「頸部食道がん」闘病記 (鬼嫁yappiの日記)

夫が「頸部食道癌」になって8年。
苦しい時こそ明るく笑って!・・・奇跡の8
年間を綴っていきたいと思います。

はじめに・・・

夫が「頸部食道癌」と診断され8年。この間に20回にわたる手術・放射線治療・抗がん剤治療とフルコースの治療を行ってきました。残念ながら今の医療で出来ることはここまで。 これを機に今までの歩みを記憶が鮮明なうちに全て残しておこうと思い、このblogを立ち上げました。 また、新たなチャレンジの第一歩として、2010年年明け、「治験」を試みましたが、敢え無く失敗に終わり・・・・。 今は食事も摂れず、胃ろうから栄養剤の注入の毎日です。 そんな私達でも逞しく生きています。 私たちの経験や毎日の生活が、同じように頑張っておられる皆様の参考に、そして少しでも希望と励みになれば幸いです。 その日の日記は「リアル日記」として、また今までの軌跡については「回顧」として綴って行きたいと思います。  ご質問やご意見はお気軽にどうぞ。

退院しました。

2009-12-29 11:39:26 | リアル日記
お陰様で今朝、旦那は退院しました

ステント留置手術の結果、気道は確保されました。
呼吸は楽になり夜息苦しくって起きることもないようです。
喉が常に押されている感触、腫れぼったい感じはあるようです。
これはステント挿入して気道を確保してくれていることが原因だと思います。

手術翌日から食事も普通どおり摂っています。

そして、咳はやはり続きます。
声を出しづらくなってきています。
これは8月から治療をしていない腫瘍が大きくなって、すでに右しかない半回神経を圧迫しているのでしょう。

これから先、Kがんセンターでの治験に向け体調を整えておくだけです。
治験受験までに腫瘍が大きくならないことを祈るだけです。
早く治験に参加し、その薬が少しでも効果のある薬であればよいのですが・・・。

とにかくここから先、風邪など引かないように家族で気をつけます。

【今後の予定】
1/14(木)Kガンセンタ-中央病院にて治験に向けての診察予定
1/27or2/3 St.M病院にてフォロー気管支鏡予定

Y市民病院受診('03.9)

2009-12-29 00:39:24 | 回顧
2003年9月29日(月)

Y市民病院・T先生の診察。
特にT先生狙いって訳ではなく、たまたまこの日がT先生の担当。
長い時間待って待って、ようやく順番。旦那だけ診察室へ入っていく。
戻ってきたら「再検査だって」と言って、レントゲンを撮りに・・・。
「ん?そう。」と私。

レントゲンを撮って、再度診察室に呼ばれるのを待つ。
順番が来て、「奥様も一緒にどうぞ~」と軽~く言われ、私も軽~く入って行く。

先生が、「ここに何かありますねぇ。」と、レントゲンを見ながら、また、左鎖骨の喉元、奥を触りながら言われる。
「これね。」「明日、また内視鏡で診てみましょう。明日また予約入れておきますね。」・・・・と言うことで再度翌日も行くことに・・・。

帰り道は「やっぱり、何かあったんやね。」「何で○○耳鼻咽喉科では見つけきらんかったのかね?」「Y市民病院のT先生は触って直ぐ、レントゲンって言ったもんね・・・。」「明日も仕事休まないかんねぇ・・・」などと、まだ、呑気に話をしながら帰る。


2003年9月30日(火)

再度予約の時間に行く。
内視鏡の検査をして、診察室へ・・・・。
その映像を見ながら「ここですね。この膨らんでいるところですね。外側から押される感じで膨らんでいるでしょ?腫瘍があるのは間違いない。細胞の検査をしてますので、結果を聞きに明後日10/2また来てください。」
と言われ、それでもまだ、良性でしょ~!とお気楽に考えていた。

その後、帰宅してから旦那は頭痛がひどくなり寝込む。

事の始まり・・・。自覚症状 ('03.9)

