去年は四国お遍路に、今年はふらふらと東京の友人のところに行って来た。
そもそもフェルメールを見るつもりだったが、上野の国立博物館と志村ふくみさんのお弟子さんの友人の展覧会を見て来た。
たいがい企画展には行くが、常設展はつい見ず終いになってしまう。
西洋美術館が企画展だったので、博物館に足を運んだ。
そこには日本人より外国人が多くいるのに驚いた。
そう言えば、私が外国に行くと,やはりそこのものを見たいのと同じなのだろう。
そこには国宝と重文が多く展示されていて見応えがある。
人が少なくじっくり仏像と対面してきた。
すぐそこにいながらも、遠くから、見守られている大きな存在に思えた。
ひとつひとつをゆっくり回っていたので、閉館時間になってしまった。
そこで発見したのが能登半島と甲州街道の古地図だった。そこには懐かしい甲府の字が書かれていた。
他のものはなく、その二つだけがあった偶然がふしぎだった。
フェルメールの絵よりも、私には貴重に思えてしまった。
甲府の字が読めますか?
手織りの紬の着物の展覧会。
糸を自然の草木から染め、それを織る時間と人の思いが込められた着物は静かな艶を帯びていた。
これを着る人は、きっと姿勢もよく、しゃきっとして、よりしなやかな人となりを感じさせるだろう。
自然と人とが織りなす調和と品格がある。
着物から遠くなった自分がちょっと寂しくなった。
本来の色は、もっと透明で明るい藍染めの青です。