昨日1/30(水)に訪問した神奈川大学湘南。平塚キャンパス大石研究室である。
大石先生を始めとして、AUさん、YNさんとの出会いもとても嬉しいひと時であった。
目的とする神奈川大での講義及び共同研究の可能性の議論は前向きで進みそうで安心した。
以上5点が今月のトピックスであり今年最初のブログとしたい。
・・・
20080229>>>2008年如月の「文化財的Archival教育」活動
2008年「如月」の「文化財的Archival教育」活動について述べたい。
今月は3つのトピックスが有った。
まず昨年6月より始めた塾講師!
相変わらずドタキャンが多い中、腐らずに講師を務め今日で丁度9ヶ月が経過した。現在担当している塾生6名の内5名が持ち上がりで高校・大学への受験生となる。そして引き続き担当をする予定だ。将来の「文化財的Archival教育」に繋がると期待しこの塾講師を継続して頑張って行きたいと思っている。
今月最初のイベントは2/2(土)に武田計測先端知財団主催の「豊かな未来へ向けての選択」と言うタイトルで昨年に続き講演会が東大敷地内にある武田ホールで開催された。
今年は主として化学物質のリスク管理の話と人間にとって有効なファインケミカル探索に対する日本独自の取組がテーマであった。
最後のパネルディスカッションはもう一つ迫力が無かったが今後もこの種の講演会には引き続き参加していきたいと思っている。
次いで2/16(土)に奈良新聞社主催の文化講座「高松塚光源」に参加した。
テーマは高松塚古墳の石室解体に絡む壁画の保存情報や壁画のルーツに関するもので奈良県出身の私としてはぴったりのものであった。
今回で30回目となるとのことで過去の講座内容を後ほどファックスで送付願った。
その結果1993年から年に1-2度のテンポで奈良県内の種々の文化財に関していろんな角度からの切り口で文化講座を実施していることが分かった。
こちらも今後継続して参加予定である。
以上3点が今月のトピックスであった。
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20080331>>>2008年弥生の「文化財的Archival教育」活動
2008年「弥生」の「文化財的Archival教育」活動について述べたい。
今月は3つのトピックスが有った。
まず昨年6月より始め、そろそろ1年となる塾講師!
今月は春休みと学年進級の時期で生徒の気持ちの切り替えが実際に行えるかどうかが本人の自覚に委ねられていることがちょっとまどろっこしい印象を受けている。将来の「文化財的Archival教育」に繋がることを期待しこの塾講師を継続して頑張って行きたいと思っている。
今月最初のイベントは3/9(日)に奈良薬師寺を訪れ、現在東京国立博物館で開催されている国宝日光・月光菩薩像の運び出し当日タイミングであったことがとても印象的であった。
薬師寺管長の秘書を勤めておられる方が私の小学校同級生KTさんの旦那さんであることが後ほど分かった。
その方の詳細な案内によって「文化財的Archival教育」としてはぴったりの内容の見学が出来、素晴らしい思い出として心に残っている。
又当地で写経の経験を生れて初めて出来たことは薬師寺をとても身近に感じられた所以でもある。
次いで3/29(土)に武田先端知財団主催の第18回カフェ・デ・サイエンスに参加し、「生命の進化」に関するトークショーで積極的に議論に参加できたことである。
このテーマはとても意義があり且つ重要でタイムリーであることが今後も「文化財的Archival教育」にも大いに役立つと思っている。
今年度も生命を主テーマとした活動を年に6回程度行うとの事で、次回予定の5/31(土)を含めて継続参加するつもりである。
以上3点が今月のトピックスであった。
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20080430>>>2008年卯月の「文化財的Archival教育」活動
2008年「卯月」の「文化財的Archival教育」関連活動について述べたい。
今月は4つのトピックスが有った。
まず昨年6月より始め、そろそろ1年となる塾講師!
今月から新学期となり、受け持っている中・高生6名は全て1学年進級したわけである。一人を除き残り5名は全て受験生となるのでそれだけの自覚は必要となるが、春休み中にその自覚の切り替えがスムーズに行えたかどうかがカギを握っている様だ。心身ともに見違えた生徒が2名いることは頼もしい限りだ。将来の「文化財的Archival教育」に繋がることを期待しこの塾講師を頑張って行きたいと思っている。
今月最初のイベントは4/12(土)に南足柄市民会館で開催されたミュージカル「地震カミナリ火事オヤジ」公演に参加したことである。
詳細は「なんアラ」4/14のブログを参照いただきたいが、実施したのは劇団ふるさときゃらばんと言って1983年に東京都小金井市を本拠地に創設されたミュージカルカンパニーである。
途中10分の休憩を挟み約2時間半にわたる熱演は私の心と脳裏に深くその印象を留めてくれた。シナリオ・キャスト共にとても気に入った。
途中息を付かせないほどの迫力のある場面は何度もあってまったく退屈はしなかった。公演終了後のキャストとの直接握手会も素晴らしく、まだ手の感覚として残っている位だ。
次いで4/16(水)に横浜市市民ギャラリーで開催された絵画展に参加したことだ。知り合い2人の作品に触れて懐かしい感情を持った。
同時開催された神奈川県二科展も見学して絵画・写真を思う存分堪能した。創作文化に浸った半日であった。
翌日4/17(木)は東京国立博物館で開催されている薬師寺展に赴き、国宝日光・月光菩薩像を始めとする11に及ぶ国宝にため息が出るほどの感動を覚えた。特に先月その菩薩像が運び出された3/9当日に奈良の薬師寺を訪問しているだけに尚更その懐かしさと共に、現在も薬師寺で帰りを待っている国宝弥勒菩薩を思い起こした。人間界の家族の絆に思いを馳せた。
又「文化財的Archival教育」活動にとっても国宝を始めとする文化財の保存・展示の観点からとても有意義なイベントであったと思われる。
以上4点が今月のトピックスであった。
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20080531>>>2008年皐月の「文化財的Archival教育」活動
2008年「皐月」の「文化財的Archival教育」関連活動について述べたい。
今月は4つのトピックスが有った。
まず昨年6月より始めた塾講師は丁度丸1年となり、昨日塾長とも「良く続きましたね、何か得るものが有りましたか?」と尋ねられ、「若者の考え方が分かり、大いに勉強になった」と答えておいた。
中・高5名の受験生(他に1名は高2)を預ることになるが、将来の「文化財的Archival教育」に繋がることを期待しこの塾講師を頑張って行きたいと思っている。
今月のイベントは5/18(日)の「なんアラ」札幌講演会に尽きる。
詳細は「なんアラ」ブログを参照願いたいが、参加人数こそ7名と少数であったが、北海道地区初となる北の地札幌での講演会は季節も良く、出版と言う文化を語るには格好の雰囲気であった。参加者のTKさんとも今後の出版文化について熱く議論できたことは記憶に新しい。
次いでその二日後5/20に土砂降りの悪天候の中、北海道初となる国宝「中空土偶」を見学すべく函館市南茅部町の「大船遺跡」を訪問した。
残念なことに国宝そのものは現在展示しておらず函館市に保管されているとのこと。
又レプリカも現在貸し出されていて写真のみの見学となったが、親切な担当者との会話で北海道初となる国宝管理の意気込みは今年秋の新展示館完成への期待となって表れていた。
文化財保存と展示との難しさを改めて感じたひと時であった。