2009-12-28 02:21:53 | 回顧
2003年9月22日(月)
ここのところ、ずっと咳が続いて、最近とうとう声がれもしてきた。
ちょっと病院に行ってみよう・・・。

と、普段は病院なんて行ったことがない旦那が、珍しく病院へ行ってみようかな?と言う。

私が時々行く、街の耳鼻咽喉科を伝え、そこに行った模様。
お互い仕事から帰って来て結果を聞くと、「喉の炎症」ということで、咳止め・炎症止めの薬をもらってきたらしい。

その錠剤の薬を飲みながら、「あっ、また引っかかった・・・。薬が途中で引っかかる!・」と言う旦那。
「ご飯を丸飲みしてん!」(鬼嫁)
「そんなことしたら余計詰まって息が詰まる!!」(旦那)
「んじゃ、知らん(わからん)。そのうち溶けて入っていくやろ・・。」(鬼嫁)


*事後録
声がれや咳は食道がんの自覚症状の主たるもの。自覚症状が出てからではかなり進行しているらしい。
旦那の咳は半年ほど前から続く。声がれも1ヶ月くらい続く。
会社の健康診断は毎年受けるが異常なし。
1年くらい前から薬の錠剤(バッファリンくらいの大きさ)が「喉に詰まって降りていかない」と薬を飲む度に騒いでいた。
恐らくこの1年以上前からガンが蝕んでいたのだろう・・・。


2003年9月29日(月)
1週間経っても、症状は変わらず。再度その病院へ・・・。

女医さんは「おかしいわねぇ?」と、喉を見るだけで首をかしげる。
「何だったら。大きい病院へ行ってみる?」といぶかしげに言われる。
旦那は、せっかく今日は休みを取っているから・・・、と紹介状を書いてもらう。

その日は偶然、私も休み。

「紹介状を書いてもらった・・。11時までに着けば今日診てもらえる」と言って帰ってきた旦那に
「へぇ、何やろうねぇ?じゃあ、今から行こうか!」と即効紹介してもらったY市民病院へ2人で向かう。

実は私達は病気には縁がなく、大きな総合病院で診察・・・なんてしたことがなかったので、ちょっと興味半分ってのもあって紹介してもらったY市民病院へ行ってみた。
行く途中に「どうするぅ?ガンです・・とかって言われたら・・!?」「フンっ!(笑)ありえんやろ!!」「何かいろいろ検査とかするとかいな?」なんて話しながら・・・。

本当にこの時はこんなに長い闘病生活が待っているとは想像もしなかった・・・。

病院について

2009-12-25 08:47:21 | リアル日記
昨日はクリスマスイヴ。
我家は「旦那の手術成功!」という素敵な素敵なプレゼントを頂きました。

そして、この1年に1日しかないこの聖夜をこの病院で過ごしたのもきっとご縁でしょう。
他では味わえない心温まる夜を過ごすことが出来ました。

夜18:00になると看護学生によるXmasキャンドルサービスが始まりました。
各部屋に入ってきてくれるらしく、婦長さんが「どうしますか?」と聞きに来られました。が、さすがに旦那は悠長に聖歌を聴いている余裕はない・・・。
丁重にお断り。興味深そうにしている私に婦長さんは「奥さんだけでも、廊下で見てみるといいわよ。学生達がやってくれるのよ。」と伝えてくださいました。

廊下に出てみると、全て消灯・・・。薄暗い廊下。全ての病室の灯りは消え真っ暗に。でも不思議と恐い感じはしない。逆にちょっとロマンティック・・??

