浮世風呂

日本の垢を落としたい。浮き世の憂さを晴らしたい。そんな大袈裟なものじゃないけれど・・・

国内政治に挫折したオバマが新冷戦時代を創作する ③

2015-04-22 05:38:31 | 資料

フランス諜報機関:ロシアはウクライナ侵攻を準備しなかった

2015年04月11日 Sputnik 日本

フランスの諜報機関によれば、ロシアがウクライナ侵攻を準備したことはない。諜報機関の長官で大将のクリストフ・ゴマル氏がフランス国民会議で登壇し、述べた。
「ロシア人らは軍事的な侵攻を行う下地となったはずの野戦病院など後列組織や司令部は設置しなかったと、我々は確かに突き止めた。後方支援部隊は一度も定位置を動かなかった」と大将。

大将によれば、ロシア兵がウクライナに認められたとしても、それはウクライナのポロシェンコ大統領に圧力をかけるための陽動であり、軍事侵攻の試みではない、という。

大将によれば、米国の諜報機関は、NATOの権威を借りて、ロシア軍のウクライナ侵攻に関する虚偽の証拠を提出していた。

http://jp.sputniknews.com/politics/20150411/183397.html#ixzz3X4lVJCay

2014年2月23日ウクライナの国会である「最高会議」はヤヌコヴィッチ大統領の罷免を決議した。
其れより前2月上旬に、既にヌーランド国務長官補の通話記録がメディアに暴露されていた。まだウクライナ政変が行われる前である。

その中でウクライナの政府指導者などをアメリカ側が事前に選出していたことが分っている。「ヤツェニュクが将来の政府のトップとして最適だ。クリチコとチャグニボクは蚊帳の外にいるほうがよい。国連がまとめ役であるのはよいことだ」等と話していた。

ちなみに、ジェニファー・プサーキ国務省報道官らは、この通話記録を本物だと認めた。また、「ヌーランド長官補はEUの外交官らに対して謝罪をした」とも報道されている。

ウクライナの議員が「欧米のスパイが反体制派に100億ドルを支援した」と暴露している。
またウクライナでも今回の会話をきっかけに憤りがつのっており、ウクライナ人民解放運動のサイト上では、「米国はどの野党がどのような役割を果たすべきかを直接指図している。国務省と米国大使が、ウクライナ政府に入るべき人物を選び、どのような話し合いが行われるかまで決定しているのだ。」と指摘されている。

ウクライナのコレスニチェンコ地域党議員はウクライナで起こっている出来事は、「欧州と米国が計画したクーデターだ」と述べている。

しかも、ウクライナでシェールガスの採掘権を持っている企業・BURISMAの取締役に、バイデン米副大統領の次男が就任した。どう言い逃れして全てをロシアに転嫁しようとしても、これだけの証拠が揃っているのである。むしろ経済制裁を受けるべきは米国自身ではないのか。

◆ファシズムと独裁 - 暴露されたアメリカ権力

2015年4月11日  マスコミに載らない海外記事

Finian Cunningham

2015年4月9日
"Sputnik"

ウクライナで民族浄化を進めるネオナチと、アラブの独裁者による貧しいイエメン爆撃をアメリカが同時に支援しているのは、アメリカ権力ありのままの本質の証明だ。愛想良過ぎるうぬぼれや、高潔な見せ掛けを脱ぎ捨てた、ワシントンはファシズムで独裁だという醜い顔だ。

ウクライナとイエメンは、人によっては無関係の戦場の様に見えるかも知れない。決してそんなことはない。アメリカが支援する無法さと蛮行が、両国でたけり狂っているのは、アメリカ権力が実際世界の中でどう動くかという積分関数だ。最近の異常な現象ではなく、資本主義における、アメリカ支配階級が機能する仕方の原理にさかのぼる。

アメリカのパートナーの実際を検証しよう。最初にイエメン、次にウクライナ、そして最後に、体系的なつながりをまとめよう。

イエメンで一般市民死亡者数が増大する中、救援機関は、アラビア半島の国における人道的大惨事を警告している。荒廃した病院は負傷者の群れに対処できずにいるが、その多くが酷い火傷を負っている子供達だ。