最後のイベントは本日これから東京に出張して、カフェ・デ・サイエンスに参加してくることである。こちらは又来月のブログで紹介したい。
以上4点が今月のトピックスであった。
・・・
20080630>>>2008年水無月の「文化財的Archival教育」活動
2008年「水無月」の「文化財的Archival教育」関連活動について述べたい。
今月は4つのトピックスが有った。
昨年6月より始めた塾講師は丸1年を過ぎ、いよいよ2年目に突入した。
先日も塾長とのちょっとした考え方の相違もあり気まずい思いをしたが、なるべく将来ある熟生のことを第一に考えて継続していくつもりである。
中・高5名の受験生(他に1名は高2)にインパクトを与えられることが、将来の「文化財的Archival教育」に繋がると考え、この塾講師を頑張って行きたいと思っている。
次いで先月末に記載した5/31「文化財的Archival教育」ブログの薬師寺東京別院での「もう一つの薬師寺展」への参加がある。
奈良の薬師寺だけでなく、東京でのこの様な活動は地道ではあるがとても大事なことだと薬師寺副管長の話を聞きながら考えた。
当日のもう一つのイベントであるカフェ・デ・サイエンス参加もタイトル「生命の知・工学の知」はとても長いレベルの活動であり、次回の7/28に予定されている「メスとオス」にも是非参加したいと思っている。
最後に6/22に参加した我が町松田寄でのバードウォッチングは鳥類のArchivalには欠かせない活動であり、こちらも機会が有れば是非継続参加していきたいと思っているし、そのイベントが続けられることを期待している。
以上4点が今月のトピックスであった。
・・・
20080731>>>2008年文月の「文化財的Archival教育」活動
2008年「文月」の「文化財的Archival教育」関連活動について述べたい。
今月は4つのトピックスが有った。
昨年6月より始めた塾講師は丸1年を過ぎ、塾講師の中でも新人を脱して中堅(?)の領域に入った。
塾生は夏休みに入り、少々弛みが出てくる頃だが、ここで大きく差が開き、人生での転換点にもなる可能性があるので、塾生には発破をかけている段階である。
イベントとしては、まず7/5に奈良市で開催された便利堂主催の「コロタイプ研究会」に参加したことが今月の大きなトピックスである。
同時に現在開催中の国宝法隆寺金堂展を見学してそのスケールに大きさに圧倒された。
京都と並んで奈良の文化財施設・保存対象物の多さを改めて実感した一日であった。
7/28には前回の5/31に次いで実施されたカフェ・デ・サイエンスに参加したことがトピックスとして上げられる。タイトルは「雄と雌をめぐる謎」と言ったまさしく謎めいた内容であったが、人間を含む動物の雌雄の謎はたった2時間では収拾がつかないほどの展開をみせた。
いつもなら一言は発言するのだが、その場面もついに訪れなかった。
残念であるが又次の機会に楽しみとして残しておこう!
いずれにしても通常のメディアを通じての情報ではなく、ダイレクトに議論される人達の顔を直接見ての情報伝達であるだけにその迫力は想像以上であった。
益々勉強する意欲が湧いてきた。
上記塾生にもこのパワーを伝えて行きたいと思っている。
最後に前回の6/22次いで7/27に実施された我が町松田寄での渓流ウォッチングは実際に川原に入り、様々な昆虫・虫・小魚を直接観察するもので、一緒に参加した孫がはしゃぎまわって落ち着いて講師の説明が聞けないほど楽しいイベントであった。
この様な活動も長期的に見れば文化財保護の延長線上にあるとても重要なことであると思っている。
以上4点が今月のトピックスであった。
・・・
20080831>>>2008年葉月の「文化財的Archival教育」活動
2008年「葉月」の「文化財的Archival教育」関連活動について述べたい。
今月は3つのトピックスが有った。
昨年6月より始めた塾講師は夏休みに入り、月水金の駒数が一日に通常3駒の所、4駒に増え慌しい日々がこの前の金曜日でやっと終了した。
来週の9/1からは又平常の月水金、一日3駒に戻ることになる。
又新たな気分で取り組むつもりである。
イベントとしては、8/28に開催されたMLS20周年記念講演会に参加したことである。
特に「文化財的Archival教育」の観点からは、「経年図書の劣化サンプル解析」、「漆関連物質の抗菌性」、「冠水した図書資料の固着現象解析」、「漆喰土蔵の凍結破壊現象」などとても役立つ発表が有って満足できる出張となった。
又直接当ブログと関連性は無いが、8/16に出張した奈良橿原市で開催された高校同窓会は藤原文化から平城文化にかかわる橿原神宮の極傍であった。
そして懐かしい旧友達との会合は長期にわたる歴史を感ぜざるを得なかった。
以上3点が今月のトピックスであった。
今回ブログを記載している時に現在継続記載している3つのブログの相互の関連をまとめて見たい衝動に駆られた。
結果は下記であるが、今後もこのバランスに基づいて活動を展開していくつもりである。
・・・・・・・・・
<YSが展開している3つのブログの関連表>
    なんでもアラカルト・YSPS研究所・文化財的Archival教育
ブログ記載インターバル    毎日   毎週          毎月
活動インターバル    数年   十数年     数十年
活動頻度      多い(ほぼ毎日) 中程度(月単位)   少ない(年単位)
活動資金     持ち出し(出版業) バランス調整役 収入源(コンサルタント業)
・・・
20081001>>>2008年長月の「文化財的Archival教育」活動
2008年「長月」の「文化財的Archival教育」関連活動について述べたい。
月末にこのブログ記載をするのが慣例だが、昨日は自宅オール電化工事で終日パソコンが使用できなかったのでこの記述が翌日となってしまった。
今月は3つのトピックスが有った。
昨年6月より始めた塾講師は二学期が始まり、通常の月水金と週3回、一日3駒の定常講師に復帰した。
そろそろ中学・高校共に中間試験となるので、又試験前後のチェックが主となる。
イベントとしては、先月9/13に「奈良の地名フォーラム」のタイトルで、霞ヶ関にあるプレスセンターで講演会が有りそれに出席した。
この件に関しては9/14の「なんアラ」ブログ、9/20の「YSPS研究所」ブログでも記載しているので参照されたい。
参加者は約250名と盛況で、講演・パネルディスカッションの内容も、文化財的Archival教育として大事なテーマを扱っていた。
今回の講演・ディスカッションでは古来の地名がどんどん改訂されて無くなっていくことを憂いながらその古来地名の重要性をいくつもの例を上げて取り上げられたことはとても有意義なことであった。
この地名改訂の件は、市町村合併に伴う町村名の消失と共に古来使用されてきた”字”をしっかりと残すことの必要性を語られた。
特に私の出身地である奈良県五条市や、先日の平成合併で消えてしまった新庄町(現葛城市)を始めとして飛鳥、斑鳩、畝傍、橿原、御所、磯城、當麻、榛原、浮気、平城、平群、耳成、三輪、掖上(五十音順)などとても懐かしい名前の由来が講演の中や購入した本「奈良の地名由来辞典」から分かったことは大きな収穫であった。
ゆっくりと時間をかけてこの本の中身を知ると共に、既刊の東京・京都・鎌倉の地名由来辞典にも手を広げてみたいと思っている。
最後のトピックスは毎年秋から冬にかけて行ってきた東京工芸大映像学科での講義日程が10/10に急遽決定したことである。
こちらは今週末までに講義資料を担当のHY先生に送付することになっている。
以上3点が今月のトピックスであった。
・・・
20081031>>>2008年神無月の「文化財的Archival教育」活動
2008年「神無月」の「文化財的Archival教育」関連活動について述べたい。
今月は4つのトピックスが有った。
