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国内政治に挫折したオバマが新冷戦時代を創作する ③

2015-04-22 05:38:31 | 資料

フランス諜報機関:ロシアはウクライナ侵攻を準備しなかった

2015年04月11日 Sputnik 日本

フランスの諜報機関によれば、ロシアがウクライナ侵攻を準備したことはない。諜報機関の長官で大将のクリストフ・ゴマル氏がフランス国民会議で登壇し、述べた。
「ロシア人らは軍事的な侵攻を行う下地となったはずの野戦病院など後列組織や司令部は設置しなかったと、我々は確かに突き止めた。後方支援部隊は一度も定位置を動かなかった」と大将。

大将によれば、ロシア兵がウクライナに認められたとしても、それはウクライナのポロシェンコ大統領に圧力をかけるための陽動であり、軍事侵攻の試みではない、という。

大将によれば、米国の諜報機関は、NATOの権威を借りて、ロシア軍のウクライナ侵攻に関する虚偽の証拠を提出していた。

http://jp.sputniknews.com/politics/20150411/183397.html#ixzz3X4lVJCay

2014年2月23日ウクライナの国会である「最高会議」はヤヌコヴィッチ大統領の罷免を決議した。
其れより前2月上旬に、既にヌーランド国務長官補の通話記録がメディアに暴露されていた。まだウクライナ政変が行われる前である。

その中でウクライナの政府指導者などをアメリカ側が事前に選出していたことが分っている。「ヤツェニュクが将来の政府のトップとして最適だ。クリチコとチャグニボクは蚊帳の外にいるほうがよい。国連がまとめ役であるのはよいことだ」等と話していた。

ちなみに、ジェニファー・プサーキ国務省報道官らは、この通話記録を本物だと認めた。また、「ヌーランド長官補はEUの外交官らに対して謝罪をした」とも報道されている。

ウクライナの議員が「欧米のスパイが反体制派に100億ドルを支援した」と暴露している。
またウクライナでも今回の会話をきっかけに憤りがつのっており、ウクライナ人民解放運動のサイト上では、「米国はどの野党がどのような役割を果たすべきかを直接指図している。国務省と米国大使が、ウクライナ政府に入るべき人物を選び、どのような話し合いが行われるかまで決定しているのだ。」と指摘されている。

ウクライナのコレスニチェンコ地域党議員はウクライナで起こっている出来事は、「欧州と米国が計画したクーデターだ」と述べている。

しかも、ウクライナでシェールガスの採掘権を持っている企業・BURISMAの取締役に、バイデン米副大統領の次男が就任した。どう言い逃れして全てをロシアに転嫁しようとしても、これだけの証拠が揃っているのである。むしろ経済制裁を受けるべきは米国自身ではないのか。

◆ファシズムと独裁 - 暴露されたアメリカ権力

2015年4月11日  マスコミに載らない海外記事

Finian Cunningham

2015年4月9日
"Sputnik"

ウクライナで民族浄化を進めるネオナチと、アラブの独裁者による貧しいイエメン爆撃をアメリカが同時に支援しているのは、アメリカ権力ありのままの本質の証明だ。愛想良過ぎるうぬぼれや、高潔な見せ掛けを脱ぎ捨てた、ワシントンはファシズムで独裁だという醜い顔だ。

ウクライナとイエメンは、人によっては無関係の戦場の様に見えるかも知れない。決してそんなことはない。アメリカが支援する無法さと蛮行が、両国でたけり狂っているのは、アメリカ権力が実際世界の中でどう動くかという積分関数だ。最近の異常な現象ではなく、資本主義における、アメリカ支配階級が機能する仕方の原理にさかのぼる。

アメリカのパートナーの実際を検証しよう。最初にイエメン、次にウクライナ、そして最後に、体系的なつながりをまとめよう。

イエメンで一般市民死亡者数が増大する中、救援機関は、アラビア半島の国における人道的大惨事を警告している。荒廃した病院は負傷者の群れに対処できずにいるが、その多くが酷い火傷を負っている子供達だ。

ところが、今週ワシントンは、ほぼ二週間にわたって、イエメンを爆撃してきたサウジアラビアが率いるアラブ諸国連合への武器供給を強化すると発表した。

スティーブ・ウォーレンアメリカ陸軍大佐は、兵器は"我々のパートナーに既に存在している物[原文通り]と、若干の新たな要求の組み合わせ"だと発言した。

アサウジアラビアが率いる対イエメン大空爆でのアメリカの"パートナー"には、ペルシャ湾君主国のカタール、クウェート、バーレーンやアラブ首長国連邦、更にヨルダンやエジプトがいる。

こうした国全て、人権と言論の自由が容赦なく弾圧されている独裁制だ。

つい今週、サウジアラビアとバーレン国軍は、単に彼等がイエメン爆撃に反対する抗議の声を上げたという理由での悪質な弾圧で、多くの自国民を監獄に放り込んだ。

アメリカが "パートナー"に供給した兵器の中で、 地域安全保障の名目で、イエメンの子供達や家族を殺害しているものには、弾薬、爆弾や精密誘導ミサイルがある。後者の装備は、マックラッチー・ニュース報道によれば、"イエメン国内に、標的情報を知らせるサウジアラビア連合国の兵士がいないことを補う為の"ものだ。

これは、アメリカが支援する外国空爆は、イエメン国内からの負託が、ほとんどないか、皆無であることの遠回しの告白だ。だから、この爆撃作戦は、まさにありのままのものだ。露骨な外国侵略で、1946年のナチス戦犯ニュルンベルク裁判の際に規定された通り、最高の戦争犯罪だ。

更に多くのアメリカ製"精密誘導ミサイル"がイエメンに着弾すれば、自宅が過去二週間で破壊された家族にたいした慰安をもたらすことはあるまい。今週 サウジアラビアの空爆が、北イエメン、サーダ州アナトの自宅に命中した際、九人家族が全滅させられた。アメリカの兵器で虐殺されつつある膨大な無辜の犠牲者の一例に過ぎない。

アメリカの空中給油機が、イエメンを攻撃している、アメリカが供給した何百機ものF15戦闘機に給油をしている。しかしながら、ペンタゴンの広報担当官は、マスコミに、今週、空中給油機は、"イエメン空域外で"、アラブの戦闘機に給油したと語った。この違いが、残虐な侵略に対するアメリカの関与をどうにか軽減するかのごとく。これは、元大統領ビル・クリントンが、かつて、マリファナを吸ったことを認めたが、"吸い込みはしなかった"といった馬鹿げた例と同じだ。"そう、爆撃機に給油はしているが、イエメン空域を吸い込んではいない。"

爆弾とミサイルに加え、サウジアラビアが率いる爆撃同盟との"諜報情報共有"を強固にすべく、米国務副長官トニー・ブリンケンが、今週サウジアラビアの首都リヤドを訪れた。"空爆作戦を監督する為"サウジアラビアに新たに設置されたアメリカ"協同ジョイント・センター" はサム・バンディー海兵隊少将に率いられている。もし更なる証明が必要なのであれば、これだ、ワシントンこそ、イエメンのこの国際的集団強姦の頭脳役であることを示している。

専制的支配に対する批判の声をあえて上げる人々を誰でも、投獄したり、首を切ったりする政権であるサウジアラビア王家に歓待されて、"サウジアラビアは、フーシ派[反政府派]やその同盟者に対して、武力でイエメンを制圧することはできないという強いメッセージを送っている"と、ブリンケンは述べた。

反政府派は、イエメンを武力で制圧することはできないというブリンケンの"強いメッセージ"への正しい反論は"なぜ駄目なのか?"だ。結局、アメリカは、いつも武力で国々を制圧し、その過程で、何百万人もの人々を殺害する。イラク、アフガニスタンやリビアで。そしてアメリカのサウジアラビア・パートナーは、過去四年間で、シリアで、斬首するワッハーブ派テロリストを支援し、同じ "力による制圧"をしようとしてきたのだ。

いずれにせよ、アメリカとサウジアラビアが支援した傀儡の元大統領アブド・ラッボ・マンスール・ハーディに対してフーシ派が率いる蜂起はイエメン国民の間で広汎な支持を受けている。ハーディはイエメンから二週間前に逃亡し、サウジアラビア王室の豪華な避難所を利用し、そこから"フーシ派を打ち破る"という名目で自国空爆を呼びかけている。

ワシントンとリヤドの後援者が彼に与えた偽りのイメージ以外、この傀儡には何の負託も信憑性も無い。イエメン国民は、彼を追い出し、帰国を望んではいない。ロンドンを本拠とするフィナンシャル・タイムズさえも今週こう報じた。"不在の大統領が攻撃に喝さいすることに、イエメン人の怒りは高まっている"。
だから、これはワシントン・グローバル権力の独裁装置だ。グローバル権力のもう一つの四肢は、ウクライナではっきりと見られる様に ネオナチ・ファシズムだ。つまり欧米の新たなプロパガンダ・サービスを、読んだり見たりしない限りはだが。

今週、2014年2月、違法なクーデターで権力の座についたキエフに欧米が据えつけた政権は、ファシスト準軍事組織右派セクターの指導者を、ウクライナ国軍"主席顧問"に任命した。ナチスSS風右派セクターが、東ウクライナで、昨年、民間人に対しておかした罪で、ドミトリー・ヤロシが、インターポールのお尋ね者リストに載っている事実にもかかわらずのこの抜擢だ。

ヤロシと彼の準軍事部隊は、首相や大統領を含むキエフ政権幹部同様、過去のウクライナ人ファシストを崇拝し、賛美している。こうした"英雄" ファシスト達は、第二次世界大戦中、何百万人もの同胞ウクライナ人、ポーランド人、ハンガリー人、ジプシー、ユダヤ人、ロシア人や他の人々の絶滅で、ナチス国防軍に協力した。

今や、キエフが運営する秘密警察SBUも、ナチスと協力していた、かつてステパン・バンデーラが率いたウクライナ民族主義者組織が用いていた組織的手法を採用していると、あからさまに発表している。

しかも、欧米が支援するオリガルヒ大統領ペトロ・ポロシェンコは、戒厳令の下で、彼の治安部隊に、ウクライナ国内の"テロの脅威"と見なされたロシア人の一斉拘留を認める "特別権力"の採用に動いている。これに、全てのロシア語映画、ドキュメンタリーや、マスコミを禁じる最近のポロシェンコの政令が続いた。

これは全て、ワシントンが、キエフに据えつけた政権の2014年2月20日の、CIAによる残虐な汚い手口の悪名高い狙撃兵による銃撃や、ロシアやロシア人に対するイデオロギー的憎悪が原因だ。

これは、ナチスの最終的解決策の一環として"人間以下の"ロシア人を絶滅することが任務だった第二次世界大戦中のウクライナ人"英雄"のファシスト・イデオロギーと首尾一貫している。

アメリカ政府は、キエフの支配下にあるファシスト武装部隊に、兵器、装備や軍教官を提供している。これらの勢力は、現在、東ウクライナで行われている脆弱な停戦を絶えず壊そうとしている。ロシアのセルゲイ・ラブロフ外務大臣は、事実上、停戦違反を助け、あおっているとして、ワシントンを非難した。

ワシントンが、世界のどこででも、とどまるところを知らない覇権に、あえて反抗するいかなる国家に対し、勝手に行っている様に、かねての、ロシアを不安定化し、最終的に、モスクワで"政権転覆" を引き起こすという、大局的な戦略的視点から、アメリカは、事実上のネオナチ雑兵に、東ウクライナにおいて敵意を復旧させたがっているのではないかという疑念がある。
現在、こうした連中は、ワシントンが完全に一体化した間違えようのない闇の勢力で、あからさま、かつ遠慮の無い、ファシズムと独裁だ。
世界中の多くの人々にとって、こうした歴史的協力は混乱させるものに見えるかも知れない。彼等は信じられない様子で、悲しげに反応する。"しかし、アメリカは自由の国で、自由世界の擁護者で、民主主義、国際的な法の支配や人権の公布者ではないたろうか?"

慢性的洗脳を離脱する頃合いだ。アメリカ合州国は常に金権政治で、帝国主義怪獣で、完全覇権という地政学的目的を実現する為、ファシズムと独裁に依存しているのだ。北米先住民絶滅は、アフリカ人奴隷や彼らの末裔の大量虐殺によって続けられ、メキシコ、中米、カリブ諸国やフィリピンの初期の植民地征服に至ったものの口火にすぎなかった。

後に、アメリカの資本家エリート連中は、1920年代と30年代に、社会主義運動を弾圧し、利益を最大化する為に、ナチス・ドイツを含むヨーロッパ・ファシズムと、ひそかに協力していた。この秘密政策は、ならずものファシスト属国を打ち破る為という必要な戦術的理由から、第二次世界大戦中には中断されていた。しかし、戦争が終わると、ギリシャ、トルコや、ソ連の敵陣背後、主として、ウクライナのファシズムに対するアメリカによる支援という形で、すぐさま復活した。

CIAは、ドイツ国防軍の工作員や協力者を採用し、1950年代と60年代、対ソ連の妨害工作実行者や、テロリストとして配置した。現在のアメリカによるキエフのネオナチ支援は、それゆえ、体系的政策の継続以外の何者でもない。

冷戦中、ワシントンは、中南米から、アフリカ、アジアに到るまで、世界中のあらゆる場所で、ファシストや軍独裁者と協力してきた。

民主的に選出された政権の転覆や、民主主義推進運動の残虐な弾圧は、アメリカ"支配者民族"にとって標準的作業手順だった。アメリカは自称"明白なる運命、マニフェスト・ディスティニー"を持った"例外的な国"なのだ。

ソ連に対する冷戦確執再開など、どれほど民主主義や人権を酷い犠牲にしようとも、アメリカ覇権を断固追求という本当の核心につじつまを合わせる作り話に過ぎない。

アメリカ人歴史家のウイリアム・ブルムは、ワシントンは、50年間におよぶ冷戦中に、世界中で、50以上の合法的政府の打倒に関与し、現在、ウクライナ、サウジアラビア、バーレーン、エジプトや他のアメリカ"パートナー"独裁政治で見られるような、アメリカが生み出した内戦、侵略戦争、汚い反乱鎮圧戦争や専制的弾圧により、2500万人以上の死者をもたらしたとしている。

ワシントンが現在付き合っている"パートナー"を見ると、これは"本当のアメリカ気質"には無縁の、何か単なる不幸な歴史のいたずらではないことを理解しなければならない。これは、アメリカ権力の本質や、それがいつも機能しているやり方に完全に一致している。ファシズムと独裁が、アメリカの本当の醜い顔なのだ。

恐らく決定的な皮肉は、アメリカに暮らす一般人の圧倒的多数が、今、過度に称賛されている"アメリカ民主主義"の厳しい真実を学び初めていることだ。彼等は身をもって学んでいるのだ。

蔓延する警察国家の暴力、民主主義的権利の崩壊や、大金持ち軍国オリガルヒの制限のない快楽主義という現実に対する、つらい覚醒だ。

記事原文のurl:http://sputniknews.com/columnists/20150409/1020653880.html

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/04/--ac46.html

◆イラン核エネルギー協定: またもや、武力が法律に打ち勝った

2015年4月9日 マスコミに載らない海外記事

Paul Craig Roberts
2015年4月7日

アメリカが画策していたイランの核エネルギー開発を巡る危機を終わらせる約束が書いてあるプーチン、イランと、オバマが作り上げた核エネルギー協定を、イスラエル・ロビーとそのお仲間のネオコン戦犯連中は、できるなら阻止するつもりなのだ。

イスラエルは調印国ではないが、核兵器拡散防止条約調印国として、イランには条約上、核エネルギーを開発する権利がある。条約の全ての署名国中、唯一イランが、協定で認められる権利を、アメリカが押しつけた経済制裁と、アメリカ軍攻撃という脅しで無効にされているのだ。

アメリカ諜報機関も、イランの核濃縮施設を査察した国際原子力機関も、過去十年間、イラン核兵器計画の兆候を報じていない。イラン核兵器計画のいかなる証拠もないのに、狂ったイスラエル政府と、アメリカの権益ではなく、イスラエルの権益を代表するそのネオコン工作員が、ありもしないサダム・フセインの大量破壊兵器と同様、核兵器を巡って、アメリカを、イランとの戦争にほぼ追いやろうとしている。

合意に至った核エネルギー協定は、イランが濃縮ウランを兵器計画に転用する可能性を完全に除去する。ところが、ワシントンの主戦論者とイスラエル・ロビーは、“イランの指導部は信頼できない。”と主張して、協定を阻止しようとしている。

しかしながら本当の疑問は、一体どのような根拠でイランが、ワシントンを信じることができるのかなのだ?

イランは、元ソ連大統領ゴルバチョフに、ワシントンの約束に一体どのような価値があるのか問うべきなのだ。ドイツ統一にゴルバチョフが同意した見返りに、ワシントンは、ゴルバチョフに、NATOは、東に一インチたりとも拡張しないと約束したが、速やかにNATOをロシア国境に進め、今や旧ロシア帝国部分をNATOに取り込もうとしている。

イランは現ロシア大統領プーチンに、ワシントンの約束に一体どれほど価値があるのか問うべきだ。ロシアの戦略的弱さを把握して、ジョージ・W・ブッシュ政権はワシントンがモスクワと調印した対弾道弾ミサイルミサイル協定を破った。協定から離脱して、ワシントンは、ワシントンの先制核攻撃に対する守り神として機能している、ロシア戦略ミサイルの効果が薄めようとして、あっという間にロシア国境に対弾道弾ミサイル基地を建設した。今や先制核攻撃は、ワシントンの改訂ドクトリンの下で許容される政策なのだ。

イランは、第一次世界大戦を終えるのと引き換えに、ウッドロー・ウィルソン大統領がドイツにしたあらゆる約束を破って、ヴェルサイユ条約を強要されたドイツに問うべきだ。広大なドイツ領土の喪失と、ドイツ政府が戦争を開始したわけではないことはまず間違いないのに、強欲かつ軽々しくドイツに押しつけた壊滅的な賠償金のおかげで、直接、第二次世界大戦に至ったが、この戦争も、イギリスとフランスのがドイツに宣戦布告して始まったという事実にもかかわらず、ドイツのせいにされた。

イランはアメリカ・インディアン達に尋ねるべきだ。イロコイ、チェロキー、スー、シャイアン、コマンチ、ネズパース、そしてその他あらゆる先住アメリカ人に、一体いくつの協定をワシントンが守ったかと。もし読者が答えをご存じない場合に申しあげる。皆無だ。ワシントンは、インディアン部族と締結した協定の一つたりとも守らなかった。ワシントンの約束の徹底的な無価値さを十分理解するには、ラルフ・K・アンドリスの本、『The Long Death: Last Days Of The Plains Indian』をお読み願いたい。この本の読者で、ワシントンとのいかなる協定にも、署名する人はいるまい。

ワシントンとの協定は、背信の前奏曲だ。協定で、調印相手は安心するが、ワシントンは調印相手の破滅を準備する。これがワシントンのやり口だ。

ワシントンは今、ワシントンがアメリカ国民にしたメディケアや社会保障の約束を破ろうという過程にある。ワシントンは、こうした制度への資金とする用途が決まっている給与税を、“借用し”、代わりに、非市場性資産、無価値な借用証書に投入し、金を戦争や、メディケアも社会保障も不要なエリート用のばらまきに使い込んでいる。ワシントンは、社会保障とメディケアから、それへの用途が決まっていた歳入を盗んだので、ワシントンは、アメリカ国民向けの医療と老齢保障年金を廃絶する手続きを始めたのだ。現在行われている程の泥棒資本主義を、世界はこれまで経験したことがない。

