大和心眼ーヤマトシンガンー

情報操作、捏造、隠蔽に騙されるな!茹でガエルにならない方法

SOAP、ACTA、TPPとネット包囲網の監視強化が進み、個人の自由が無くなる?

2012-10-17 21:09:56 | 著作権について
こんにちは、千里です。

今日のタイトル、横文字だらけでハテナと思ったでしょうか?

そう、TPPなら去年から騒がれていたので、記憶されている方も
多いと思いますが、「SOAP」(ソープ)、「ACTA」(アクタ)は、
わかりましたか?


これは、著作権関連の法案の名前になります。

「SOAP」とは、海外の海賊版被害を押さえるために、
著作権の法力により、間接的に利用ユーザーを締め付け
ようとした法案です。


すなわち、日本訳では、「オンライン海賊行為防止法」です。
内容は、海賊版を掲載しているサイトへのアクセス遮断や
運営サイトへの金融業務停止処分やグーグルなどへの検索
サイト結果の削除命令などができる、まさに取り締まり強化の
内容でした。

この法案は、米国では成立目前のようでしたが、大手サイトの
グーグル、フェイスブックなどがかみついたことで、ユーザー
からも抗議の声が広がり、法案採決が無期延期となったようです。

そして、この法案が崩れるなか、さらに著作権に関するもう一つの
条約が騒がれることになりました。
それが、「ACTA」です。

「ACTA」は、日本では、「模倣品、海賊版拡散防止条約」
あるいは、「偽造品取引防止協定」などと呼ばれています。


この条約は、日本と米国が主導でつくられたようで、主な内容は、
著作権や商標権を侵害する模倣品、海賊版の輸入、販売を禁止
するための立法を加盟国に求める条約になっています。

これは、
1.裁判所が差し止め命令ができる権利
2.被害者が賠償金を請求しやすくするルールの策定
3.権利侵害の行為に対して、刑事罰を科すことができる権利


のように、まあ一見すると、そんなに過剰でもない、
著作者の当然の権利のようなものでしたが、この「ACTA」も
欧州などでは、ネットユーザーの抗議の声により、
欧州議会で否決されてしまいました。

大方、著作権包囲網は、これで終わりだと思ってましたが、
最後の砦、TPPがあります。

TPPは、関税撤廃や農業問題のように思っている方も
多いと思いますが、最終的には知財まで含めて米国に有利な
管理、強化をしようという包括的な協定になっています。

例えば、TPPは、ACTAプラスと呼ばれ、ACTAのさらに
上をいく、権利侵害の対策強化メニューが並びます。


1.著作権、商標権侵害の非親告化
2.法定賠償金制度の導入
3.プロバイダーの義務・責任の導入
4.並行輸入に広範な禁止権
5.アクセスガード、DRMなどの単純回避規制
など



コンテンツ大国の米国は、アジア社会のように、コピー商品や
ライセンス権利を放置することで、自国の被害が拡大していく
可能性があるため、知財面を強化することで、その国、社会の監視を
強化し、自国に有利な国際社会をつくろうとしています。

確かに、ネット社会における自由を傍受しようとすると、
その自由が著作権保持者や権利者にとっては、マイナスになる
ことがあります。しかしながら、過度な規制は自由を奪い、
当然あるべきユーザーの権利を少しずつ締め付けていく
可能性も否めません。

例えば、1.の著作権、商標権侵害の非親告化などは、
現在、権利者の告訴がないと、処罰できないようになっていますが、
非親告化が可能となると、監視機関などが勝手に調べあげて、
権利者の告訴がなくても、起訴していくことが可能となってしまいます。

まさに、重箱をつつくように、自由に処罰できるとなると
問題です。

また、3.のプロバイダーの義務・責任の導入をみてみましょう。
動画投稿サイトである「YouTube」の1日のアクセス数は、
40億ビューだそうです。

そうなると、通常のテレビ視聴率が束になっても敵わないわけで、
ネットユーザーの日常の風景になっています。
私のブログにおいても、マスメディアで伝えきれない情報をピック
アップして紹介しているわけで、この自由な情報空間が無くなって
しまったら、どうなるでしょうか。


