ヨンデリーヌ・ヨンデルホンのビミョーなる書棚群

加齢なる 読道生活半世紀。 歯磨き、活字は、生活習慣。 

コピーフェイス ~消された私~

2016年11月09日 | ミステ棚
サンドラ・ブラウン  新潮文庫

新潮文庫マジ~ック!
サンドラ・ブラウン、名前は知ってます。
けど、これが新潮文庫の、しかも今月の新刊でなかったら手に取らなかったであろう作家だなあー

いやー、新潮文庫マジックですよ。
何がマジックかというと、
トロリとしたページのテクスチャーを、めくるごとに味わいたいの…
他社文庫の追随を許さない、うっとりするほどの、シルクのような紙質よ… 嗚呼!
それを時には、500頁超えで徹底的に味わいたいのです。
そこに現れたる本書は、堂々の792頁(あとがき含)。
頁を繰る快感重視ときたならば、ザックザク読めるジャンルのもの、ラブ・サスペンスなんてドンピシャです。

落ち目のTVリポーターりエイブリーが乗った飛行機が墜落炎上!奇跡的に助かったエイブリーだが、片目を残して包帯だらけ、会話もできない瀕死の状態で、気づいた時には上院議員候補テート・ラトリッジの妻キャロルに間違えられ、最高の美容外科手術で“キャロル”となる。取り違えを告白しようにも、テートの命が狙われていることを知ってしまい、あまつさえテートを愛し始めてしまうエイブリー。家族の中にいるはずの「犯人」は誰なのか?上院議員選挙の最終日に予告されたテート殺しは防げるのか?そして、エイブリーは“キャロル”であり続けるのか?…

ないわー (*´Д`)
愛する紙質を繰る楽しみがなければ、無理だわー

翻訳がしょもないのか、そもそも原作がそうなのか、
登場人物の会話がボキャ貧。
「ちぇっ」
「ちきしょう」
「くそっ!」
「はあ?」
「あ、そお」
「ふん」
…正の字で数えるぞ、こら。

ラブ・サスペンス?…あられもないポルノシーンが無駄に連発されて、ラブにまで昇華できてないぞー
サスペンスの女王メアリ・H・クラークを目指せとは言わないけれど、ロマンティックが足りませぬ。

そしてサスペンス部分ですが、
取り違え? いやいやいやいや、テートさんよ、フツー、気が付くでしょ!?
そんな洞察力もないヤツが上院議員でいいのか。
事故前にずっと仲の悪い状態だったからとか、苦しい言い訳…

最後の最後に犯人が判明してからも、
「え?じゃあ、ツジツマ合わないんじゃない?!」と疑惑は増すばかり。そもそも、コイツったら、殺してから逃れる気がなかったって事なのか?そんな心情にまで至る前段はどうなってる?
興奮するほどツッコミどころ満載で、うっかりすると直ちにもう一回読んでしまいそうになるほどです(笑)

そして、力技のハッピーエンドに大爆笑。。。


明後日からスタートするNHKドラマ10の原作です。
さてさて、こんな話をいったいどこまで料理できるやら…
全然見る気がなかったのに、原作読んだら逆に見逃せなくなってきた。興味というより、嫌味でね。

そういや今日はアメリカ大統領選。
こんな低レベルの競争が?と思っていたけど、上院議員をネタでこの程度なら、あるんでしょう、こんなんが。アメリカ。


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