よぴの今日の。。。

東京と神戸を行ったり来たりする関西出身サラリーマンの「遊・食・読・育・旅」日記

よぴの今日のひさびさすぎていくつか飛んでる

2011年11月02日 | 

 最近読んだ本の管理がいい加減で、いくつか読んだけど忘れている本もありますが、まぁ覚えている範囲で記録だけ。トップの写真は浅田次郎さんの直筆サインが入っていた「終わらざる夏」下巻です。寄贈本かな?びっくりした。


★・・・・・・読まなきゃよかった。
★★・・・・・とりあえず時間はつぶせてよしとしよう。
★★★・・・・それなりの読後充実感は得られた。
★★★★・・・これは他の人にもお勧めしたい。
★★★★★・・間違いなくこの先読み直したい名作。

 ぐらいの感じで書いていますが、あくまでも私の個人的な評価で自分の記録のためにつけていますのであしからず。


○ポトスライムの舟(津村記久子)★★★★



 芥川賞受賞作ですな。どこにでもいそうな、そんなに幸多そうでない29歳女性の話で、男性のおいらが共感するわけでもないのですが、なんとなくその考え方や空気感わかるみたいな感じ。そういえば以前日経夕刊にこの人が書いていたコラムが面白かったんだ。たぶん好きな作家になるんやろな。前にもこの人の本読んだかなと思って振り返ってみたら、絲山秋子さんとごっちゃになっていました。共にOL経験者で視点が似ているのかも。


○ワーカーズ・ダイジェスト(津村記久子)★★★☆



 あっさりとした中編小説で、さらっと読めました。大阪市内の記述が詳しく(梅田の地下とか)ちょっとおもろかったです。


○いねむり先生(伊集院静)★★★★



 いねむり先生とは小説家色川武大さんのことで、ご存じの方も多いと思いますが、麻雀の神様・雀聖の阿佐田哲也さんと同一人物です。阿佐田哲也名義で書いた「麻雀放浪記」は高校生の頃クラスの麻雀仲間とはまったのよねぇ。しびれる麻雀小説でたしか数年前にも読み返したよな。

 この作品は「色川武大との交流を描く著者自伝的小説の傑作」だそうですが、色川武大さんってこんな面白い人やったんかと思うと同時に、伊集院静さんの人生もすごいなぁと感心しきり。黒鉄ヒロシさんや井上陽水さんと思われる方が何度も登場し、いろんな人と交遊があったんやなぁと思ってwikiで色川武大さんを調べたら、さらにすごい交遊関係が。調べてみてください。

 伊集院静さんの作品はこれまでいくつか読んできましたが、他の作品も読みたくなりました。すごい筆力を持った作家さんやと思います。


○クジラの彼(有川浩)★★★☆



 「阪急電車」で興味を持った作家さんですが、この作品もなかなか面白かったです。人気らしい図書館シリーズとかもいずれ読んでみたいっす。


○きことわ(朝吹真理子)★★★☆



 こちらも芥川賞受賞作ですね。柔らかいタッチの作品でたぶん文才はあるんやろなぁとは思いますが、いささか物語は単調で強いメッセージ性のようなものはなく、ちょいと退屈しちゃいました。


○終わらざる夏(浅田次郎)★★★★☆



 毎回この人の作品を読んですごいなぁと思いますが、これもなかなかの力作。ただ、軍隊ネタになるといささかマニアックになるのはいつものことやけど。どこまで実話なんかなぁ。いろんな戦争に関する本を読んできたけど、初めて知ったことが多くありました。


○純平、考え直せ(奥田英朗)★★★★



 大好きな奥田さんの新作。漫画読んでるような感覚で一気に読んじゃいました。若干物足りない感じもするけど、面白いのは間違いないです。


○オー!ファーザー(伊坂幸太郎)★★★★☆



 伊坂さんも毎回毎回面白いの書くよねぇ。←あんた誰?

 これまたすごい家族設定で笑っちゃいましたが、それぞれのファーザー=お父さんが個性的で憎めず、楽しい1冊でした。


○逝年(石田衣良)★★★



 「娼年」の続編ということで借りてみましたが、まぁいつもの衣良さん風で可もなく不可もなく。


○PRIDE-池袋ウエストゲートパークX(石田衣良)★★★★



 大好きなIWGPシリーズ第10作。今回もシャープな語り口で楽しませてもらいました。自転車ブームとかAKB48を連想させる地下アイドルの話とか、うまく時代の最先端ネタを盛り込んで物語を構成するのはさすがです。