ところが、今週ワシントンは、ほぼ二週間にわたって、イエメンを爆撃してきたサウジアラビアが率いるアラブ諸国連合への武器供給を強化すると発表した。

スティーブ・ウォーレンアメリカ陸軍大佐は、兵器は"我々のパートナーに既に存在している物[原文通り]と、若干の新たな要求の組み合わせ"だと発言した。

アサウジアラビアが率いる対イエメン大空爆でのアメリカの"パートナー"には、ペルシャ湾君主国のカタール、クウェート、バーレーンやアラブ首長国連邦、更にヨルダンやエジプトがいる。

こうした国全て、人権と言論の自由が容赦なく弾圧されている独裁制だ。

つい今週、サウジアラビアとバーレン国軍は、単に彼等がイエメン爆撃に反対する抗議の声を上げたという理由での悪質な弾圧で、多くの自国民を監獄に放り込んだ。

アメリカが "パートナー"に供給した兵器の中で、 地域安全保障の名目で、イエメンの子供達や家族を殺害しているものには、弾薬、爆弾や精密誘導ミサイルがある。後者の装備は、マックラッチー・ニュース報道によれば、"イエメン国内に、標的情報を知らせるサウジアラビア連合国の兵士がいないことを補う為の"ものだ。

これは、アメリカが支援する外国空爆は、イエメン国内からの負託が、ほとんどないか、皆無であることの遠回しの告白だ。だから、この爆撃作戦は、まさにありのままのものだ。露骨な外国侵略で、1946年のナチス戦犯ニュルンベルク裁判の際に規定された通り、最高の戦争犯罪だ。

更に多くのアメリカ製"精密誘導ミサイル"がイエメンに着弾すれば、自宅が過去二週間で破壊された家族にたいした慰安をもたらすことはあるまい。今週 サウジアラビアの空爆が、北イエメン、サーダ州アナトの自宅に命中した際、九人家族が全滅させられた。アメリカの兵器で虐殺されつつある膨大な無辜の犠牲者の一例に過ぎない。

アメリカの空中給油機が、イエメンを攻撃している、アメリカが供給した何百機ものF15戦闘機に給油をしている。しかしながら、ペンタゴンの広報担当官は、マスコミに、今週、空中給油機は、"イエメン空域外で"、アラブの戦闘機に給油したと語った。この違いが、残虐な侵略に対するアメリカの関与をどうにか軽減するかのごとく。これは、元大統領ビル・クリントンが、かつて、マリファナを吸ったことを認めたが、"吸い込みはしなかった"といった馬鹿げた例と同じだ。"そう、爆撃機に給油はしているが、イエメン空域を吸い込んではいない。"

爆弾とミサイルに加え、サウジアラビアが率いる爆撃同盟との"諜報情報共有"を強固にすべく、米国務副長官トニー・ブリンケンが、今週サウジアラビアの首都リヤドを訪れた。"空爆作戦を監督する為"サウジアラビアに新たに設置されたアメリカ"協同ジョイント・センター" はサム・バンディー海兵隊少将に率いられている。もし更なる証明が必要なのであれば、これだ、ワシントンこそ、イエメンのこの国際的集団強姦の頭脳役であることを示している。

専制的支配に対する批判の声をあえて上げる人々を誰でも、投獄したり、首を切ったりする政権であるサウジアラビア王家に歓待されて、"サウジアラビアは、フーシ派[反政府派]やその同盟者に対して、武力でイエメンを制圧することはできないという強いメッセージを送っている"と、ブリンケンは述べた。

反政府派は、イエメンを武力で制圧することはできないというブリンケンの"強いメッセージ"への正しい反論は"なぜ駄目なのか?"だ。結局、アメリカは、いつも武力で国々を制圧し、その過程で、何百万人もの人々を殺害する。イラク、アフガニスタンやリビアで。そしてアメリカのサウジアラビア・パートナーは、過去四年間で、シリアで、斬首するワッハーブ派テロリストを支援し、同じ "力による制圧"をしようとしてきたのだ。