ワシントンは既に、一部の医療に年齢制限を設け、ワシントンは、詐欺的な消費者価格指数をでっち上げ、退職者達から、生計費調整を奪った。ワシントンの狙いは、こうした制度を民営化し、自分達の資金支援者用に利益を生み出し、ワシントンが見捨てるどうでもよい国民、つまり老人にとって法外な費用にすることだ。

誰もワシントンを信じることはできない。信じない筆頭がアメリカ国民だ。

歴史上、ワシントンの約束は、それが書かれた紙の価値もないことが決定的に証明されている。

ワシントンを信頼したあらゆる人々は裏切られてきた。ひょっとすると、どこかに例外がある可能性はあるが、裏切りの数は膨大で、ワシントンを地球上で最も信じられない組織だと定義するのに十分だ。ワシントン以上に協定を破った組織は現存しない。

イランは、これまで約束を守ったことのない政府との協定を信頼すべきではない。

しかも協定を結ぶ為、イランは核兵器拡散防止条約によってイランに認められた多くの権利を放棄せざるを得なかった。調印国中で、イランのみが差別されてきた。軍事攻撃を避け、経済制裁を解除してもらう為、イランはこの屈辱に同意せざるを得なかったのだ。

核エネルギー協定の本当の重要性は、ワシントンが強制することで、軍事的・経済的攻撃を避けるため、イランに協定上の権利を見送らせるのにまんまと成功したことだ。

言い換えれば、この協定は、主権国家にその権利を放棄するよう要求するのに、ワシントンが力を行使するのを世界が受け入れたもう一つの例だ。ワシントンの覇権がまたしても勝ったのだ。

本当の結果から判断すれば、イラン核エネルギー協定は、人類にとって、もう一つの敗北だ。

Paul Craig Robertsは、元経済政策担当の財務次官補で、ウオール・ストリート・ジャーナルの元共同編集者。ビジネス・ウィーク、スクリプス・ハワード・ニュー ズ・サービスと、クリエーターズ・シンジケートの元コラムニスト。彼は多数の大学で教えていた。彼のインターネット・コラムは世界中の支持者が読んでいる。彼の新刊、The Failure of Laissez Faire Capitalism and Economic Dissolution of the West、HOW AMERICA WAS LOSTが購入可能。

記事原文のurl:http://www.paulcraigroberts.org/2015/04/07/iran-nuclear-energy-agreement-force-prevails-law-paul-craig-roberts/

http://eigokiji.cocolog-nifty.com/blog/2015/04/post-dd28.html

◆ロシア、イランへミサイルシステム輸出解禁 核合意受け

2015年4月14日 朝日新聞

 ロシアのプーチン大統領は13日、イランへの地対空ミサイルシステム「S300」の輸出を解禁する大統領令に署名した。イランが今月2日、米英独仏中ロの6カ国との間で、核開発を制限する「枠組み」合意を結んだことを受けた判断とみられる。ロシア国防省は13日、イランへのS300供給が近く実現するとの見通しを示した。

 ロシアは2010年、イランへの追加制裁を決めた国連安全保障理事会決議を受けて、S300の輸出を禁止していた。このときロシアは、07年にイランと結んだS300の供給契約を破棄していた。(モスクワ=駒木明義)

http://www.asahi.com/articles/ASH4F7DPDH4FUHBI02R.html?ref=rss

S300パトリオットスキーだろう。イスラエルの空爆がしにくくなるね。それどころか最新型のS-300Pは弾道ミサイルの迎撃能力を持つから、配備される数が多くなるとイスラエルのエリコ3戦略弾道弾(射程7000エロと推定)と、ドルフィン級潜水艦から発射される核巡航ミサイルの核報復能力も低下させる。イスラエルの核ミサイルは数が限られるから、10発が迎撃されては。
イスラエルは深刻な安全保障上の脅威と感じるだろう。

◆極右からも極左からも好かれる強面プーチン大統領のヒミツ

2015年02月19日 木村正人 BLOGOS

ウクライナ軍が撤退
ウクライナ東部ドネツク州の要衝デバリツェボでは17日も停戦合意が守られず、戦闘が激化。親露派が地域をほぼ手中に収め、プーチン露大統領はウクライナ政府に同国軍兵士を投降させるよう要請した。

ウクライナ軍は18日、デバリツェボの主要都市から撤退した。これは、どう見てもプーチン大統領の思惑通り、事が進んでいると言わざるを得ない。

プーチン大統領は17日、欧州連合(EU)加盟国ハンガリーの首都ブダペストを訪れ、同国のオルバン首相と会談、今年で契約が切れる天然ガスの供給を継続することで合意した。

クリミア編入強行に端を発するウクライナ危機で、プーチン大統領は昨年6月以降、2国間の首脳会談のためEU加盟国を訪問していなかった。

ロシア・EU関係が緊張する中、ハンガリー市民は抗議のデモ行進を行ったが、オルバン首相はプーチン大統領を歓迎し、こう言った。

「ロシアを欧州から締め出すことは合理的ではないと私たちは確信する。ロシアとの経済協力なしに欧州の競争力を発揮できる、ロシアからのエネルギー供給なしに欧州のエネルギー安全保障が成立すると考えている人は亡霊を追いかけているのと同じだ」

トルコ、ギリシャ、ハンガリーのパイプライン代替案
オルバン首相とプーチン大統領はEUの反対でロシアが断念せざるを得なかった「サウス・ストリーム」(南ルート)ガスパイプラインに代わるパイプライン建設計画を支持する考えを表明した。

トルコからギリシャを経由してハンガリーにロシアの天然ガスを供給するルートだ。

ソ連が軍事介入した1956年のハンガリー動乱の記憶が残っているにもかかわらず、今、ハンガリーでプーチン大統領を支持する人が増えている。

ハンガリーは天然ガスの国内消費量約8割を輸入に依存しており、輸入の約8割をロシアに依存している。昨年1月には、オルバン首相はロシアを訪問し、原子力平和利用に関する協力協定に署名した。

同国唯一の原子力発電所、パクシュ原発の4基は旧ソ連が建設、新たに建設される2基もロシアのロスアトム社が行うことになった。ハンガリーの対ロシア・エネルギー依存は一段と強まる。

オルバン首相は社会主義を崩壊させた民主化組織フィデス(青年民主連盟)の創設メンバーだが、自由民主主義を懐疑するナショナリスト。メディアを規制し、米ワシントンやブリュッセルから批判された。

権威主義的な傾向が強く、プーチン大統領との関係を深めている。2人とも家父長的な臭いを漂わせる。

プーチン大統領絡みの記事をエントリーしていて筆者が感じるのは、日本でもプーチン人気はかなり根強いということだ。天然ガスを絡めたプーチン大統領の人たらしぶりは有名だ。



昨年10月のASEM首脳会議(Councile of EU)

イタリアのベルルスコーニ元首相、ドイツのシュレーダー元首相、フィンランドのリッポネン元首相が天然ガスをエサにプーチン大統領に取り込まれた。

今や、ハンガリーのオルバン首相だけでなく、反緊縮を掲げてユーロ圏を揺るがすギリシャの急進左派連合(SYRIZA)とも気脈を通じる。

SYRIZAはかつて北大西洋条約機構(NATO)からの離脱と、クレタ島の米海軍基地の撤廃を唱えていた。プーチン大統領が泣いて喜びそうな政権がバルカン半島に誕生したわけだ。

もともとEU内でもギリシャとキプロスはロシアの「トロイの木馬」と言われてきた。

欧州にプーチン支持政党続々
プーチン大統領の支持率はクリミア編入を境に急上昇。米世論調査会社ギャラップによると、ロシア国内の支持率は昨年7月に83%を記録した。



 それで驚いていてはいけない。ギリシャ国内のプーチン支持率は35%まで上昇している。それもEU首脳への支持率23%を大幅に上回っている。



シリア軍事介入をめぐり二転三転し、世界をあ然とさせたオバマ米大統領、頼りないフランスのオランド大統領、英国のキャメロン首相と比較して、「武闘派」プーチン大統領は強く見える。

 英誌エコノミストによると、欧州で増殖する極右と極左のポピュリスト政党はプーチン大統領に反対しているどころか、支持しているというのだ。

プーチン大統領を支持するポピュリスト政党は次の通りだ
態度保留は(保留)とした。

【ギリシャ】SYRIZA、極右政党・黄金の夜明け党

【ブルガリア】極右政党・アタッカ

【ハンガリー】排外主義を掲げる極右政党・ヨッビク

【オーストリア】難民受け入れ制限や外国人対策強化を主張する極右政党・自由党

【フランス】極右政党・国民戦線(FN)

【英国】英国国民党(BNP) 英国独立党(UKIP、保留)

【スペイン】新党・ポデモス(Podemos、保留)

【イタリア】北部同盟、ベルルスコーニ元首相が党首を務めるフォルツァ・イタリア

【ドイツ】極右政党・ドイツ国家民主党(NPD)、「ドイツのための同盟(ドイツのための選択肢、AfD)」(保留)

【ベルギー】フラーマス・ベラング(VB、フランデレンの利益)

こうしたポピュリスト政党の多くがEUの欧州議会に議席を持っているため、ロシアに不利に働く政策に反対票を投じる恐れがある。

英紙フィナンシャル・タイムズの著名コラムニスト、ギデオン・ラクマン氏もプーチン大統領の「お友達」について書いている。

【中国の習近平国家主席】天然ガスの開発と供給で利害が一致。

【エジプトのシシ大統領】エジプトは米国がムバラク大統領を見捨てたことに対し、不信感を募らせている。

【トルコのエルドアン大統領】シリア内戦やイランでは方針を異にするが、欧米諸国に対する猜疑心などが一致。性格が合う。

【イスラエルのネタニヤフ首相】オバマ大統領と気が合わないネタニヤフ首相はプーチン大統領とは「相性が良い」と発言。

【南アフリカのズマ大統領】13~14年の15カ月間に4回も会談。ロシアが原発建設へ。

プーチン大統領の特徴は「家父長的」「男性的」「権威主義」「国家資本主義」「地政学重視」「武力の行使をためらわない」「ナショナリスト」「強い国家志向」などだ。

大衆は強いリーダーに憧れ、国家指導者も本音で話のできる強いリーダーシップを求めている。西洋が衰退し、不確実性が増す中、プーチン人気は国内外で上昇している。

http://blogos.com/article/105937/

◆【世界を斬る】同盟国・イスラエルへの裏切り 「オバマ外交」は対岸の火事ではない

2015.03.25 zakzak

 オバマ大統領と米議会の関係が、イラン問題や新しい司法長官の任命などをめぐって、ますます険悪になっている。安倍晋三政権が力を入れているTPP(環太平洋戦略的経済連携協定)は、来年11月の大統領選挙後まで先延ばしになりそうな状況だ。

 「微妙な問題なので名前をださないでほしい」という条件で、共和党の実力者で通商問題の専門家でもある友人が次のように指摘した。

 「共和党だけでなく、民主党の議員の多くも、オバマ氏にこれ以上、力を与えるべきではないと考えている。自由貿易協定は、オバマ氏に大きな特権を与えることになるので、もってのほかだという考え方が強い」

 私の知り合いの保守系のジャーナリストも「与党・民主党のなかですら、ファストトラックに反対する声が強い」と言っている。ファストトラックとは、大統領が貿易協定などを批准する際、議会側がその内容にまったく口をはさまず、単に賛成か反対か、議決だけを行う制度。ファストトラックを認められた大統領は、強大な通商上の権限を与えられる。

 ワシントンで「これ以上、オバマ氏に政治力を与えてはならない」という声が強くなっているのは、外交、内政、人事などあらゆる分野で、オバマ氏が頻繁に大統領特権を発動しているからだ。オバマ氏は議会に諮らないまま移民法を改正したり、イランに対する制裁措置をやめようとしたりしている。

 こうしたオバマ氏の過激な行動に、野党の共和党だけでなく民主党の議員も反発し始めている。

 オバマ氏は大統領としての任期が2年足らず、実質的には予備選挙が始まるまで残り1年になり、何とか歴史に名を残そうと焦っている。ワシントンでは、そうしたオバマ氏に貿易協定を結ばせ、これ以上勝手な行動をとる政治力を与えることはできないという雰囲気になっている。

 「安倍首相が4月末にやってきてオバマ氏と首脳会談を行うと聞いたが、日本政府はオバマ氏の外交に特に懸念しなければならない状況になっていることに気がついていないのではないか」

 共和党の友人は、私にこう言って次のように指摘した。

 「オバマ氏は長年、米国の友人で同盟国のイスラエルを裏切り、米国が40年間、5人の大統領が全力をあげて戦ってきたイランと友好的な関係を結ぼうとしている。オバマ氏はこれまでもエジプトなど米国の味方であった国を裏切ってきた」

 イスラエルは、オバマ氏の裏切りで、イランの核兵器の脅威にさらされている。イスラエルの立場は、日本にとって決して対岸の火事ではない。

 オバマ氏がホワイトハウスにいるかぎり、米国が友好国・日本を中国の侵略的な行動から無条件で守ってくれる可能性は極めて少ないのである。

 ■日高義樹(ひだか・よしき) 1935年、名古屋市生まれ。東京大学英文科卒。59年NHKに入局し、ワシントン支局長、理事待遇アメリカ総局長を歴任。退職後、ハーバード大学客員教授・同大諮問委員を経て、現在はハドソン研究所首席研究員、全米商工会議所会長顧問。

http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150324/dms1503241726010-n1.htm


国内政治に挫折したオバマが新冷戦時代を創作する ②

2015-04-20 05:18:42 | 資料

BRICSにおける友人と影響力を失ったオバマ大統領

2014.04.22(火) Financial Times  JB PRESS

(2014年4月21日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

 バラク・オバマ氏は米国の大統領に就任した時、世界の主要な新興国に対し、関係改善に向けた新たな提案を行うことを約束した。ところが今、BRICS――ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ共和国――の各国は、米国と仲たがいしたり対立したりするに至っている。

 国連で先月行われた、ロシアのクリミア併合を非難する決議の投票では、ロシア以外のBRICS諸国4カ国がすべて棄権に回った。

 また、インドの新首相に来月選ばれる公算が大きいナレンドラ・モディ氏は、「ニューヨークでの国連の会議に出席する以外、米国を訪問することに関心はない」と公言している。世界最大の民主主義国であり、主要な新興国の中では米国にとって最も自然な同盟相手であるインドがこの状況では、先が思いやられる。

 オバマ氏は一体全体、どのような過程を経てBRICSを失ってしまったのだろうか。

プーチン大統領復帰でロシアとの「リセット」はぱあ、「G2」は中国に断られ・・・

 これには避けがたい側面もあった。大統領1期目の早い時期にオバマ氏は、米国とロシアの関係の「リセット」を求めた。この提案は、前任のウラジーミル・プーチン氏に比べればはるかにアンチ西側色が薄いドミトリー・メドベージェフ大統領(当時)から温かい歓迎を受けた。

 だが、オバマ氏やウクライナ、女性パンクバンド「プッシー・ライオット」、そしてその他大勢の人々にとって不幸なことに、プーチン氏は大統領の座を奪い返した。これについてオバマ大統領を責めることはとてもできない。状況はこの日を境に悪化している。

 米中関係も間違った方向に向かっている。オバマ氏は就任1年目に、大いに期待を集めた中国への「G2(2大国)」訪問を実行し、気候変動から金融の不均衡に至る世界の大問題を解決するためのグローバルパートナーシップを形成しようと持ちかけた。

 ところが、中国はまだ国内問題で手一杯という状況にあり、世界レベルの問題に取り組む準備はできていないと考えていた。オバマ氏の提案はにべもなく断られてしまった。

 オバマ氏はその翌年、このG2論による懐柔策に替えて「アジアへのピボット(旋回)」という方針を打ち出した。台頭著しいアジア太平洋地域への取り組みが長い間不十分だったため修正するのだと米国政府は説明したが、これを聞いた中国政府は、中国の近隣諸国との軍事同盟てこ入れの試みが透けて見えると解釈した(確かに、そう考えるのも無理からぬ面はある)。

 オバマ氏は今週、日本、韓国、フィリピン、マレーシアの4カ国を歴訪する。このうちマレーシアを除く3カ国は、米国と条約を結んでいる同盟国だ。オバマ氏のアジア訪問は2年ぶりで、中国は訪問先に含まれていない。また、中国政府による反米姿勢はここ数年で最も厳しいものとなっている。

ブラジル、インドとの関係も氷河期並み

 ブラジルの場合はもっと具体的だ。オバマ氏は2009年、主要な中南米諸国から支持を得るためにファインプレーをやってのけた。トリニダード・トバゴで開かれた米州機構(OAS)首脳会議にも出席した。ところが昨年、エドワード・スノーデン氏が米国家安全保障局(NSA)についての機密をリークしてから、ブラジルと米国の関係は急激に悪化した。

 ブラジルのジルマ・ルセフ大統領は米国によるスパイ活動に抗議し、昨年10月の公式訪問をキャンセルした。NSAはもう盗聴しないとオバマ大統領は約束したが、あまり効果はなかった。約束したのは米国民に対してだけであり、外国人はその対象ではなかったからだ。米国とブラジルの関係は今、完全に冷え込んでいる。

 同じことがインドにも言える。オバマ氏と退任が近いマンモハン・シン首相との第1幕は親密な雰囲気だった。オバマ氏はかつてシン氏を自分の「グル(師)」と形容したことがあり、2009年にホワイトハウスで開いた大統領就任後初の公式晩餐会の主賓にシン氏を迎えたのだ。

 しかし、この親善ムードは完全に消えてしまっている。先月には米国のナンシー・パウエル駐インド大使が辞任した。同氏は着任からずっと、インド政府から好ましくない外交官だという扱いを事実上受けていた。

 モディ氏が首相になるとどんな影響が及ぶのかは定かでない。だが、米国がモディ氏へのビザ発給をいまだに認めていないという現状――2002年に行われた反イスラムの恐ろしい虐殺事件がことの発端だった――については、明らかに修正が必要になるだろう。

南アフリカとは辛うじて「正常な関係」だが・・・

 正常な関係と呼べるものを米国との間に保っているのは、BRICSでは南アフリカだけである。だがこれも、親しい関係だとはとても言えない。もし南アフリカが、BRICというクラブへの加入(そしてこの略語に「S」の字を加えること)のための根回しに費やした時間の半分を、米国から支持を得るための活動に費やしていたら、状況は違ったものになっていたかもしれない。

 クリミア問題でのロシア批判を拒むグループに南アフリカが加わったことに、驚く人は1人もいなかった。

 このように、各国と米国の悪化している関係には、それぞれに固有の経緯がある。しかし、そうした経緯は2つの大きな流れによって互いに結びついている。

 第1の流れは、米国の力の衰えに世界が順応しつつあるというものだ。米国は今でも、他国を大幅に上回る圧倒的な軍事力を擁している。だが、その規模は毎年少しずつ小さくなっている。中国の防衛予算が2ケタの伸びを続けているのに対し、米国のそれは実質的には減額されている。米国は2003年のイラク侵攻で大きな誤算をしたのである。

 オバマ大統領の直近の防衛予算では、イラク型の侵攻を再度行うことはできない。もちろん、それは良いことだ。だが、ほかの国々は、米国の力に抵抗し始めている世界各地の国々を含めて、自らの行動の調整に取り組んでいる。米国は――遠隔操作のそれは別として――外国への軍事展開にますます乗り気でなくなっている、と彼らは解釈しているのだ。