昨年6月より始めた塾講師はいよいよ1年半に近づき、全体の講師数の順番を示すトレイの段数も当初の最下段から現在は上から4番目まで昇格(?)した。
来月に入ると中学・高校共に2学期期末試験となり、来年1月末の神奈川県公立試験や大学入試センター試験も日程が発表されいよいよ試験直前の雰囲気が迫ってきた。生徒達に自信を持たせる時期に来ている。
長期的視野に立った指導をしていきたいと思っている。
イベントとしては、まず10/10の東京工芸大でこのブログと同じタイトルで90分の授業を行った。
学生達の反響を示す報告書が担当教授からまだ送られてきていないので、来月まとめて言及したい。
次のトピックスは昨日・今日と開催中の画像保存セミナーでの出来事である。
昨日はイーブニングレクチャーで東京都写真美術館館長の福原さんがアナログ写真からデジタル写真への過渡期の対応を自分の体験に基づいて分かりやすく紹介された。その後ロチェスターのIPIから来られたライリーさんが更に広い立場から保存科学を述べられ、YSPS研究所としても非常に有意義な半日であった。
本日引き続き、同じ写真美術館でセミナーは開催されるので、最後のパネルディスカッションでは実際に参画したいと思っている。
最後に同会場でFFのKOさんと名刺交換をして、先日(半年前くらい)来、気になっていた映画フィルムの保存に関するコンサルタント打診があり、やはりYSPS研究所として対応していくと共に、若者への保存科学教育の場としても活用して行きたいと考えている。
以上4点が今月のトピックスであった。
・・・
20081130>>>2008年霜月の「文化財的Archival教育」活動
2008年「霜月」の「文化財的Archival教育」関連活動について述べたい。
今月は4つのトピックスが有った。
昨年6月より始めた塾講師はいよいよ1年半が経過した。
そして来年1月末の神奈川県公立試験や大学入試センター試験も日程が発表されいよいよ試験は直前に迫ってきた。
一方推薦入学が決定した生徒もいて、塾を去るものも出てきている。
それに伴い週3回の塾は来月から月曜・金曜の週2回に変更することで塾長と合意した。
いずれにしても長期的視野に立った視点から、生徒を指導していきたいと思っている。
イベントとしては、11/8に開催した「なんアラ」奈良講演会がある。
詳細は「なんアラ」ブログを参照願いたいが、「文化財的Archival教育」としては、40~45年前に家庭教師をしていたお二人にこの講演会に出席していただき懐かしい声でミニ講演をしてもらったことが印象的であった。
続いて11/8前後で訪問した元興寺文化財保存修復センターや奈良文化財研究所藤原調査部そして入江泰吉奈良市写真美術館の3箇所では、「文化財的Archival教育」の観点から多くの事を学んだ。
親切丁寧に御説明いただいたNUさん、NIさん、KSさんには改めて感謝いたします。
最後のトピックスは11/25にYSPS研究所としてコンサルタント業務を実施したことである。
ここでも、「文化財的Archival教育」の観点から今後も若手技術者に対する指導を行いたいと思っている。
以上4点が今月のトピックスであった。
・・・
20081231>>>2008年師走の「文化財的Archival教育」活動
2008年「師走」の「文化財的Archival教育」関連活動について述べたい。
プライベートなことで申し訳ないが、私のお袋が今月12/2に逝去した。
まずはこの場で哀悼の意を表すると共に、この「文化財的Archival教育」にも何らかの形で協力してもらい、心から感謝したいと思う。
さて今月は3つのトピックスが有った。
昨年6月より始めた塾講師は1年半が経過し、いよいよ今年の受験生も来月末の神奈川県公立試験や大学入試センター試験が直前に迫ってきた。
それに伴い一度は週3回の塾が12月は月曜・金曜の週2回に変更されたが、1月は元に戻り週3回に復活し、集中講義をすることとなった。
いずれにしても長期的視野に立った視点から、今後も生徒を指導していきたいと思っている。
イベントとしては、12/11に神奈川大YO研究室で大学院生対象で「写真用素材の耐久性評価における色素濃度濃縮・微粒化によるモデル化と経時劣化の実際」と言うタイトルで講義を行った。内容は昨年京都工繊大YF研で実施したのと大差は無いが、「文化財的Archival教育」の観点からも突っ込んだ議論が講義後の質疑応答で出来たことは有意義であった。
最後のトピックスは先月11/25にYSPS研究所としてコンサルタント業務を実施したが、引き続き来月中旬に2回目が実施される予定であることを確認したことである。ここでも、「文化財的Archival教育」の観点から若手技術者に対する指導を行いたいと思っている。
以上3点が今月のトピックスであった。

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「文化財的Archival教育」ブログ2007年度まとめ(20090301転載)

2009-03-01 07:58:25 | Weblog
月初めはこの「文化財的Archival教育」ブログのまとめ日とします。
今回は2007年1~12月の12件分
・・・・・・・・・
20070131>>>「文化財的Archival教育」ブログ今年の抱負
丁度昨年の1/31にこの「文化財的Archival教育」ブログを開設して丸一年となる。
ひと月に1回の更新のためちょっとブログとしては継続しているとは言え物足りなさを感じるかも知れない。
でも姉妹ブログ「なんアラ」と「YSPS研究所」はそれぞれ毎日、週一で更新しているのでそちらも参照しながら長い目でこの「文化財的Archival教育」ブログも見ていただきたい。
今年の抱負としては昨年と同様の
1.やはりトップは大学生・大学院生を対象とした大学での講義
2.次に企業での若手研究者を対象とした講演
3.「技術情報協会」の様な民間セミナーでの講演
4.その他各地団体が主催するセミナーでの講演
であり、優先順位もこの順番となる。
特に1の大学での講義は今現在のトレンドを把握する上でも重要な位置を占めるので、継続と新規開拓の両面を推し進めたい。
2の企業もスタンスは変わらないがアプローチはやはり何のために必要かを明確にしつつ企業の立場を優先すべく新規な教育に挑戦したい。
3,4はその都度対応することで今年も進めたいが、こちらも継続と新規性を重要視したい。日経新聞「私の履歴書」で江崎玲於奈さんが1/2-1/31まで30回の記事を掲載されたがとても参考になる記事であった。
又今読んでいる
幻冬舎、2006.11.30出版
吉田武著
「はやぶさ:不死身の探査機と宇宙研の物語」
は上記の教育活動には持って来いの内容である。
じっくり読んで今後の活動に役立てたい。
・・・
20070228>>>2月の「文化財的Archival教育」活動
先月の「文化財的Archival教育」ブログ(1/31)で今年の抱負を述べたが2月の活動をまとめてみたい。
まず2/16マテリアルライフ学会中部支部主催の講演会に参加して、その討議の中で写真の文化財的Archival意義について議論できたことは収穫であった。
又翌日の2/17予測学の権威であるKHさんとの会談の中で本「文化財的Archival教育」に関する議論もいくつか出来たことは今後の活動に役立つと期待される。
特にKHさんが手がけられていた鶏の卵やアマリリスの球根の中の水分をモノマーで置換して放射線照射することにより硬化させArchival保存する方向は大変興味が持てた。しかも実物(既に20年近く経過したもの)を手にしたときは感動すら覚えた。
又2/23は本年度の最初の企業講演を実施し、カビを中心とした生物劣化に関する講義と共にその企業が求められている具体的課題に関して若手研究者と種々の議論を行えたことは今月度の成果として特筆すべきことと思われる。