いずれにせよ、アメリカとサウジアラビアが支援した傀儡の元大統領アブド・ラッボ・マンスール・ハーディに対してフーシ派が率いる蜂起はイエメン国民の間で広汎な支持を受けている。ハーディはイエメンから二週間前に逃亡し、サウジアラビア王室の豪華な避難所を利用し、そこから"フーシ派を打ち破る"という名目で自国空爆を呼びかけている。

ワシントンとリヤドの後援者が彼に与えた偽りのイメージ以外、この傀儡には何の負託も信憑性も無い。イエメン国民は、彼を追い出し、帰国を望んではいない。ロンドンを本拠とするフィナンシャル・タイムズさえも今週こう報じた。"不在の大統領が攻撃に喝さいすることに、イエメン人の怒りは高まっている"。
だから、これはワシントン・グローバル権力の独裁装置だ。グローバル権力のもう一つの四肢は、ウクライナではっきりと見られる様に ネオナチ・ファシズムだ。つまり欧米の新たなプロパガンダ・サービスを、読んだり見たりしない限りはだが。

今週、2014年2月、違法なクーデターで権力の座についたキエフに欧米が据えつけた政権は、ファシスト準軍事組織右派セクターの指導者を、ウクライナ国軍"主席顧問"に任命した。ナチスSS風右派セクターが、東ウクライナで、昨年、民間人に対しておかした罪で、ドミトリー・ヤロシが、インターポールのお尋ね者リストに載っている事実にもかかわらずのこの抜擢だ。

ヤロシと彼の準軍事部隊は、首相や大統領を含むキエフ政権幹部同様、過去のウクライナ人ファシストを崇拝し、賛美している。こうした"英雄" ファシスト達は、第二次世界大戦中、何百万人もの同胞ウクライナ人、ポーランド人、ハンガリー人、ジプシー、ユダヤ人、ロシア人や他の人々の絶滅で、ナチス国防軍に協力した。

今や、キエフが運営する秘密警察SBUも、ナチスと協力していた、かつてステパン・バンデーラが率いたウクライナ民族主義者組織が用いていた組織的手法を採用していると、あからさまに発表している。

しかも、欧米が支援するオリガルヒ大統領ペトロ・ポロシェンコは、戒厳令の下で、彼の治安部隊に、ウクライナ国内の"テロの脅威"と見なされたロシア人の一斉拘留を認める "特別権力"の採用に動いている。これに、全てのロシア語映画、ドキュメンタリーや、マスコミを禁じる最近のポロシェンコの政令が続いた。

これは全て、ワシントンが、キエフに据えつけた政権の2014年2月20日の、CIAによる残虐な汚い手口の悪名高い狙撃兵による銃撃や、ロシアやロシア人に対するイデオロギー的憎悪が原因だ。

これは、ナチスの最終的解決策の一環として"人間以下の"ロシア人を絶滅することが任務だった第二次世界大戦中のウクライナ人"英雄"のファシスト・イデオロギーと首尾一貫している。

アメリカ政府は、キエフの支配下にあるファシスト武装部隊に、兵器、装備や軍教官を提供している。これらの勢力は、現在、東ウクライナで行われている脆弱な停戦を絶えず壊そうとしている。ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、事実上、停戦違反を助け、あおっているとして、ワシントンを非難した。

ワシントンが、世界のどこででも、とどまるところを知らない覇権に、あえて反抗するいかなる国家に対し、勝手に行っている様に、かねての、ロシアを不安定化し、最終的に、モスクワで"政権転覆" を引き起こすという、大局的な戦略的視点から、アメリカは、事実上のネオナチ雑兵に、東ウクライナにおいて敵意を復旧させたがっているのではないかという疑念がある。
現在、こうした連中は、ワシントンが完全に一体化した間違えようのない闇の勢力で、あからさま、かつ遠慮の無い、ファシズムと独裁だ。
世界中の多くの人々にとって、こうした歴史的協力は混乱させるものに見えるかも知れない。彼等は信じられない様子で、悲しげに反応する。"しかし、アメリカは自由の国で、自由世界の擁護者で、民主主義、国際的な法の支配や人権の公布者ではないたろうか?"