まさに、プロバイダーの義務化とは、著作権侵害のコンテンツを
アップしたユーザーを取り締まることは当然ですが、
それに加えて、そういうコンテンツアップできる環境を用意した
プロバイダも罪に問えるという法案になってきます。


現在、米国などは、「ノーティス・アンド・テイクダウン」という
米国ルールがあるようで、第三者が侵害のコンテンツをアップしても
ある条件を満たせば、責任を負わなくてよいという免責条項が
決めてあるようです。

この明確がルールがあるために、裁判のおいても、その論点の
解釈のしかたで判決が決まってくるようです。
さて、TPPにおいては、まさにこのプロパイダの責任追及を
強化して、コンテンツに厳密性を持たせようとしています。

そう、この法案になってしまうと、もう昔のアイドルの歌番組
やテレビネタなど見られなくなってしまうのでしょうか?
とてもつまらない空間になりますね。グーグルよがんばれ!


このように、著作権法を取り巻く環境は、世界的にますます強化されて
くるようですが、現状の日本はどうなのでしょうか?

この間、ボンクラ政治家が進めた「違法ダウンロード刑事罰化」が
成立しました。


10月1日から改正著作権法が施行されましたが、今後はネット上に違法に
アップロードされた音楽や映像を、本来は有料で提供されていると知りながら
ダウンロード(以下、DL)した場合、刑事罰が科せられることになります。


従来は、刑事罰がありませんでしたが、今回から「2年以下の懲役、
200万円以下の罰金」
という項目が追加されたのです。

詳しくは、こちらでわかりますが

★文化庁 平成24年10月1日施行 違法ダウンロードの刑事罰化について
http://www.bunka.go.jp/chosakuken/online.html


ポイントは、有料のコンテンツか、そうじゃないかという判断の
ところになり、有料の場合の私的複製は認めないことになります。
そして、無償提供の場合は、もちろん私的に見るだけならOKということに
なります。非常にわかりづらいのですが、法整備の目的は、
海賊版減少にあるようです。


★10月施行「ダウンロード禁止法」について解説【違法DL刑罰化】






★私的リッピングも違法!? いよいよ改正著作権法が一部施行
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/110/110332/


確かに、著作権をベースに生活しているクリエイターや作家、
監督、音楽家、また業界団体、権利団体にとっては、海賊版の
氾濫は止めたいところですが、すでにネット社会において
フリーが市民権をえてしまった現状で、パンドラの箱は開いて
しまったのです。たぶん閉じることは不可能でしょう。


ということは、ただ違法者だけを取り締まっても、それで
結果的に海賊版の減少になり、著作者の生活は豊かになっていくで
しょうか?


ネット社会でのマネタイズする方法の多様化により、
ダウンロードだけを非難しても、たぶん劇的な収益向上は難しい
でしょう。

例えば、フリーでの音楽配信を実施したことで、
それが告知され、様々な人の目に触れることで、
ファンが増えていったとします。すると、そのフリー楽曲
を聞いた人が、コンサートなどイベント参加して、
別な形で利益を得られることになります。
このような活動で成功しているミュージシャンもいますので、

今の形式の著作権だけのこだわり続ける方法は、
実は、自分のビジネスチャンスを奪っていることになりかも
しれないからです。


だって、結局は、人の目に触れないことには、
はじまらないのですから。

(もちろん、違法ダウンロードを推奨してるわけではありませんが)

つまり、もう少し著作権に関しての柔軟な体制があっても
いいのではないでしょうか。

ただ規制を強化していくことで、解決できるなら良い
ですが、どうやらそうではないようです。

誰もがネット空間において、自由な環境を求めており、
規制することで、お互いの発展を閉ざす方向であるならば、
それは最初から間違った道を歩んでいるのではないでしょうか?


日本は、どうやら一番著作権に疎いことで、一番規制が
知らないうちに強化される方向
にあるようですから、
今後の流れを監視し、ネットの自由性を損なうことのないように
したいですね。

それでは、また。

参考までに詳しい話しが聞けるラジオ番組です。

★神保哲生 「法案通過間際、ACTAって何?」 2012.08.07




★著作権に関する詳しい内容は、この福井さんの著書を参考にしてください。

「ネットの自由」VS 著作権 
発行:光文社新書
著者:福井健策



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