よし坊のあっちこっち

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臍下三寸人格無し - ビル・オライリーとFOX NEWS

2017年05月01日 | アメリカ通信
共和党の強力なサポーターであり代弁者であるFOXニュース。そして、20年の長きに渡って断トツの人気を誇ってきた看板政治コメンテーター、ビル・オライリーがセクハラ三昧の果てに、脆くも追放された。明らかになったのは、権力を手中にした者の驕りと傍若無人さ、そしてアメリカを代表するメディア、FOXの陰湿な企業文化である。長らく”噂”として流布されていたFOXの陰の部分が人気コメンテーターの凋落で一気に明るみに出たのである。

「立派な人物」とはどういう人のことか。学歴が高ければ立派か。それは違う。就いている職業で決まるのか。それも違う。結局のところ、そんな基準では計れない、いや、計ってはいけないと言う事だ。簡単には人間の価値など決められない。生前の評価は、せいぜい”良さそうな人だ”ぐらいのところで、本当の所は分からない。評価が定まらるのは死後のことだ。

昔から”色事は男の特権”みたいなところがあって、ある限度までは大目に見る風潮があったし、それは今でもある。”人格無き臍下三寸”のMale Human Natureで今まで何人の有名無名の人達が落ちて行ったであろうか。Male Human Nature故に、男たるものよくよく考えないといけない。

実はFOXは昨年大スキャンダルが持ち上がった。FOX創設時からの社長のロジャー・エイルスが、人気女性キャスターからセクハラ・パワハラで訴えられたのである。このスキャンダルで彼は失脚し、FOXはお決まりの謝罪と不祥事防止のコメントを出したが、社長を筆頭にセクハラ・パワハラお構いなしの幹部クラスの行状を見ていたその他大勢の社員は、社長のクビくらいで会社が変わるとは到底思っていなかったに違いない。One Bad Appleが見事なまでに企業のセクハラ・パワハラ巣窟文化を醸成していたのである。そして今回のスキャンダルである。

ビル・オライリーは、切れ味鋭い舌鋒で瞬く間にスターダムにのし上がり、セクハラ・パワハラ巣窟文化の中でやりたい放題だったが、それが暗転した。ニューヨーク・タイムズが過去5人の女性に対し、FOX及びビル・オライリーが総額13百万ドルの和解処理を密かに行っていた事をすっぱ抜いたのである。これを機に、被害者が名乗りを上げ始めた。

FOXは当初、名乗りを上げるのは限られており沈静化すると高を括っていた節がある。急遽オライリーをバケーションと称して国外に避難させ様子見と決め込んだ。ところが沈静化するどころか、毎日のように新しい被害者が名乗りをあげ、その都度3大ネットワークで取り上げられる始末で、FOX=ビル・オライリー=セクハラの3点セットのニュースのオンパレード、祭り状態に突入してのだ。

実は、被害者側の弁護士は、狡猾なFOXとオライリーを相手にするにあたり、一つの作戦を立てた。この3点セットのニュースを毎日のように3大ネットワークに取り上げさせることによりFOXを追い詰め、オライリーを辞めさせる事であった。その為に1人の無名の黒人女性に訴訟に立つよう働きかけたのである。これが決定打になった。

知名度の高い女性キャスターやレポーターが続々名乗りを上げる中、立場の弱い無名のスタッフは仕事が無くなる不安から訴訟には二の足を踏んでしまうが、弁護士の説得が功を奏して、彼女は訴訟に名乗りを上げた。事ここに至っては、さすがのFOXも”終わらぬスキャンダル報道”に追い詰められ、オライリーを切らざるを得なくなった。

FOXはこれから変われるか。実はオライリーに次ぐコメンテーターとして、これまた切れ者のショーン・ハニティが健在である。彼がどうなのか、第二幕があるのか、世間は興味津々で成り行きを見守っている。


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