○骸骨ビルの庭(宮本輝)★★★★



 宮本輝さんが描く大阪の下町はほんますごい。その言葉づかいといい、動きの描写といい、風や匂いが感じられるくらい。この作品も登場人物それぞれに味があって、人の深い部分が描かれていて文句なく面白かったです。「流転の海」シリーズ最新作が出るらしいので超期待。


○夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです
村上春樹インタビュー集 1997-2009(村上春樹)★★★★



 なかなかマスコミに登場されない春樹さんのインタビュー集ということで借りてみましたが、これまでの作品の変遷や、実際に作者がどう感じてどんな風に書いているのかを知れて、興味深い本でした。世の中にはいっぱい他人が評論している本が出てるけど、どれもなんだか勝手なことばかり書いていて、腹立って来たりするんですよね。


 インタビュー集からいくつか引用。

「多くの場合、作者が歳をとれば読者の年齢も上がるものですが、不思議なことに僕の場合、読者層のメインは変わらず二十代、三十代の人が多いです。」

 ⇒そうなのよね。はまるのが20代、特に学生時代。「鼠3部作」とか「ノルウェイの森」とかね。30代になって改めて共感するのが「国境の南、太陽の西」とか「スプートニクの恋人」とかね。あと「アンダーグラウンド」とかの社会派も。この先もう少し歳を取ったときに読まなくなるのかはわかりませんが、作者が主人公の年齢を体感しながら書いている(と書いていました)限り、読者も歳を取っても若い世代の話に浸れ、共感できるような気はします。

「多くの人が二回三回と読み返している。文章は読みやすくて話が面白いけど、理解しきれない何かが残る。そしてその何かは、簡単に見過ごすことのできない「何か」だと感じる。だから人は読み返す」

 ⇒まさにそうで、春樹さんの作品は何度も読み返すたびに違う発見があったり、異なった感想を持ったりします。

「仮に人間が家だとすると、一階は生活し、料理し、食事をし、家族といっしょにテレビを見る場所、二階には寝室がありそこで読書したり、眠ったりする。地下階にはもっと奥まった空間でものをストックしたり、遊具を置いたりしてある場所です。ところがこの地下階の中には隠れた別の空間もある。入るのが難しい場所。簡単には見つからない秘密の扉から入らなければならない。その不思議な空間で奇妙な無数の要素を眼にする。作家にとって書くことはちょうど目覚めながら夢見るようなものです。」(途中ちょっと端折りました)

 ⇒こうやって物語の世界に入ってるんだなーって。ちなみに小説を書き始めるときは本人もまったく結末を知らず、この世界に浸りながら書き進めていくうちに物語が進行し、実際に体験していると感じていることを書いているそうです。ほんと夢を見ながら書き写している感じなんやろか?

 で、どうにもこうにも春樹さんの作品を読み返してみたくなり、超ひさびさにこれ読んでみました。


○ノルウェイの森(村上春樹)★★★★★



 もう何回読んだかわからないけど、少なくとも祐さん生まれて以降は読んでいないような気が。今回ひさびさに読んでみてまず思ったのは、完全にレイコさんの世代の目線で物語を読んでいました。これまでは完全にワタナベの目線でしたもんね。

 学生の頃はこれを読みながら、何かしら不安定で大事なものを抱えながら、それでもきちんとした日々の生活を送るスタイルに強く憧れていたような気がします。いまはもうリアルに守るべき家族がいる立場ですが、それでもやはりこの”不安定さ”は何か心の琴線に触れるんですよね。

 そろそろ羊シリーズからの読み返しをやるかなぁ。あまり評判が良くなかったらしい映画版「ノルウェイの森」も一度は見ておこうかなと思います。

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4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (モリ)
2011-11-03 14:07:29
ノルウェイの森、僕も何回も読み直しました。
映画もどんなのか気になる。

この書評コーナー、日本の本買うときに結構参考にさせてもらってます。ありがとう。
森だけにねw (よぴの)
2011-11-04 07:48:22
映画版はなんか評判悪いけど、まぁ見てみないことにはねぇ。

本レビューを楽しみにしていただている方が少なからずいらっしゃるようなので、こまめに更新します(汗)
Unknown (いずぴょん)
2011-11-04 08:18:43
この前ノルウェイの森のロケ地の高原に行ってきました。今頃はすすきがいっぱいでメチャきれいなんだろうなぁ。映画見たらぜひ行ってみてください
おおっ (よぴの)
2011-11-04 08:58:41
たしか兵庫県内で撮ったって言ってたなぁと思ってググッてみました。砥峰高原ってとこですね。あ、神戸高校や住吉寮でもロケしたんや。近所!

ロケ地のことなんてまったく考えてなかったけど、映画見たら見に行きたくなるかも。情報あざーっす!

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