 また、確かにBRICSの経済成長率は低下しつつあるが、米国のそれよりは依然高く、まだしばらくはそうであり続ける公算が大きい。世界経済の重心は今後も、BRICSの方にシフトし続けるだろう。

 第2の流れは、米国が世界全体に責任を負うことに米国民が疲れを覚えているというものだ。オバマ氏の真の旋回先は、アジアではなく米国内だ。この問題については、オバマ氏は国内世論にならって自分の行動を決めているだけなのだ。

不毛な「米国内へのピボット」

 しかし、米国内への旋回もあまり順調には進んでいない。ローレンス・サマーズ元財務長官が先日述べていたように、米国には政党が2つあり、民主党はあらゆる類いの通商協定の承認を拒んでいるし、共和党はすべての国際機関を嫌悪しているように見える。2大政党のどちらも、オバマ氏が望んでいることには耳を傾けていない。もしテレビの視聴率を信じるのであれば、米国民はオバマ氏が語ることにとっくの昔に背を向けていたことになる。

 従って、BRICSの国々が自分たちだけで話をするようになりつつあるとしても、それは特に意外な話ではないのだ。

By Edward Luce
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http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/40510

◆G7よ、さようなら、と露西亜

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成26年(2014)11月13日(木曜日)弐
      通巻第4392号   
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 「G8よ、さようなら。BRICSよ、こんにちは」(プラウダ)
  「イスラム国の中国敵視は米国の陰謀」(中国)と華字メディアが分析
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 1998年から2014年まで「ロシアとG7の仲良し時代」は16年間続いた。
「情事は終わった」とプラウダが書いた(11月11日)。「西側のロシア敵視政策への転換はモスクワをして、否応なく北京に近づけた。これはオバマ外交の愚策である」(アジアタイムズ、11月10日)。

 米国は中国の野心を低く見積もり、同時に中国が対米外交に慎重であることを正確に認識できなかった。プーチンを孤立へ追いやった結果、ロシアはついにS400という防空システムを中国へ供与することとなった。

 中国はTPPに対抗するためFTAAP構想を突如打ち上げ(その工程表に賛成したのは韓国だけだったが)、ついでADB(アジア開発銀行)に対抗するため「アジア・インフラ投資銀行」を設立し、IMF・世銀体制に挑戦するために「BRICS銀行」を短兵急につくった。これでドル基軸体制に立ち向かうというが、資本金がドル建てであるという基本的矛盾に対して整合性のある回答がない。

 これらは西側が推進したWTOに遅れて加盟しても、まったくルールを守らない中国に業を煮やした米国がTPPを環太平洋に構想し、これを脅威と見る中国が唐突にFTAAPをぶち挙げて牽制するパワーゲームの経済版だ。
しかしあまりに拙速であり、くわえて「上海協力機構」にインドを引っ張り込もうとして「新シルクロード構想」も打ち上げる。

後者は中央アジアのイスラム圏懐柔が裏の狙いだろうが、率直に言ってテロリスト対策が主眼である。

 シリア内戦とイラクの末期的混乱から生まれた「イスラム国」は2007年から08年まで米国が軍事訓練し、育てた。
「いずれイスラム国を使そうして中国に刃向かわせ、混沌状態におとしいれようとしているのは、米国の陰謀である」と中国の戦略研究家は見ているそうな。(アジアタイムズ)。

 そして中国と表面的な蜜月を演出するプーチンは北京で習近平と握手し、習近平夫人にコートを差し出して緊密ぶりを再演したが、同時に安倍首相とも懇談した。
 プラウダ英語版が書いた。
「G7よ、さようなら。BRICSよ、こんにちは」(2014年11月11日)。

http://melma.com/backnumber_45206_6122602/

◆「対露制裁解除を」仏独の合唱 高まる「露発ドミノ不況」懸念

2015年1月22日 産経新聞

 2015年は経済危機がさらに深刻化すると予測されているロシアに対し、欧州の主要国から対露制裁を緩和、もしくは、解除すべきだとの声が相次いでいる。昨年12月、ロシアがクリミア半島を併合して以来、先進7カ国(G7)の首脳として初めてモスクワを訪れ、ウラジーミル・プーチン大統領(62)と会談したフランスのフランソワ・オランド大統領(60)。公共ラジオ局フランス・インターの年頭インタビューに応じ、「私は対露制裁を今すぐにやめるべきだと思っている」と語った。

 ■オランド氏が直言

 制裁解除はウクライナ情勢での進展があれば、との条件付きだが、その根拠として、内戦が続くウクライナ東部について、ロシアはクリミアのように見ていないからだ、とオランド氏は主張する。

 「プーチン大統領と会ったとき、彼は『ウクライナ東部を併合するつもりはない』と語っていた。彼の望みは影響力をそのまま保ち、ウクライナをNATO(北大西洋条約機構)陣営に加入させないことなのだ」

 一方、ロシアの主要貿易相手国であるドイツのジグマル・ガブリエル副首相(55)は対露制裁の継続は「危険ですらある」と、さらに突っ込んだ表現で懸念をあらわにしている。

 ガブリエル氏は1月4日、独紙ビルトの日曜版に対して、「制裁を望む者は、私たち欧州の全てを危険な状況に追い込む」と主張。さらに、欧州の目標はウクライナ危機を解決に向かわせることであり、「政治的、経済的に追い込んで、ロシアをひざまずかせることではない」との見解を示した。

 ■ドミノ不況を警戒

 こうした発言の背景にあるのは、ロシアの経済危機を端緒にした欧州のドミノ不況への警戒だ。

 ドイツ政府は昨年10月、14年と15年の経済成長率を下方修正し、それぞれ1.8%から1.2%(14年)、2.0%から1.3%へと大きく引き下げた。昨年夏以来、ドイツ製品のロシア向け輸出は2割ほど減少しており、独企業に対する影響は設備投資面にも及び始めた。

 一方、フランスもロシア要因により、経済成長率を下方修正した。プーチン政権は昨年8月、対露制裁の報復として、欧州の農産物の輸入を禁止に。農業国フランスの農業団体幹部は「ロシアの措置は欧州を危機に陥らせる」との懸念を示した。さらに、製造費12億ユーロ(約1700億円)とされる仏製のミストラル級強襲揚陸艦のロシアへの引き渡しが対露制裁のあおりを受けて宙に浮いたままとなっており、プーチン政権はフランス政府に対して、違約金の支払い請求訴訟を起こすと圧力をかけている。

 ■仲介役に潜む内向き側面

 欧州諸国への影響は、昨年12月16日の「ブラック・チューズデー」、露通貨ルーブルの暴落を前にした予測であり、今後、人口1億4000万人と欧州最大の市場を持つロシアの状況次第では、さらに落ち込みが深刻化、長期化する恐れが広がっている。

 ドイツのガブリエル副首相は、ロシアを苦境に追い込むことは「ドイツの国益、そして、欧州の利益にはならない」とまで明言した。この主張は、一部で「制裁主義者」とまで揶揄(やゆ)される米国保守派、欧州連合(EU)内の強硬派を牽制(けんせい)した言葉だとも言える。

 1月15日、カザフスタンの首都アスタナで、ウクライナ危機の解決をめぐり、ロシア、ウクライナと仏独の首脳が一堂に会した4カ国会談が開催されると報じられている。仏独がこうして仲介役を担うのは、ウクライナの政治改革促進やロシアの拡張主義を防ぐことを目的にしただけでなく、実は、陰りが顕著になり出した自国産業の救済という内向きの側面が理由にあるのである。

 英紙フィナンシャル・タイムズは8日付で、「窮地に追い込まれたプーチン大統領は、政治的に危険になる可能性がある」ことを一部の欧州の者たちが恐れている、と指摘している。

 制裁がもたらすロシアの孤立化は、是か非か。2015年の国際社会の主要課題の一つになりそうだ。(国際アナリスト EX)

http://news.goo.ne.jp/article/sankei/world/snk20150121553.html

◆ギリシャ「対ロ制裁に反対」 ロシアと首脳会談 

2015/4/9 日本経済新聞

 【モスクワ=古川英治】ロシアのプーチン大統領は8日、債務問題で欧州連合(EU)と対立するギリシャのチプラス首相とモスクワで会談した。EUの対ロ制裁への対抗策としてロシアが発動した欧州の農産物の禁輸措置の中で、ギリシャ産の規制を緩和することなどを協議。チプラス首相はEUの対ロ制裁に反対を表明した。ロシアはギリシャなどの取り込みを進め、EUの切り崩しを狙う。

 チプラス首相は会談後の共同会見で「EUの対ロ制裁には賛成していない」「制裁による悪循環を断ち切るべきだ」などと主張した。プーチン大統領は「ギリシャから金融支援の要請はなかった」としたうえで、農業やエネルギー、インフラ分野での協力を提案した。

 ウリュカエフ経済発展相によると、ロシアはギリシャ産の果物などの輸入規制を緩和する方向で、ロシアのメドベージェフ首相が9日、チプラス首相に具体策を提案する。プーチン大統領はトルコとの間で計画する天然ガスの供給計画への参加もギリシャに呼びかけた。

 チプラス首相は当初、モスクワで5月9日に開く対独戦勝70周年記念式典に合わせて訪ロする予定だったが、金融支援の延長交渉でEUと対立を深める中で訪問を前倒しした。

 ギリシャの財政改革を前提とするEUと国際通貨基金(IMF)、欧州中央銀行(ECB)の金融支援の継続を巡る交渉は難航しており、ギリシャの資金繰りは逼迫している。チプラス首相はロシアに接近する姿勢を見せることで、EUに揺さぶりを掛ける思惑があるとみられる。

 ギリシャは経済的な実利の確保も目指している。同国政府によると、イチゴや桃などの果物は対ロ輸出の2割程度を占め、農産物の禁輸措置により2014年後半だけで8000万ユーロ規模の損害が出ている。天然ガスの6割強もロシアからの輸入に依存している。

 EUはロシアのウクライナへの軍事介入を受けて導入したロシアの金融機関や銀行を対象にした制裁を延長するかどうかを6月に判断する。延長には加盟28カ国すべての賛成が必要となる。ロシア政府筋はギリシャが1国で延長に拒否権を発動するとは期待していないとしながら、「EU内の制裁反対勢力を増やせば、フランスやスペインなど大国も動かせる」と発言した。

http://www.nikkei.com/article/DGXLZO85461250Z00C15A4FF2000/

ギリシャとロシアは共に正教会の関係があるんですな。ロシアからのガスパイプライン構想や支那の援助による港湾整備など、いずれはどちらかの軍港基地が出来る可能性も否定出来ない。私見ではどちらも経済的に無理だと思うが、ギリシャの債務問題では話題に登る。

◆イランとの合意は米MDの欧州展開にはつながらない

2015年04月04日 ロシアの声

ローザンヌで昨日イランと6カ国の間に結ばれた核開発合意は米国のMDシステムの欧州展開にはつながらない。なぜなら欧州MDは実際にはイランに対するものではないからだ。米国の経済学者・政治学者で、これまで数々の賞を受賞し、その著書は13カ言語に翻訳されているウィリアム・エングダリ氏が、「スプートニク」のインタビューで語った。

同氏によれば、米国政府の最近の地政学的行動は、プーチン大統領が2007年にミュンヘンで行った有名な演説(ミュンヘン安全保障政策問題会議におけるプーチン大統領演説)に語られたことがいかに正当であったかを物語っている。当時プーチン大統領は、欧州MDはNATOの戦力刷新や欧州の安全保障には無関係で、ましてやイラン核問題とは何の関係もない、と語った。欧州MDはロシアの核施設を標的としたものなのだ。

「CIAと国務省がウクライナでクーデターを起こし、ロシアの軍事侵攻を挑発する目的でテロや流血の事態を起こすべく権能の制限された傀儡政権が樹立され、NATOが晴れて「MDの欧州展開は正当化される、なぜなら我々は欧州をロシアの脅威から守らねばならないからだ」と言える今となっては、それは明らかになった。欧州MDはイランに対してのものではない。それはロシアの核兵器に対してのものだったのだ」

「いま米国は、道を踏み外し、古い方法がもはや使えなくなった今、どうしたら権力を長く維持できるのかということを知らないオリガルヒの大軍を束ねている」。しかし来年にも一部の欧州諸国がNATOから脱退することを望んでいる、とエングダリ氏。

http://jp.sputniknews.com/politics/20150404/145631.html#ixzz3WMCZ73fN

◆イスラエルのネタニヤフ首相、イラン核開発の枠組み合意に反対「間違った合意を阻止する」

2015年04月06日The Huffington Post | 執筆者: Nick Robins-Early

イランの核開発をめぐる交渉が4月2日に枠組み合意したことを受けて、イスラエルのネタニヤフ首相は5日、アメリカABCテレビの討論番組「ディス・ウィーク」で改めて反対を表明した。

「この合意は間違っていると思う」とネタニヤフ首相は「ディス・ウィーク」の司会者マーサ・ラダッツ氏に語った。「巨大な核のインフラを持ったイランが残ることになる」

ネタニヤフ首相は3日、今回の合意を繰り返し非難した。イランへの経済制裁を緩和すればイラン経済が活性化し、自由にテロリズムを支援する力が蓄えられることになるだろうと強調した。

「イランは経済制裁の緩和で流入する資金を学校や病院、道路の建設には使わないだろう」とネタニヤフ首相は述べ、経済制裁の緩和でイランの経済が成長する可能性について言及した。「マーサさん、イランは自分たちが関わる世界中のテロ組織や、現在中東を征服しにかかっているイラン軍を強化するために資金を使おうとするのです」

ネタニヤフ首相は、だからこそ国際社会があくまでも「より賢明な合意」を求めるべきだと提案した。そうすれば世界の大国が制裁の解除に同意する前にイランの「世界的規模のテロ組織」の拡大を食い止められると述べた。

どのような合意なら可能なのかについては言及を避けたが、シリアが国際社会、特にロシアの圧力とアメリカ軍の介入で化学兵器の貯蔵を廃棄することに応じた2013年の合意を引き合いに出した。

「シリア和平はどうやって実現しましたか?」とネタニヤフ首相は尋ねた。「圧力を増したからでしょう。シリアがそれを見て、そして、そうした圧力がシリアに雨あられのようにかけられ、そして同意したんです。それ以前は同意しなかったことをですよ」

しかし2014年12月、アメリカはシリア政府が合意を反故にし、「組織的に、繰り返し化学兵器を使用」し続けていると主張している。

ネタニヤフ首相は5日にNBCの討論番組「ミート・ザ・プレス」にも出演し、司会のチャック・トッド氏と共に、ネタニヤフ首相に対して反対意見を持つ出演者との討論に応じた。

「私はいかなる合意も否定するつもりはありません」とネタニヤフ首相は述べた。「間違った合意を阻止しようとしているのです」

また、イランに核施設の保有を認め続ければ、中東の敵対国が対抗して核兵器開発に乗り出しかねないと主張した。

ネタニヤフ首相のテレビ出演は、イスラエル政府による、今回の枠組み合意に反対するロビー活動の一環として実現した。枠組み合意はイスラエルの安全保障を脅かし、イランを助長させることになるとの主張だ。AP通信によると、イスラエル当局は週末にかけて今回の枠組み合意の欠陥を一覧にした分析を公表した。この分析はネタニヤフ首相によってさらなる反対機運を掻き立てるものとなりそうだ。

http://www.huffingtonpost.jp/2015/04/05/iran-netanyahu-nuclear_n_7008620.html

◆プーチン大統領、強硬姿勢崩さず ちぐはぐな欧米を牽制 ICBM発射実験も

2014.03.05 zakzak

 ロシアのプーチン大統領が強気の姿勢を崩さない。ウクライナ南部クリミア半島の実効支配を事実上完了したことを受け、経済制裁などで足並みがそろわない欧米諸国をけん制している。4日には、最新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)の発射実験まで行った。

 「武力行使の可能性は消えた」「(クリミア自治共和国を併合する可能性は)検討していない」

 プーチン氏は4日、記者会見に臨み、こう語った。同共和国の重要拠点を電撃的に掌握した自信を漂わせていた。

 そのうえで、ウクライナの2月政変を「暴力による政権奪取だ」と断言し、親ロシア的な同国東部が「無法状態」となった場合には「あらゆる手段で(ロシア系)住民を保護する」とし、軍事介入に含みを残した。

 ロシア南部ソチで6月に開催する主要国首脳会議(サミット)の準備会合への参加を先進7カ国(G7)が中止したことについても、「参加したくないのなら出席の必要はない」と言い切った。

 プーチン氏が強気なのは、オバマ米大統領が「シリア外交」の失敗を引きずり弱腰のうえ、EUの盟主・ドイツも天然ガス輸入の3分の1をロシアに頼るなど、欧米諸国が対露制裁などで一枚岩になれないため。

 こうしたなか、ロシア軍は4日、最新型大陸間弾道ミサイル(ICBM)トーポリの発射実験を行い、成功させた。同ミサイルは、米国が欧州で進めるミサイル防衛(MD)を突破できる性能を備えているという。

 プーチン氏は「力」による国際政治を進めようとしている。

http://www.zakzak.co.jp/society/foreign/news/20140305/frn1403051205002-n1.htm

◆「ミサイル防衛参加ならデンマーク艦船も核の標的」 ロシア大使

2015年03月22日 AFP

【3月22日 AFP】ロシアのミハイル・ワニン(Mikhail Vanin)駐デンマーク大使は21日、デンマークが北大西洋条約機構(NATO)のミサイル防衛(MD)計画に加われば、デンマークの海軍艦船がロシアの核ミサイルの標的となる可能性があるとの考えを明らかにした。これに対し、デンマークは激しく反発している。

 ワニン大使はデンマーク紙ユラン・ポステン(Jyllands-Posten)への寄稿の中で、「デンマークの人々は、米国主導のミサイル防衛計画に参加すればどのような結果を招くか、完全には理解していないようだ」との見解を示した。

 ロシアは以前から、ミサイル攻撃から欧州を防衛するために加盟各国がレーダーや兵器を提供するNATOのミサイル防衛計画に反対してきた。(c)AFP

http://www.afpbb.com/articles/-/3043219

◆ロシア、制裁リストに外国人200人超を登録

2015.04.06 ロシアの声

ロシアはロシアへの渡航が禁じられる外国人のリストを更新した。イズヴェスチヤ紙より。EUや米国の200人超がリストに入り、もしロシア人に対する制裁が拡大した場合には、それを反映して、このリストはさらに拡大する可能性があるとのことである。

ロシア外務省は具体的な個人名を発表することを控えているが、イズヴェスチヤ紙によれば、米国人が多いという。中で最大の大物は、安全保障問題担当大統領補佐官キャロライン・アトキンソン氏、大統領補佐官ダニエル・フライファー氏およびベンジャミン・ロデ氏、議会最大会派を率いるハリー・リード氏、上院議員ジョン・マケイン氏などだという。

また、同紙によれば、各国のロシア大使に対して、ロシアで株式を保有している反ロシア的外国人のリストを作成するよう指令が出されている。

現在、ロシアの制裁リストは、EUおよびNATO諸国のリストと同数の対象者を挙げている。またロシアのリストの中には、「マグニツキー法」への対抗措置として米国人の名前も記載されている。具体的には米国の人権無視が疑われる政治家、検事、裁判官、軍人、諜報機関員である。

http://jp.sputniknews.com/japanese.ruvr.ru/news/2015_03_19/283402550/

◆南シナ海の危機は商機」。ロシアが再びベトナムに本格登場
   カムラン湾にロシア艦船寄港、最新鋭の潜水艦供与を話し合う

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」平成26(2014)年6月27日

ロシア艦船がベトナムのカムラン湾に寄港した。
複数の西側メディアと華僑系メディアが報じている。「失地回復を狙うロシアは武器供与拡大をテコにふたたび東南アジアでの重要な役割を担おうとしている」。
 「領海争端不息 中美我巻入南海旋渦」と『半月文摘』(6月25日号)も書いた。

