北海道昆虫同好会ブログ

北海道昆虫同好会は北海道の昆虫を中心に近隣諸国および世界の昆虫を対象に活動しています。

ソロモン諸島 ガダルカナル島 採集紀行  その5

2016-03-30 19:57:49 | 採集記・旅行・写真
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ソロモン諸島 ガダルカナル島 採集紀行  その5
                島谷 光二


1月14日(水) コンガ(KONNGA)村周辺






 朝から雨模様であった。7時にホテル出て2日間通ったBARANA村のさらに奥の村のポイントに行く予定であった。

ところが、BARANA村のぬかるみの道に雨水が流れ4輪駆動車でもなかなか登っていかない。

雨が上がり好天を期待して、明日行く予定のコンガ村で採集することとなった。



 コンガ村は、ホニアラ空港を通りカッカム・ハイウエーをさらに南へ行き、国道から内陸のパームヤシの農園の近くの村である。

村の入口に大きなハイビスカスがあり、オオルリアゲハやトリバネなど集まりそうである。

しかし、その場所は村人や子どもが集まるとのことで、村の若いリーダーが案内する場所へ向かう。




村を出て車道を400mくらい丘の上まで歩く。


そこから草原を下り、7mくらい樹上に白い花の咲いているポイントへ行く。

私は、そこに、陣取って長竿を立てる。


森元さんは自分のネットのとどくポイントを探しに行く。


10時を過ぎていたが、雨が上がり蒸し暑い。樹上を見上げるだけで滝のような汗が流れる。

白い花にはアオメガネトリバネ♂♀が森の中から滑空して次々と現れる。





お昼までに♂4頭、♀1頭(新鮮でほぼ完品)、油断して汗で目測をあやまり、数頭を振り逃がす。




このポイントでは、大型のEuploea callihhoe♀?やトラフタテハなども採集した。

キチョウの仲間も数頭採集した。5頭も採集できて、自分でも会心の笑みがこぼれているのを感じた。
 

夜はホテルのバイキングデナー、寿司やのり巻きなど和食も充実していた。

私は体調を考えて、ソロモン海の生ガキはひかえたが、森元さんは10数個食べて、さらにお代わり「こんなおいしいカキはないよ。」と満足していた。このとき、さすが先輩はすごい食通だと思った。


          この項 続く。



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ソロモン諸島 ガダルカナル島 採集紀行  その4

2016-03-29 00:47:26 | 採集記・旅行・写真
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ソロモン諸島 ガダルカナル島 採集紀行  その4
                            島谷 光二


1月13日(火) バラナ(BARANA)村の間道
 昨日の泥んこ道は4輪駆動車に分散して、アスティン山に向かう林道と分かれ村の谷あいの林道をいく。




分岐から、林道を1kmほどいくと、林道の開けた草原から森の中へ入る明瞭な間道がある。

この道の周辺が採集地で、白い花の咲く樹木、丘陵の上のポイントがある。

森元さんと私は白い花の咲いているポイントへ。




そのポイントは林道から200mくらいの白い花の咲いている場所である。

森元さんは、このツアーの最長老なので、グループの皆さんは「森元ポイントですね」と陣取りを許してくれて他のポイントへ進んで行く。


すぐに、アオメガネトリバネ♂が飛んできて森元さんのすぐ前の白い花に止まる。




しっかり、ネットをかぶせた。森元さんはにっこりである。

新潟のKさんも、いっしょに採集することになり、花に集まってくるオオルリアゲハやときどき飛来するビクトリアトリバネ♀をねらった。

私はポイントから進んだ場所で、マダラ類、シジミチョウ類・セセリチョウ類を採集した。

11時近くになり、あまりにも暑いので木陰で休もうとしたとき、赤いネットに何かチョウが入っている。なんとビクトリアトリバネの♂だ。右後翅に破損が少しあるが新鮮な♂だ。
 