特に最近の若手研究者がどの様なことで悩み壁にぶつかっているかの一部を垣間見た気がした。
私の過去の経験に基づいて地道な研究が結果として直面している問題解決への早道であることを強調しておいた。
「急がば回れ」である。
・・・
20070331>>>3月の「文化財的Archival教育」活動
3月の「文化財的Archival教育」活動について言及したい。
まず3/2に東京弁護士会館で開催された古都保存フォーラムに参加したことである。
御存知古都保存法が施行されて既に40年が経過したが、それを記念して「美しい日本の歴史的風土100選」選定記念フォーラムが古都保存財団の主催で開催されたわけである。
3/3の「なんアラ」ブログから一部を転載すると
>>>霞ヶ関にある弁護士会館には800名を越える参加者が集まり地方の町興しのために力を注いでいる様子が生々しく感じられた。
たまたま隣に座った熊本市都市整備局開発景観課のONさんと名刺交換をして、それとなく「なんアラ」通巻7号記念講演会が11月に福岡であり興味が有れば出席してくれるように宣伝しておいた。
このフォーラムでは奈良市・京都市・鎌倉市などの世界遺産・古都指定都市47件の特別枠を除く全国101の市町村が100選に選ばれ表彰された。その中に上記熊本市も94番目にエントリーされていた。
私の生まれ育った奈良県葛城市も含まれていた。
更に準100選として116の市町村が追加で指定され表彰された。<<<
ついで3/24にやはり東京で開催された武田計測先端知財団主催のカフェ・デ・サイエンス「異端児のみる生命」第1回 「生命世界の右と左」に参加予定していたが参加者多数で抽選もれしてNGとなった。
次回は是非参加したいと思っている。
最後のトピックスは京都KS大の特任教授に内定したことである。
詳細は正式に認定されたところで紹介したいと思っている。
・・・
20070430>>>京都工繊大特任教授就任とマテリアルライフ学会
先月のこの「文化財的Archival教育」ブログでも述べたが、先日京都工繊大特任教授の正式委嘱状が同学長から届いた。
期間は今年の4/9から来年3/31までで「写真の修復・保存技術から複合材料の長期寿命化への貢献」と言う内容になっている。
具体的には同大学複合材料長期耐久性評価研究センターの担当教授であるYFさんとの協議によって決定されるが一年間宜しくお願いします。
さてその通知と前後してYFさんとの出会いの切っ掛けとなったマテリアルライフ学会の年次大会プログラムが届いた。
今年は6/28-29の二日間で場所は名古屋市工業研究所で開催される。
5年前までの約10年間この学会の企画委員長として年次大会プログラム編成に苦労していただけに今回の内容を見て「文化財」ジャンルも復活し発表件数も50件を越えて大変充実していることに感心した。
2年ぶりの参加となるが早速学会事務局に参加登録をしておいた。
・・・
20070531>>>5月の「文化財的Archival教育」活動
5月の「文化財的Archival教育」活動について述べたい。
今月は3つのトピックスが有った。
一つは5/13(日)午後に早稲田大学国際会議場で開催された「邪馬台国の会」特別講演会に参加したことだ。
主催は邪馬台国の会で、協賛が文化財ミニコミ誌「トンボの眼」
タイトルは「邪馬台国は、畿内か九州か:邪馬台国畿内説と九州説の直接対決」と言うちょっと刺激的なものだが、実際九州大西谷氏司会で畿内説が徳島文理大石野氏、九州説が元産業大安本氏による講演会・パネルディスカッションが行われ、結論は出なかったが約1500年前のロマンを熱く語られる場面は平和でまさしく「文化財的Archival教育」に相応しいイベントであった。
二つ目は5/27(日)午後に仙台市民会館で私が主催した「なんアラ」通巻6号出版記念講演会とその前後での東北地方国宝巡りである。
「なんアラ」仙台講演会については「なんアラ」ブログを参照されたいが、講演会の中で東京文化財研究所のSSさんの講演はこの「文化財的Archival教育」に適した内容であった。
又5/26-5/29で合計7箇所11個に及ぶ国宝を直接目の当たりにして、その保存に関する説明や議論を保存担当者他の人たちと出来たことは今後の活動にも大いに役立った。
最後は5/12に初めてスタートした塾講師のアルバイトに関しては来月6/4に本格的に講義を始めることになるが「文化財的Archival教育」にも役立つようなアプローチも是非心がけたいと思っている。
以上3点が今月のトピックスである。
・・・
20070630>>>6月の「文化財的Archival教育」活動
6月の「文化財的Archival教育」活動について述べたい。
今月は5つのトピックスが有った。
まず6/4に本格的に講義を始めることになった塾講師である。
今月は合計5回、延べ80時間に及ぶ教育活動を行ったことになる。
勿論「文化財的Archival教育」ずばりではないが、意識としては若者を対象に夢を持てるような教育を心がけたいと思っている。
次いで6/13小田原で開催されたYYさん、KKさんが出展しておられる画廊に足を運びしばし絵の素晴らしさに感嘆したことである。
お二人ともFF時代の親友であり文化財としての絵のジャンルに対する目を肥やす絶好のチャンスであった。
そして6/16(土)東京で開催されたカフェ・デ・サイエンス「異端児の見る生命 生命の起源」トークショーに参加したことである。
詳細は6/23の「YSPS研究所」ブログを参照願いたいが、この様な脳を刺激する講演会に参加してその場で実際に議論を交わすことは「文化財的Archival教育」活動にも大変重要なことだと認識している。
最後の二つは6/28-29に名古屋市工業研究所で開催されたMLS(マテリアルライフ学会)年次大会に参加したことだ。
その中で文化財のジャンルで報告された漆膜・漆喰土蔵・博物館/図書館所蔵紙/包材等の保存に関する5件の内容はArchival教育には欠かせないもので、質疑応答で積極的に議論に参加した。
又現在特任教授を引き受けている京都工繊大の「酸環境で長時間使用されたGFRP構造物の劣化状態」発表では当研究室での講義内容を議論するのに相応しい質疑が出来たと思っている。
そして最後は同じくこのMLS年次大会を通じて20名以上の方々と直接お話が出来、今後の「文化財的Archival教育」活動に大いに参考になったことである。
以上今月はとても実り或る月度となった。
・・・
20070731>>>7月の「文化財的Archival教育」活動
7月の「文化財的Archival教育」活動について述べたい。
今月は7つのトピックスが有った。
まず6月より本格的に講義を始めている塾講師である。
今月は合計7回、延べ時間も100時間を越える教育活動を行ったことになる。
「文化財的Archival教育」ずばりではないが、日本の将来を担う若者を対象に夢を持てるような教育活動を心がけて行きたいと思っている。
次いで7/8足柄上郡大井町福祉会館で開催された車人形公演に参加したことだ。
詳細は7/9の「なんアラ」ブログを参照願いたいが、日本の伝統芸術を後世に伝える活動を地道に行われていてとても感動を覚えた。
そして7/20京都で2件の活動を行った。
一つは岡山林原のMHさんとお会いして写真の生物劣化に関する対処方法の伝授を行ったことだ。今後もこのレベルの問題は散発すると考えられるがその問題解決に対して実際に対応できる所はほとんど見られない。出来る限りのフォローはYSPS研究所として実施していきたいと考えている。
7/20のもう一つの活動は京都工繊大複合材料耐久性評価研究室に赴き、特任教授としての活動内容の議論を行ってきたことである。FRP素材の耐久性評価に写真の長期保存性評価がどの程度応用できるかがポイントであり、次回までにその具体的内容を提案することで合意した。