 在米華僑の有力紙『多維新聞』は「ロシアの狙いはベトナムをテコに南シナ海における中国の軍略『速戦速決』(速攻で早期の勝利)を覆すことである」(同誌6月23日号)と分析した。
 またベトナム国営石油(ペトロペトナム)は、ロシアの石油開発企業(ロスネフチ)との間に何本かの契約をかわし、とくに富慶盆地125号と126号の共同開発プロジェクトに署名したとし、ロシア艦船三隻のカムラン湾寄港は6月20日だったという。

 ことほど左様にロシアの巻き返しが顕著であるうえ、ベトナムが米国の武器支援を促し、日本のてこ入れも促そうという計算づくの魂胆も同時に見て取れる。米国はベトナムへの武器援助再開になお慎重である。

 これらの推測の根拠は2013年二月に公表されたロシアの「外交政策構想」で、「2020年までにロシアは新型空母の寄港地を必要とする」と謳っているからだ。
「その最適地はベトナムのカムラン湾であり、この引き替えにロシアはキロ級の最新鋭潜水艦をベトナムに供与するだろう」と西側の軍事筋もみているようである。

 プーチン大統領はすでに三回、ベトナムを訪問しており、最新は2013年11月12日のことだった。チアン・タン・ソン大頭領と抱き合って「友好」を演出した。
 
中国のベトナム領海における海洋リグ建設やパラセル諸島侵略、フィリピンのスカボロー礁占有などを横目に米中の外交的な確執をロシアはひややかにみてきた。
しかし将来の軍事バランスを見越して、このあたりからベトナムへの梃子入れが有利でありながらも、いまロシアがかかえるウクライナ、クリミア問題で中国の支援の必要があって、目前の領海問題への介入を見送ってきた。

▲狐と狸、いや狼と虎の殺伐とした関係が露呈

 だが状況は激変した。
フィリピンが国際法違反と中国を提訴し、ベトナムは激しく中国を攻撃し、海洋ルールと航海の自由の鉄則を前にして米国はベトナムとフィリピンへ肩入れし、日本と豪もアセアン支援を鮮明にする。

むしろ中国が四面楚歌の状態となった。
ここでベトナムをロシアが支援しても国際的な批判はおこらないだろうとプーチンはしたたかに計算したわけである。まさに狐と狸ではなく、狼と虎だ。

 「中ロ同盟」なるものは強固に結ばれた時期と、脆弱に崩れる時期とが交錯しており、1949年から1970年までは中ソ同盟が堅実、とりわけ中ソ対立が表面化する60年代央まで中ソ関係は蜜月と見られていた。
1972年に米国が中国と関係を回復し、79年に米中が国交を回復するや、ソ連は立場を失い、アフガニスタンに深入りしてしまった後は、むしろ中国が米国寄りとなってソ連が孤立し、89年のソ連崩壊へと到る。

以後、四半世紀近くの歳月が流れ、中ロ関係はふたたび蜜月を迎えているかに見えるが、ガス、原油をめぐる資源供給が両国の利害に一致するだけの関係であり、しかもウクライナ問題を抱えて孤立をふかめたロシアを中国は協力関係強化と謳って同盟再構築をはかったにすぎない。
この中ロ同盟はまもなく蜜月を終えるだろう。

 中国の西砂、南砂海域における強圧的な資源開発は当該海域に300億トンから700億トンの石油とガスが埋蔵されていると推量されているからである。
第一列島線、九段線という中国の一方的な地図への線引きは軍事戦略をからめての資源確保戦略に結びついている。

ベトナムは当該海域にすでに1380ヶ所に油田井戸を掘って、その石油生産はベトナムGDPの30%をしめるに到っている。

http://melma.com/backnumber_45206_6050596/

ベトナムがロシアの潜水艦を購入した場合、日本が深々海魚雷を提供すると、支那の潜水艦も戦艦も南シナ海で身動きが出来なくなる。ロシア潜水艦の魚雷発射管なら、日本の魚雷が少し手を加えるだけで発射可能となる。安倍さんのベトナムへの巡視船供与にはその構想もどうやら持っているようだ。実現するとインドとベトナムによる包囲網は支那人民解放軍にとって大きな痛手となる。それゆえ南沙諸島での滑走路建設をしゃかりきに進めている。爆撃機より対潜哨戒機の基地がどうしても欲しいところだろう。

◆ロシアとベトナム 自由貿易圏について合意

2015年04月06日 Sputnik 日本  

ベトナムを訪問中のロシアのメドヴェージェフ首相は、ベトナムでの協議を総括し、ユーラシア経済連合の加盟国とべトナム間の自由貿易圏創設に関する全ての原則的に重要な問題について合意したことを明らかにし、ロシアは、できるだけ早く条約に署名がなされることに期待していると発表した。
メドヴェージェフ首相は6日午前、ベトナムのズン首相と会談した。その後、フォーマットが拡大され、話し合いが続けられた。双方は、自由貿易圏創設に関する原則的な問題について協議した。また原子力発電所の建設、自動車の組み立て、ルーブル通貨での決済などについても話し合われた。

メドヴェージェフ首相はベトナムを訪れ、まず初めに、亡くなった英雄たちの記念碑と、初代ベトナム大統領ホーチミン氏の廟に献花した。メドヴェージェフ首相のベトナム訪問は、あと2日続く。
その他、ロシアのメドヴェージェフ首相のベトナム訪問の過程では、BinhSon Refining and Petrochemicals社の授権資本の49%を獲得するための基本条件や、2015年の優先投資プロジェクトに関する作業グループの行動計画にも署名がなされた。

ロシアとベトナムは、メドヴェージェフ首相のベトナム訪問の過程で、石油・ガス部門の複数の協定にも調印した。特に、BinhSon Refining and Petrochemicals社の授権資本の49%の獲得に関する基本条件に署名がなされた。

文書に署名したのは、ロシアの石油企業「ガスプロム・ネフチ」の取締役会議長とベトナムの石油ガス公社の取締役会議長。「ガスプロム」とベトナムの石油ガス公社間の相互理解についてのメモランダムにも調印がなされた。

そのほかロシアとベトナムは、共同投資プロジェクトや、サービス分野での合意に関する覚書などを含む、一連の共同声明にも署名した。

https://www.youtube.com/watch?v=p5oo2H_x_cg

http://jp.sputniknews.com/business/20150406/155310.html#ixzz3WXXzInId


国内政治に挫折したオバマが新冷戦時代を創作する ①

2015-04-18 11:40:04 | 資料

オバマ氏、大統領権限で不法移民数百万人の滞在許可へ-関係者

2014年7月28日(ブルームバーグ)

 オバマ米大統領は数百万人の不法移民に滞在継続と合法的な就労を認めるため、大統領権限を利用する計画を策定している。上院民主党の関係者が明らかにした。

計画の未公表を理由に同関係者が匿名で語ったところによると、ホワイトハウス当局者は議会の協力者に対し、大規模な行動の発表が中間選挙前の9月に行われる可能性が最も高いと伝えた。

1200万人に上る不法移民の滞在継続に道を開く移民制度改革法案は、下院共和党指導部による採決拒否で暗礁に乗り上げており、大統領は行動を取ると言明していた。
同関係者によれば、ホワイトハウス当局者は大統領の措置について、少なくとも数百万人の移民が対象になると議員に説明しているが、どの分類の移民が強制送還の対象外になるのか明らかにしていない。

計画についてはAP通信が28日、先に伝えた。ホワイトハウス当局者にコメントを求めたが今のところ返答はない。

原題:Obama Said to Plan Giving Millions Work Permits to Stay inU.S.(抜粋)

記事に関する記者への問い合わせ先:ワシントン Mike Dorning mdorning@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:Steven Komarow skomarow1@bloomberg.netJoe Sobczyk

http://www.bloomberg.co.jp/news/123-N9GAWE6KLVRC01.htm◆米17州がオバマ大統領を提訴、移民制度改革で

◆米17州がオバマ大統領を提訴、移民制度改革で

2014年12月04日 AFP

【12月4日 AFP】米国の17州が3日、不法移民500万人に滞在を認める移民制度改革をめぐり、バラク・オバマ(Barack Obama)政権を提訴した。

 訴訟を率いるテキサス(Texas)州のグレッグ・アボット(Greg Abbott)司法長官は声明で、オバマ大統領が野党・共和党による議会での法案通過の妨害を回避するため大統領権限で一方的に決定した移民制度改革は、合衆国憲法を「踏みにじる」ものだと批判。「大統領は、議会が正当な手順に基づいて成立させた法律を正確に施行するという自らの責任を放棄し、その権限がないにもかかわらず、移民法を書き換えようとしている」と述べた。

 論争を呼んでいるオバマ大統領の制度改革の下では、米国内に5年以上居住し、米国の市民権保有者または合法居住者である子どもを持った数百万人の不法移民に対し、3年間の滞在許可が与えられる。大統領はこの改革により、メキシコ国境に振り向ける資産を増やし、国外退去処分は重罪犯の追放を優先させるとしている。

 だが、移民制度改革を実現させるためオバマ氏が大統領権限を行使したことに対しては、発表直後から「違法」や「憲法違反」といった批判が噴出していた。(c)AFP

http://www.afpbb.com/articles/-/3033373

◆危機到来を予感させるヘーゲル国防長官解任
日本はレームダック化する政権との心中だけは避けよ

2014.12.08(月) 渡部 悦和 JB PRESS

 米国のチャック・ヘーゲル国防長官は11月24日、辞任すると発表した。このニュースを最初に伝えたニューヨーク・タイムスによると、ヘーゲル長官は、バラク・オバマ大統領の圧力により辞任せざるを得なかったようである。つまり解任である。

解任されたヘーゲル長官

 我が国にとって、オバマ政権内における数少ない日本の理解者を失うことになる。大きな損失であり、残念でならない。

 ヘーゲル氏は、任期を2年残して事実上解任されることになったが、かねてヘーゲル国防長官とオバマ大統領の側近たち特にスーザン・ライス国家安全保障担当大統領補佐官との意見の対立が報道されてきた。

 オバマ大統領を支えるスタッフについて、アジア太平洋のことを本当に理解しているエキスパートがいないのではないかという懸念が米国内外にあった。その典型例はライス氏であるが、オバマ大統領はまたしても評判の良くない側近を擁護し、国防長官を排除することとなった。

 中間選挙において敗北を喫したのを契機に、不手際が目立つライス氏やジョン・ケリー国務長官を更迭するのではないかという報道がなされていたが、最終的には側近ではなく、外様であるヘーゲル氏が辞任することになった。

 ライス氏やケリー氏こそ辞任すべきだと思っている人たちは多いと思う。彼らの残留により、今後2年間のオバマ政権の安全保障分野での混迷は継続すると予想され、我が国もそのことを覚悟して対処する必要がある。

 ヘーゲル氏の辞任により、オバマ政権6年間で3人の国防長官(ロバート・ゲーツ、レオン・パネッタ、チャック・ヘーゲル)が辞任することになったが、ゲーツ氏とパネッタ氏は、辞任後回顧録を出版しオバマ大統領を厳しく批判している。

 その批判の焦点は、オバマ大統領の軍の最高指揮官としての資質に対する疑問である。決断力の欠如、軍に対する信頼感の欠如、最高指揮官としての責任感の欠如などである。

 オバマ大統領の誠実で真面目な性格や弱者に対する思いやりとか地球環境に対する配慮とか評価すべき諸点は認める一方で、こと軍の最高指揮官としての資質については2人の元国防長官の評価に同意せざるを得ないのである。

 いずれにしろオバマ政権は今後2年間続き、その間において何が起こるか分からない。日米関係をいかに適切なものにしていくかが我が国の課題である。

ヘーゲル氏を評価する

 ヘーゲル氏は共和党の上院議員であったが、オバマ大統領の三顧の礼により国防長官に就任した。

 ヘーゲル氏は、見かけはパッとしないが、ベトナム戦争に下士官として従軍した経験があり、軍隊と軍人の本質を理解し、戦場で苦労する軍人に共感することができる長官であった。この点が、オバマ大統領とヘーゲル氏の根本的な違いである。

 筆者は、今回のヘーゲル氏の辞任を同情的に見ているが、ヘーゲル長官をなぜ評価するかについて記述する。

(1)日米同盟の重要性を深く認識し、小野寺五典防衛大臣(当時)ともツーカーの関係であり、日本の立場をよく理解してくれていた。

 例えば、2013年4月に米国防長官として初めて、「米国の対日防衛義務を定めた日米安保条約5条が尖閣諸島に適用される」と明言した。その後、オバマ大統領が同様の発言(「日米安保条約5条が尖閣諸島に適用される」)を2014年4月の日本訪問時にすることになった。

 また、今年5月にはシンガポールにおけるシャングリラ会合において、傲慢に行動する中国に忠告を与えるとともに日米同盟の強固さをアピールした。以下に、ヘーゲル氏のシャングリラ会合におけるスピーチの主要な部分を紹介する。

●安倍首相の集団的自衛権行使を可能にする憲法解釈見直しを支持する。
●(中国の)上空通過と航行の自由を制限するいかなる試みにも反対する。中国による東シナ海での一方的なADIZ(防空識別区)の設定(これには日本が実効支配している尖閣諸島も含まれる)には米軍は拘束されない。

●オバマ大統領は尖閣諸島に対して日米安保条約が適用されることを明言した。
●日米は、この20年間で初めての日米ガイドラインの見直しを行う。安全保障環境の変化および自衛隊の能力向上を反映して日米関係が進化することを確信する。

●昨年12月の普天間代替施設の建設承認のお蔭で戦力再配置のロードマップで完全合意ができた。そして、米国の最新兵器を日本に配置してきた。例えばグローバル・ホークの三沢基地配備、F-22の嘉手納配置、MV-22オスプレイの沖縄配置である。
●アジアにおける米軍の態勢は優先される。特に日本、韓国およびグアムにおける米軍の態勢は優先される。

 このように主張したのだ。

(2)強圧的な中国に対して融和的な姿勢が目立つオバマ氏の側近の中で、中国に対し厳しく対峙した数少ない閣僚であった。

 例えば、中国が提案する新たな大国関係について本質的な態度をとったのはヘーゲル氏であり、オバマ氏の側近であるライス氏でもケリー国務長官でもない。2人はしばしば中国寄りの発言をし、日本をはじめとする同盟国や友好国に懸念を抱かせているのである。

 ヘーゲル氏はシャングリラ会合において次のように中国を批判している。

 「中国は、南シナ海を平和、友情、協力の海と呼ぶが、南シナ海における要求を主張する一方的な行動を続けている。中国は、スカボロー礁への接近を制限し、セカンド・トーマス礁におけるフィリピンの長期にわたるプレゼンスに圧力をかけ、数か所で領土要求活動を開始し、パラセル諸島近くの論争海域にオイル・リグを設置した」

 「米国の立場は明確で一貫していたもので、領土問題にはどちらの立場にも立たないが、いかなる国家であろうと脅迫、強制、軍事力の脅威を利用してその要求を強く主張することに反対する」

 「諸問題を外交、確立された国際的ルールや国際的規範に基づいて解決することを選ぶか、脅し(intimidation)や強要(coercion)による解決を選択するか、この地域はテストされている」

 「米中の軍対軍の関係における道ははるかに遠い。サイバー問題において、中国は米中サイバー作業グループを停止させたが、引き続き中国側にサイバー問題を提起する。なぜなら、サイバー空間における誤判断やエスカレーションの危機を低減させることが必要である」

 これらは極めて妥当な発言と言えるだろう。

(3)ヘーゲル氏は、オバマ大統領の政策を分かりやすく説明する代弁者であった。次のような彼の発言がそれをよく物語っている。

 「リバランス(米国のアジア太平洋重視の政策)は、ゴールではない、約束でもない、ビジョンでもない、現実なのだ」

 「オバマ大統領がウエストポイントで発言したように、米国は、常に世界の舞台でリードしなければいけない。我々がリードしなければ誰もリードしない。問題は、米国がリードするか否かではなく、いかにリードするかである」

 「米国の最大の強みの1つは同盟国および友好国のネットワークである。マーシャル将軍の言葉にあるように、国力は、ただ単に陸軍、軍艦、航空機の数にのみ基づくものではなく、同盟国と友好国の強さにも基づくものである」

 このような指摘は同時に、暗に強圧的に行動する中国には本当の同盟国や友好国がないことを示唆している。

(4)現在、中東に於いて最大の問題になっているイスラム国の脅威を強く訴え、イスラム国への断固たる対処を主張した。

 彼は、空爆だけではイスラム国を打倒できないとして、地上部隊の投入を主張している。陸海空の統合作戦が不可欠な現代戦において、地上作戦と空爆の併用は常識であり、彼の主張は戦術的には正しい。

 しかし、オバマ大統領にとって「地上部隊を派遣しない」という主張は彼の対テロ戦争の骨幹であり、譲れない一線である。だが、オバマ氏が考えている地上戦においてイラク陸軍を活用することや、シリア内の穏健な反政府グループを活用する案は「言うは易く行うは難し」の案であり、対イスラム国の作戦が成功しない確率は高くなる。

ヘーゲル氏ではなくオバマ大統領の側近3人が問題である

 オバマ大統領が中間選挙の大敗を受け、何人かの閣僚などを交代して人心の一新を図るのではないかという米国内外のマスコミの予測があった。その予測の中で名前が挙がっていたのがライス氏やケリー氏であった。このマスコミの人物評価は正しいと思う。

 筆者はさらにジョー・バイデン副大統領も辞任すべきだと思っている。それほどにこの3人は外交を含む安全保障分野においてオバマ大統領の足を引っ張っていると思えてならないのだ。

 ただし、不適切な人選をして、米国の安全保障政策を評判の悪いものにしているのはオバマ大統領自身の任命責任である。

スーザン・ライス国家安全保障担当大統領補佐官の問題

 11月27日付の英フィナンシャル・タイムズ紙は、オバマ大統領は最近、長年信頼を寄せてきたライス氏を長とする「忠臣たちからなるチーム」を重視していると指摘している。

 ライス氏のやり方には仲間の民主党議員や彼女に近い外交関係者からも、「不躾で不愉快だ」という不満が出ている。それが時には日本、ドイツ、フランスなどの主要同盟国との関係がぎくしゃくする原因になっている。

 彼女は、2013年11月20日にワシントン市内の大学でスピーチした際に、米中関係について「新たな大国関係(new kind of great power relations)を機能させようとしている」と、中国は喜ぶが、日本が受け容れることができない発言をし、我が国を始めとする米国の同盟国に不安感を与えてしまった。

 米中の「新たな大国関係」については米中の思惑が違っている。つまり、中国としては、「中米は対等の関係である。米国は、中国が核心的利益と見なすチベットや新疆ウイグル自治区、台湾、東シナ海、南シナ海の諸問題に対しては口出ししない。さらに、太平洋を中米で二分し、それぞれの区域のことに関しては介入しない」という解釈である。

 米国にとって中国との新たな関係とは、「中国を国際社会における責任ある大国として、グローバルな諸問題解決に尽力し、国際法や国際的な基準に則って行動する国家となることを期待する」というものであるが、中国は決して米国の望むような国にはならないであろう。

