キキ便り

アメリカ便り、教員・研究者生活、シンプルライフ、自閉症児子育てなど

仕事の近況

2015-02-12 16:53:48 | 研究者生活

ここ数週間いろいろな出来事があった。

  • フェローシップの正式な契約。書類にサインして、顔写真を送付。日本への旅券も購入し、来日計画を確定。 
  • 博士論文をもとに第二原稿を作成し、ジャーナルへ投稿。この原稿作成には3年間かかった。分析方法を何度も博士論文アドバイザーと相談しながら修正し、ものすごい時間を費やしてしまったがやっと形になる。一か八か、運を天にまかせてトップジャーナルに投稿したが、もし不採択の場合は、ランクを落として投稿し続ける予定。
  • 昨年の終わりに、私の共同研究者でありしかも指導していただいている先生を、ある学会の国際ワークショップと公開講演会の講師として推薦したが、それが採択され、理事会にも通り、これから1年半特別委員として日本の先生方と共同で仕事を進めることが決定。私で力不足ではないかと不安も多いが、このような機会が与えられたことも次へのステップアップになればと心より願う。ここ1週間で20件以上のメールをやりとりさせていただいたが、日本語でメールをこれほど頻繁に書くのもひさしびりで、誤字脱字がないかと時々googleで日本語を入力しチェックしながらの作業。
  • 学科長とAnnual Reviewについての電話ミーティング。毎年、教育と研究の面でワードにして10枚前後の報告書を作成。今回はそれだけでなく、大学や部局の目標と自分の今年の目標を対応させながら表にし、その達成時期についても詳細に記入することが要求される。このミーティング後、私のperformanceが得点化され、メリットとして給料に反映。

いろいろあり、夜中に目を何回を覚ます程、興奮と不安が織り交じった日々をすごしたが、同時にオットを始め、多くの人たちに支えられていることも実感。

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学科長による1年の評価

2012-02-22 20:12:40 | アメリカの大学で教える

 

昨日は、学科長と電話カンファレンス。

それぞれの教員が事細かい項目に基づいて、1年間の自己評価(Annual Review)(ワードで10枚分くらい)を書き、その資料と学生からの評価表を学科長が分析し、教員の1年の成果が評価される。

普通ならば、それがお給料に反映するらしいが、うちの大学はここ4年間経営難で、昇給全くなしとのこと。

ルーブリックに基づいて、成果が得点化されるのだが、意外と複雑。たとえばピアレビューで採択された論文、最近ではこちらのジャーナルではAdvance online publicationといってネットで最初に論文が掲載されるのだが、正式にハードコピーになるまでは業績として点数化してもらえない。

またどのジャーナルをトップジャーナルとみなすかという判断も難しい。Impact factor といって、論文あたりの引用回数の平均値でそのジャーナルのランクが示されているが、これを鵜呑みにするわけにはいかないというのが学科長の見解。たとえば、トップランクのジャーナルで不採択になったジャーナルが次の候補に選びやすいジャーナルなどは、引用回数も結果的に増えていくので、そのことも含めて判断しているとのこと。

わあ、なんとややこしいんだろう。

また最近では、そのジャーナルの月ごとや年毎のダウンロードのトップ10が発表されているので、これも自分の論文の評価につながるのかもしれない。

私の学科長は性格が温和で人当たりがいいので、いつも悪いことは言わず、いいところをほめてくださるのでありがたい。

新しい仕事につながりそうな情報ももらい、また次に向かってがんばろうと決める。

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評価に時間を費やすアメリカの社会システム

2009-01-08 07:57:38 | アメリカの大学で教える

Annual Review(1年間の自己評価)の締め切りまで、あと3日となった。

これは、大学教員として1年を通しての自分の業績を、教育、研究、社会奉仕などの面からこと細かく記したもの。大学院生の時にも、このAnnual Reviewに悩まされた。業績だけでなく、自分が参加したワークショップや講座のタイトルや日付まで、事細かく書かなければならないので、普段からの整理が足りない私は、手帳や書類を捜しまくって、1週間くらいかけながら書き上げる。

業績以外に1年間を通しての反省、今年の目標、職場の雰囲気を高めるためにどう貢献したか、などが質問項目に含まれる。年間の目標を立てることは、自分が何をしたいと思うのかを明確化させることになり、その後の仕事も意識化された目標の中で効率よく進められるので大切だと思う。

自己評価を書くために、学生からの評価表(Teaching Evaluation)の結果を閲覧する。非常に細かく質問が設定されて、これだけの評価をする学生側も大変だと思うが、教員のアカウンタビリティにつながるのであろう。日本で10年あまり教員生活をしていた私にとっては、この学生による評価に未だに戸惑いを感じるが、プラス面としては、1学期ごとに学生のフィードバックが事細かくもらえるという点。

評価項目には、この授業は他の授業に比べて、非常に優秀、やや優秀、普通、やや劣る、非常に劣る、というように、相対的に比較されるものもあれば、この授業によって、あなたのスピーチ能力、書く能力が上達したかどうか、というものもある。

自己評価、他者評価をあまり重荷に感じずに、かつ改善できる点には積極的に取り組み、後悔しない2009年になるといいなと願う。

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