続いて7/21に3つの活動を実施した。
一つは奈良市写真美術館のKSさんを尋ねてデジタル・アナログ保存技術に関して議論してきたことで、写真の文化財的Archival教育に大いに貢献したと思っている。
再び京都に戻り相国寺で行われた「コロタイプ技術研究会」に参加し、これも伝統工芸技術の伝承に関して素晴らしい講演を3件聴講でき、講演者の方々とも後ほどの懇親会を含めて議論できたことは大きな収穫であった。
その懇親会で名刺交換をした東京芸術大DSさんとは再度東京でお会いして文化財の長期保存に関して議論をしたい旨先日より打診していた。
そして昨日直接お電話とファックスで御連絡を戴き、8/14に東京芸術大に赴き、研究室で議論できることになった。
以上今月もとても実り或る月度となった。
・・・
20070831>>>8月の「文化財的Archival教育」活動
8月の「文化財的Archival教育」活動について述べたい。
今月は3つのトピックスが有った。
まず6月より始め本格的に講義が続いている塾講師である。
今月は合計11回、6月からの総計は23回の教育活動を行ったことになる。
将来の「文化財的Archival教育」に繋がる教育活動を心がけて行きたいと思っている。
現在6名(中2が3名、中3が1名、高2が2名)の生徒を担当しているがそれぞれの個性に合わせて進度・やり方に工夫を凝らしている。
特に今月はドタキャンが延べ6人も出て、その時の対応が気になったので塾長に指導要求を出しておいた。
又教えている科目も来月から高校生の現代国語が増えて主要5科目全てを持つこととなった。その責任も大きなものとなりつつある。
ついで7/21京都で開催された「コロタイプ技術研究会」懇親会で名刺交換をした東京芸術大DSさんと文化財の長期保存に関して議論すべく、8/14にDSさんが勤務されている東京芸術大を訪ねた。
約3時間に亘りDSさんの近代美術のアイデンティティーを中心にしていろいろ議論し、最後は人間のアイデンティティーまで話がおよびとても有意義な時間が持てたと喜んでいる。
今後もお付き合い願いたい人の一人である。
最後に6月のブログにも記載しているカフェ・デ・サイエンス「異端児の見る生命 生命の起源」に次いで、9/8に「異端児のみる生命 宇宙の生命」に参加できることが決まった。
78名から抽選で30名の中に入ったものでラッキーである。
「文化財的Archival教育」活動にも大変重要テーマであると認識している。
以上今月も実り或る月度となった。
・・・
20070930>>> 9月の「文化財的Archival教育」活動
9月の「文化財的Archival教育」活動について述べたい。
今月は3つのトピックスが有った。
まず6月より始め本格的に講義が続いている塾講師である。
今月は合計12日、6月からの総計は35日の教育活動を行ったことになる。
将来の「文化財的Archival教育」に繋がる教育活動を心がけて行きたいと思っている。
現在6名(中2が3名、高1が1名、高2が2名)の生徒を担当しているがそれぞれの個性に合わせて進度・やり方に工夫を凝らしている。
今月もドタキャンが延べ4人出て、対応に苦慮している。
教えている科目も英・理・社に加え、今月から高校生の現代国語が始まりその責任も大きなものとなりつつある。
ついで9/8カフェ・デ・サイエンス「異端児のみる生命 宇宙の生命」に参加した。78名から抽選で30名の中に入っての2回目の参加となった。
前回同様とても興味あるテーマであり、活発な質疑応答がなされた。前回は最後に質問をしたが、今回は時間が20分も延長されるほどの白熱振りでその場では質問できなかったが、終了後講師のYOさんと直接対話が出来た。内容は「人間原理」、「魚類原理」などについてであり、次回参加できれば是非この続きを議論したいと考えている。
最後に9/26に耐久性評価に関する設備見学を桐蔭横浜大内にあるベンチャー企業で実施したことである。
直接「文化財的Archival教育」とは繋がらないが、太陽光のシミュレーションやフレキシブル太陽電池を利用したエネルギー問題なども議論できて有益であった。
又来月以降2つの大学での講義が確定していて、これからその資料作りに入る予定である。
10/15の京都工繊大と12/7の東京工芸大である。
以上今月も実りある月度となった。
・・・
20071103>>>10月の「文化財的Archival教育」活動
まず最初に10/31に本ブログ掲載が出来なかったことをお詫びしたい。
以下10月の「文化財的Archival教育」活動について述べる。
今月は4つのトピックスが有った。
まず6月より始めた塾講師!今月は合計13日、6月からの総計は48日の教育活動を行ったことになる。
将来の「文化財的Archival教育」に繋がる教育活動を心がけて行きたいと思っている。
現在6名(中2が3名、高1が1名、高2が2名)の生徒を担当しているが、今月は中間試験の対応で一喜一憂の日々であった。
ついで10/4に江戸東京博物館で開催された「プリザーベーション・マネジメント」に参加したことである。
基調講演に始まり、特別講演が1件、通常講演が4件と盛り沢山の内容であった。
資料保存の新しい水平展開に対する方向性が示された感じがした。
デジタルアーカイブの中でのアナログ保存の議論が際立ってきた様相が強くした。
そして10/15に京都工芸繊維大で特任教授として「写真用素材の耐久性評価における色素濃度濃縮・微粒化によるモデル化と経時劣化の実際」のタイトテルで講義したことである。
当複合材料長期耐久性評価研究センターでの共同研究を目指して今後詰めの話し合いを持ちたいと思っている。
最後に10/26に東京文化会館で実施されたMLSの分科会「第3回ケミルミ研究会」に参加した。
文化財的Archival教育活動に関してミクロの方向からのアプローチとして今後も注目して行きたい。
今月の活動は以上である。
・・・
20071130>>> 11月の「文化財的Archival教育」活動
11月の「文化財的Archival教育」活動について述べたい。
今月は4つのトピックスが有った。
まず6月より始めた塾講師!今月は合計9日、6月からの総計は57日の教育活動を行ったことになる。
将来の「文化財的Archival教育」に繋がる教育活動を心がけて行きたいと思っている。
現在6名(中2が3名、高1が1名、高2が2名)の生徒を担当しているが、今月末でひとり塾を辞めるかどうかの危機に来ている。ちょっと心配だ。
次に11/2(金)に開催された日本写真学会主催の画像保存セミナーに参加し、講演後の質問や懇親会会場でのやり取りを通じて「文化財的Archival教育」活動に貢献できたのではと思っている。
トピックスは現在を代表する写真家細江英公先生と直接お話出来、議論も出来たことである。勿論名刺交換もやってきた。
続いて11/10(土)神奈川県大井町で開催された富士山シンポジウムに出席し、300年前の1707年宝永山噴火の災害に対する情報伝達に関して多くのことを学んだ。
そしてFF時代の先輩でもあるYOさんと12月にお会いして対談できるチャンスが掴めたことは大いなる収穫であった。
最後のイベントは11/18(日)午後に福岡天神の都久志会館で私が主催した「なんアラ」通巻7号出版記念講演会とその前後での九州地方文化・自然遺産巡りである。
「なんアラ」福岡講演会については「なんアラ」ブログを参照されたいが、講演会前後での博物館・神社閲覧は「文化財的Archival教育」の今後の活動にも大いに役立つと考えている。
以上4点が今月のトピックスである。
・・・
20071231>>>12月の「文化財的Archival教育」活動
12月の「文化財的Archival教育」活動について述べたい。
今月も4つのトピックスが有った。
まず6月より始めた塾講師!