 ライス氏が我が国をさらに不安にしたのが、同じ講演での尖閣諸島を巡る発言だった。

 「米国は主権の問題には立場をとらない」「日中の対立を先鋭化しないよう平和的で、外交的な方法を探るよう両国に促す」と発言した。

 これは尖閣諸島を実効支配する日本の立場や挑発的な行動に出る中国を無視した発言である。さらに、ライス氏は、日米安全保障条約が尖閣に適用されるという方針にも触れなかった。あまりにも中国寄りで日本の立場を軽視した発言であると言わざるを得ない。

ケリー国務長官の問題

 ケリー国務長官は、世界中の紛争などの火消しのためにめまぐるしくシャトル外交を繰り返しているが、見るべき成果が全くない。

 立派な外交官は、行動する前に、自分が解決すべき最も優先順位の高い案件は何で、その解決のための戦略や方策を持っているべきであるが、ケリー長官の動きを見ていると彼は本当に外交戦略を持っているのだろうかという疑問を抱かざるを得ない。

 また彼はアジアについてはもともと関心が薄く、失言長官としても有名である。数々の失言とアジアに対する無知さは、国務省の外交努力を台無しにしている。

 例えば、ケリー長官から「どうして日本はアジアで孤立しているのか」と問われた知日派の元米政府高官が、「それは中国と韓国だけのことで、日本の安倍政権は他のアジア諸国から歓迎されている」と答えるとびっくりしていたという。

 また彼は、4月25日にワシントンで開かれた日米欧の有識者による政策協議「三極委員会」で講演し、「中東唯一の道はパレスチナ独立国家樹立による2国家共存だ」と指摘し、「それができなければ、イスラエルは二級市民を作るアパルトヘイト国家になりかねない」と失言し、ユダヤ人の団体や共和党から引責辞任を求められた。この種の失言は数多くある。

バイデン副大統領の問題

 バイデン副大統領も評判が悪い。元国防長官ゲーツ氏によると、「バイデン副大統領はうぬぼれが強く、過去40年間の外交や国家安全保障に関するほとんどすべての主要政策で誤ちを犯してきた」と手厳しく批判している。

 10月5日付のトルコのZaman紙によると、バイデン副大統領は、自らの失言がトルコと米国の間に緊張を生んだとして、トルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領に謝罪した。

 その失言とは、イラクとシリアでテロを起こしているイスラム国(IS)が勢力を拡大した際に、トルコも役割を果たしたという趣旨のものである。

 バイデン副大統領は、ハーバード大学で行った会見で、エルドアン大統領が、「あなたは正しかった。私たち(トルコ)は、多くの人間が(シリアへ)渡る許可を与えた。今は国境を封鎖しようとしている」と述べたと発言した。

 エルドアン大統領は、この発言に対し強く反発し、「絶対にこのような発言をしなかった」と述べた。エルドアン大統領は、バイデン副大統領に謝罪を求め、「この件に関して、もしバイデン氏がこのような発言をしたとしたら、彼はもう対話の相手ではない。トルコをこのように非難して責任を負わせるのは間違いである」と述べた。

 バイデン氏は、エルドアン大統領に電話をかけ、自らの発言について謝罪した。

 また、11月26日、イスラム国に対する対応でトルコのエルドアン大統領を説得しに行き、本人はある程度の成果があったとうぬぼれていたが、その直後27日にエルドアン大統領が厳しい米国批判を展開して面目丸つぶれになってしまった。

 エルドアン氏は、シリア内戦における米国の出しゃばり(impertinence)をこきおろしている。バイデン氏は、イスラム国に半分支配されているコバネ市を奪回するためにトルコは協力すべきだと圧力をかけに行ったのであるが、エルドアン氏は「我々は、米国の出しゃばり、(トルコの立場をわきまえない)無頓着さ、終わりなき要求に反対しているのだ」と公の場で米国及びバイデン副大統領を批判したのだ。

元国防長官ゲーツ氏とパネッタ氏のオバマ大統領批判

 オバマ政権6年間で3人の国防長官が辞任することになった。最初がゲーツ氏で、次いでパネッタ氏、そして今回のヘーゲル氏である。ゲーツ及びパネッタ両氏は、国防長官辞任後回顧録を出版し、その中でオバマ大統領を厳しく批判している。

 まず、ブッシュおよびオバマ両政権で国防長官を務めたゲーツ氏がその回顧録“DUTY”でオバマ大統領を厳しく批判している。

 ゲーツ氏は「オバマ大統領は、自らに仕える司令官を信頼せず、自らの戦略を信じていない。この戦争を他人事のようにとらえている。オバマ氏にとってアフガン戦争は撤退するだけのものだ」と指摘している。

 また、ドニロン前大統領補佐官ら側近が取り仕切るオバマ政権の態勢を歴代政権の中でも最も中央集権的で、安全保障に口を出すと指摘し、国防省の部下には「ホワイトハウスには情報を与えすぎるな」と指示していたと明かしている。これらの証言でも明らかなように、オバマ大統領とゲーツ国防長官や将軍の関係は緊密なものではなかったのである。

 対テロ戦争を主に国内政治として扱う習慣は執務室にまで持ち込まれ、オバマ氏自身の政策を台無しにした。アフガニスタンの場合が特にそうだ。ゲーツ氏は2010年初頭までに、そうした結論に至ったという。

 一方、パネッタ氏は、「オバマ政権はイラクで米兵を残留させずに失敗したが、アフガニスタンでは来年も米兵1万人を残留させる交渉を成立させて同じ轍を踏まなかった」と述べた。またそれと同様に、シリアの反体制穏健派への軍事訓練・武器供与を決断したのは「遅れたが、しないよりは良かった」と話している。

 さらに「もし米国がリーダーシップを発揮しなければ、他にどの国も代役はできない」、「政府も大統領も、世界のどの場所であろうと空白を放置できないことを認識した。放置すれば、そこは間もなく制御不能となり、わが国の安全保障を脅かす」と述べた。

 予算を巡る米議会との駆け引きにおいて、オバマ氏が「自分の考えを通す信念に欠け」、しばしば「戦いを避け、不満を述べるだけで機会を逸していた」と非難している。

 オバマ大統領による2012年の「レッドライン」発言は、シリアのアサド大統領が内戦で化学兵器を使用すれば、米国は軍事介入に踏み切ることを表明したものだが、アサドが化学兵器を使用したにもかかわらず、米国は軍事介入を避け、シリアの化学兵器放棄を国際協調の枠組みの中で進めることを選んだ。

 このことが米国の信頼性に打撃となり、米国の影響力が弱くなっていることを世界に印象づけることになってしまった。パネッタ氏やクリントン前国務長官、当時のデービッド・ペトレイアスCIA(米中央情報局)長官はシリアの反体制穏健派に武器供与する計画を支持していたが、オバマ氏は逡巡し、この問題を議会に投げてしまったという。

オバマ大統領のリーダーシップに対する疑問

 米国の相対的な国力が低下し、巨大な財政赤字削減の圧力の中でウクライナ紛争やイスラム国との戦いなどグローバルな諸問題を解決するのは非常に難しい。オバマ大統領が直面している難局を見事に乗り越えることは誰にとっても難しいことではあるが、オバマ氏のリーダーシップに筆者は違和感をもっている。以下3点指摘する。

(1)対テロ戦争の最高指揮官としての熱意・責任感の欠如

 オバマ大統領のイラクやアフガニスタンにおける戦争指導には最高司令官としての熱意を感じることはできない。オバマ氏からすれば、対テロ戦争はブッシュ氏から引き継いだ負の遺産であるという本音がどうしても出てしまうのであろう。

 対テロ戦争に熱心でない大統領と第一線で命を落としていく兵士の間には大きな溝があるように思えてならない。この点が、対テロ戦争におけるオバマ大統領の最大の問題点である。

(2)軍隊および軍人に対する軽視

オバマ大統領の6年間を観察して気づくのが軍隊および軍人に対する軽視である。例えば、今年9月23日の国連総会に参加する際、大統領専用機Marine Oneから出てきたオバマ大統領は、彼に敬礼する若い海兵隊員に対し右手にコーヒー・カップを持ったまま答礼をした。

 この行為はLatte Salute(カフェラテ敬礼)と呼ばれ、軍隊においては許されない行為である。軍の最高指揮官に対し敬意をこめて敬礼する若い軍人に対し余りにも礼を失する行為である。

 この行為に対し国内外から数多くの批判が寄せられたが、これがオバマ氏の軍に対する軽視の典型例である。そんな些細なことを批判しても始まらないと言う人は軍隊の何たるかを知らない人である。

 軍人は軍の最高指揮官である大統領の命令によって任務を遂行するのであり、そのために命を落としたり、両手両足を失うこともある。だからこそ軍人の敬礼には心からの敬礼を返すのが常識なのだ。

 13年間続いている米国の対テロ戦争において死亡した米国軍人は6800人以上であり、負傷者は5万2000人以上である。この膨大な犠牲者数に対して軍の最高指揮官としていかなる思いでいるかが問われるのである。

(3)オバマ政権に対しては、国家の秩序、社会の秩序を維持することの重要性を深く認識していないのではないかという疑問がある。

 ヘーゲル長官が辞任を発表したと同時期に米国のファーガソンにおいて暴動が起こった、黒人少年を射殺した白人警官の不起訴が決定したことに誘発された暴動である。国内の治安を維持する必要性を再認識した米国人は多かったと思う。

 筆者が疑問に思うのは国内の治安維持のために不可避的に成立したタイの軍事政権やエジプトの軍事政権に対するオバマ政権の不適切な批判である。

 米国の批判ゆえに両国政府は米国を離れ、中国やロシアの側に立つ可能性がある。各国には各国の事情があり、国内の治安を維持するための行動があることを認め、クーデターによる軍事政権であると言うだけでお節介な批判をしないことである。自らの価値観の押しつけこそ米国は慎むべきである。

今後2年間のオバマ政権に対する我が国の対処法

 オバマ大統領の任期はあと2年間であるが、この2年間において起こるであろうグローバルな諸問題に対してオバマ政権は適切に対応できるであろうか。もちろんグローバルな諸問題に対しては当事者自らがその解決に向けて全力で対処しなければいけないが、米国に期待される役割や責任も大きいのである。

 しかし、ライス氏を中心とするオバマ側近グループが今後2年間、安全保障を取り仕切ることになるので、この分野において多くは期待できないであろう。

 そして、ヘーゲル氏の後継が誰になるにしろ、過去3人の国防長官が味わったと同じ困難を味わうことになるであろう。

 特にイスラム国への対処、「中華民族の偉大なる復興」を目指す中国への対処、ロシアのプーチン大統領の他国侵略には毅然とした態度で臨んでもらいたいものであるが、過去6年間のオバマ政権の対処を振り返ると、多くを期待することはできず、大きな紛争が起こらないことを願うだけである。

 我が国にとって今後、TPP(環太平洋戦略的経済連携協定)、日米防衛協力ガイドラインなど多くの日米間の課題があるが、日本の国益を中心として主体的に粘り強く日米交渉に当たってもらいたいと思う。

 必要であれば、米国の次期政権の誕生を待って交渉するくらいの覚悟が必要である。焦って日米合意を追求する必要はない。

 我が国にとっては、益々レームダック化するオバマ政権を揺さぶる中国や、ロシア、北朝鮮の動きを警戒しつつ、これに適切に対処することが重要である。

 特に来年2015年は第2次世界大戦終戦70周年の年である。中国などは、米国をも巻き込んで敗戦国日本の孤立化を狙ってくるであろう。だからこそ我が国には強くて賢いリーダーの下に、ぶれない安全保障上の諸施策の推進が待望されるのである。

 米国の歴史において大統領末期になると歴史に名を残したいという大統領が結構いる。典型的なのはオバマ氏の前任のジョージ・W・ブッシュ氏である。彼は、政権末期に北朝鮮との関係を改善し歴史に名を残そうとし、あまりにも不適切な外交を展開したが、オバマ氏が同じ轍を踏まないことを望む。

 歴史に名を残そうという思いは、オバマ氏自身が主張してきた「馬鹿なことをしない」の「馬鹿なこと」そのものである。特に安全保障分野で馬鹿なことをすると世界の平和と安定に重大な影響を与えることになる。

 我が国にとって日米同盟は生命線であることに変わりはなく、覚悟して今後予想される諸問題に米国と協調しつつも、我が国として主体的に対処すべきであろう。

http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/42378

ウクライナでシェールガスの採掘権を持っている企業・BURISMAの取締役に、バイデン米副大統領の次男が就任した。つまり、ロシア影響圏内の資源にちゃっかりと触手を伸ばしたということだ。ウクライナ大統領の解任クーデターに米国が画策した事と全く無関係とは言えない証拠だろう。

◆オバマケアの恐るべき現実

オバマ大統領は、2010年3月には、かねてからの公約であった医療保険制度改革法案を成立させて、遂に米国でも国民皆保険制度(オバマケア)を現実のものとした。従来、米国には高額の民間保険しかなく、しかも医療費が異常に高いことは指摘されてきた(年間約150万人の失業者がいて、その理由のトップが医療費)。

ところが、オバマケアを社会主義と非難する共和党保守派からだけではなく、民主党員からも、さらにはオバマケアの恩恵を受けたはずの貧困層の人気も凋落の一途なのだという。これは一体どういうことなのか。

■オバマケアの恐るべき現実

どうやら、このままでは、オバマケアはアメリカの医療を完全に崩壊させる引き金になりかねないのだという。穴だらけで、製薬会社と保険会社と手続きに関わるウォール街を肥え太らせ、医者と患者を今よりずっと悲惨な状況に追い込むようなとんでもない制度になっているようなのだ。日本の国民健康保険など、オバマケアと比べると断然優れた制度に思えて来る。天地の差といっていいかもしれない。

■オバマケアのもたらす惨状

今まで貧困層のHIV陽性患者は保険には入れなかったが、オバマケアで、とりあえず保険に入ることはできるようになった。ところが、オバマケアはあくまで民間の保険であり、既往歴のある患者の加入を受け入れざるをえなくなった保険会社はHIVだけではなく、リウマチや心臓病、糖尿病など、慢性疾患薬の多くや、がんセンターを保険のネットワークからはずし、新薬の自己負担率を上げて、患者が新薬による治療をあきらめるような状況を設定しているという。C型肝炎の新薬など、一粒1,000ドル(約10万円、1$=100円換算)、ある患者が12週の薬代として保険会社から提示された自己負担額は、84,000ドル(約840万円)だったそうだ。自己破産が多いのは当然だし、こんなとんでもない状況が野放しにされていること自体、大抵の日本人にはまったく想像さえできないだろう。

■大企業だけ得をする

オバマケアの成立のおかげで、従来の民間保険加入金額は倍増以上の高値で設定される一方、無保険でいようとすると、国税庁から罰金を強要される。また、企業はオバマケアの条件を満たす健康保険を従業員に提供するよう義務づけられたが、負担を嫌う企業は、負担義務のある従業員の大半を義務のないパートタイムに降格する。オバマケアで保険加入者は大幅に増える一方、医師の66%は条件の悪いオバマケア保険のネットワークには参加していないため、患者はオバマケアを使える医者を見つけることが難しい。医者の側も、一方で医療訴訟におびえて高額の医療保険への加入を強いられ(2,000万円の収入に対して、1,750万円の保険料を払う医師の例がでてくる)、猛烈に忙しい医療の傍ら、保険会社との費用請求交渉を強いられる。医師がよかれと思う治療も、保険会社から保険適用外を宣告されると高額の医療費の個人負担を患者に強いることがわかっているから、自由に行うことができない。だれが得をしているかというと、高額の献金と大量のロビイストを雇う、保険会社と製薬会社及び、ウォール街ということになる。

■レスターランド

すでに米国の富の半分はトップ1%が占めており、トップ10%まで広げると8割を超えている。この富をあらん限りつぎこんで、政策をごく少数の富裕層に有利に導く、という構図が出来上がってきている。しかも、そこに海外の富裕層が加担する。

アメリカの「スーパーリッチ」が世界の所得格差を拡大させる 0.1%の最富裕層が世界の富を独占する。
この国の民主主義は一体どこに向かうのか。(といより、世界の民主主義はどこへ向かおうとしているのか。)米国のグローバル資本主義を正として受け入れようとしている日本は、本当に大丈夫なのか。さすがに、薄ら寒い風を背後に感じないだろうか。

(2014年11月24日「風観羽 情報空間を羽のように舞い本質を観る」より抜粋転載)

中東から手を引いて力の空白を作ったオバマは最悪のことをしてくれたし、今から考えればネオコン派の世界を民主化することがアメリカの国益と世界平和につながるという説は寝言だったということだ。
恐怖でイラクを統治してきたフセイン体制とシリアのアサド体制の方がISISよりも多文化・多民族共存で10倍マシで、バース党は両国外部への伝染性などなかったからだ。

 


情報のプロであるメディアは支那にだけは無知なのか?

2015-04-11 00:29:37 | 資料

★AIIBめぐる外交戦で圧勝!中国自身も驚いた―米紙

2015年4月5日 レコードチャイナ

2015年4月2日、米紙ニューヨーク・タイムズは、アジアインフラ投資銀行(AIIB)への加盟申請ラッシュは中国をも驚かせるものだったと報じた。 

中国が主導するAIIBの創設メンバーに世界52の国と地域が申請している。その中には英国など米国の同盟国も少なくない。中国人民銀行の元顧問は、加入しないよう米国が呼びかけたにもかかわらず米国の同盟国がこぞって参加したこと、これは米国以上に中国にとって驚きだったとコメントしている。 

中国にとっては大きな外交的な勝利となったが、中国経済の実力が認められたこと、さらに従来の国際的金融機関ではアジアのインフラ建設需要をまかないきれないことを示すものだと同紙は指摘している。(翻訳・編集/増田聡太郎)

http://www.recordchina.co.jp/a105579.html

★【日経ビジネス】加速する、アジアインフラ投資銀行の輪
米国は中国主導のAIIBを妨害すべきではない
http://business.nikkeibp.co.jp/article/report/20150325/279133/?rt=nocnt

★中国主導アジアインフラ投資銀行 日本が包囲される事態招く
http://www.news-postseven.com/archives/20150331_312804.html

はてさて支那の経済状況を知っていて報道しているのでしょうか。それとも支那の応援でしょうか?

◆中国経済は予想より深刻に悪化している

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成27年(2015)4月8日(水曜日)
   通算第4511号  (前日発行)
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 人民元高が逆に中国経済のとどめを刺しかねない
  輸出低迷から壊滅、失業膨張、新卒の就労先は激減
****************************************

  中国経済の近未来展望はますます暗くなった。
 アジアインフラ投資銀行などと他国の面倒をみる余裕をなくすのは時間の問題ではないのか。

理由を七つ列挙してみる。
 第一は通貨為替レートによる通貨戦争で、中国は負けが込んできたという意外な事実だ。
 通貨戦争という視点に立てば、中国人民元は三年前の日本円の立ち位置である。
 列強が通貨安競争を演じているときに日本だけがQEを実行しなかったため円高が続き、
日本企業は陸続と海外へ工場を移転させて国内景気を悪化さえ、失業者を増やした。白川日銀総裁は判断を間違えていたと批判が凄まじくあった。

 いま、米ドル高に引きつられて人民元も独歩高。1人民元は12円から、いまや20円。だから日本に旅行に来ても中国人が割安感を感じるという奇妙な景観も出現したのだ。
 しかし元高は同時に輸出競争力を失う。
 これにより外国企業は採算が合わなくなって「チャイナプラスワン」をスローガンに中国から撤退する。

 ますます中国は不況となり、失業が増える。2015年大学新卒は748万人、このうち150万人がいまだに就労先がない。北京の友人に聞くと、何のコネもない日本企業にも親が飛び込みで「息子を雇ってくれまいか」と聞きに来るそうな。

 国家統計局の発表する「失業率」は3-4%台である。これほどの出鱈目はない。農村から都会へ流れ込んだ流民は数千万人とされるが、みごとに失業統計に反映されていないのだ。
 
 第二に地方政府の債務が膨張してきたが、いっこうに解決のメドが立っていない。そればかりか、地方政府の一部に地方債権の起債を許可する有様である。地方債務の合計は320兆円、たぶん半分が不良債権化するだろう。
 くわえてシャドーバンキングならびに理財商品の償還期を迎えており、中国の債務総額はGDPの282%で、日本より悪いのだ。

  ▼中国国内の銀行が経営状態が悪化しているのに?