何やら奥の方から歌声と灯りが・・。



数人ずつに分かれそれぞれ病室に入って聖歌を歌ってくれます。
終わると病室から歓声と拍手。



でもこれ、患者1人の特別室で大勢の看護学生さんに囲まれて聞くってのもちょっと恥ずかしいね・・。旦那よ、今回はグッタリで耳だけ傾けておいてよかったかもよ。な~んて思いながら、私も廊下で拍手です。

その後、婦長さんが、「これこれ。」って手渡してくださったのはXmasカード。ちゃんと封筒の表には旦那の名前がフルネームで。
中にも「MerryXmas! ●●さん、早く元気になられますように」って手書きで書いてあった。ちょっと感激。旦那の枕元に飾ってきた。



そう言えば、何回目かのGセンター入院の時もXmasにかかっちゃって、あの時もクリスマスコンサートがあったなぁ。大きなホールに、点滴引きずりながら、あるいは車椅子を看護師さんに押してもらいながらたくさんの患者さんが集まって楽しんでたっけ。マーチングバンドの名門校だったかな?・・・いろんな演奏を楽しませてくれたっけ。娘が小さかったのと入院生活にもちょっと飽きてきた頃だったから家族で喜んでたことを思い出しました。

入院されてる患者さん達も、きっと今日のこのサービスに癒され心穏やかにこの夜を過ごされたことでしょう。

Merry X’mas!

手術終了~!

2009-12-24 23:05:48 | リアル日記
16:30 「手術終わったらしいから、もう間もなく戻って来られますよ」と事務所の方が声を掛けに来てくれた。
途中で何も連絡がなかったから、順調に執刀してもらっているとは思ったけど、予想より早かった。

16:45 ベッドごと運ばれてくる。予想以上に顔色もよく、呼吸が実に穏やか。
        全身麻酔も醒めてきているようで先生の声掛けに反応している。
        外から見た分にはどこも変化はない。(当たり前か、切ったり張ったりしてないもんね)
        ただ、点滴と尿管と呼吸用の酸素マスクがついているだけ。

早速、担当のH先生から説明を受ける。

まずは「手術は予定通り行いました。6センチほどのステントを入れています。」

ホッと一息。「手術成功!!」
気道確保、完了。ここから当面の間は窒息の心配は免れた。バンザイ!

先生の話をまとめると・・・

【結果】ステント留置成功。6センチほどの柔らかいステントを入れた。
    問題の箇所の上部と下部との気道内圧差は消失しているので、呼吸は楽になったはず。
    聴診器で確認しても音はきれいになっている。
    声帯が浮腫を起こしているため、ステロイドの薬を入れている。2~3日で痛みは取れる見込み。

【気管内の状況】
    気管の壁を作っているチタンメッシュが柔らかく、呼吸の度にペコペコして狭くなっていた。
    チタンメッシュの下部は腫瘍の浸潤がひどくそのため硬く、狭くなっていた。
    柔らかい部分と硬い部分がある箇所にステント挿入は非常に難しいが、何とか留置できている。
    柔らかい部分と硬い部分の境目が狭くなっている状態。

【今後のリスク】
    ステントの部分にまた腫瘍が浸潤してくる可能性あり。また気管は狭くなる恐れあり。

とにかく、今クリアしないといけない問題は回避。M先生ありがとうございました。
また、どうかなったらその時考えましょう。ケセラセラ・・。大丈夫大丈夫。

その後病室での彼は・・・頭が痛い、やっぱり痰が出る、痰を切る時が苦しく喉が痛いらしい。声帯の浮腫のところかなぁ?と、先生は言ってるけど・・・。
一応レントゲンを撮っておくことになった。

凄いです!! 移動式のレントゲン・・・。 部屋で横になったままレントゲンが撮れる。初めて見ました。
・・・・とそこに感激してる場合か?!と自分で突っ込みながら、彼の様子を見る。

今日のところは、苦しいのもしょうがないね。体に異物が入ったわけだから・・・。逆にどうもないほうがおかしいでしょう?!それより窒息の苦しさと恐さを考えれば、今この痛みとつらさを辛抱すれば、しばらくは呼吸が楽なんだから!辛抱辛抱!!と鬼嫁Yappiの激励。 かなり辛抱しているのはわかっちゃいるけど・・・それでも、頑張れ旦那!!それしかない。

一応、痰を拭き取るティッシュとゴミ袋を手が届き易いところにずれないように置き、寝たままでも快適な環境を作って、彼が落ち着いて寝た頃、病室から引き上げました。

久々にあんな静かな寝息を聞きました。思い切って手術してよかったね。

お休み。旦那。また明日。