ついに半年を越えて7ヶ月続投出来たことにまず驚きと共に塾長及び何よりも生徒たちに感謝したいと思う。
何せどちらかと言うとスパルタ(決して体罰を行使しているのでは無いので誤解無きよう!)教育でここまで続いてきたので・・・。
今月は合計11日、6月からの総計は68日の教育活動を行ったことになる。
現在中・高生6人が常時、更に臨時で3名の9名の面倒を見ている。
将来の「文化財的Archival教育」に繋がる教育活動を心がけて行きたいと思っている。
先月記載した塾を辞めるかどうかの危機に来ていた生徒も元気に塾通いを復活して安心している。
次に12/7(金)に実施した東京工芸大での年に一度の定期特別講演である。
タイトルはいつもの「文化財的長期写真耐久性」でこのブログにぴったりの内容であるが、従来のOHP資料と共にこのパソコンを駆使して学生を寝かさないように眼に訴える内容をと苦心している。
幸い今回の約100名のアンケートではとても良い内容の学生が1割近くいて教え甲斐があったと言える。
講演後の質問も何件か有り、その後教授室まで延長しての会話もあり楽しかった。
続いて12/8(土)新宿御苑の円月で開催されたカフェ・デ・サイエンスは今年3回目の参加となり、常時講師の大島先生とも懇親会で親しくお話出来生命の起源と今後の生命の向う方向がダイナミックに議論できてとても豊かな気持ちになった。今後も継続参加の予定である。
来年早々の1/26(土)開催イベントに早速エントリーをしておいた。
最後のトピックスは12/27(木)に忘年会を兼ねて実施したYOさんとの対談であった。
内容は「なんアラ」、「YSPS研究所」とも深く関わりがあり、そちらの内容はそれぞれのブログを参照いただきたい。
ここでは「文化財的Archival教育」に関する話題を述べたい。
つまりYOさんは広く活動を実施されていて、富士山噴火300年を機会に各地の小中学校を訪れて文化の継承としての活動を行っておられるのだ。
生徒との対話の場面では視線を生徒の高さに持って行って話し合い、眼の輝きが出てくるまで努力されている姿はとても参考になった。
又土地の小字に小さい時から興味を持たれ40年以上も継続して文化の継承の立場を貫いておられることにも感服した。
以上4点が今月のトピックスであり今年最後のブログとしたい。
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「文化財的Archival教育」ブログ2006年度まとめ(20090301転載)

2009-03-01 07:56:42 | Weblog
月初めはこの「文化財的Archival教育」ブログの今までのまとめ日とします。今回は2006年度の丁度1年分となります。
以下2006年1月~12月のまとめ12件分
・・・・・・・・・・・・・・
20060131>>>「「文化財的Archival教育」ブログ開設」
2006年1月31日
新しい年も早くもひと月が経過しようとしている。
「文化財的Archival教育」ブログ開設にあたりその趣旨と今後の予定を書いてみる。
このブログは「YSPS研究所」ブログ及び「なんでもアラカルト」ブログと平行して進めていく3つ目のものである。
更新は毎月月末、従って本日1/31にスタートした訳である。
但しブログ内容そのものが3ヶ月の命なので、更新時には以前のものも併記するつもりである。
何を書いていくかは徐々に本文を参照いただきたいが本日は「文化財的Archival教育」そのものについて記してみる。
まずこのブログの期待している読者対象はこれから社会に巣立っていこうとしている学生、又既に社会人生活を始めている若者である。
何を教育するのかであるが、タイトルの「Archival」であって日本語にすると「保存科学」とは何ぞや?NHKの世界遺産番組の冒頭に出てくる「人はどこから来てどこに行こうとしているのか?」を一緒に考えていこうとしている。
又「文化材的」とはその「保存科学」を考える規模・大きさを文化財レベルの長期間を意識してとの意味である。
では具体的に何をするのかは次回から徐々に展開していきたい。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
20060301>>>「「文化財的Archival教育」内容解説1」
2006年3月1日
本来は「文化財的Archival教育」ブログ更新は月末にするつもりだったが、月始めになったことを謝りたい。
本日はタイトルの様に「文化財的Archival教育」内容解説1としてその活動の具体的内容を示したい。
まず場所の問題である。
つまりどこでそのような教育活動をするのか?
1.やはりトップは大学生・大学院生を対象とした大学での講義
2.次に企業での若手研究者を対象とした講演
3.「技術情報協会」の様な民間セミナーでの講演
4.その他各地団体が主催するセミナーでの講演
以上を考えているが、近々開催予定の上記「技術情報協会」セミナーでの講演を4/中旬に行う予定である。
そこでまだ決定では無く案の段階だがそのセミナーの講演タイトルを紹介したい。
1.イントロダクション
2.各種情報はどんな形でいつ頃まで保存されれば良いのか?
2-1.長期保存の実例は対数スケールで何桁まで遡れるのか?
2-2.長期保存のポイントは環境か・物体そのものか?
2-3.どんな形で、どれくらい長期間保存する必要性があるのか? 
3.保存はデジタルかアナログか?
3-1.デジタル・ツールのメリット・デメリット
3-2.アナログ保存の重要性
3-3.長期安定保存方法に関する具体的提案
4.アナログメディア画像の耐久性評価方法
4-1.アナログメディア画像の保存状態の分類
4-2.ディスプレイ状態の耐久性評価方法
4-3.画像耐久性寿命の絶対評価方法
4-4.暗保存性寿命評価の一般的手法
5.アレニウス評価法の実態
5-1.アレニウス評価とは何か?
5-2.アレニウス評価で何が出来て、何が出来ないのか?
5-3.アレニウス評価を補える新規評価方法とは?
6.耐久性把握による真の文化遺産保存を目指して
次回は上記「技術情報協会」セミナーでの講演の進行具合や他の大学・企業・団体での活動予定内容を徐々に述べて行きたい。               
・・・・・・・・・・・・・・・・・
20060331>>>「「文化財的Archival教育」内容解説2」
本日は先月に続き「文化財的Archival教育」内容解説2としてその活動の具体的内容を示したい。
先月紹介した下記4つの教育活動場所の内

1.大学生・大学院生を対象とした大学での講義
2.企業での若手研究者を対象とした講演
3.「技術情報協会」の様な民間セミナーでの講演
4.その他各地団体が主催するセミナーでの講演

3番目の「技術情報協会」セミナーでの講演を4/中旬に行う予定としていたが、5/中旬頃になったのでそれについては又次回で述べる。
そこで本日は1の「大学生・大学院生を対象とした大学での講義」について昨年の実績を話してみたい。
昨年は結局3つの大学で講義を実施した。
しかも秋から冬にかけての3ヶ月に集中した。
2005.10.13:東京女子大
2005.11.18:東京工芸大
2005.12.09:東京芸術大
講義のタイトルはいずれも「文化財的長期写真耐久性」で約1時間~1時間半話し、最後に質問のコーナーを設けた。
特に12/9の東京芸術大では午前中の講義に引き続き、午後からは約1時間数名の院生と実際に紙の寿命評価を実施する上での問題点を提起願いそれに対する解決方法などを議論して実りの多い時間が取れた。
いずれにしても1年前後の短期寿命を評価するのでなく、10年、100年更に何世紀かに亘る文化財的長期の物質の寿命を推測するには過去の遺物の保存経歴を詳細に研究することが最も重要なことであることをこれからも実際にその実態を紹介しながら若者に理解を求める活動を続けて行きたいと思っている。
・・・・・・・・・・・・・・・
20060430>>>「文化財的Archival教育」内容解説3
本日は先月に続き「文化財的Archival教育」内容解説3として、3番目の民間会社が主催するセミナーでの講演会についてである。

開催日時・場所は
5/25(木)14:40-16:10
東京有明:TIME24ビル 2F プランニングルーム1

主催は技術情報協会でセミナーは4人の講師で構成されていて、私は最後の講演を担当する。

私の担当する講演タイトルは
「インクジェットシステムを含む各種アナログメディア画像の長期耐久性評価方法」であり具体的内容は3/1のこのブログで述べたが以下に再度掲載する。
1.イントロダクション
2.各種情報はどんな形でいつ頃まで保存されれば良いのか?
2-1.長期保存の実例は対数スケールで何桁まで遡れるのか?
2-2.長期保存のポイントは環境か・物体そのものか?
2-3.どんな形で、どれくらい長期間保存する必要性があるのか? 
3.保存はデジタルかアナログか?
3-1.デジタル・ツールのメリット・デメリット
3-2.アナログ保存の重要性
3-3.長期安定保存方法に関する具体的提案
4.アナログメディア画像の耐久性評価方法
4-1.アナログメディア画像の保存状態の分類
4-2.ディスプレイ状態の耐久性評価方法
4-3.画像耐久性寿命の絶対評価方法
4-4.暗保存性寿命評価の一般的手法
5.アレニウス評価法の実態
5-1.アレニウス評価とは何か?