 第三に銀行の機構的再編の遅れ、機能不全、銀行倒産という悲惨な状態が出現した。銀行取り騒ぎが起きないのは「国家総動員法」により軍が出動できるからだ。
中国国内の銀行が経営状態が悪化しているにもかかわらず、対外的にAIIB設立してカネを貸しますとうのは整合性のある話ではない。

 第四に不動産バブルの破裂がいまや誰の目にも明らか、中国語の新聞は連日、こちらの深刻さを取り上げている。
  「庶民の夢」だったマンション購入は高嶺の花となり、もはや手が出ないというのに、他方でも豪華マンションが林立し、しかも誰も住まないゴーストタウン(鬼城)化している矛盾、これこそが一党独裁の社会主義国家が唱える「社会主義的市場経済」のなれの果てなのだが、その惨状を素直に直視できない(不忍直視)、夜は漆黒の闇と化け(夜晩黒漆漆)、これまでGDPの48%が投資、とくに12%が不動産といわれたのだが、その高度成長の牽引車が壊滅状態にある。

 第五に富の偏在、技術の偏在、沿岸部への工業変調による人口動態に異様な動きが出ていることである。
 英BBC中国語サイト(4月4日)に拠れば、 中国の資産5億元(約100億円)以上の富裕層はおよそ1万7000人いる。総資産額は31兆元(約620兆円)。この数字は中国の国内総生産(GDP)63兆6500億元(約1273兆円)の半分に相当する。
 民生銀行と胡潤研究院が発表した「2014~2015年中国超富裕層の需要調査研究報告書」に従うと、中国の超富裕層の84%は男性で、平均年齢は51歳である。
 地域別では北京市、広東省、上海市、浙江省に集中し、所有する企業は製造業が全体の25%近くを占め、次いで不動産業、TMT(科学技術、メディア、通信産業)、サービス業、投資、重工業、製薬業、エネルギーの順番という。
 しかし超富裕層は汚職や横領の代名詞でもあり、「大富豪ランキング」に登場したとたんに逮捕され、死刑になった富豪もいる。大富豪ランキングは「死のランキング」とも呼ばれている。

 ▼庶民は社会福祉、生活保護、医療保険とまったく無縁である

 第六にこれほどの金満国家となっているのに社会福祉、生活保護、医療制度は問題だらけ、特権階級のみが社会福祉制度の恩恵にもあずかれるが庶民は蚊帳の外である。
 したがって民衆の党幹部への恨みは深く、こうした所得格差をすこしでも少なくしない限り、庶民、農民の一揆、暴力的抗議運動が納まることはないだろう。

第七に根絶できない腐敗の問題である。
 習近平が贅沢を禁止したため、ホテルやレストラン、豪華リゾートなど客足が途絶えた。有名レストランでも従業員の給与が支払えず休店に追い込まれ、豪華ホテルでも首切りが横行しはじめた。有名ブランド品も売れ行きはばったりと止まり、撤退か店舗縮小に踏み切ったところもでてきた。

 習近平の「虎も蠅も」という反腐敗キャンペーンは、かなりの大物を血祭りに上げ、庶民の拍手喝采をあびたものの、本物の「大虎」は野放しであり、結局の所、江沢民、李鵬、曽慶紅などを逮捕しないと、庶民の不満は収まらないだろう。

 それでなくともPPIは連続35ヶ月も下落しており、「住宅ローンを組んだ人の99%は破産するだろう」と預言して香港の著名エコノミストの朗喊平は「いかなる政策を断続的に維持し、かろうじて低成長を持続させることは不可能である」とし、市場の改革とは政治改革がなければ実現しない。習近平の唱える「新常態」は新しい南巡講話でとして機能しなければ意味がない」と獅子吼している。

 庶民レベルの経済感覚と見通しを聞いても、希望に満ちた明るい展望がきかれることはなくなった。

 こうした惨状の中国へ周回遅れで投資を拡大するドイツって、やっぱり神経がおかしいか、別の思惑が動機であろう。

http://melma.com/backnumber_45206_6190609/

◆【お金は知っている】AIIBは「絵に描いた餅」 海外からの借金で汲々の中国

2015.04.10 zakzak

 世界50カ国以上が参加を決めたという中国主導のアジアインフラ投資銀行。そうか、じゃあ、アジアのインフラ建設資金需要はいくらか、どう集めるのかね。アジア開発銀行研究所が2009年9月にまとめた見積もりによると、年間平均では約7500億ドル(約89兆7000億円)に上るとか。

 世界銀行、アジア開銀などの国際金融機関は主として国際金融市場で債券を発行して調達した資金を融資する。その場合、各国政府および政府機関が債務返済保証をする。国際金融機関はメンバー国の政府が共同出資しているという信用があり、貸出先は政府が保証するのだから、国際金融機関が発行する債券はトリプルAの格付けが与えられる。

 AIIBは当然、世銀やアジア開銀並みの格付けを狙うわけだが、ちょっと待てよ。

 そもそも、中国主導で年間7500億ドルの資金を市場から調達できるのか。

 国際決済銀行(BIS)が最近まとめた国際金融市場での債券による資金調達である国際債務証券発行額を調べてみた結果がグラフである。13年は全世界で5130億ドル、14年は6740億ドルで、7500億ドルは最近の国際債券市場の規模を上回ることになる。このうち、世銀、アジア開銀など国際金融機関の調達分は13年1140億ドル、14年1387億ドルである。

 アジアのインフラ資金需要に対し、供給能力が追いつかないとなると、市場需給の原理が働き、金利を高くするなど、よほど好条件で投資家を引きつけないことには資金調達できない。資金調達コストが上がれば、借り入れ国もたまったものではない。

 7500億ドルと言わないまでも、AIIBが1000億ドル程度の資金を調達するだけでも、市場で消化できそうにない。これでは文字通り絵に描いた餅ではないか。

 中国の国際市場での債券発行額は増加の一途で、途上国全体の5割近いシェア(14年)を占め、国際金融機関の発行額を上回っている。

 北京が4兆ドル近い外貨準備をどんどん取り崩してAIIB資金の原資とするなら、立派だね、とほめてよい。だが、あの利にさとく不正蓄財にばかり走る党幹部が気前よいと信じるのは、不勉強な日本の親中メディアくらいだろう。

 実際には、資金流出のために外貨準備は減る一方で、海外からの借金で穴埋めするのに汲々(きゅうきゅう)としている。BIS統計では、中国は銀行融資で年間2700億ドル(昨年9月末)、債券で1656億ドル、合計で4300億ドルも借り入れているのだ。



 言い換えると、中国はAIIBの看板を掲げて世界を巻き込む形で、資金を自国のために調達し、行き詰まった経済成長モデルを立て直そうと狙っているのが真相だろう。

 中国や国際金融のイロハもわからずに、「AIIBに乗り損ねた日本は孤立する」と騒ぎ立てるメディアや政治家が多いのには、うんざりさせられる。

          (産経新聞特別記者・田村秀男)
http://www.zakzak.co.jp/economy/ecn-news/news/20150410/ecn1504101550001-n1.htm

◆「借りた金は返すのが当たり前。こっちは税金を預かっている」麻生財務相、AIIB不参加理由を激白

2015.4.9 産経ニュース

 麻生太郎財務相は9日の記者会見で、中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)に関し、現段階での参加を見送った理由を約10分間にわたって説明した。日露戦争の際に戦時公債を発行したことに触れ、「(日本は)1日も遅れず、1銭たりとも約定を違えず全額を返済した。しかし、今は世界で借りたお金を約定通り返さない方が多い」とも語り、AIIBによる不透明な融資審査基準や過剰融資に懸念を示した。詳細は以下の通り。

 --日本が参加した場合、AIIB設立当初の出資金は最低でも1000億円と試算されている

 「AIIB参加国は最終的にいくつになるのか知らないが、出資額の総額も中身もわからないので、今の段階で考えているわけではない。何回も同じことを言っているので、もう飽きてきたけど、やることは1つなんですよ。お金を貸すというのは、返ってこないお金は貸せない。返ってこないお金はやるっていうんだからね」

 「(インフラ整備の)ニーズがあるというのはわかる。米国が世界銀行、日本がアジア開発銀行(ADB)、ヨーロッパが国際通貨基金(IMF)は責任を持ってやっている。ところが、日本は1905年、日露戦争をやるにあたって戦時公債を発行した。1000万ポンド。日本は1日も遅れず、1銭たりとも約定を違えず全額を返済した。名も知れぬ東洋の小さな黄色人種にお金を貸した英国もすごかったんだろうが、1銭たりとも、1日も約定を違えずきちんと払った。今日、世界で他国の外貨でカネを借りて返済が滞ったことが1回もない国が日本以外にあるならば教えてくれ。ぜひ俺はそれを知りたい。他の国の中央銀行総裁も知らない」

 「だから、お金というのは貸したら返ってくるもんだと日本の人は思っているんだ。子供の時からしつけられてきたんだから。しかし、今、借りたお金を返さないのは多いんじゃないの? 世界で借りたお金を約定通り返さない国の方が多い。何が言いたいかというと、もう1個(国際金融機関を)増やすんだぜ。きちんと審査をして(既存の国際金融機関の)3行で足しても400億円か500億円かといっているときに、いきなり後ろから来て、みんな貸さないの? じゃあ俺(AIIB)が貸してやるよと、300億円、400億円を貸しますと言ってなったとするよ」

 「その時、この後からきた300億円は前から貸している3行の400億円に乗っかった。返済が始まり、400億円のお金は計画通りに返ってくるんだけど、後からきた300億円は全然、融資計画ができていないから、その分は返せませんでしたと。そうなったとき、まずは3行の400億円は優先的に返してくれるかと。国内だったら、まだやれるだろう。しかし、海外相手にそれができるか。700億円が全部焦げ付き、お返しできるお金は300億円だけです、といわれたら、間違いなく被害が出る。こっちは税金を預かっているわけだから」

 「ちゃんと審査やら、何やらは参加する国で決めましょうねと。どういう理事会の構成ですか、審査はどこで、誰がやるんですかと。最初から俺たちはこれしか言っていない。だから(中国側は)返事を下さいと。3月31日というのは、こっちが出した提案を聞かない限りは俺たちは答えようがない。何の返事もないなら、こっちもしようがないと言っているだけだ。AIIBの話というのは、次は(参加判断の期限が)6月だとか報道されているが、どうして6月なのかさっぱり知らない。日本はなぜ参加しないのかと色々な人が言ってくるが、面倒くさくていちいち説明しないといけないので、飽きるくらい同じ話をしている」

http://www.sankei.com/economy/news/150409/ecn1504090042-n1.html

◆麻生副総理兼財務大臣兼内閣府特命担当大臣閣議後記者会見の概要(平成27年4月3日) 
http://www.mof.go.jp/public_relations/conference/my20150403.htm 

>問)AIIBのことについてお尋ねしたいと思います。先日大臣が日本の立場が 
>極めて慎重な態度をとらざるを得ないとコメントがありましたけれども、今AIIBの 
>参加表明の国が50カ国を超えています。そして日本の中でも、野党から批判の声が
>あります。例えば維新の党の江田代表が、これが日本外交の完全な敗北だと。 
>共産党の志位委員長が参加すべきだというふうにコメントしています。 
>大臣どのように見ていますか。 

>答)うちは野党が何でも言うのですよ。うちは共産党ではありませんからね。 
>共産主義ではありませんから。中国と違って何でも言える国ですから、いい国なのです、 
>日本は。直ちにそれで逮捕されることもありませんし、いい国なのだと、 
>私はそう思っていますよ。しかし問題は、私がこれまでもずっと言っていることは同じで、 
>1年半ぐらい前ですかね、これが始まって。大分前からこの話は来ていたと思います
>けれども、私共はガバナンスをはっきりしてくれと。 

>問)先程の質問で、野党からの批判、日本外交の完全敗北、あるいはアメリカの顔を
>うかがうといった批判がありますが、その批判に対してもし反論があれば教えてください。 

>答)日本というのは中国と違って自由な国だなと思いますね。だって批判がそうやって 
>言えて、国外退出させられたり、国外に出ることを止められたりすることもありませんし、 
>そういった意味では自由でいいのではないかなと思いますし、 
>敗北なんて思ったことは全くありません。 

http://hosyusokuhou.jp/archives/43544893.html

麻生太郎氏に「からかわれた」と中国メディア記者・・・
「麻生さん、ホントのこと言っちゃダメ」など中国ネット民の声=中国版ツイッター 

サーチナ 4月7日(火)11時35分配信 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150407-00000069-scn-cn 

> 香港・フェニックステレビの東京駐在記者・李?さんは3日、麻生太郎財務相の記者会見に出席して
質問したさいに、同財務相からからかわれたエピソードについて中国版ツイッター・微博(ウェイボー)
上で明かしたところ、多くのユーザーが注目した。 

> 李さんは「あなたには見えない舞台裏」としたうえで、「麻生氏は居丈高だ。私がきれいな発音で
質問したのに、3度も繰り返させた。そして、フェニックステレビだと聞くと大声で笑い、質問には答えずに
まず『日本には発言の自由がある。強制退去されることはない。本当にいい国だ』と中国のことをからかった。

すると、日本人記者も麻生氏に続いて大笑いした。中国をけなす麻生氏、それを笑う日本の記者。
これはいったいどういう状況だ。もう慣れたけど」とツイートした。(ry 

無慈悲すぎワロタwwww 

( ´∀`) それを笑う日本の記者。これはいったいどういう状況だ!

◆【世界を斬る】中国投資銀は「実体なき大宣伝」 英・独は「オバマ政権憎し」で同調 

2015.04.08 zakzak

 中国が提唱しているアジアインフラ投資銀行(AIIB)は実体が全く明らかでなく、「中国が得意とする空虚な大宣伝にすぎない」という見方がウォール街など世界の専門家の間で顕著だ。

 財政問題に詳しい経済専門家で、英国や米国に大きな影響力を持つ友人はこう言った。

 「英国とドイツは厳密にいえば、まだどのようなかたちで中国のアジアインフラ投資銀行に資本を投資するか、具体的に決めていないはず。はっきりしているのは、英国とドイツの政府当局者は、これまでの経緯からオバマ大統領を憎んでいるため、オバマ氏に反対することなら何でもやりかねないということだ」

 オバマ大統領と英国の関係は「チャーチル胸像事件」以来、最悪になっている。オバマ氏が英国から贈られた第2次大戦の英雄チャーチル首相の胸像を「アフリカを植民地にした張本人」と非難して、ホワイトハウスの倉庫に放り込んだ“事件”で両国の関係はいまだに修復されていない。

 ドイツとの関係も良くない。独のメルケル首相の携帯電話をスパイ機関NSA(米国家安全保障局)が盗聴したことが暴露され、オバマ氏もメルケル首相の通信の内容を聞いていたとされることが取り沙汰されて以来、ドイツと米国の関係は最悪のものになっている。

 そもそも、中国のアジアインフラ投資銀行は、実質的な内容がほとんど明らかでない。中国では不動産バブルが破裂寸前であるだけでなく、中国が必死になって推し進めてきた人民元の国際化もできていない。私が取材した限りでは、中国のアジアインフラ投資銀行を真剣に考えている専門家はほとんどいない。

 ウォール街の専門家やワシントンの金融財政当局者が特に心配しているのは、人民元の国際的立場だ。昨年8月、中国はG20で人民元を国際基軸通貨にするとし、アジアやアフリカの国々に圧力をかける一方、70万にのぼる中国系企業を動員して人民元による国際収支決算を推し進めるよう努力してきた。

 だが、結果は散々たるもので、現在も人民元を国際的な決算通貨の準備資金として保持している国は極めて少ない。米財務省によると、3月末現在、その総額はわずか2500億元(4・5兆円)で、世界各国が備蓄しているドル56兆ドル(6720兆円)、日本円15兆円、ユーロ29兆ユーロ(3770兆円)と比べると、微々たるものだ。

 こうした悲惨な状況で、中国が作ろうとしているアジアインフラ投資銀行は、以前にも私が指摘した「空母を中心とする中国大海軍」と同じ宣伝に過ぎず、実体をまったくともなっていない。

 中国はヨーロッパや東南アジア、アフリカから各国が雪崩をうって参入したとしている。だが、実態は「中国の空虚な宣伝に過ぎない」と警戒の目で見直す必要がある。

 ■日高義樹(ひだか・よしき) 1935年、名古屋市生まれ。東京大学英文科卒。59年NHKに入局し、ワシントン支局長、理事待遇アメリカ総局長を歴任。退職後、ハーバード大学客員教授・同大諮問委員を経て、現在はハドソン研究所首席研究員、全米商工会議所会長顧問。

http://www.zakzak.co.jp/society/domestic/news/20150408/dms1504081550007-n1.htm

◆「影の銀行」規模はGDPの40% 金融リスク懸念=中国社科院

大紀元日本 2013年10月11日

中国社会科学院(略称:社科院)は8日、中国金融システムの一大問題としている「影の銀行」に関する調査報告書で、2012年末に、その規模は国内総生産(GDP)の40%を占めていると発表した。一方、米格付け大手はその規模はもっと大きいと警告した。

 中国の影の銀行は主に、信託会社(ノンバンク)、ファンド、貸金業者、質屋などが該当する。

 中国の投資家は高利回りの資産運用商品を好むため、近年、信託会社の「信託商品」や「理財商品」が人気を集めている。その結果、影の銀行が急速に拡大しており、集めた資金の運用先は、主に地方当局の不動産やインフラ投資である。それにより、地方当局の負債が拡大する一方で、債務リスクが高まっている。

 また、金利の規制を受けない影の銀行では、信用リスクの大きい企業でも高金利なら資金の調達が可能。そのため、通常の銀行融資を受けられない企業は、影の銀行から融資を受けるケースが多い。特に不動産会社などにとっては、影の銀行の融資はその生命線とも言える。

 金融当局による監視の目が行き届いていない上、デフォルト(債務不履行)になった場合、利害関係者の誰が損失を負担するのかは曖昧で、専門家らはそのことを問題視している。 ウォール・ストリート・ジャーナルの中国語サイトは専門家の意見として、「影の銀行は、経営不振に陥った企業の延命及び不動産バブルを維持しており、中国の持続的な経済発展に大きく貢献してきた。その規模の拡大を放置すれば、金融不安を招きかねない」と評した。