慢性的洗脳を離脱する頃合いだ。アメリカ合州国は常に金権政治で、帝国主義怪獣で、完全覇権という地政学的目的を実現する為、ファシズムと独裁に依存しているのだ。北米先住民絶滅は、アフリカ人奴隷や彼らの末裔の大量虐殺によって続けられ、メキシコ、中米、カリブ諸国やフィリピンの初期の植民地征服に至ったものの口火にすぎなかった。

後に、アメリカの資本家エリート連中は、1920年代と30年代に、社会主義運動を弾圧し、利益を最大化する為に、ナチス・ドイツを含むヨーロッパ・ファシズムと、ひそかに協力していた。この秘密政策は、ならずものファシスト属国を打ち破る為という必要な戦術的理由から、第二次世界大戦中には中断されていた。しかし、戦争が終わると、ギリシャ、トルコや、ソ連の敵陣背後、主として、ウクライナのファシズムに対するアメリカによる支援という形で、すぐさま復活した。

CIAは、ドイツ国防軍の工作員や協力者を採用し、1950年代と60年代、対ソ連の妨害工作実行者や、テロリストとして配置した。現在のアメリカによるキエフのネオナチ支援は、それゆえ、体系的政策の継続以外の何者でもない。

冷戦中、ワシントンは、中南米から、アフリカ、アジアに到るまで、世界中のあらゆる場所で、ファシストや軍独裁者と協力してきた。

民主的に選出された政権の転覆や、民主主義推進運動の残虐な弾圧は、アメリカ"支配者民族"にとって標準的作業手順だった。アメリカは自称"明白なる運命、マニフェスト・ディスティニー"を持った"例外的な国"なのだ。

ソ連に対する冷戦確執再開など、どれほど民主主義や人権を酷い犠牲にしようとも、アメリカ覇権を断固追求という本当の核心につじつまを合わせる作り話に過ぎない。

アメリカ人歴史家のウイリアム・ブルムは、ワシントンは、50年間におよぶ冷戦中に、世界中で、50以上の合法的政府の打倒に関与し、現在、ウクライナ、サウジアラビア、バーレーン、エジプトや他のアメリカ"パートナー"独裁政治で見られるような、アメリカが生み出した内戦、侵略戦争、汚い反乱鎮圧戦争や専制的弾圧により、2500万人以上の死者をもたらしたとしている。

ワシントンが現在付き合っている"パートナー"を見ると、これは"本当のアメリカ気質"には無縁の、何か単なる不幸な歴史のいたずらではないことを理解しなければならない。これは、アメリカ権力の本質や、それがいつも機能しているやり方に完全に一致している。ファシズムと独裁が、アメリカの本当の醜い顔なのだ。

恐らく決定的な皮肉は、アメリカに暮らす一般人の圧倒的多数が、今、過度に称賛されている"アメリカ民主主義"の厳しい真実を学び初めていることだ。彼等は身をもって学んでいるのだ。

蔓延する警察国家の暴力、民主主義的権利の崩壊や、大金持ち軍国オリガルヒの制限のない快楽主義という現実に対する、つらい覚醒だ。

記事原文のurl:http://sputniknews.com/columnists/20150409/1020653880.html

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/04/--ac46.html

◆イラン核エネルギー協定: またもや、武力が法律に打ち勝った

2015年4月9日 マスコミに載らない海外記事

Paul Craig Roberts
2015年4月7日

アメリカが画策していたイランの核エネルギー開発を巡る危機を終わらせる約束が書いてあるプーチン、イランと、オバマが作り上げた核エネルギー協定を、イスラエル・ロビーとそのお仲間のネオコン戦犯連中は、できるなら阻止するつもりなのだ。

イスラエルは調印国ではないが、核兵器拡散防止条約調印国として、イランには条約上、核エネルギーを開発する権利がある。条約の全ての署名国中、唯一イランが、協定で認められる権利を、アメリカが押しつけた経済制裁と、アメリカ軍攻撃という脅しで無効にされているのだ。

アメリカ諜報機関も、イランの核濃縮施設を査察した国際原子力機関も、過去十年間、イラン核兵器計画の兆候を報じていない。イラン核兵器計画のいかなる証拠もないのに、狂ったイスラエル政府と、アメリカの権益ではなく、イスラエルの権益を代表するそのネオコン工作員が、ありもしないサダム・フセインの大量破壊兵器と同様、核兵器を巡って、アメリカを、イランとの戦争にほぼ追いやろうとしている。

合意に至った核エネルギー協定は、イランが濃縮ウランを兵器計画に転用する可能性を完全に除去する。ところが、ワシントンの主戦論者とイスラエル・ロビーは、“イランの指導部は信頼できない。”と主張して、協定を阻止しようとしている。

しかしながら本当の疑問は、一体どのような根拠でイランが、ワシントンを信じることができるのかなのだ?