5-2.アレニウス評価で何が出来て、何が出来ないのか?
5-3.アレニウス評価を補える新規評価方法とは?
6.耐久性把握による真の文化遺産保存を目指して

以上の様にこのセミナーの大きなタイトルが「インクジェットメディア」なので敢えて「インクジェットシステムを含む・・・」と表現しているが内容はこのブログ名「文化財的Archival教育」そのものとして位置づけしている。
つまり
各種アナログ・デジタルメディアにおける長期保存とは何を意味しているのか?
その寿命は一体どの様な手段で評価してものを言っているのか?
いま騒がれている文化財保存とどの様に繋がっていくのか?
について考える教育の場にしたいと思っている。
若干主催者との意向と異なるかも知れないが、参加者との交流によって上記趣旨を理解願い質疑応答を実施する予定である。
次回はこのセミナーのフィードバックを行うことにする。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
20060531>>>「文化財的Archival教育」内容解説4
今月のブログは先月約束したとおり下記民間会社が主催(技術情報協会)するセミナーでの講演を
5/25(木)14:20から16:00まで
東京有明:TIME24ビル 2F プランニングルーム1
で実施したのでそのフィードバックを行いたい。
セミナーは4人の講師で構成されていて、私は最後の講演を担当した。
私の担当する講演タイトルは
「インクジェットシステムを含む各種アナログメディア画像の長期耐久性評価方法」であり、セミナーの大きなタイトルが「インクジェットメディア」なので敢えて「インクジェットシステムを含む・・・」と表現しているが内容はこのブログ名「文化財的Archival教育」そのものとして位置づけしている。
つまり
各種アナログ・デジタルメディアにおける長期保存とは何を意味しているのか?
その寿命は一体どの様な手段で評価してものを言っているのか?
いま騒がれている文化財保存とどの様に繋がっていくのか?
について考える教育の場にしたいと思っていたし、実際の講義も参加者は6名(当日の講演者2名も含まれていたので実質の生徒さんは4名と少なかった)であったがアットホームでやりやすかった。
予定通り宇宙誕生から始まり、対数表現で現在の地球まで引き戻し、世界遺産やキトラ古墳の問題と言った内容で締めくくった。
機会が有れば又このような民間対応の「文化財的Archival教育」を継続していきたいと思っている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
20060630>>>「技術講演会後のメールによるQ&A」
先月は情報技術協会主催のセミナーで講演した内容を紹介した。
その後、参加者の一人KS社のTIさんから下記内容の質問があり、それに対して回答をした。この様な活動も「文化財的Archival教育」の大切な役割と考えている。
以下にその一部を紹介する。
<TIさんの質問>
 私は写真の長期保管固定用の両面テープを担当しています。そのテープの適切な評価の考え方として一般的に調査したところご存じと思いますが 、PAT(写真活性度)試験という規格されたものがあることを知りました。あるユーザーからはこれの承認を取って欲しいとの依頼が出てきました。
 最近ではラボの印画紙以外に家庭用のインクジェットプリンタで打ち出したものについても一定の評価をする必要があると考えております。
 それらの評価として、お聞きしたいのは、以下のことです。
1)PAT試験の内容、評価としての妥当性
2)PAT試験の評価委託先
3)PAT試験以外で上記写真長期保管を保証するための評価方法
4)外部(テープの消費者、販売業者)に対して説得力がある4)での評価委託先
お手数をお掛けしますが、上記の内容についてご教授をお願い致します。
<以下私の回答>
 PATは Photographic Activity Test の略で写真活性度試験を言います。
 詳細は先日講演しました中で参考文献として挙げました「写真の保存・展示・修復」のP.145に記載があります。又その執筆者の日本写真学会画像保存委員で元東京都写真美術館学芸員のHA様が権威者です。ユーザーがその試験を求めているとしたら必要に成るでしょう!
 但し先日の講演でも話しましたが私としての考え方の基本は、あくまでもその試験結果が実際に何年・何十年・何百年後まで有効かどうかがポイントで、それを明確にしていくのが各メーカーの責任であり、評価法開発であると考えています。
 従ってPAT試験は一つの強制(加速)試験方法であり、最終ユーザーに対する保障ではないということです。
以上が私の考えです。
今月は「文化財的Archival教育」としてのQ&Aの例を紹介しました。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
20060801>>>「文化財的Archival教育」活動予告2件
「文化財的Archival教育」活動の具体的内容は既に何回か述べているように下記4項目である。
1.大学生・大学院生を対象とした大学での講義
2.企業での若手研究者を対象とした講演
3.「技術情報協会」の様な民間セミナーでの講演
4.その他各地団体が主催するセミナーでの講演
今年度も7ヶ月を経過して残り5ヶ月であるが、この10月に上記1項目目と4項目目に関する講演を予定しているので紹介する。
いずれも関西での講演予定である。
まずは1項目目に該当する大学院生対象の下記講演である。
日時:10月11日(水) 午後3時から 各1時間
    その後現場での1時間の懇親会を予定
場所:京都工芸繊維大学 ベンチャーラボ
講演題目
1)滋賀県商工環境(株)MI氏(元京都工芸繊維大学教授)
 プラスチックスの長期耐久性評価法の一考察
2)YSPS研究所YS(元富士写真フイルム) 
 「文化財保存を意識した長期写真耐久性評価」
これは現在同大学で今年4月から教鞭を取っておられ、「なんでもアラカルト」通巻2&5号でエッセイ執筆を戴いているYFさんのお招きで実現した。
今から楽しみである。
続いて4項目目に該当する色材協会関西支部主催の下記講演である。
日時:10月25日(水) 午後1時から 70分
場所:エル・おおさか(大阪府立労働センター)
講演題目
「写真プリント系微粒子材料の文化財的長期安定性評価方法」
これは大学の先輩に当たるGAさんからのご依頼で実現した。
上記いずれの場合も人脈の大切さを実感している。
10月が待ち遠しい。
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20060831>>>「文化財的Archival教育」活動状況
先月のブログで下記「文化財的Archival教育」の内、
1.大学生・大学院生を対象とした大学での講義
2.企業での若手研究者を対象とした講演
3.「技術情報協会」の様な民間セミナーでの講演
4.その他各地団体が主催するセミナーでの講演
この10月に上記1項目目と4項目目に関する講演を予定していることを紹介した。
4項目目に該当する色材協会関西支部主催の下記講演に関して、講演要旨の送付締め切り9/8が近づいてきた。
詳細は次回のブログで紹介するが、従来各方面で講演してきた「文化財的長期写真安定性評価方法」に素材としての写真微粒子に着目した保存性の特徴を加えてまとめるつもりである。
日時:10月25日(水) 午後1時から 70分
場所:エル・おおさか(大阪府立労働センター)
講演題目
「写真プリント系微粒子材料の文化財的長期安定性評価方法」
一方上記2項目目の「企業での若手研究者を対象とした講演」は今年これまで3回を消化して年内に後1-2回を実施することで順調に推移している。
本日のトピックスとして昨日本当に久しぶりにお会いした元FF勤務で、私と同じ松田町在住のTSさんとお話しを進める間に「文化財的Archival教育」活動に関するアイデアが登場したので紹介する。
それは教育活動の中で単なる視覚・聴覚に訴える講演だけでなく、触覚・味覚・臭覚つまり五感に訴える教育も必要でそれに対していろいろアイデアが続出してとても楽しい数時間を過ごした。
この話は五感とはの定義から始まり、生物の中での五感に関する人間の特異性は何なのかなどにまで発展し、第六感以降の追加の必要性の議論に入るともう止め処が無く、夕方6時から始めた議論は11時を廻り打ち止めとなった。
今後も機会が有ればこの続きを実施したいし、その内容を「文化財的Archival教育」の中で紹介していきたいと思っている。
本日はここまで!
