鹿島アントラーズ原理主義

愛する鹿島アントラーズについて、屈折した意見を述べていく場です。

浦和・興梠、レギュラー予想

2013年01月20日 | Weblog
2013シーズンのJリーグを占う。各クラブの戦力補強診断 ~浦和レッズ編~
新年が明けて1月も中旬を過ぎ、Jリーグでも始動するチームが出てきた。フットボールチャンネルでは、1月下旬から2月上旬にかけて、Jクラブの補強動向を診断していく。今季の目標に向けて、効果的な補強を行うことができたクラブはどこなのか。まずはACLに出場することになっていて始動の早い、浦和、仙台、広島、柏の4チームから順次行っていく。

2013年01月20日
text by 編集部 photo Kazuhito Yamada


効果的な補強を行い、タイトル奪還へ向けてスタートを切った浦和レッズ

 昨シーズンの浦和は、ミハイロ・ペトロヴィッチ監督を招聘した。広島時代から見せている攻守に特徴的なサッカースタイルが思いの外早く浸透し、リーグ戦では3位と好成績を残した。ACLの出場権を得たことを受けて、クラブもオフには積極的な姿勢を見せ、効果的な補強を行った。

2013シーズン 戦力の入れ替え

IN OUT
永田拓也〔復帰/草津から期限付き移籍期間満了〕 青山隼〔完全移籍/徳島〕
那須大亮〔完全移籍/柏〕 田中達也〔完全移籍/新潟〕
興梠慎三〔完全移籍/鹿島〕 濱田水輝〔期限付き移籍/新潟〕
関口訓充〔完全移籍/仙台〕 エスクデロ・セルヒオ〔完全移籍/FCソウル(韓国)〕
森脇良太〔完全移籍/広島〕 ポポ〔完全移籍/神戸〕
槙野智章〔完全移籍/ケルン(ドイツ)〕 原一樹〔完全移籍/京都〕
阪野豊史〔新加入/明治大学〕 -

興梠の獲得は大きなプラス材料


浦和レッズ・2013シーズン予想フォーメーション

 今オフに浦和レッズが新たに獲得した選手は、那須大亮、興梠慎三、関口訓充、森脇良太、阪野豊史の5人。それに加え、1FCケルンから完全移籍となった槙野智章と、草津からレンタルバックとなった永田拓也を加え、7選手が新加入となった。

 一方放出された選手は、青山隼、田中達也、濱田水輝、エスクデロ・セルヒオ、ポポ、原一樹の6選手。青山と原、エスクデロに関しては昨シーズンから期限付き移籍でチームから離れており、純粋な減数としては、田中達也、ポポ、濱田の3選手となる。

 昨シーズンからチームを率いる“ミシャ”ことミハイロ・ペトロヴィッチ監督は、広島時代から非常に特殊なサッカーを展開している。詳しくは昨日掲載した西部謙司氏のコラムを参照していただくとして、最も大きな特徴は攻守が入れ替わった際にシステムが変化することと、後方からのビルドアップに対してかなり強いこだわりを持つところにある。

 補強については、昨シーズン足りなかったピースに、人を当てはめた印象だ。昨シーズンは、1トップを原口元気とポポの二人が務めることが多かったが、二人合わせて9得点とフォワードとしての責任をまっとうしたとは言い難い。そこに、鹿島から興梠を獲得できたことは、戦力的に大きなプラスと言えるだろう。

 昨シーズンの浦和は、丁寧なビルドアップからチャンスを作り出すことはできていたが、エリア内での動き出しに大きな問題を抱えていて、サイドを崩してクロスが入ってもそれが得点に繋がる場面が少なかった。また、ボールがないところでの動き出しも質が高かったとは言い難く、興梠が持つプレーの特徴を考えれば、非常に効果的な補強と言える。

 ただ、浦和レッズというクラブは歴史的に優れた外国籍のストライカーが数多く在籍していたため、サポーターがフォワードに求めるレベルは高い。また、観客数も多く注目度の高いクラブであり、前線の選手はメンタル的に厳しい戦いを強いられる。そこさえクリアできれば、興梠の加入は大きな戦力アップに繋がるだろう。

関口、那須、森脇と代表経験者を獲得

 次に、仙台から加入してきた関口は、左右のアウトサイドでポジションを争うと予想される。昨年アウトサイドを務めた梅崎と平川に関しては、シーズンを通して良いパフォーマンスを見せていた。ただ一方で、浦和のアウトサイドは攻撃ではウイング、守備ではサイドバックと、攻守両面で非常に多くの運動量を求められる。

 シーズンを通して、良いコンディションで戦い抜くのが最も厳しいと予想されるポジションであるだけに、昨年大きな成長を見せた宇賀神友弥と共に、関口がアウトサイドの戦力増強に果たす役割は大きい。持ち前のスピード、運動量、攻守にわたっての献身性が発揮されれば、レギュラー争いにも十分割って入るだけの力を持っているし、戦力的にも厚みが増す効果的な補強だ。