森元さんもアオメガネ♂2頭とビクトリア♀を採集していたが、35℃以上と思われる暑さではチョウもあまり飛んでいない。

それでも、白い花にはオオルリアゲハが次から次に現れていた。

私は汗だく数頭ネットしたが、大きく破損していて大半をリリースした。

14時前に車が来たので、このポイントで頑張る森元さんと分かれて、私は昨日のアスティン山のポイントへ送ってもらう。

そろそろ帰り仕度していたらしく、ポイントをMさんが場所を譲ってくれた。

丘の上のポイントに登った時、目の前にビクトリアの♀、なんとラッキーだ!2日目も1ペアの採集となった。




場所を譲ってくれたMさんHさんへホテルの和食レストランでビールをお礼に乾杯をする。






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ソロモン諸島 ガダルカナル島 採集紀行  その3

2016-03-27 03:57:39 | 採集記・旅行・写真
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ソロモン諸島 ガダルカナル島 採集紀行  その3
                            島谷 光二

1月12日(月)晴れ   アスティン山(Mt.Austin)…バラナ(BARANA)村周辺







 
天気は雨が上がって、晴れ間見え始めていた。








ホテルの好意で6時に朝食バイキングをセットしてくれていて、7時にマイクロバスで採集地に向けて出発する。

カッカムハイウエィーで市街地を南へ5kmほど走ると2号線(Vura2)という大きな道路へ右折し、日本の戦没者慰霊碑を通り、アスティン(Mt.Austin)の山域にあるBARANA村に入る。

この村は、戦時中に野戦病院があった場所で、今でも遺骨や砲弾などが出てくるとのことである。

入村のための挨拶と採集地の案内人がマイクロバスに乗る。


村道の路肩には、ウマノスズクサ類のトリバネの食草がみられる。


採集地を2つに分け、私たち7名はアスティン山(Mt.Austin)のコースに行くことにした。

ところが、コースの分かれ道に行く前に、昨日までの雨で坂道にぬかるみができ、マイクロバスで登ることができない。

そこで、2つのコースとも目的地まで徒歩で行くことになり、弁当、採集用具を背負い、日が照りつけ始めた山道を汗だくで歩き約2kmでアスティン山と思われる場所に到着する。



その場所が最高のポイントと後でわかる。
 

道路の最高地点からは下りで、谷間に面したり、樹木に花が咲いたりしている場所を探してチョウを採集しながら歩く。





朝9時近くになるがキチョウ類やトラフタテハ、マダラの仲間が飛ぶが思ったよりチョウの姿が少ない。

トリバネが現れるという広場にしばらくいたが何も現れない。


林道をさらに進もうとしたとき、アオメガネトリバネ♂が林道を滑空する。

自分の赤ネットに向かってきそうである。

その時、私の前にいたNさんの奥さんが「エーイ」の掛け声とともに見事にネットインした。

「島谷さん、これトリバネですよね。」と彼女は初めて採集したアオメガネトリバネを嬉しそうに手をふるわせて見せてくれた。




アスティン山周辺  風が吹き上げる山の上の樹木にビクトリアトリバネが集まってくる。






ビクトリアトリバネ♀、アオメガネトリバネが滑空した林道。林道を樹上高く渡るように飛び、ネットインは難しい。







アスティン山の林道を行くと谷から吹き上げになっている場所がポイントらしく、新潟から参加したKさん、福岡のTさんがビクトリアトリバネの♀を採集していた。


森元さんと私は、午前中、林道の空き地やアオメガネトリバネの現れた付近で3時間近く粘っていたが、ビクトリアトリバネ♀とアオメガネトリバネ♀が林道の高いところを横切っただけで1頭も採集できない。

