鹿島アントラーズ原理主義

愛する鹿島アントラーズについて、屈折した意見を述べていく場です。

サッカーダイジェスト 川崎戦寸評

2015年08月30日 | Weblog
【J1採点&寸評】川崎×鹿島|カイオ、金崎、赤のゴールで鹿島が圧巻の6連勝。攻撃が空回りした川崎は、攻め手を見出せず3連敗
大木 勇(サッカーダイジェスト)
2015年08月29日


攻撃陣の呼吸が合わなかった川崎。「小林の復帰」が数少ない収穫に。


警告】川崎=エウシーニョ(55分) 鹿島=ファン・ソッコ(68分)、西(73分)、柴崎(79分)
【退場】なし
【MAN OF THE MATCH】カイオ(鹿島)


【試合内容】
 開始1分に車屋の突破から川崎がチャンスを作ると、以降も川崎が比較的ゲームを支配して優勢に進める。一方の鹿島は、コンパクトな守備ブロックを形成し、隙あらばボール奪取からの速攻を狙いながら、カイオを中心に攻撃を組み立てる。前半は両軍とも決定打を欠き、0-0のままハーフタイムを迎えた。

 試合が動いたのは51分。右のライン際で土居が抜け出してクロスを送ると、エリアの外からカイオが右足を振り抜き、鹿島が先制。そして58分には、遠藤のシュートに反応した金崎がしぶとく押し込み、アウェーチームがリードを広げる。川崎は中野、負傷明けの小林を続けざまに投入し、84分にエウシーニョが1点返すも、鹿島は終了間際に赤がダメを押し、6年ぶりの6連勝で首位をキープした。
 
【チーム採点・寸評】
川崎 4.5
ボールを回すも有効な攻め手が一向に見つからず……。連動した仕掛けは少なく、攻撃はほとんど機能しなかった。守備組織も大きく崩れるなど、首位チームとの差を随所に露呈した。

鹿島 7
攻撃ではカイオ、守備では昌子を中心に高い機能性を見せつけた。押し込まれる時間帯もあったが、そこで一切慌てない「強い鹿島」を誇示し、試合運びも盤石だった。

【川崎|採点・寸評】
GK
30 新井章太 5.5
37分に思い切り良く飛び出し、クロスに触ったのは好判断。雨の影響で伸びるシュートもファンブルせずにキャッチした。ただ、2失点目は反応していただけに止めたかった。

DF
4 井川祐輔 5
不用意なパスミスからボールを奪われ、寄せても結局ボールを奪い切れないのは減点材料。カイオにシュートを許して失点し、以降も守備陣を統率し切れなかった。

5 谷口彰悟 5
単純な1対1では誰と競っても引けを取らないが、守備ブロックを作ってから周囲を動かす力は改善が必要。自身がカバーする左サイドから何度も突破を許した。

18 エウシーニョ 5.5
カイオと何度も対峙し、身体を張った守備で対応したが、何度か裏を取られる場面も。後半に大胆な上がりでゴールを決めたが、これがなければ採点5が妥当の内容だった。

20 車屋紳太郎 5.5
開始早々、スピード溢れる攻め上がりでシュートチャンスを演出したが、これが最大の見せ場。後半は周囲との距離が広がり、左サイドを突破されて守備も瓦解した。

MF
6 山本真希 5
ビルドアップの際には最終ラインまで下がり、中盤とのパイプ役を担うが、不安定なつなぎで攻撃が一向に活性化せず。結局、60分に見切りを付けられてピッチを去った。

14 中村憲剛 5
相手最終ラインの前で動き回るが、効果的な絡みがないまま時間が経過。パスやトラップが微妙にズレてボールを奪われる場面もあり、相手守備陣にとって怖い存在ではなかった。

16 大島僚太 5.5
球際で激しく寄せて相手を潰しにかかるなど、課題克服に取り組む姿勢は好印象。つなぐ意識も強かったが、この日は周囲の動き出しと呼吸がいまひとつ合わなかった。

FW
9 杉本健勇 5
仕掛ける局面での判断が悪く、訪れたチャンスをフイに。ハリルホジッチ監督も期待を寄せるひとりだが、仕掛けの意識や動きの質など、あらゆる面で代表クラスには程遠い。

10 アルトゥール・マイア 5.5
左足の技術を駆使したキープ力でボールを運び、攻撃のリズムを作り出した。右ウイングの位置から中に切れ込む形は機能しており、そこからの連係が深まれば脅威は増しそうだ。

13 大久保嘉人 5
21分にフリーでチャンスを迎えるも、力みすぎてシュートはゴールのはるか上へ。得点に関与したが、それ以外では思ったようにボールがもらえず、イライラが募る展開だった。

交代出場
MF
22 中野嘉大 5.5
独特のボールタッチで局面を打開し、左サイドからエリア内にも侵入。守備の対応は課題も、ボールを持った際のプレーは光るものがある。

11 小林 悠 6
負傷明けで万全ではないものの、復帰戦で早速ゴールに絡んだ点を今回は高く評価。フル出場に向けて第一歩を刻んだのは、チームにとっても朗報と言える。