イランは、元ソ連大統領ゴルバチョフに、ワシントンの約束に一体どのような価値があるのか問うべきなのだ。ドイツ統一にゴルバチョフが同意した見返りに、ワシントンは、ゴルバチョフに、NATOは、東に一インチたりとも拡張しないと約束したが、速やかにNATOをロシア国境に進め、今や旧ロシア帝国部分をNATOに取り込もうとしている。

イランは現ロシア大統領プーチンに、ワシントンの約束に一体どれほど価値があるのか問うべきだ。ロシアの戦略的弱さを把握して、ジョージ・W・ブッシュ政権はワシントンがモスクワと調印した対弾道弾ミサイルミサイル協定を破った。協定から離脱して、ワシントンは、ワシントンの先制核攻撃に対する守り神として機能している、ロシア戦略ミサイルの効果が薄めようとして、あっという間にロシア国境に対弾道弾ミサイル基地を建設した。今や先制核攻撃は、ワシントンの改訂ドクトリンの下で許容される政策なのだ。

イランは、第一次世界大戦を終えるのと引き換えに、ウッドロー・ウィルソン大統領がドイツにしたあらゆる約束を破って、ヴェルサイユ条約を強要されたドイツに問うべきだ。広大なドイツ領土の喪失と、ドイツ政府が戦争を開始したわけではないことはまず間違いないのに、強欲かつ軽々しくドイツに押しつけた壊滅的な賠償金のおかげで、直接、第二次世界大戦に至ったが、この戦争も、イギリスとフランスのがドイツに宣戦布告して始まったという事実にもかかわらず、ドイツのせいにされた。

イランはアメリカ・インディアン達に尋ねるべきだ。イロコイ、チェロキー、スー、シャイアン、コマンチ、ネズパース、そしてその他あらゆる先住アメリカ人に、一体いくつの協定をワシントンが守ったかと。もし読者が答えをご存じない場合に申しあげる。皆無だ。ワシントンは、インディアン部族と締結した協定の一つたりとも守らなかった。ワシントンの約束の徹底的な無価値さを十分理解するには、ラルフ・K・アンドリスの本、『The Long Death: Last Days Of The Plains Indian』をお読み願いたい。この本の読者で、ワシントンとのいかなる協定にも、署名する人はいるまい。

ワシントンとの協定は、背信の前奏曲だ。協定で、調印相手は安心するが、ワシントンは調印相手の破滅を準備する。これがワシントンのやり口だ。

ワシントンは今、ワシントンがアメリカ国民にしたメディケアや社会保障の約束を破ろうという過程にある。ワシントンは、こうした制度への資金とする用途が決まっている給与税を、“借用し”、代わりに、非市場性資産、無価値な借用証書に投入し、金を戦争や、メディケアも社会保障も不要なエリート用のばらまきに使い込んでいる。ワシントンは、社会保障とメディケアから、それへの用途が決まっていた歳入を盗んだので、ワシントンは、アメリカ国民向けの医療と老齢保障年金を廃絶する手続きを始めたのだ。現在行われている程の泥棒資本主義を、世界はこれまで経験したことがない。

ワシントンは既に、一部の医療に年齢制限を設け、ワシントンは、詐欺的な消費者価格指数をでっち上げ、退職者達から、生計費調整を奪った。ワシントンの狙いは、こうした制度を民営化し、自分達の資金支援者用に利益を生み出し、ワシントンが見捨てるどうでもよい国民、つまり老人にとって法外な費用にすることだ。