チョウの種類も数も少ない。ときおり飛んでくるパプアモンキやコルドスタイマイを追い掛けて汗だくになる。

しかし、花に止まらない限り、かなりのスピードでなかなか採集できない。

それでも、タイマイ類、マダラ類、シロチョウ類、ジャノメチョウ類を40頭ほど採集して、お目当てトリバネは諦めてアスティン山の集合場所に14時に戻る。 
   
Hさんが丘の上がビクトリアトリバネの採集ポイントらしいと教えてくれる。

その丘の場所に立って、予備に持参した赤ネットをトリバネが集まるという樹木に立てかけたとき、手に持っていた赤ネットに突然、ミドリに輝く大きなチョウが飛びこんだ。

あわててネントをかえすと、ビクトリアトリバネ♂なのだ。どきどきしながら、胸をつぶす。

なんと、新鮮な完全品の♂、慎重に三角紙に入れ、フーと息をする。

すると、下の道路にいる現地のアシスタントさんが叫んでいる。

なんと、私をめがけて道路を渡り、ゆったりと滑空してくるビクトリアトリバネの♀なのだ。

私が着ていた赤シャツか赤ネットに向かって飛んでくるのだ。

赤いネットに近づいたところを慎重に捕り込む。

1日目はヌルかと思っていたので、ビクトリアトリバネのペアの採集に大満足である。

ホテルに帰る途中で、中国人の経営するマーケットでビールを24缶、ワイン2本を森元さんと購入。


帰ってすぐに私は祝杯、森元さんはトリバネがヌルだったのでエネルギーの補給をして、明日こそは、別のグループに聞いたポイントに陣取って頑張ることにした。


採集したビクトリアトリバネアゲハ

    Ornithoptera  victoriae victoriaeの♂
  


   Ornithoptera  victoriae victoriaeの♀
  


この項、続く。




 



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ソロモン諸島 ガダルカナル島 採集紀行  その2

2016-03-26 00:09:23 | 採集記・旅行・写真
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ソロモン諸島 ガダルカナル島 採集紀行  その2
                 島谷光二

2015年1月11日(日)


1月10日夜20時に週一便のニューギニア航空で成田からポートモレスビーへ行き、建て替え改装中の待合室で5時間待ち、乗り継ぎでホニアナに向かう。





日本軍が作ったというホニアナ国際空港に着き、大きな穴がところどころにある英国領時代のカッカムハイウエィーを通り、ホテルに向かう。



この日は採集予定がないので、途中、カジノに立ち寄り両替をしたり、市場に立ち寄りトラップ用のバナナを購入したりする。  




ホテルは、ソロモン・キタノ・メンダナホテルで、和食の食堂もあり、日本語が通じるスタッフがいる。

クーラーの利いた大きな部屋で、普段から親交のある先輩の森元さんとの相部屋で、ホテルのレストンランから調達したビールとワインで、初日より酒盛りになった。

夜半、雨期なのか滝のようなスコール数回きていた。

         この項、続く。





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ソロモン諸島 ガダルカナル島 採集紀行  その1

2016-03-25 02:57:23 | 採集記・旅行・写真
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ソロモン諸島 ガダルカナル島 採集紀行  その1
                                 











 子どものころに自分で採集したいと夢をもった世界のチョウは、「アポロチョウ、トリバネチョウ、モルフォチョウ」で3種類ある。

還暦を過ぎてから、この夢を果たそうと毎年、昆虫採集のツアーに参加し、これまでに、アカエリ、ミドリ、ゴライアス、チトヌス、キシタ類などのトリバネアゲハの仲間やペールのモルフォチョウの仲間、そして、キルギスでアポロチョウをネットインすることができた。

子どものころの夢がかない満足なはずだったが…「ソロモン諸島ガダルカナル島採集ツアー」案内が届いたとき、ビクトリアトリバネアゲハ・アオメガネトリバネアゲハの文字が私の夢を広げ、2015年10月初めにツアー参加の申し込みをしていた。



ソロモン諸島は、赤道より南の太平洋上、パプア・ニューギニアの南東にあり、大小約1000を数える島からなる群島国家である。

首都はガダルカナル島にある人口約5万人の首都ホニアナ(南東風の吹くところという意味)である。

ガダルカナル島は、第2次世界大戦中、ラングガにある飛行場(現在のホニアラ国際空港)を巡って日本軍と米軍が激突した島で日米合わせると約4万人が戦死している。

現在も日米ともに遺骨収集や慰霊巡拝が行われている。

このツアーには、仕事の先輩の森元哲治さんも札幌から参加することになり、全国から参加した赤ネット集団15名のツアーとなった。 


注.トリバネアゲハ類は赤い色に反応して接近してくるので採集時、赤いネットを使用します。


           この項 続く。


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