監督
風間八宏 5
終始、右サイドの守備が安定せず、同サイドでカイオを自由にさせる時間が続く。劣勢のなか交代策で攻撃は活性化したが、最終的に3点目を奪われて守備の脆さを露呈した。

突出していたカイオの存在感。金崎と昌子も攻守に奮闘。

【鹿島|採点・寸評】
GK
21 曽ヶ端準 6.5
後半早々に大ピンチを迎えるも、大久保のシュートに反応すると、その後のA・マイアの一撃も指先で触って難を逃れた。この一連のプレーが与えた影響は極めて大きい。

DF
3 昌子 源 6.5
1対1で激しく潰したかと思えば、冷静に寄せてプレッシャーをかけるなど、その判断が際立つ。中央を突破されて失点するも、その後は身体を投げ出して攻撃を阻止した。

14 ファン・ソッコ 5.5
クリアの処理をもたつき、エリア内で大久保にボールを奪われて決定的ピンチを招いた。これで失点していれば負けていた可能性も。失点時のカバーリングも一瞬遅れた。

16 山本脩斗 6
前半は自由に出入りするA・マイアを捕まえ切れなかったが、徐々に慣れ始めると左サイドの攻防で主導権を握った。攻め上がりは少なかったが、カイオの突破力を考えれば問題なし。

22 西 大伍 6.5
1対1でドリブル突破を図る車屋に対し後手に回る場面も。ただ、後半に入ると駆け引きを巧みに制して優位に立った。2ゴールとも右サイドが起点で、存在価値は間違いなく高かった。

MF
7 カイオ 7
ボールを持てば“なにかやりそう”な雰囲気を醸し出し、余裕のボールキープでタメを作れば、機を見たドリブル突破で打開。51分には卓越したシュート技術で先制点を決めた。

20 柴崎 岳 6
小笠原とともに中盤のバランスを取り、決して無理をせずに攻撃を組み立て、的確に前線もサポート。ダイナミックな上下動は少なかったが、終始、安定したプレーを見せた

25 遠藤 康 6
前半は大きな見せ場を作れなかったが、スペースが生まれ始めた後半は存在感が増す。右サイドを崩してシュートまで持ち込んだ58分のプレーで、金崎のゴールを呼び込んだ。

40 小笠原満男 6
最終ラインの手前に陣取り、危険なエリアを的確に埋めつつ、ビルドアップでも顔を出して周囲を援護。球際でベテランらしい鋭い読みも見せて、攻守両面を安定させた。

FW
8 土居聖真 6
前半は守備の時間が長かったものの、51分に右サイドを突破し、グラウンダーのパスでカイオの先制点をお膳立て。それ以外の見せ場は少なかったが、アシストの精度は光った。

33 金崎夢生 6.5
前線で動き周りながらスペースを狙い、後半には絶妙な飛び出しから追加点。土居とは時に縦関係になりながらマークを上手く外し、相手に的を絞らせなかった。

交代出場
FW
18 赤秀平 6
83分に投入され、こぼれ球に反応した形だが、シュート1本で1ゴール。本来はプレー時間が短く採点は付かないが、結果を残した点を評価した。

MF
13 中村充孝 -
攻撃の局面で効いていたカイオに代わって出場。出場時間が短く、これと言った場面は作れず、シュートも0本に終わった。

DF
4 山村和也 -
終了間際の90分に、逃げ切り要員として投入された。その3分後には中央でシュートを放ち、これが赤崎のゴールを呼び込んだ。

監督 
石井正忠 7
川崎の攻撃をシュート8本に抑え込み、逆にシュート16本を浴びせる猛攻で3ゴール。攻守ともに相手を上回る安定感を見せ、6年ぶりの6連勝を危なげなく飾った。

取材・文:大木 勇(サッカーダイジェスト編集部)

※MAN OF THE MATCH=取材記者が選定するこの試合の最優秀選手。
※採点は10点満点で「6」を平均とし、「0.5」刻みで評価。
※出場時間が15分未満の選手は原則採点なし。


先制点を叩き込んだカイオは、突破力やキープ力を活かしチャンスを創出。その存在感は群を抜いていた。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)


サッカーダイジェストの木下氏による川崎戦の寸評である。
最高評価はMOMでもあるカイオに輝いた。
前半から積極的に仕掛け、シュートを放っておった。
こうなるとボールは自然に集まるもの。
納得のMOMである。
また、石井監督にも最高評価が与えられておる。
攻撃に特徴を持つ川崎のシュートを8本に抑えた采配は見事としか言いようがない。
中盤では満男を中心にした精力的なプレス網を作り上げた手腕は特筆すべきである。
この試合、「強い鹿島」と表現しても良いのではなかろうか。
これを継続出来るか、継続していって欲しい。
楽しみである。

最新の画像もっと見る

1 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (Unknown)
2015-08-30 17:28:11
スカパーで解説の川勝さんがカイオを絶賛していましたが、納得のパフォーマンスでした。
これを続けてほしいですね!
返信する