 柏から加入した那須大亮は、昨シーズンのオフにも浦和はオファーを出しており、2年越しでの加入となった。那須はセンターバック、ボランチ、サイドバックでプレーできるユーティリティ性の高い選手で、昨シーズンの柏では右サイドバックでプレーする機会が多かった。浦和は3バックとボランチの動きが特徴的なチームで、3バックの中央はリベロ的な動きを求められ、左右のストッパーは攻撃に入るとサイドバック的な動きが求められる。

 またボランチの一人(昨シーズンは阿部が務めていた)は、中盤とディフェンスラインを行き来する機会が多い。那須のポリバレント性は、浦和のようなスタイルでこそ輝くのではないかと考えられ、一気にレギュラー奪取は難しいにしても、監督としては手元に置いておきたい駒であることに間違いないだろう。

 最後に広島から加入した森脇は、昨年坪井慶介が務めた右ストッパーに入ることが予想される。坪井は優れたディフェンススキルで安定感のあるディフェンスラインを構築していたが、ボール扱いに長けた選手ではなく、攻撃面でノッキングを起こす要因にもなっていた。森脇の獲得は、より攻撃的なチーム作りを考えた上でのものだと考えられるが、槙野と森脇が並ぶ3バックは、攻撃特性の強い選手が並ぶことで守備面での不安もある。

 森脇はペトロヴィッチ監督のサッカースタイルに慣れ親しんだ選手であり、スムーズにチームへ入っていくことはできるだろう。その一方で坪井が取っていた守備面でのバランスが大きく崩れないかどうかが、一つの課題となる。

補強面と総合力それぞれの診断結果



 今回他クラブから獲得した選手はいずれも日本代表経験者であり、昨シーズンの足りなかったピースを的確に埋める補強ができた。年齢バランスも、クラブの中で最も薄かった20代半ばの層を一気に増やすことができ、ペトロヴィッチ監督の求める戦力をしっかりと獲得できた。現場とフロントが一丸となって、強化を進められていると言って良いだろう。



 クラブとして目的をどこに置くのかがポイントになる。効果的な補強を行ったとは言え、前回ACLを制覇した2007年のチームと比較すると、小粒な印象はぬぐえない。それぞれのポジションに良い選手が並んでいるのは間違いないが、チームの中心として矢面に立ち、責任を背負って引っ張っていくリーダー的な存在は見当たらない。もちろん、そうしたチーム作りをしているとも言えるが、海外アウェーでの厳しい戦いを制するには、濃いキャラクターも必要だ。

 Jリーグは相対的に各クラブの戦力が均質化していきているため、今オフの補強で浦和はリーグ戦のみを考えれば優勝候補の筆頭に挙げられる戦力を有したと言えるだろう。一方、ACLの戦いに関しては楽観視できるものではなく、そこで思うような戦いができないと、今度はリーグ戦にも影響が出てくる可能性もある。リーグとACLの両方を獲りに行くことを目的とするのならば、もう一枚、強力なピースが必要ではないだろうか。

 【了】


浦和の興梠の補強を大きな戦力アップとし、レギュラーに据えるフットボールチャンネルの補強動向診断である。
それはそうであろう、でなければ、大枚を叩いてマネーゲームを制することはなかったであろう。
また、興梠はそれだけの才能を有する選手であることも事実と言えよう。
ここまで育てた選手を開幕直後からルール違反してまで甘い言葉で引き抜かれた鹿島としては忸怩たる思いがある。
とはいえ、安易に一人の給与を上げ、経営を圧迫すること、そして悪しき前例を作ることは出来ぬ。
興梠には、もっと鹿島で活躍して欲しかったが、より高い年俸を支払われるところに籍を置くのも悪い判断ではなかろう。
ところで、浦和としては、海外チャレンジのリスクの少ない程度の選手を揃えることで、中期に於ける戦力維持が適った。
この記事にあるように、アジアには手は届かぬであろうし、タイトルもそう簡単には手に入らぬであろう。
しかしながら、2011年に降格のピンチを紙一重の差でJ1残留した過去を経て、選手の移籍にて戦力低下させるリスクを極端に嫌う補強に走ったように思える。
元来「Jのお荷物」と揶揄されたクラブだけに、本当にお荷物となり再びJ2降格してしまうのも困りものであろう。
是非ともJ1のヒールとして存在価値をアピールしていって欲しい。
その中心に興梠がいることは非常に興味深い。

最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2013-01-20 18:13:12
先週のサカダイの予想布陣では、1トップの所が原口(興梠)となっていました。
浦和には申し訳ないが、よく見ると去年とスタメンの布陣が変わっていないような・・・・
(サブの層は厚くなってると思いますが)
やはりACL獲るには外人が必要でしょうね。
返信する
Unknown (Unknown)
2013-01-20 19:39:52
ガンバですらJ2降格するこんせんJリーグ、どこが落ちても不思議はない。

高年俸の浦和の選手など引き取り手はないんだから、背水の陣で挑んでくれ。

鹿島サポに悪口を言われるのはいいが、同情されるなよ。
返信する