 社科院の8日の報告書は、2012年末までに、影の銀行の規模は20.5億元(約328億円)、国民総生産の40%を占めているとしている。

 国際研究機関の統計に比べて、社科院の調査結果はまだ楽観的である。

 米格付け大手のムーディーズ・インベスターズによると、影の銀行の規模は2012年末には4兆7000億ドルに膨らみ、中国の国内総生産(GDP)の55%に達した。

 大手格付会社フィッチ・レーティングスの今年の発表によれば、影の銀行の融資をも含めて、中国の融資規模はGDPの198%に相当する。

 ウォール・ストリート・ジャーナルの中国語サイトは「中国政府も影の銀行の規模を把握できておらず、その拡大を抑制できない」と問題の重大さを示唆した。

 今年6月、中国の各銀行で深刻な資金不足(銭荒)が生じた際に、中国人民銀行(中央銀行)は暴走する融資を抑制するため、公開市場操作を通して流動性の調整を全くしなかった。専門家は「中央銀行が行動を起こさないのは、中央政府からの警告だ」とみている。

 社科院の同報告書は、影の銀行が招くリスクは銀行融資を監督・管理する政策を失効させ、システム全体にリスクが生じる、と分析した。

(翻訳編集・叶子)

http://www.epochtimes.jp/jp/2013/10/html/d99178.html

◆ゴーストタウン、閉鎖された工場…無駄な投資は過去5年で800兆円―中国

2014年12月1日 レコードチャイナ

2014年11月28日、フィナンシャル・タイムズ中国語版は記事「報告書:過去5年で中国は6兆8000億ドルの投資をムダに」を掲載した。 

中国国家発展改革委員会の徐策(シュー・ツァー)氏と中国国家発展改革委員会マクロ経済研究院の王元(ワン・ユエン)氏の共同研究の結果、09年から13年の5年間で中国の“無駄な投資”が6兆8000億ドル(約807兆円)に達することが明らかとなった。総投資額の半分近い金額だ。 

膨大な投資をエンジンとして高成長を続けてきた中国だが、その副作用として閉鎖された製鉄所、使われない高速道路、住民のいない街区などが各地に生み出されている。(翻訳・編集/KT)

http://www.recordchina.co.jp/a98257.html

◆今年は中国人18人が死亡

2014年09月23日 フィリピン ニュース

21日、フィリピンの関係メディア数社は中国外交部の関係責任者の話として、「今年初めから今まで中国人18人がフィリピンで拉致・謀殺などで死亡し、これまでの平均値を遥かに上回った。中国政府はこれに強い不満を抱いている」と伝えた。

フィリピンの総合メディア会社、GMAネットワークが20日に伝えたところによれば、中国外交部のある関係責任者が成都市で「今年初めから今まで少なくとも4人の中国人がフィリピンで事故で死亡した。

また14人が拉致と謀殺事件で死亡した。フィリピン政府は『フィリピンは安全な国だ』と言いふらしたが、我々はフィリピンの安全性を全然感じ取れない」と語り、「過去数年間、毎年6-7人の中国人が死亡したが、今年初めから今までもう18人の中国人が死亡した。

また、報告によると、フィリピンの反中集団は在マニラの中国大使館を襲撃する企みがある。だから、中国人の安全を確保するのを義務付けなければならない」と付け加えた。

新華通信より

http://philippine.sblo.jp/article/103855322.html

なぜ殺されるほど憎まれているのか、自分たちの行動の反省も理由も思いつかないと言うことは、此の現象はまだまだ続く。

フィリピンの国は確かに支那よりずっと貧しいだろう。しかし、民族としての誇りは支那人の何倍も持っている。

アジアインフラ投資銀行(AIIB)に参加するアジアの諸国も、加盟を申請したからと言って根底に持つ支那への憎しみや不信感が消えたわけではない。支那共産党がどのような「利」による企みで設立したかもしっかり感じ取っているし、経済と国の利益を優先して参加を決めたのだろう。アジア諸国は殆どがインフラ投資を受ける側の立場である。

現在の支那に日米抜きで他国へ投資する程の余力があるとは到底思えない。


支那金融界の実体

2015-04-05 08:30:36 | 資料

中国の中央銀行とは

中国の中央銀行HSBCとよく各ブログでも論じられ、当ブログも引用元からそのまま中国の中央銀行HSBCと記事にしたことがある。時系列的に追っていきたい。

 小平時も政府の中央銀行は存在したが、実態はHSBCが中国の中央銀行の役割を担っていた。その水面下では虚々実々の動きがあったようである。

 1949年:中華人民共和国設立後の計画経済下では「中華人民銀行」が中国唯一の銀行として中央銀行と市中銀行双方の機能を持っていた。

 改革解放路線以降で、小平が、華僑・客家を中国に呼んで中国に産業を起こしてくれ、と資金の流入を依頼した。

 拡大する市場経済に相応しい金融システムに転換するために、以下の「中国の銀行組織について」にあるように銀行は専門特化し、市場に上場されていった。

しかし、現在の中国人民銀行からはHSBCの影響は見られず、共産党政府の支配下にある単なる一部局に位置する。札の印刷から発行、各銀行への元の投入も、すべて共産党政府の指示で行っている。

★中国の銀行組織について

中国人民銀行は中国の中央銀行だが、先進諸国のような独立性はなく、中央政府の一部局として扱われている。中央銀行はたんなる執行機関であり、金融政策はすべて中国政府が決定している。

 1980年代の銀行改革で、中国人民銀行から中央銀行以外の業務を分離し、中国銀行(外貨取引業務)、中国建設銀行(建設関連融資)、中国農業銀行(農業関連融資)、中国工商銀行(商業銀行業務)が生まれた。

さらに、1995年に政策金融業務を行なう中国発展銀行、農業発展銀行、中国輸出入銀行を設立し、四行の専門銀行を商業銀行として改組した。これが「四大国有商業銀行」で、中国の全金融取引の6割を占めるなど、きわめて大きな影響力を持っている。

 地域ごとの株式制銀行も1980年代から認可されるようになった。現在は11行の株式制商業銀行があるが、株式制とはいえ、ほとんどが地方政府や国有企業の所有である。

 国有商銀や株式制商業銀行以外では、都市レベルで業務を行なう城市銀行、日本の信用金庫や信用組合にあたる都市信用合作社、農協系金融機関にあたる農村信用合作社などがある。

 外資系金融機関の参入規制は依然として厳しく、HSBC(香港上海銀行)やシティバンクなどのグローバル金融機関も、上海などのの主要都市でほそぼそとリテール業務を行なっているのみだ。

●国家体制の中の銀行の位置を下図で確認しよう。

 日本銀行が政府から独立した認可法人であるのとは体制的に異なり中国共産党の下に位置する。

又、国有商業銀行他は、国務院直属事業単位:「中国銀行業監督管理委員会」の監督・管理の下にある。

 上場する時の戦略的投資家の出資は、一定の条件を満たす金融機関に対して外資1社当り20%、外資合計で25%を上限に認可されるもので2003年12月の正式解禁後、国有銀行、株式制商業銀行、都市商業銀行への投資の動きが広がった。尚、この比率は、海外から都度重なる要求にもかかわらず、緩和されていない。2008年以降は地場銀行への投資はあったが新規の進出は無いようだ。以下の表を参照

 最新図解 中国情報地図 監修:孔 健氏から拝借

●銀行組織について
最新図解 中国情報地図 監修:孔 健氏から引用。
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 中国の銀行組織は、中国の通貨である人民元を発行し、金融業界に対するマクロ政策調整と監督をする「中国人民銀行」(中央銀行)を頂点に、農業金融を主要業務とする「中国農業銀行」、外国為替業務を主体とする「中国銀行」、建設事業の中長期融資を主な業務とする「中国建設銀行」、中国最大の商業銀行で大多数の国有企業のメインバンクの役割を果たす「中国商工銀行」、それに「中国交通銀行」を加えた5大国有商業銀行が、中国銀行業務の中核をつとめる。又、「中信実業銀行」を筆頭とする民間銀行もあり、国外投資家の株式取得に関しては、民間の一般商業銀行と都市商業銀行が受け入れる仕組みになっている。
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引用終わり

★英米金融資本家、華僑、客家、中国政府の動き

 アヘン貿易からアヘン戦争を通じて清朝は英国をはじめ多くの国に割譲して滅んだ。その時代はアヘン王:サッスーン財閥がのし上がって行き、その財閥はロスチャイルド家と婚姻関係となり、英ユダヤ財閥:ジャーディン・マセソン商会他と設立した香港上海銀行(HSCB)を通じて中国を支配して行く。

アヘンとサッスーン財閥と英金融資本:HSBCはどんな関係(=構造)なのか?

 HSCBの創始者はユダヤの商人デビット・サッスーンである。厳密な意味では異なるが、その源をたどればこの男に行き着くからである。サッスーン財閥は18世紀に中東のメソポタミアに台頭したユダヤの富豪一族であった。デビット・サッスーンは1832年にインドのボンベイに移住した。サッスーンはボンベイで中国にアヘンを輸出する仕事に従事する。1840年7月、アヘン戦争が勃発し、1842年、清朝は海賊帝国イギリスに敗北し、香港をイギリスの植民地とする敗戦条約に著名する。と同時に、上海などのいくつかの港を開いた。イギリス領事間を置くことにも同意させられた。こうしてサッスーン一族はインドから香港、上海へと本格的に進出した。

 1864年、デビット・サッスーンがこの世を去り、その息子のアーサー・サッスーンがリーダーとなって「香港上海銀行(HSBC)」が設立された。サッスーン家はこの銀行の最大株主となり、東洋貿易を支配していった。この銀行が実質的な中央銀行となり、紙幣【香港ドル】も発行した。中国の公債発行を引き受けたのである。やがてロスチャイルド家とサッスーン家は複雑な婚姻を通じて血族となっていく。

アヘン王サッスーンの暗躍と上海に築かれたユダヤ人社会の実態
http://inri.client.jp/hexagon/floorA6F_he/a6fhe100.html

 共産中国が中国本土を支配したが、香港では李嘉誠と包玉剛の香港財閥がHSCBと深く結びついていた。李嘉誠の財閥は「長江実業」を創立し海運業に進出した。包玉剛は「恒生銀行」を中心に金融財閥を拡大していった。香港が中国に返還された現在でも、李と包の2大財閥はいずれも、HSBCの最高幹部である。(中略)

 東インド会社のもう一つの後継者に貿易商社ジャーディン・マセソンがある。この商社はロスチャイルド、ベアリング、ギネスの各財閥とともにジャーディン・グループを形成する。この一族は(ケスウィック一族)は南アフリカでデビアスとアングロ・アメリカンの鉱山経営にも参加している。HSBCの大株主として登場する。ケスウィック財閥は香港株式市場を操作している。香港株式市場の操作後に世界株式市場が大きな影響を受けるのである。
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引用終わり

共産中国とHSBCの関係、人民元と香港ドルとの関係

引用開始
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 香港ドルの発行銀行はHSBCと【1994年設立の】中国銀行、そしてスタンダード・チャータード銀行(SCB)である。SCBは1969年、イギリスの海外銀行であるスタンダード・バンク・おぶ・インディア・オーストラリアと、チャータード・バンク・オブ・インディア・オーストラリア・アンド・チャイナとの合併により設立された。スタンダード銀行は、(中略) 南アフリカの金とダイヤモンドを取り扱う銀行であった。

チャータード銀行は、植民地インドの支配のための銀行である。 1862年以降、香港での紙幣発行銀行となる。HSBCとともに世界中の主要都市に支店網を広げてきた。
 1969年の合併により世界的な規模の銀行となった。

 香港とは何かを考えるとき、共産中国の一部と考えては真相が何とも見えてこない。大東亜戦争が終った後、蒋介石の国民政府と中国共産党が内戦になった。1949年の中国共産党政権誕生の後、イギリス政府はこの国をすぐに承認する。翌年の1950年に、朝鮮戦争が始まると、アメリカ軍の情報を共産党に流し続けたのである。それだけではない、HSBCもSCBも人民元を香港ドルに替えてやり、共産中国は闇ルートで香港ドルを国際通貨のドルに替えて、そのマネーで武器や食糧を、香港ルートでアメリカから購入していたのである。

引用終わり

 更に香港ドルと人民元の関係を通じて共産中国がどんな国かを見て行く。

引用開始
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 香港ドルの発行銀行はHSBC、SCB、そして中国銀行である。この3行が香港の中央銀行にあたる香港金融管理局(HKMA)を実施的に支配している。HSBCとSCBが政策協議を行い、香港ドルを印刷しているということである。

 もう少し簡単に表現するならば、HSBCとSCBというロンドンに本拠地を置く世界銀行グループの2行は、国家という立場に立って香港ドルを印刷し、自由に米ドルを得ているということになる。

中華人民共和国への香港返還後、 ロンドンにHSBCホールディングスを設立し、登記上の本拠地をロンドンに移動し、イギリス法人となってゆく。しかし、ロスチャイルドと金融エリート集団はHSBCの実質的本拠地を香港に置き、SCBとともに中国銀行(香港)をつくり、香港金融管理局(HKMA)を創設し、これを中国に認めさせた。

 香港ドルと人民元は表裏一体である。香港ドルを通じて人民元が国際決済システムを持つようになった。香港ドルは米ドルにほぼ固定レートで置き換えられる。共産中国は人民元を香港ドルに交換できる。これは何を意味するのか。人民元は米ドルに交換できるということである。HSBCは2012年までに人民元の国際通貨化を完成させると発表している。

 香港ドルを発行し、支配し、コントロールしているのはHSBCである。中国政府は外貨が不足すると、人民元を発行して香港ドルに替え、その香港ドルを売って米ドルを獲得して経済を拡大してきた。外国企業は人民元を獲得して中国本土で事業を拡大する。それらの仲介をHSBCが一手に引き受けてきたのである。中国が今日のような経済大国になったのは、HSBCとこの巨大銀行を操るロスチャイルドと金融エリート集団の行動ゆえである。
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引用終わり 

このHSBCを通じ共産党中央銀行は国際通貨米ドルを得ている。これは実質的に支那の中央銀行「中華人民銀行」がHSBCと今も言われる要因だろう。

●まとめ 
 鬼塚氏は、ロスチャイルド系財閥と華僑の出資でHSBCを巨大化し、そのネットワークと香港ドルと人民元の表裏一体の関係を使ってロスチャイルドと金融エリート集団が中国を握るように記載している。 しかし、現状は前述したように、改革開放路線の成果で外貨を拡大し、(共産党1党独裁制が故に可能な、国家紙幣発行等を通じて?)その資金を国家の拡大に繋げている。中国は「自力で動いている」ように見える。

 一方、HSBCの香港派が次々失脚し、対中戦略を見直す話も出ている。中国と英金融資本家とのマッチレースで、その利益を巡って牽制しあっていると見た方がよさそうである。

http://www.kanekashi.com/blog/2010/12/1466.html

 人民元Renminbiは中国人民銀行が発行する通貨で、略号はRMBあるいはCNY(Chinese Yuen)。元(ユエン/クァイ)、角(ジャオ/マオ)、分(フェン)があり、1元=10角=100分。

 中国政府は、人民元を貿易などの経常取引(実需取引)と、為替投機や株式投資などの資本取引に分けて管理している。

 経常取引に関しては、96年のIMF8条国加盟をもって自由化が完了したとされている。現在では、中国への輸出で受け取った人民元を外貨に交換することも、中国国内企業が輸出代金を外貨で受け取ることもできる。ただし、外貨集中制によって、中国国内企業が受け取った外貨は、原則外国為替取扱指定銀行に売り渡すことが義務づけられている。

 貿易など実需の伴わない資本取引は規制が多く、人民元と外貨の交換は外貨管理局(中国人民銀行の外局)の許可が必要とされ、外国人投資家による人民元建ての株式投資も原則として認められていない。

 ただし、外貨から人民元への規制は比較的緩く、海外から送金した多額の外貨を不動産投資などの目的で人民元に交換することはほぼ制限なく認められている。それに対して、いったん両替した人民元を、実需取引以外の名目で再度外貨に交換することは原則としてできない。

 これは、国内投資を奨励すると同時に、国内資産の海外流出を強く警戒しているためである。為替取引を実需のみに制限していることで、外国為替市場での人民元の取引高はきわめて少なく、それによって政府による為替相場のコントロールが可能になっているのである。

◆中国の金消費、生産世界一の謎

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成26年(2014)9月25日(木曜日)
     通巻第4347号   
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中国の金消費と生産世界一は本当?
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 さきごろ中国が世界一の金(ゴールド)消費国であるばかりか、金の生産でも世界一というニュースがあった。
 筆者はすぐさま二つのことを連想した。
 まず第二次大戦直後、国共内戦に敗れた蒋介石は故宮博物院の宝物を台湾へ運んだが、ある日、金塊を載せた船が沈没したと発表した。金の世界市場は揺れ、価格が暴騰した。先に先物を手当てしていた蒋介石系財閥は濡れ手に粟の大儲けをした。
 つまり偽情報による金市場操作だった可能性が強い(伴野朗『蒋介石の黄金』)。
 
もう一つ。時代は五世紀ほど遡及して関ヶ原の合戦から十数年、大阪冬の陣のとき豊臣家の再興を念じた浪人およそ十二万人が大阪城に集まった。なかには真田幸村、後藤又兵衛など有名な武将も加わっていたが、大半は武士の禄をなくした食いっぱぐれ、金目当ての有象無象で豊臣恩顧の大名からの参加はなかった。
 豊臣側は城の中庭に組頭を集め、目の前で蓄積してきた小判を改鋳し、朱金に小分けし前払金として支給し士気を大いに高めた(中村彰彦『真田三代風雲録』)
 
この対照的な逸話を紹介した理由はすでにお察しだろう。
 中国の国家統計局のデータが杜撰であり、政治的作為の下の数字であることは世界にあまねく知られる。李克強首相自らが「あれは信用できない」と米国大使に吐露したように現在のGDP統計は「作文」に過ぎず、或る米国人経済学者は「百兆円の水増し」があると指摘した。中国人のエコノミストでも「GDP成長率は精々4%程度だろう」と言う。

 不動産価格は五年以上前から下落しており、不良債権を隠蔽するために銀行が裏で株価操作、理財商品とシャドーバンキングにいそしみ、中央政府は景気刺激策を乱発しつつ通貨供給を増やし続けて、バブル崩壊を延命させてきたに過ぎない。

 同様な情報操作が金(ゴールド)市場でも行われているようである。

 第一に金備蓄は国有企業「中国黄金集団」が全体の二割を占めるという異常事態があり、その発表数字に対して国際機関の検証がない。日本の金備蓄は世界八位前後で(740トン)、しかもその全量は米国フォートノックスの地下金庫に眠る。この措置にも信頼が置けないとドイツは米国に預託していた金を本国へ引き上げた。

 第二に金消費世界一の実態だが、金塊は三分の一前後しかなく、多くが宝飾品、アクセサリーとして民間に小口で分散備蓄され、しかも金の純度はフォーナイン(99・99%)ではない。国際基準を満たしていない金製品が多いと言われる。中国軍の誇るミサイル数とて半分が囮と言われるように、金塊もクローム塊の金メッキではないのかという疑惑がつきまとう。

 第三に金は利息を産まず、経済生産には流用できない「退蔵品」である。つまり戦争などの危機に遭遇したときの通貨であり、日本のような平和のぬるま湯につかりきった国民からは発想もできないリスク管理商品となる。
 このような考え方の違いがあり、冒頭のニュースの日本人の受け止め方と世界のそれとは対極的な差違が生じるのである。

http://melma.com/backnumber_45206_6098182/

ロシアから最先端のスホイを何十機買う、潜水艦や戦艦を何隻買うとか、時々発表されるが、殆ど嘘の場合が多い。人民解放軍や国民に向けて鼓舞する目的だろうが、そもそもプーチンは習近平を信用していない。
韓国が米軍の戦闘機をブラックボックスまで開けてコピーするのと同様、支那もロシアのコピーばかり行ってきた。
しかも領土に幾度も進入するに至り、西側に対するカードにしか利用していない。