誰もワシントンを信じることはできない。信じない筆頭がアメリカ国民だ。

歴史上、ワシントンの約束は、それが書かれた紙の価値もないことが決定的に証明されている。

ワシントンを信頼したあらゆる人々は裏切られてきた。ひょっとすると、どこかに例外がある可能性はあるが、裏切りの数は膨大で、ワシントンを地球上で最も信じられない組織だと定義するのに十分だ。ワシントン以上に協定を破った組織は現存しない。

イランは、これまで約束を守ったことのない政府との協定を信頼すべきではない。

しかも協定を結ぶ為、イランは核兵器拡散防止条約によってイランに認められた多くの権利を放棄せざるを得なかった。調印国中で、イランのみが差別されてきた。軍事攻撃を避け、経済制裁を解除してもらう為、イランはこの屈辱に同意せざるを得なかったのだ。

核エネルギー協定の本当の重要性は、ワシントンが強制することで、軍事的・経済的攻撃を避けるため、イランに協定上の権利を見送らせるのにまんまと成功したことだ。

言い換えれば、この協定は、主権国家にその権利を放棄するよう要求するのに、ワシントンが力を行使するのを世界が受け入れたもう一つの例だ。ワシントンの覇権がまたしても勝ったのだ。

本当の結果から判断すれば、イラン核エネルギー協定は、人類にとって、もう一つの敗北だ。

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOSTが購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/04/07/iran-nuclear-energy-agreement-force-prevails-law-paul-craig-roberts/

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/04/post-dd28.html

◆ロシア、イランへミサイルシステム輸出解禁 核合意受け

2015年4月14日 朝日新聞

 ロシアのプーチン大統領は13日、イランへの地対空ミサイルシステム「S300」の輸出を解禁する大統領令に署名した。イランが今月2日、米英独仏中ロの6カ国との間で、核開発を制限する「枠組み」合意を結んだことを受けた判断とみられる。ロシア国防省は13日、イランへのS300供給が近く実現するとの見通しを示した。

 ロシアは2010年、イランへの追加制裁を決めた国連安全保障理事会決議を受けて、S300の輸出を禁止していた。このときロシアは、07年にイランと結んだS300の供給契約を破棄していた。(モスクワ=駒木明義)

http://www.asahi.com/articles/ASH4F7DPDH4FUHBI02R.html?ref=rss

S300パトリオットスキーだろう。イスラエルの空爆がしにくくなるね。それどころか最新型のS-300Pは弾道ミサイルの迎撃能力を持つから、配備される数が多くなるとイスラエルのエリコ3戦略弾道弾(射程7000エロと推定)と、ドルフィン級潜水艦から発射される核巡航ミサイルの核報復能力も低下させる。イスラエルの核ミサイルは数が限られるから、10発が迎撃されては。
イスラエルは深刻な安全保障上の脅威と感じるだろう。

◆極右からも極左からも好かれる強面プーチン大統領のヒミツ

2015年02月19日 木村正人 BLOGOS

ウクライナ軍が撤退
ウクライナ東部ドネツク州の要衝デバリツェボでは17日も停戦合意が守られず、戦闘が激化。親露派が地域をほぼ手中に収め、プーチン露大統領はウクライナ政府に同国軍兵士を投降させるよう要請した。

ウクライナ軍は18日、デバリツェボの主要都市から撤退した。これは、どう見てもプーチン大統領の思惑通り、事が進んでいると言わざるを得ない。

プーチン大統領は17日、欧州連合(EU)加盟国ハンガリーの首都ブダペストを訪れ、同国のオルバン首相と会談、今年で契約が切れる天然ガスの供給を継続することで合意した。

クリミア編入強行に端を発するウクライナ危機で、プーチン大統領は昨年6月以降、2国間の首脳会談のためEU加盟国を訪問していなかった。

ロシア・EU関係が緊張する中、ハンガリー市民は抗議のデモ行進を行ったが、オルバン首相はプーチン大統領を歓迎し、こう言った。

「ロシアを欧州から締め出すことは合理的ではないと私たちは確信する。ロシアとの経済協力なしに欧州の競争力を発揮できる、ロシアからのエネルギー供給なしに欧州のエネルギー安全保障が成立すると考えている人は亡霊を追いかけているのと同じだ」