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20060930>>>「文化財的Archival教育」活動予告(10&12月)
下記「文化財的Archival教育」の内、
1.大学生・大学院生を対象とした大学での講義
2.企業での若手研究者を対象とした講演
3.「技術情報協会」の様な民間セミナーでの講演
4.その他各地団体が主催するセミナーでの講演
この10月に上記1項目目と4項目目に関する講演を予定していることを紹介した。
4項目目に該当する色材協会関西支部主催の下記講演に関して、講演要旨を提出した。
内容は従来各方面で講演してきた「文化財的長期写真安定性評価方法」に素材としての写真微粒子に着目した保存性の特徴を加えてまとめた。
以下追加部分を記載する。
日時:10月25日(水) 午後1時から 70分
場所:エル・おおさか(大阪府立労働センター)
講演題目
「写真プリント系微粒子材料の文化財的長期安定性評価方法」
<追加部分>
8.追加1「写真系高沸点溶剤微粒子がゼラチン中で揮散しない理由」
 J.App.Photog.Eng.8巻,2号,P.79-82(1982)に掲載した文献中、長期安定性評価にアレニウス法を使用するがその際に注意するべき事項として紹介した。詳細は講義で述べる。(図6-図10)
9.追加2「写真系微粒子の熱劣化活性化エネルギーが高沸点溶剤の無い状態で特異性を示す例」
 詳細なデータは現時点で持ち合わせていないが、写真用発色色素を通常は高沸点溶剤で分散させて微粒子にする訳だがその場合、25Kcal/mol程度の熱劣化活性化エネルギーを示すのに対し、溶剤が無い状態で分散させた微粒子は極端に高い30Kcal/molを越える値を示すことを紹介する。
又「文化財的Archival教育」の本年度最後の活動として、東京工芸大での講義日程が決定した。
2006年12月1日午後である。
これで10月25日に上記色材協会関西支部で、10月11日に京都工繊大で、12月1日に東京工芸大での講演・講義活動を実施することとなる。
・・・
20061031>>>「文化財的Archival教育」10月度活動報告
先月の「文化財的Archival教育」ブログで予告したように、今月は非常に多くの活動が出来た。順を追って紹介したい。
まず10/11-12
京都工業繊維大・ベンチャーラボに於いて「複合材料長期耐久性評価研究センター講演会-耐久性を機械の観点から、化学の観点から考える」と言うテーマで
MI氏が「プラスチックスの長期耐久性評価法の一考察」と題して、続いて私が「文化財保存を意識した長期写真耐久性評価」と言うタイトルで講演を行った。
この講座は今年4月より同大学大学院先端ファイブロ科学部門の教授として着任されたYF教授が定期的に開催されているもので、今回で3回目となる。
35名の参加者で懇親会を含めて活発な意見交換が行えた。当方としては文化財的長期の意味合いを理解戴ける絶好の機会と思い精力的に名刺交換・討議を行ってきた。
今後も継続してこの講座に関与していくと共に、YF氏には特認教授としての可能性を検討いただいている。
「文化財的Archival教育」活動としては成果の多かった出張であった。
続いて10/18
今年4回目のOS社における企業教育活動
主として「写真素材耐久性評価方法」についての講義を続けており、今回は全般・暗熱・光に続いてガス耐性及び絶対評価方法について述べた。
今後は実形態に即した具体的評価法について話を進めていくことになっている。
そして先週10/25
色材協会関西支部主催の色材講演会「微粒子技術の最前線」のタイトルで5件の講演が実施された。
「無機系超微粒子材料」、「超微粒子の科学と応用」、「電子粉流体を用いた電子ペーパーの開発」、「ナノ漆の開発と応用展開」のタイトルでの4人の方々の話と共に「写真プリント系微粒子材料の文化財的長期安定性評価方法」のタイトルで私が講演を行った。
参加者は約30名であったがこちらも活発な質疑が行われた。
私の講演はちょっと異質な感じは有ったがYSPS研究所のタスクの理解と文化財的長期の概念を流布する良い機会であった。
個人的にはナノ漆の話しがとても興味深く拝聴した。
特に古来の漆技術とインクジェット先端技術とのドッキングが目新しかった。
最後に10/27
関西出張の最終日に奈良市写真美術館を訪問した。
久しぶりにKSさんと会って写真の今後を議論すると共に、アーカイヴの考え方やアナログ・デジタルの棲み分け、ヒューマンリーダブル・マシーンリーダブルの相違、字と絵(写真)のコラボ等等多くのことを語り合った。
今月は「文化財的Archival教育」活動に相応しい月となった。
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20061130>>>「文化財的Archival教育」に関連する弥生時代の遺物発掘
姉妹ブログである「YSPS研究所」、「なんアラ」ブログとも関連するが、11/11の日経朝刊に「弥生の遺跡から7メートル柱:鳥取:構想建物の可能性」と言うタイトルで記事が掲載された。
実はこの場所は鳥取市の青谷上寺地遺跡から発掘されたもので、「なんアラ」通巻5号に執筆願ったJNさんに早速詳細な情報を知らせてもらえるようにメールを出した。
10日前頃にそのJNさんから詳細な情報がチラシで送られてきた。
発行元は鳥取県埋蔵文化財センターで、「復元 青谷の楼観(物見やぐら)」として特別展示をしているとのこと。
この柱材発見により弥生時代にも高層建物(高さ約10メートル)が存在したことの証明であるとしている。
この発見は弥生人の生脳が発見された場所から数十メートルしか離れておらず、その保存状態の素晴らしさはやはり保存環境がかなり特殊であったと考えられる。
「文化財的長期保存科学」研究を目指すYSPS研究所としては大変関心が持てる情報である。
明日予定している東京工芸大での講義でもトピックスとして話題提供したいと思っている。
勿論資料提供戴いたJNさんの了解は得ている。
学生の反応が今から楽しみである。
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20061231>>>「文化財的Archival教育」ブログ今年の締め
今年の1/31に開設したこの「文化財的Archival教育」ブログも今年の締めの時期となった。
やはりひと月に一回更新のペースはブログとしてはちょっと物足りないが、姉妹ブログの「YSPS研究所」(週1回更新)と「なんアラ」(毎日更新)とセットで参照願えればより理解は深めて頂けると思っている。
来年も宜しくお付き合い願います。
さて今年の締めは12/1に実施した東京工芸大の報告書74件について!
毎年当大学で「文化財的長期写真耐久性評価」のタイトルで講義を行い5年を経過した。講義後提出される報告書を見て現在の学生の考え方が直に伝わってきてとても新鮮さを感じることが出来る。
但しそれを採点するとなると、ちょっと荷が重いが採点基準は私の講義を聴いて私が何を言いたかったのかそれに対して自分の意見としてオリジナルな感想を述べているものをA~Dランクで評価している。
今年は小粒でAランクは5名に留まった。
一方不可のDランクがちょっと多めで現在担当のHY先生と調整中である。
Aランクの5名は的確に私の話を捉えて自分の意見もしっかりと述べているので感心する。
いつも今の若者も捨てたものではないと実感する時である。
今後の講義の参考にさせて貰っている。
以上が12/1のフォローであるが「文化財的Archival教育」全般としては今年は2大学、1公的施設、1私的施設で講義・講演を実施した。
又文化財保存の講演会・博物館/美術館鑑賞にも多く足を運んだ。
結果として日本国内だけでなく海外も含めた文化財保存の難しさを改めて感じると共にこの分野の教育の必要性を肌で感じた1年であった。
コメント
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