◆中国の中央銀行HSBCの正体

書籍紹介:ジェフリー・ジョーンズ「イギリス多国籍銀行史」日本経済評論社

 全体で650ページ余りの本書は、英国金融史の書物としては短い部類になる。英国金融史をわずか700ページ未満で概説すると、どうしても説明に不足を生じる。例えば、中国で麻薬売買に従事したHSBC=香港上海銀行の母体の1つになった南部アフリカのスタンダード銀行が、南部アフリカで営業していた事は本書で語られるが、それが黒人を奴隷として酷使し、死に追い込みながらの金塊・ダイヤモンド採掘事業であった残虐な歴史については本書では語られない。

 もちろんHSBCが現在の中国の中央銀行であり、その専門分野が麻薬売買であった事実も語られない。それはページ数の問題と言うよりは、著者がハーバード・ビジネススクールの教授であるという「政治性」から来ているのかも知れない。

 本書には、米国中央銀行の株式が、その創立当初、英国銀行によって70%所有されていた事実が語られている。つまり米国金融界は英国の「出島」であった。英国金融史をたどる事は、つまり米国の金融業界の源流を探り、現代世界の金融の履歴書を探る事になる。

 1830年を前後して米国・欧州で次々に銀行が設立され、その大部分は倒産、合併等によって現在は姿を消しているが、本書で粗述されるこうした過去の銀行の全てが、実はアジア・アフリカ・ラテンアメリカ諸国で住民を奴隷として酷使する大規模農園経営、あるいは鉱山経営を行っていた事実が本書では語られる。銀行の名前を考案する事がメンドウであったのか、奴隷農園で生産する農産物の名前をそのまま銀行名とした「ココア銀行」「乾しブドウ銀行」等という銀行まである。まるで現在の日本の「トマト銀行」のようにふざけた名前であるが、「奴隷にココアを生産させて、儲けを分配しますから預金してください」といった意味なのであろう。

こうして見ていると、奴隷を売買する、人身売買による農園・鉱山経営は、悪質な銀行による「悪行」ではなく、「全ての銀行が行って来た、ごく普通の営業方法であった」事が分かる。

 1890年代、東南アジアでゴム等の奴隷農園を経営していた英国チャータード銀行は、中国の銀をマレーシア=マレー半島の港湾から輸出するが、この銀は中国に麻薬を持ち込み売却した利益であった。英国王室の命令で経営されていたこのチャータード銀行は、やがて南アの黒人奴隷・銀行スタンダード銀行と合併し、スタンダード・チャータード銀行となる。そしてHSBS=中国の中央銀行の母体銀行の1つとなる。こうして金・銀・ダイヤモンド・麻薬が、同一銀行によって世界規模で支配されるシステムが成立する。スタンダード・チャータード銀行とは、「英国王室によって世界全体が支配され乗っ取られる銀行」という恐ろしい意味でもある。

 奴隷を酷使し、金塊・ダイヤモンドを採掘し、麻薬売買を専門としてきた、現在の中国の中央銀行の「正体」、中国金融の「正体」を、十分察知しておかなくてはならない。

 アヘン戦争で主役を演じたこのHSBCは歴史に記録され悪名高いが、同じ1890年代、ベルギーの最大手銀行ソシエテ・ジェネラル・ド・ベルジックが中国に進出し、同様の麻薬事業に従事していた事は余り知られていない。フランス=ベルギーのロスチャイルド一族である。この流れが、2008年現在、中国共産党と一体化したジェイ・ロックフェラー=ロスチャイルドへとつながり、現在の中国での原発・核兵器開発へと継承されて行く。米国大統領候補バラク・オバマの資金源である。

 世界各地を奴隷化し支配する事業に、こうした英仏に加えて、遅れて参加した英国領カナダが果たした凶暴な役割は注目されて良い。代表的なのがカナダの事業家ウィリアム・マクスウェル・エイトキン(初代ビーバー・ブルック卿)である。1911年、エイトキンはカナダのノバ・スコシア銀行を買収し、中南米での「奴隷・バナナ農園経営」に乗り出す。ユナイテッド・フルーツ(チキータ・バナナ)社であり、今日のCIAの源流となった企業である。

 日本との関わりでは、現在、原油生産とサウジアラビアの周辺に位置するアラビア湾岸諸国として、またサッカーでも有名なバーレーンは、1920年代までは英国のイースタン銀行の支配下にあり、真珠の生産・輸出を最大の産業としていた。しかし、日本が真珠の養殖に成功し安価な真珠を世界中に輸出したために、バーレーン経済は苦境に陥る。バーレーンの天然真珠はインドに運ばれインドで加工され、その売却利益でインド製品が購入され、バーレーンの食料・生活物資として流通・販売されていた。そのためバーレーンの苦境は、そのままインドで商業を営んでいたイラン・イラク地方からのアラブ商人をも苦境に陥れた。この苦境から脱出するために、既に産油国であったイラン・イラク地方の商人達は、インド資本と欧米資本の力を借りながらバーレーンで原油を採掘し、真珠に代わる原油産業を興すことになる。

 このイラン・イラク・インド・バーレーン、そしてサウジアラビアという商業ルートは現在も生きており、今後、核武装したイラン、インドの核兵器が中東諸国に拡散し、中東諸国とイスラエルの間での核戦争を準備するルートとなる。このルートが核戦争による人類絶滅に行き着く第三次世界大戦の導火線になる。

 また現在、ロスチャイルドの世界第2位の鉱山会社リオ・チント社との合併を進めつつある、オーストラリア籍の世界最大の鉱山会社BHPビリトン社が、1938年前後、インスタントコーヒーのネスレ社、マーガリンの「ラーマ」等を製造する油脂会社ユニリーヴァと共に、オーストラリアの産業界の「父」であるオーストレイシア銀行の傘下にある工業・貿易商社として出発していた事実も、本書で語られている。ネスレ、ユニリーヴァは共にロスチャイルド企業であり、昨今のリオ・チントとの合併話もロスチャイルド傘下企業同士の「再編成」に過ぎない経緯が見えてくる。この企業が、今後、日本が輸入する鉄鉱石の60%を独占支配する事になる。

 こうした金融界の履歴書を見ていると、そこから今後の世界の動きが透けて見えてくる。
(オルタナティブ通信)2008年04月19日

◆想像以上に減速している中国経済
2015年の展望

2015年02月03日(Tue)  石 平 Wedge_Infinity

 始まったばかりの2015年、中国経済は一体どうなるのか。それを占うためにはまず、昨年の中国経済の実績を見てみる必要があろう。1月20日に中国政府が発表した、7.4%という2014年の経済成長率は、今後の中国経済の暗い見通しを暗示するような深刻な数字であった。

 「成長率7.4%」といえば、先進国の中では高い数字であるが、中国ではむしろ大きく下がったと言える。政府発表の中国経済の成長率が7.5%を切ったのは実は1990年以来24年ぶりのことである。しかも、成長率がピークに達した2007年の14.2%と比べれば、7.4%はその半分程度。つまり2008年からの7年間、中国の成長率は半分ほどに下落しているわけで、その数字が尋常ではないことがよく分かる。

経済成長率に比例しない? 電力消費量、鉄道貨物輸送量

 さらに言えば、政府の発表した7.4%という2014年の成長率が果たして本当かどうかがまず疑問である。

 一国の実体経済が伸びているかどうかを見る場合、より確実な指標の一つは、生産活動を支える電力消費量が伸びているかどうかである。この物差しで見れば、中国経済の減速は政府発表以上に深刻であることが分かる。

 たとえば2013年、中国政府公表の成長率は7.7%であったが、それに対して、関係部門が発表した13年の全国の電力消費量の伸び率は同じ7%台の7.5%であった。しかし2014年、中国全国の電力消費量の伸び率は13年の半分程度の3.8%に落ちていることが判明している。だとすれば、14年の経済成長率が依然として7%台とは疑問を抱かざるを得ない。

 2014年の中国経済の減速が政府発表以上に深刻であることを示すもう一つの数字がある。中国交通運輸省の発表によると、2014年1月から11月までの中国国内の鉄道貨物運送量は前年同期と比べると3.2%も減っていることが分かった。生産材や原材料の多くを鉄道による輸送に頼っている鉄道大国の中国で、鉄道の貨物運送量が前年比で3.2%減ということは、中国全体の経済活動がかなり冷え込んでいることを物語っている。

 簡単に言えば、鉄道貨物運送量がマイナス成長に転じている2014年、経済全体の成長率が依然として7%台を維持しているとはとても思えない。政府が発表した去年の7.4%の成長率はかなりの水増し部分があることは明らかである。

 要するに、2014年の中国経済はほんの少ししか成長していないか、あるいはまったく成長していないかのどちらかであろう。それこそが、今の中国経済の厳しい現状である。

中国経済の行方を大きく左右する不動産市場

 だとすれば、2015年の中国経済は一体どうなるのかは、火を見るよりも明らかであろう。今年の中国経済は昨年よりさらに落ちていくことはあっても、上がる要素はなさそうである。

 まずは中国経済の行方を大きく左右する不動産市場の動向から見てみよう。今年1月、中国指数研究院は昨年12月に全国百都市の不動産平均価格が前月よりまたもや下がったと発表した。しかもそれは、昨年5月から連続8カ月の下落となっていることから、私が以前から予測している不動産バブルの崩壊は確実に進んでいるように見える。

 実は昨年夏あたりから、中央政府と地方政府は「救市(不動産市場を救うこと)」と称して、久しぶりに利下げを断行したり不動産購買への規制をことごとく撤廃したりして必死に努力してみせたが、不動産市場の低迷と価格の下落を食い止めることはついに出来なかった。「政府はいつでも不動産価格をコントロールできるからバブルの崩壊はない」という中国式の神話は今や崩れつつある。

 問題は、今年どうなるかであるが、昨年末に発表された中国社会科学院の「住宅白書」は、2014年の住宅市場に関して「投資ブームの退潮、市場の萎縮、在庫の増加」などの問題点を指摘した上で、「2015年の住宅市場は全体的に衰退するだろう」との予測を行った。

 そして同じく昨年末の12月29日、中国国務院発展研究センターの李偉主任が人民日報に寄稿して、2015年の経済情勢について「長年蓄積してきた不動産バブルは需要の萎縮によって崩壊するかも知れない」と語った。国家直属のシンクタンクの責任者が「不動産バブル崩壊」の可能性を公然と認めたのは初めてのことだが、前述の社会科学院白書と照らし合わせてみると、どうやら中国経済をよく知る人たちの間では、不動産バブルはそろそろ崩壊してしまう、という共通した認識が既に定着しているようである。

 今のすう勢から見ると、本格的なバブル崩壊はまさにこの2015年に起きる可能性が大であるが、それが現実に起きてしまえば、中国経済全体は一体どうなるのだろうか。

 今まで、不動産業は中国経済の支柱産業と呼ばれてきた。たとえば2009年の1年間、土地の譲渡や住宅の販売などによって生み出された不動産関連の経済価値の総額は7.6兆元に上るという試算がある。それは、当年度の中国のGDPの33.5兆元の2割以上を占めている。09年からも不動産投資の伸び率はずっと経済全体の伸び率の倍以上を維持してきたから、GDPに占める不動産業の比重は今でもそう変わっていない。しかし今後、バブルの崩壊に伴って不動産業が「全体的に衰退」となれば、中国経済の受ける打撃は成長率の1、2%の低減という程度のものでないことは明々白々である。

内需拡大も絶望的

 不動産バブルが崩壊して「支柱産業」としての不動産業が衰退してしまうと、今まで不動産業の繁栄にぶら下がってきた鉄鋼やセメント・建材などの基幹産業がいっせいに沈没するのは避けられないであろう。不動産投資低減のマイナス効果は、今でも既に不況に陥っているこの一連の産業の低迷に拍車をかけることになるからだ。

 実際、中国国家統計局と中国物流購入連合会が2月1日に発表した今年1月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は、前月に比べて0.3ポイント低下して49.8となり、景気判断の節目となる50を2年4カ月ぶりに下回った。不動産バブルの崩壊が始まる中で、製造業全体の衰退はすでに鮮明な傾向となっているが、今後、バブル崩壊がより本格化していけば、中国経済の土台となる製造業の沈没は必至のすう勢となろう。

 製造業が沈没すれば、それに支えられている雇用は大幅に減り、よりいっそう失業の拡大が予想される。しかも製造業全体の業績不振の中で従業員の賃金水準がさらに下落することも考えられる。それがもたらす致命的なマイナス効果はすなわち、中国政府が経済成長率の失速に歯止めをかける役割を多いに期待している内需の拡大がますます不可能となることだ。失業が拡大して賃金水準が下がってしまうと、今後の国内消費は縮小することがあっても拡大することはまずない。

 しかも、不動産バブルの崩壊は別の側面においても中国の消費拡大に大きな打撃を与えることとなる。今後、不動産価格が大幅に落ちていく中で、不動産を主な財産として持っている富裕層や中産階級はその財産の多くを失うことが予想される。しかし財産が失われた後でも高いローンだけが残る。中国政府が内需拡大の主力として期待しているのはまさにそういう人々であるが、彼らがこのような苦境に立たされると、中国の内需拡大はますます絶望的なものとなろう。

とにかく、経済成長の失速がすでに鮮明となっている中国では、バブル崩壊が現実となってそれに伴う一連の悪影響が現れてくると、中国経済は実質上のマイナス成長に突入してもおかしくないような状況となってくるのである。

 さらにいえば、今やGDP規模の約4割に相当する融資規模に膨らんだシャドーバンキングが今後一体どうなるのかは、中国経済にとってのもう一つの時限爆弾である。昨年10月1日掲載の私のコラムで指摘しているように、中国のシャドーバンキングの中核的存在を成している「信託投資」は、実はその半分程度が不動産業への貸し出しとなっているから、今後、不動産バブルの崩壊が本格化して不動産業へ投じられた「信託投資」の多くが回収不可能となると、「信託投資」そのものはいずれか破綻してしまい、「信託投資」の破綻はすなわちシャドーバンキング全体の破綻に繋がりかねない。

 そして万が一、シャドーバンキングが破綻して全国的金融恐慌となると、中国経済はもはや成長するかどうかどころではない。

石 平(せき・へい)
中国問題・日中問題評論家

1962年、中国四川省生まれ。北京大学哲学部卒業。1988年に来日。神戸大学文化学研究科博士課程修了。2002年に『なぜ中国人は日本人を憎むのか』(PHP研究所)を著して以来、評論活動へ。近著に『私はなぜ「中国」を捨てたのか』(ワック)『日中をダメにした9人の政治家』(ベストセラーズ)などがある。

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/4687

◆李嘉誠が英国通信最大手を買収へ

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成27年(2015)2月2日(月曜日)
    通巻第4452号  
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 李嘉誠の「脱香入欧」(香港を捨てて欧州へ投資)が本格化
  今度は英国通信大手「02」社買収へ動く
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 香港最大財閥(世界富豪ランキングでも十四位)の李嘉誠は旗艦の長江実業と和記を統合し、本社をケイマンへ移籍することは既報の通りだが、とりわけ英国ロンドンへの投資が勢いを増し、中核の不動産開発ビジネスから、つぎは移動通信事業への本格進出を果たそうとしている。

 150億米ドル(邦貨換算1兆8000億円)を投下して、通信王手の「02」に買収をかけた。
 「02」社は英国最大の通信網を誇り、2006年にスペイン企業が買収した。その後、現金フローが悪く、有利子負債がかさんで経営状態が思わしくなくなり、身売り話が持ち上がっていた。現在ロンドンの当該管轄機構(日本で言う公正取引委員会)が審査を開始し、この買収が適当かどうかの判断を下す。

 李嘉誠グループはすでに英国で「英国電力網洛」(英国で30%の電力供給)、「THREE電信」(顧客800万台)、「ノースアンブライン」(下水処理企業)などを買収しており、今回の「02」は移動通信企業として2400万台を抱える大手だ。

 このように李嘉誠は、江沢民と親しかった政治的条件を利用して香港ばかりか、中国大陸で幅広くビジネスを展開してきたが、新しい梁震英・香港行政長官と折り合いが悪く、同時に江沢民の影響力低下にともなって大陸でのビジネスに見切りをつけた。

大陸内に保有してきた物件をほぼ売りはらい、もてあますキャッシュをカナダと英国の企業買収ならびにロンドンでの不動産開発プロジェクトに投資してきた。

http://melma.com/backnumber_45206_6159573/

◆中国も銀行倒産に備え始めた

「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 
平成27年(2015)4月3日(金曜日)
    通巻第4504号 
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 中国、銀行預金の保険制度を五月から導入
  個人、法人の預金を1000万円まで保証する新制度だが
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 石炭企業の高利回り債権が出回り、案の定、その会社はデフォルト寸前に陥った。突如、「大資本家」が登場して、巨額を注入し、当該企業は倒産を免れたことがあった。
 何のことはない。
これは国有企業で共産党幹部が経営にかかわっており、メンツにかけても倒産させては困ることになるため、モラルハザード(おそらく国有銀行が救済した)となった。

 モラルハザードがある限り、国有企業は倒産することはないと言われたが、すでに中国では多くの国有企業は経営危機に陥っている。

 「銀行は潰れない」というのも神話である。
 世界的常識からいえば、銀行も民間企業である以上、倒産することはある。欧米の銀行、証券、どれほど倒産してきたこととか。日本でも多くの銀行がバブル崩壊後、倒産し再編され、エリート行員の多くが失業した。

 ところが中国では銀行も国有企業なのである。この厄介な社会主義的陥穽が、今後の中国経済が失速し始めるとき、どうなるか?

 中国の預金保証制度は、過去二十一年間も議論されてきたが、結論が出なかった。ようやく2015年3月31日に「預金保険制度」を発足させることが決まった。
五月から導入され、これにより個人、法人の銀行預金は上限1000万円までが保証される(人民元で50万元)。

裏を返していえば、中国も「銀行の倒産に備えよ」というシグナルを送っているのである。
すでに周知のように、中国の外貨準備は空っぽ、かろうじて保有する米国債権は、ドルと人民元交換の担保であり、引き上げるわけにはいかない。だから中国はいま猛烈に外国の金融機関から外貨建てでカネを借り入れている。

虎の子の米ドルが、高級幹部や国有企業の経営者等によって海外へあらかたが持ち出されたため、台所は火の車なのである。

▼人民元はいずれ紙くずとなるだろう

対外プロジェクトにも支払い遅延が生じはじめた。
バハマ諸島のリゾート群建設、コロンボ沖のマリーンアイランド建設も中断、そしてギリシアのピレネー港の買収が白紙となった。いずれ、ニカラグア運河も途中で資金が途絶える可能性が高い。

もうひとつ言えば、ビットコインの80%は中国人、庶民は金買いに走り、人民元を手元に置かないように心がけている。そして中産階級以上のひとたちは「人民元が高くて、しかも使える裡に」を合い言葉に海外へ押し出し、日本で耐久消費財などを買いまくる。

日本でマンション、リゾートホテルなどもまとめ買いするインセンティブは、人民元が紙くず化する懼れ、そのことを中国人は本能的に知っているのだ。

つまり換物投機である。嘗てソ連崩壊のときルーブルが紙くずとなってマルボロが通貨となったように。近年中に人民元は大暴落を演じることになるだろう。したがってAIIBなどはバブルの仇花と化すのではないのか。

http://melma.com/backnumber_45206_6188339/