トルコ、ギリシャ、ハンガリーのパイプライン代替案
オルバン首相とプーチン大統領はEUの反対でロシアが断念せざるを得なかった「サウス・ストリーム」(南ルート)ガスパイプラインに代わるパイプライン建設計画を支持する考えを表明した。

トルコからギリシャを経由してハンガリーにロシアの天然ガスを供給するルートだ。

ソ連が軍事介入した1956年のハンガリー動乱の記憶が残っているにもかかわらず、今、ハンガリーでプーチン大統領を支持する人が増えている。

ハンガリーは天然ガスの国内消費量約8割を輸入に依存しており、輸入の約8割をロシアに依存している。昨年1月には、オルバン首相はロシアを訪問し、原子力平和利用に関する協力協定に署名した。

同国唯一の原子力発電所、パクシュ原発の4基は旧ソ連が建設、新たに建設される2基もロシアのロスアトム社が行うことになった。ハンガリーの対ロシア・エネルギー依存は一段と強まる。

オルバン首相は社会主義を崩壊させた民主化組織フィデス(青年民主連盟)の創設メンバーだが、自由民主主義を懐疑するナショナリスト。メディアを規制し、米ワシントンやブリュッセルから批判された。

権威主義的な傾向が強く、プーチン大統領との関係を深めている。2人とも家父長的な臭いを漂わせる。

プーチン大統領絡みの記事をエントリーしていて筆者が感じるのは、日本でもプーチン人気はかなり根強いということだ。天然ガスを絡めたプーチン大統領の人たらしぶりは有名だ。



昨年10月のASEM首脳会議(Councile of EU)

イタリアのベルルスコーニ元首相、ドイツのシュレーダー元首相、フィンランドのリッポネン元首相が天然ガスをエサにプーチン大統領に取り込まれた。

今や、ハンガリーのオルバン首相だけでなく、反緊縮を掲げてユーロ圏を揺るがすギリシャの急進左派連合(SYRIZA)とも気脈を通じる。

SYRIZAはかつて北大西洋条約機構(NATO)からの離脱と、クレタ島の米海軍基地の撤廃を唱えていた。プーチン大統領が泣いて喜びそうな政権がバルカン半島に誕生したわけだ。

もともとEU内でもギリシャとキプロスはロシアの「トロイの木馬」と言われてきた。

欧州にプーチン支持政党続々
プーチン大統領の支持率はクリミア編入を境に急上昇。米世論調査会社ギャラップによると、ロシア国内の支持率は昨年7月に83%を記録した。



 それで驚いていてはいけない。ギリシャ国内のプーチン支持率は35%まで上昇している。それもEU首脳への支持率23%を大幅に上回っている。



シリア軍事介入をめぐり二転三転し、世界をあ然とさせたオバマ米大統領、頼りないフランスのオランド大統領、英国のキャメロン首相と比較して、「武闘派」プーチン大統領は強く見える。

 英誌エコノミストによると、欧州で増殖する極右と極左のポピュリスト政党はプーチン大統領に反対しているどころか、支持しているというのだ。

プーチン大統領を支持するポピュリスト政党は次の通りだ
態度保留は(保留)とした。

【ギリシャ】SYRIZA、極右政党・黄金の夜明け党

【ブルガリア】極右政党・アタッカ

【ハンガリー】排外主義を掲げる極右政党・ヨッビク

【オーストリア】難民受け入れ制限や外国人対策強化を主張する極右政党・自由党

【フランス】極右政党・国民戦線(FN)

【英国】英国国民党(BNP) 英国独立党(UKIP、保留)

【スペイン】新党・ポデモス(Podemos、保留)

【イタリア】北部同盟、ベルルスコーニ元首相が党首を務めるフォルツァ・イタリア

【ドイツ】極右政党・ドイツ国家民主党(NPD)、「ドイツのための同盟(ドイツのための選択肢、AfD)」(保留)

【ベルギー】フラーマス・ベラング(VB、フランデレンの利益)

