よし笛と仲間たち

よし笛音楽に興味のある人たちの情報交換と交流を深めるラウンジ。
よし笛のやさしい音色で、人びとの心に幸せを…

”出会いの神様”は、どこにでもいらっしゃる

2013年05月12日 17時41分37秒 | 思うこと

出会いの神様”がいることを、最近、読んだ本に教えられました。
その本は『みっつん、光のヴァイオリン♪』(佼成出版社刊、こうやま のりお著)。

         

サブタイトルは「義手のヴァイオリニスト・大久保美来」。13歳の少女のお話です。
みっくんは先天性四肢障害で右手の肘から先がありません。

最初の”出会いの神様”は1歳の誕生日にやってきました。

「私にはみっくんの右手が見える。いつかこの子はヴァイオリンが弾けるようになる」とおばあちゃん。ヴァイオリンをプレゼントしました。

2度めに”神様”がやってきました。3歳のときで、最新式の義手が研究中であることを知らされました。脳からの指令を電流で感じて手を動かすのです。

4歳になって、ヴァイオリンの石川寛子先生に出会いました。3度めの神様です。

小学2年。「愛・地球博」で、浅田真央さんの演技の伴奏を石川先生と演奏しました。映画「オズの魔法使い」から『虹の彼方に』です。4度めの出会いでした。

小学3年の初夏。 ”劇的な5度めの出会い”がありました。

「守さんは、美来ちゃんだけの『左手のためのピアノ曲』を作曲してプレゼントしたい」の手紙と自己紹介DVDが送られてきたのです。

守さんとは現代のベートーベンと評される佐村河内守さん。テレビでピアノ演奏をしているみっくんのことを知り

「障害者として感じるものがあった」 という。「二人は同志だ」とも。
守さんは、みっくんの弾くヴァイオリンに手をあてて、伝わってくる響きで聴くのです。

     「みっくんも守さんの光になりたい」

同じ言葉は、守さんの最初の手紙にも書いてあいりました。は半年後のクリスマスに6度めに、”神様”は、左手だけで弾くピアノ曲のCD 『MIKU 1』を届けてくれました。

7度めの神様は、「原爆の日」にやってきました。守さんに招かれてみっくんは『MIKU 1』を式場で演奏しました。

8度めは小学5年のクリスマス。 またしても”劇的な出会い”です。

守さんが企画して「みっくんのコンサート」を開くというのです。

2部構成で、オープニングは『MIKU 1』。みっくんの妹・舞美ちゃん(小3)と3曲、みっくんはほかに7曲。

ラストは、守さんが4月に献呈したヴァイオリンのためのソナチネ 嬰ハ短調』。

会場に、東京交響楽団のコンサートマスターの大谷康子さんや楽団メンバーが。

大谷さんは、石川先生が学生時代に教え受けた恩師。

みっくんにとっては大先生の大谷さんから大きな花束が贈られました。9度目の”出会いの神様”です。

最近発売されたCD『シャコンヌ~佐村河内守 弦楽作品集』には、

『無伴奏ヴァイオリンのためのシャコンヌ』と、みっくんに献呈された『ヴァイオリンのためのソナチネ』ほか『弦楽四重奏曲 第1番』『同 第2番』が収録されています。

紹介した”出会いの神様”の出現は、9度ですが、私たちの知らないところで、神様はみっくんに語りかけているように思います。

 ”出会いの神様”は、よし笛トゥッティにも来てくださっています。

  トゥレ・マリサ、Ks、サウンド・パパス、プリメリア、スリーメンデス、八ピーナッツ のみなさんに、感謝。 

ただただ感謝あるばかりです。


『交響曲第一番〈HIROSHIMA〉』から『無伴奏ヴァイオリンのためのシャコンヌ』へ

2013年05月10日 12時51分17秒 | 思うこと

重苦しい闇から小さな光に至る重厚な『交響曲第一番〈HIROSHIMA〉』は、
佐村河内守氏の壮絶な半生が投影されているようで、わたしのような音楽未熟者にはしんどい。

それとひきかえ、こんどの『無伴奏ヴァイオリンのためのシャコンヌ』は、やさいい。わかりやすい。

     


バッハ(「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 ニ短調の第5楽章」)を超えている、とどこかで評されているのを読んだ。

ドラマチックに展開していて、現代的な感性と祈りがある。

この曲は、『交響曲第一番』の第2楽章を、東京交響楽団によって演奏したとき感激したコンサートミストレスの大谷康子さんが、佐村河内氏に委嘱したのを受けて誕生した。

そのころ、佐村河内氏は、生まれながらにして右手がヒジから先のない小学6年生の少女ヴァイオリニスト、大久保美来さんに献呈する『ヴァイオリンのためのソナチネ』を作曲中だった。

その少女が、大谷さんの孫弟子であることを知り、「この縁には意味がある」と委嘱を受け入れたという。

佐村河内氏の「弦楽作品集」CDには、この2曲が入っている。

ヴァイオリンはともに大谷さんで、『ソナチネ』はピアニスト・藤井一興氏が伴奏している。

                  ♫

世の中のことは、人間には、はかりがたい縁によってなりたっている。

縁によって人と人との関係が生じ、そこからさまざまな物事が派生してゆくものだ。

大久保美来さんのことは、別稿で書いてみたいと思う。

                  ♫

ふりかえって、よし笛トゥッティの音楽仲間との出会い、えにしにも不思議を感じる。

6月22日、オールディーズ、ラテンを演奏する「スリーメンデス」のおじさんたち、ザ・ピーナツの

曲をカバーしている女性デュオ「八ッピー・ナッツ」と、共演する。

どんなコンサートになるか、楽しみではある。