こうしたポピュリスト政党の多くがEUの欧州議会に議席を持っているため、ロシアに不利に働く政策に反対票を投じる恐れがある。

英紙フィナンシャル・タイムズの著名コラムニスト、ギデオン・ラクマン氏もプーチン大統領の「お友達」について書いている。

【中国の習近平国家主席】天然ガスの開発と供給で利害が一致。

【エジプトのシシ大統領】エジプトは米国がムバラク大統領を見捨てたことに対し、不信感を募らせている。

【トルコのエルドアン大統領】シリア内戦やイランでは方針を異にするが、欧米諸国に対する猜疑心などが一致。性格が合う。

【イスラエルのネタニヤフ首相】オバマ大統領と気が合わないネタニヤフ首相はプーチン大統領とは「相性が良い」と発言。

【南アフリカのズマ大統領】13~14年の15カ月間に4回も会談。ロシアが原発建設へ。

プーチン大統領の特徴は「家父長的」「男性的」「権威主義」「国家資本主義」「地政学重視」「武力の行使をためらわない」「ナショナリスト」「強い国家志向」などだ。

大衆は強いリーダーに憧れ、国家指導者も本音で話のできる強いリーダーシップを求めている。西洋が衰退し、不確実性が増す中、プーチン人気は国内外で上昇している。

http://blogos.com/article/105937/

◆【世界を斬る】同盟国・イスラエルへの裏切り 「オバマ外交」は対岸の火事ではない

2015.03.25 zakzak

 オバマ大統領と米議会の関係が、イラン問題や新しい司法長官の任命などをめぐって、ますます険悪になっている。安倍晋三政権が力を入れているTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)は、来年11月の大統領選挙後まで先延ばしになりそうな状況だ。

 「微妙な問題なので名前をださないでほしい」という条件で、共和党の実力者で通商問題の専門家でもある友人が次のように指摘した。

 「共和党だけでなく、民主党の議員の多くも、オバマ氏にこれ以上、力を与えるべきではないと考えている。自由貿易協定は、オバマ氏に大きな特権を与えることになるので、もってのほかだという考え方が強い」

 私の知り合いの保守系のジャーナリストも「与党・民主党のなかですら、ファストトラックに反対する声が強い」と言っている。ファストトラックとは、大統領が貿易協定などを批准する際、議会側がその内容にまったく口をはさまず、単に賛成か反対か、議決だけを行う制度。ファストトラックを認められた大統領は、強大な通商上の権限を与えられる。

 ワシントンで「これ以上、オバマ氏に政治力を与えてはならない」という声が強くなっているのは、外交、内政、人事などあらゆる分野で、オバマ氏が頻繁に大統領特権を発動しているからだ。オバマ氏は議会に諮らないまま移民法を改正したり、イランに対する制裁措置をやめようとしたりしている。

 こうしたオバマ氏の過激な行動に、野党の共和党だけでなく民主党の議員も反発し始めている。

 オバマ氏は大統領としての任期が2年足らず、実質的には予備選挙が始まるまで残り1年になり、何とか歴史に名を残そうと焦っている。ワシントンでは、そうしたオバマ氏に貿易協定を結ばせ、これ以上勝手な行動をとる政治力を与えることはできないという雰囲気になっている。

 「安倍首相が4月末にやってきてオバマ氏と首脳会談を行うと聞いたが、日本政府はオバマ氏の外交に特に懸念しなければならない状況になっていることに気がついていないのではないか」

 共和党の友人は、私にこう言って次のように指摘した。

 「オバマ氏は長年、米国の友人で同盟国のイスラエルを裏切り、米国が40年間、5人の大統領が全力をあげて戦ってきたイランと友好的な関係を結ぼうとしている。オバマ氏はこれまでもエジプトなど米国の味方であった国を裏切ってきた」

 イスラエルは、オバマ氏の裏切りで、イランの核兵器の脅威にさらされている。イスラエルの立場は、日本にとって決して対岸の火事ではない。

 オバマ氏がホワイトハウスにいるかぎり、米国が友好国・日本を中国の侵略的な行動から無条件で守ってくれる可能性は極めて少ないのである。

 ■日高義樹(ひだか・よしき) 1935年、名古屋市生まれ。東京大学英文科卒。59年NHKに入局し、ワシントン支局長、理事待遇アメリカ総局長を歴任。退職後、ハーバード大学客員教授・同大諮問委員を経て、現在はハドソン研究所首席研究員、全米商工会議所会長顧問。

http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150324/dms1503241726010-n1.htm